音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

  

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2010年3月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●カラーテープで説明力アップ、他●

提案者:小林景子 イラスト:はんだみちこ

小林景子(こばやしけいこ)さん

脊髄性筋萎縮症により、電動車いすを使用。4年ほど前から介助者と一緒に一人暮らしを始める。自立生活センター・東大和のスタッフ。


カラーテープで説明力アップ

公共交通機関は、ノンステップバスが走っていたり、電車では駅員さんがスロープを出してくれたりと、移動がだいぶしやすくなってきました。それでも、どうしても行きたいお店が2階にあったり、入口に大きな段差があったりと、目的地へ行くまでに人の力で車いすを持ち上げてもらう機会は多々あります。

車いすを持ち上げてもらうときに、どの部分を持ってもらうのかはとても重要です。持つ場所によってはバランスを崩してしまったりして、乗っている本人も持ち上げる側も危険なことがあります。そこで、どこの部分を持ってもらえればいいのか説明をするのですが、黒一色の私の電動車いすは目印となる部分がなく、この説明がなかなか難しいんです。そんなときのために、あらかじめカラーテープを貼って目印にしています。そうすれば、「この黄色いテープが貼ってある部分を持っていただけますか?」とスムーズにお願いでき、また、相手の方にも伝わりやすいようです。


おすすめ!シリコン製のピアスキャッチ

ピアス、ネックレス、ブレスレット…。アクセサリーの留め具の着脱は、指先の力が弱い者にとっては意外に困難です。特に金属製のピアスのキャッチは、小さく外れにくく作ってあるため、取り外しには力を要します。なんとか、自分で簡単にできる方法はないだろうか…と探していたときに見つけたのが、シリコン製のピアスのキャッチです。

このシリコン製のピアスキャッチは、キャッチのみで販売していて、柔らかく、弱い力でもスルッと付け外しができます。それなのに、伸縮性に優れているからなのか(!?)自然に外れてしまうことはありません。そして肌にもやさしい。

お値段もお手頃なので、ピアスをお使いの方にはぜひ試してほしい逸品です。私は新しいピアスを買ったときは、真っ先にこのキャッチを付け替えます。


一石二鳥??料理のシェアで料理の腕もアップ!

一人暮らしをしていると、料理を手作りしたときに一人では食べきれずに余らせてしまうことがあります。とくに、カレー、シチュー、味噌汁などなど…。一度作ると消費するのがなかなか大変です。ですが、私の周りには幸いなことに、同じように一人暮らしをしている仲間がすぐ近くに住んでいます。そんなときに、「○○を大量に作ったけど、いる?」と声をかけ、引き取ってもらいます(半ば強引に引き取ってもらうこともありますが…)。果たして喜ばれているかどうか?ですが、そんなやりとりが楽しいのも一人暮らしの醍醐味だと思います。それに、自分以外の人が食べると思うと、料理の腕を磨かねば!とやる気も出ます。

食べたいものは作って食べる。食べきれなければみんなでシェア!当面の目標は、買った野菜はいろいろな形に工夫して調理し、腐らせる前に使いきることです。