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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2009年4月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●ゴミ袋でどこでもシャンプー!、他●

提案者:和田英人 イラスト:はんだみちこ

和田英人(わだひでと)さん

自立生活センター青森代表。進行性筋萎縮症。養護学校高等部卒。1993年に施設を退所し、今はアパートで自立した地域生活をしています。障害があっても健常者と変わらない人生を目指してアクティブに暮らしています。


ゴミ袋でどこでもシャンプー!

皆さんは、旅先で介助者がいても部屋の浴室が使えず入浴できなかったことがありませんか? そんな時、シャンプーだけでもと思ったことがあるのでは? そこで自分は、旅行の時、必ずゴミ袋と洗濯バサミを持っていきます。これさえあればトイレの手洗いでもお湯が出ればどこでもシャンプーが可能です。袋の底に頭が通る切り口を入れて、すっぽり肩までかぶり、その上にバスタイルを巻き洗濯バサミでしっかり固定! もう1枚は袋の両端を切り、広げて膝の上に敷きます。これで衣類が濡れる心配はありません。すすぎはコップを使います。さっぱり気分で旅行が楽しめますよ!

この他にも活用方法はいろいろ。車いすのフットレストを足ごとゴミ袋に入れれば、豪雪の中でも足に雪がつかずに外出できます。フットレストの裏側についてくる雪も防げます。ゴミ袋は手軽に使える防水グッズです。


OとSのサポートアイテム

物をぶら下げるためにうってつけのS字フックですが、最近はサイズも形も多種多様、使い方も工夫できます。車いすにショルダーバッグやパソコンバッグ、キャリーバッグを取りつけたり、小さなフックで買い物袋や携帯電話をぶら下げたりしています。S字部分を調整することで頭や背中をかくこともできるし、落としたものを吊り上げたり、届かないスイッチやボタンを押したりできるので、S字フックは自分にとってもう一つの手といっても過言ではありません。

これに加え、キーリングを活用することでS字フックの利用範囲は、さらに広がります! 照明の紐につければ寝たまま灯りを消せるし、いろんな物にキーリングをつけることでS字フックを使って動かすことが可能になります。またバッグのファスナーに取り付けると、握力の弱い人でも楽に開け閉めができますよ。お試しくださいませ!


見方を変えたら使い方が見えてきた

施設を出て初めて借りたアパートは、ワンルームに小さな台所、狭い浴室とトイレでした。格安のアパートのほとんどは、車いすで暮らすにはちょっと無理があるつくりのものばかりです。歯磨きや洗顔などすべてをキッチンでやらなければなりません。車いすだとキッチンには正面につけないので本当に不便ですよね。

そこで自分は、ちょっと見方を変えてみました。キッチンの扉を開ければ机と同じだ!と考え、傷がつかないように板を敷き、フットレストを上げて入ってみたら想像通り、車いすでも普通に正面を向いて使うことができました。今は広い所に引っ越しして洗面台の扉を取り外し、のれんをつけて使っています。押入れも戸を外せば棚になるし、小さな物干しをテープで固定すれば簡易手すりとして使えます。

見方を変えれば、まだまだ使えるものが見つかるかもしれません。