「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2011年3月号
お知らせ
第12期 ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業
7人の研修生、各地で個別研修中!
本事業は、財団法人広げよう愛の輪運動寄金から委託を受け、当協会が1999年より実施しています。各国・地域の障害者福祉の向上に寄与する人材育成を目的とした事業です。選考は完全公募で行われ、個別研修は研修生が作成した計画を基に行われます。また、約10か月間の研修は、原則として日本語(日本手話)で行われます。これまで23の国と地域から82人の卒業生を輩出しました。現在、第12期生(7人)が研修を行っています。
研修生のみなさんに、研修先(3月1日現在)で学んでいることや驚いたこと、帰国後の目標をまとめていただきました(年齢は昨年9月時)。
ゴンチグドルジ・ゴンボ
Mr. Gonchigdorj Gombo(24歳)
- ●出身地
- ウランバートル、モンゴル
- ●障害
- 視覚(弱視)
- ●研修先
- 社会福祉法人日本ライトハウス
日本の視覚障害者の施設を見て、驚きました。日本はアジアの中で一番、障害者のためにいいところだと思います。
帰国後は、DAISYや統合教育を広めたいです。また、モンゴルの法律や福祉を変えて、社会をよくしたいと思っています。
ツゥ・ハオ・リン
Mr. Chih-Hao Lin(21歳)
- ●出身地
- 台中、台湾
- ●障害
- 視覚(弱視)
- ●研修先
- 社会福祉法人愛光、障害者支援施設「リホープ」
日本で視覚障害者の福祉と自立生活について勉強しています。日本の障害者はいつも一生懸命活動しているので驚きました。たとえば、福祉をよくするために、いろいろな活動をしています。
帰国後は、障害者の福祉に関わる仕事に就きたいと思っています。
チャン・コック・シェング
Mr. Chan Kok Sheng(26歳)
- ●出身地
- ジョホールバル、マレーシア
- ●障害
- ろう
- ●研修先
- 社団法人大阪聴力障害者協会
日本では青年部がきちんと組織化されており、役員が協力して活動しています。そのことに感銘を受けました。マレーシアにも青年部がありますが、レクリエーションしか行っていません。山形で行われた全国ろうあ青年研究大会に参加し、同様の大会をマレーシアでも実施したいと思いました。
帰国後は青年部の会員拡大を図り、若いろう者リーダーを育てたいです。青年部をろう者を取り巻くさまざまな問題を解決できる組織にしたいです。また、聴者が手話をじっくりと学べるような仕組みも作りたいです。個人的には、ろう者が安心して働ける会社を設立したいです。
イー・ティンザー・トゥン
Ms. Aye Thinzar Tun(25歳)
- ●出身地
- ヤンゴン、ミャンマー
- ●障害
- ろう
- ●研修先
- NPO法人日本ASL協会
日本にはたくさんの手話通訳者がいて、各地にろう協会があることに驚きました。また、ろう者による活動は広範囲に及んでいて、それらにろう者が積極的に参加しているのが素晴らしいと思います。
帰国後は、ろう学校の先生になり、ろう児に手話を使って教科指導ができるようになりたいです。学校が夏休みなどの長期休暇の際は、聴者に手話を教えるクラスを担当したいです。また、手話通訳者の養成にも関わりたいです。
パク・ユンニョン
Ms. Yun Yeong Park(24歳)
- ●出身地
- 順天、韓国
- ●障害
- 肢体(骨形成不全症)、電動車いす使用
- ●研修先
- NPO法人自立生活夢宙センター
日本の自立生活センターの理念やILP、リーダーたちの考え方などを勉強しています。
私が初めて研修で訪れた場所は宮崎でした。私の出身地と同様、地方都市でしたが、道もきれいでバスも利用できました。日本の交通アクセスは韓国よりいいと思いました。帰国後は、自立生活センターで喜びを共有できる仲間を作るためのプログラムを企画したり、障害者にさまざまな情報を伝えるリポーターにもなりたいと思います。
ムザンミール・イスラム
Mr. Muzammal Islam(23歳)
- ●出身地
- アボダバード、パキスタン
- ●障害
- 肢体(二分脊椎症)、手動車いす使用
- ●研修先
- NPO法人メインストリーム協会
日本ではいろいろな経験をしています。これからもっともっと勉強をしたいです。
日本の障害者運動を見て、驚いたことは、よいネットワークがあることです。日本ではそのネットワークを活かして、さまざまな活動や運動をしています。
帰国後は障害者運動に関する仕事がたくさんあります。仲間たちは私の帰国を心待ちにしています。
グウェン・ガップ・アン
Ms. Nguyen Ngoc Anh(24歳)
- ●出身地
- ハノイ、ベトナム
- ●障害
- 肢体(先天性膝蓋骨欠損)、手動車いす使用
- ●研修先
- NPO法人沖縄県自立生活センター・イルカ
自立生活センターのことを勉強しています。日本でビックリしたことが3つあります。1つ目は、日本の障害者福祉とサービスです。2つ目は、交通アクセスです。日本の街の多くはバリアフリーになっているので、障害者はどこにでも行くことができます。3つ目は、日本人のことです。日本人はみんな、とても優しくて親切です。日本の障害者は強くて、アクティブで、さまざまな活動をしています。
帰国後は、ベトナムの障害者のために活動したいです。友達と一緒に、自立生活センターを作りたいです。そして、私の所属団体で、障害者のための新しいプログラムを作りたいです。