「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2012年6月号
工夫いろいろエンジョイライフ
実用編●シリコンチューブのストロー、他●
提案者:嶋津由美子 イラスト:はんだみちこ
嶋津由美子(しまづゆみこ)さん
1歳3か月の時に脳性マヒと診断される。アテトーゼ型。言語障害もありトーキングエイドを使用している。2003年に静岡県三島市で自立生活を始める。現在、NPO法人自立生活センターアシストミルのスタッフとして活動している。
シリコンチューブのストロー
私は介助者を入れて生活をしています。食事介助の時、コップに口をつけて飲むことができないので、汁物を飲む時はいつもストローを使っています。
でも、普通のストローだと細くて、みそ汁などの具がつまったり、どうしてもストローの先がつぶれてしまうので、思うように飲めなくて困っていました。
何年か前にシリコンチューブの太いのを見つけ、これなら大丈夫かなと思い使い始めました。使ってみたらチューブが太いので詰まりません。
かんでもすぐ元どおりになるし、洗ってまた使えるので、ストローを欠かすことができない私にとってはすごく便利です。
眼鏡バンド
私は身体の緊張があり、いつも頭が動きます。また、乱視で小さい字が見えにくいので眼鏡を作りました。作る時、頭が揺れるので眼鏡が落ちないだろうか、などと思っていました。案の定、眼鏡をかけると頭の揺れでずれてきて、それが気になり、読み物に集中できませんでした。
眼鏡がずれるのを防ぐものはないかとインターネットで探していたところ、眼鏡バンドを見つけました。
さっそく購入し、眼鏡につけてかけてみたら、顔にぴったりおさまって頭が動いても、ずれ落ちなくなりました。
以前は小さい文字が見えないので、読むのを諦めたり、介助者に虫眼鏡を持ってもらい読んでいました。今では眼鏡をかけると小さい文字が見えるので、なんだかうれしいやら、楽しいやら…、眼鏡バンドを見つけてよかったです!
一目で分かる洋服棚
私はいつも介助者に、前の晩に翌日に着る服を出してもらっています。自立生活をはじめる前、タンスを買おうかどうか迷いました。タンスは場所をとったり、置く場所も限定されてしまいます。それに下の方の服が見えず、見える服だけを出してしまいがちです。以前、服をしまった場所を忘れてしまい、介助者と一緒に探しても結局見つからず、諦めてしまうこともありました。
いろいろ考えた結果、4段に棚を置き、そこにシャツやセーター、ズボンなどに分けて並べてみました。こうすると何がどこにあるのか一目で分かり、着たい服を指で差して介助者に出してもらっています。もちろん季節ごとに入れ替えます。
厚手の服などは、タンスに入れるよりも棚の方が整理しやすいと思います。おしゃれっぽく、つっぱり棒にレースのカーテンを掛けて、ほこり予防もしています。