音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

  

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2011年9月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●家電選びのポイント、他●

提案者:藤田薫 イラスト:はんだみちこ

藤田薫(ふじたかおる)さん

私は八王子盲学校高等部普通科を卒業後、社会福祉法人桜雲会に入社しました。最初は、簡単なホッチキスで綴じる製本や紙折りなどの作業でしたが、現在は本の見返しや表紙などを作る作業をしています。


家電選びのポイント

私は買い物の時、製品選びにこだわりがあります。

特に家電製品を購入する際は、弱視の私が使いやすいものを選んでいます。たとえば、洗濯機はスイッチが大きめで、押した感じがしっかり分かるものや色のコントラストがはっきりして見やすいものを選びます。

冷蔵庫は外側にスイッチがないものや扉が片開きタイプのものを選ぶようにしています。私の場合、観音開きは開けた時の幅が狭く使いにくいので、片開きの製品を選んでいます。

テレビなどは、明るい画面のものや画面周りのフレームの色が明るく色が付いているもの、さらに画面の大きさなどを考慮して選んでいます。


外出時の必需品、携帯型拡大読書器センスビュー

私は出かける時や仕事に行く時に、必ずバッグに入れて持ち歩いているものがあります。それは、携帯型拡大読書器センスビューです。

センスビューの良いところは小さくて持ち運びができることで、買い物の時に商品を見たり、レストランでメニューを読んだりする時に使っています。よく見たいものは、少しだけ画像を止めて見ることもできますが、本や小冊子を読むのには不向きです。

センスビューの画面左側に小さいボタンが2つ付いています。上のボタンは文字の色を変えるもので、白黒反転や青色、黄色の文字で見ることができます。下のボタンは画面の明るさなどが変えられます。

画面右側のボタンは、上下に動かして文字のサイズが変えられます。画面下の真ん中あたりのボタンを押すと、写したものを少しだけ止めて見ることができます。

今までの拡大読書器と言えば大きくて持ち運びができないので、自宅で見るしかありませんでした。でも、携帯用の拡大読書器センスビューができて少し自分の世界が広がったような感じがします。


薬の飲み方も一工夫

私はぜんそくの持病があり、錠剤を処方してもらっています。その錠剤は、フタが濃い青色をした小さなプラスチックケースに入れてもらい、分かりやすくしています。

風邪薬などは、朝昼夜とそれぞれを小さい袋に分けて1日分だけ見本を作ってもらいます。それを参考にして、薬を袋に入れています。袋は、透明でファスナーが付いているものを使っていますが、そのままでは見にくいので、色の付いた付箋に大きな文字で「朝」「昼」「夜」と書いて袋に入れています。そうすると外からも薬も見やすく、いつ飲む薬なのかがよく分かり便利です。

また、処方された薬が液体の時は、メモリで計って飲まないといけません。その場合は、薬剤師の方にメモリの位置が分かるように太いマジックなどで、濃くなぞってもらいます。そして、容器に少しずつ薬を入れながら携帯用の拡大読書器でメモリを確認して飲むようにしています。