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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2011年12月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●収納にはキャスター付きのワゴンが大活躍、他●

提案者:林芳江 イラスト:はんだみちこ

林芳江(はやしよしえ)さん

3DKの中古マンションに暮らして16年ほど。移動には電動車いすを使っています。パソコンと携帯電話を常に持ち歩く生活です。北九州自立生活センター代表。


収納にはキャスター付きのワゴンが大活躍

車いすを利用しているため、高いところや奥にあるものが取りにくいので、収納には試行錯誤をしています。わが家では、大小のキャスター付きのワゴンやカゴが大活躍しています。ワゴンには、ベッド回り棚やドレッサーに置くアクセサリーやめがね、基礎化粧品など毎日使うものを入れたもの。また、手紙や書類、サプリメントやお茶などを入れたワゴンがあります。これらをベッドや食卓、机などの回りに置いています。これなら車いすからも取りやすく、いざとなったら動かせるので便利です。膝の上から肩くらいの高さで、自分の取り出しやすい位置での収納を確保すると取り出しやすいですよ。


片手でパソコンの出し入れ

パソコンは、私にとって必需品の一つです。

私がパソコンを購入するときのポイントは、持ち運べること、つまり「軽い」ということです。長年、自身の不随意運動と付き合いながら、手首を定位置に安定させ、指だけ動かして使えるように、B5サイズのノート型パソコンを使っています。特別な装備はないのですが、キーボードと画面のわずかな隙間にリボンのような平紐を通して、ループ状にしています。

私は利き手は右手ですが、親指がうまく開かず、何にしても握る動作が苦手です。重みのある冊子を片手で持って、もう片方の手でカバンを広げて入れるという動作は、なかなか大変です。特にパソコンは落としたら大変なので、バッグから出し入れしたり、移動させるときは、この紐を親指以外の3本の指にひっかけて移動させています。早く安全に移動させることができてとても便利です。


自宅の玄関扉に一工夫

私は電動車いすを使っているので、玄関扉を改修するときに、OTの方と相談して工夫したことが2つあります。

一つはドアを全開にしたら、そこで止まるようにドアチェッカーを調整してもらいました。そうすれば、自分のペースで玄関内に入ることができます。

二つ目は、これは主に帰宅時ですが、ドアを全開にしているので、自分でドアを閉めなければなりません。でも、玄関内は車いすの回転スペースがほとんどないので、向きを変えてドアを閉めることができません。

そこで向きを変えずにドアが閉められるようにしました。ドアの扉の角と扉受け側に紐を通す金具を取り付け、丈夫な紐を扉の角の金具に結び、扉受け側の金具の穴に通して手で握る(引っ張る)リングを付けました。リングを引っ張ると扉が閉まるという、テコの原理の応用です。