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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2011年1月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●私の冬の工夫―コートと洋服と下着、他●

提案者:我妻武 イラスト:はんだみちこ

我妻武(わがつまたけし)さん

1958年、北海道の十勝にある本別町で生まれる。14歳のときに脊髄腫瘍がもとで車いす生活となる。養護学校卒業後に入所施設を経験するが、3年半で退所。以後は障害者に関するさまざまな活動をする。現在、DPI北海道ブロック会議事務局長。


私の冬の工夫―コートと洋服と下着

北海道の冬は厳しく長い冬ですが、外出するのも大変になってきます。そこで出かけるときの心得のようなものを紹介します。

私は手動車いすを自分で操作します。そのため、ダウンジャケットのようなかさばるタイプでない薄くて暖かいコートを使用しています。だからといって特別な物ではありません。ごくごく普通のコートですが、中に着るセーターやベストなどにウール素材のものを使用することで暖かさが増します。

みなさん意外にご存じないかもしれませんが、北海道の建物の中は暖かく、変に厚着をすると建物の中に入ってから汗をかくことになりますから、汗を吸収するタイプのシャツも必須でしょうか。

私の友人に、下着のシャツに登山用の物を着ている人がいますが、汗の吸収が良いようです。ほかにも意外と利用できる便利なものがアウトドアショップにあります。


帽子とマフラーで暖かさアップ

外出する際には、私はニット帽とマフラーを使用します。帽子は雪が降っているときは髪の毛を濡らさないことと、これも意外と知られていないのですが、帽子をかぶることで体感温度がかなり違います。さらに、首にマフラーを巻くことで体感温度はさらにアップします。

私のお気に入りは、モスグリーンのニット帽と少し長めで暖色系の色が入ったストライプのマフラーです。少々可愛らしい感じもしますが、これも外出には必須です。

このニット帽は外見以上に優れもので、なかなか手放せません。編み目が細かいので、雪が解けても染み込むことはありません。このニット帽とストライプのマフラーで寒さはかなり軽減されます。

ニットのマフラーは、ほんの少しだけおしゃれなものを使うことで気分も違いますよ。


手袋は必需品!

最後に手袋です。これも雪国では欠かすことができません。特に、手動車いすを自分で操作するとなるとなおさらです。

これもスキー手袋のような分厚いものだと、車いすの操作がうまくいきません。また、雪で車いすのリム(タイヤについていて、車いすを動かす際につかむところ)が滑りやすくなりますから、滑らないような配慮がされている手袋が必須です。高くて便利なものはアウトドアショップにもありますが、なかなか買い求めるにはお金と勇気を必要とします。

そこで、似たようなものがホームセンターなどにありますので、そこで探すことをおすすめします。私は、雪が積もる少し前まではホームセンターで買い求めた作業用手袋を使っています。これが安くて、滑らず、使い勝手がいいので重宝しています。

雪が本格的に降るようになると、別手袋を使います。これもホームセンターで買い求めたもので、手の平に滑り止めが付いていて、中には水が染み込まないという優れものです。