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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2012年12月号

2012 私が選んだ今年の5大ニュース

宮城
石森祐介(いしもりゆうすけ)

1985年9月15日生まれ。東松島市在住。脳原性マヒによる運動機能障害。電動車いすと4点杖を使用。現在、被災地障がい者センター石巻で当事者スタッフとして活動中。目標は、相談業務に対応できるようになること、そのための講習や障がい者福祉に関する法律を勉強中。

初めまして、「被災地障がい者センター石巻」の石森です。私たちが事務所で活動を始めて早1年が経過しました。そこで、石巻での活動を中心に今年の5大ニュースを自分なりにまとめたいと思います。

1.一つ目は「今年の3.11」です。大震災から1年が経過したあの日は自宅で被災した私にとっても印象に残るものであり、各地でいろいろな追悼行事が行われました。私たちもそれまで支援を続けていただいた皆様に感謝するイベントの参加や、NHKの特番の生中継への出演等忙しかったのを覚えています。

2.二つ目は「PTSD?の発生」です。今年の震災当日以降、気分の浮き沈みが激しくなり、理由もなく落ち込む等精神が不安定な状態が続いています。

3.三つ目は「みちのくTRYへの参加」です。8月に岩手で行われたTRYに参加できたことは大きかったと思います。何よりうれしかったのは、TRYに参加して今後も付き合っていけそうな多くの方に巡り会えたことです。

4.四つ目は「被災地の復興活動」に少しずつ参加できるようになったことです。秋以降、地域の復興政策に当事者の声を上げられる機会ができたので積極的に望みたいところです。

5.最後に「交通バリアフリーシンポジウムの開催」があります。12月に仙台で、京都の障害団体とJR仙石線のアクセスに関するシンポジウム開催に向けて準備中です。


埼玉
清水勇人(しみずはやと)

昭和37年埼玉県出身。日本大学法学部卒。日本大学卒業後、松下政経塾に入塾し、昭和63年に卒塾(第7期生)。埼玉県議会議員を2期経た後、平成21年から現職。共栄大学客員教授。

1.誰もが共に暮らすための障害者の権利の擁護等に関する条例全部施行

政令指定都市として初めて制定した、いわゆる「ノーマライゼーション条例」が平成24年4月1日から全部施行されました。今後とも、障害に対する理解を深める活動を通じて、条例の理念の普及を進めてまいります。

2.「行政情報の無い要支援者の早期発見について」経済産業省及び厚生労働省への要望活動を実施

いわゆる「孤立死」対策として、ライフライン事業者などが自治体へ通報をしやすくする環境づくりや、生活困窮が疑われる事例における自治体への通報について、個人情報保護法上の取り扱いを明確にすることを、経済産業省および厚生労働省に要望しました。

3.障害者自立支援法から障害者総合支援法へ

地域生活支援事業の項目は充実してきていますが、法定の必須事業を実施するにあたり十分な財源措置を求めたいと思います。

4.ロンドンオリンピックやパラリンピックでさいたま市ゆかりの選手が活躍!!

高校時代をさいたま市で過ごした体操の山室光史選手と加藤凌平選手が、見事に体操の団体総合で銀メダルを獲得!!。また、パラリンピックに出場したウィルチェア・ラグビーの岸光太郎選手や、車いすテニスに出場した堂森佳南子選手の活躍も見事でした。

5.「さいたま市高齢・障害者権利擁護センター」を設置しました。

高齢者や障害者に対する権利侵害への助言や、法人による成年後見の実施を通じて、誰もが安心して地域で暮らせる社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。


東京
大野更紗(おおのさらさ)

1984年生まれ。作家。難病当事者。2008年上智大学外国語学部フランス語学科卒業。同大学大学院進学後、自己免疫疾患系の難病を発症。2012年5月より内閣府障害者政策委員会差別禁止部会専門委員。

1.制度の谷間におかれた人、「タニマー」当事者のための難病政策を考えるシンポジウム開催

平成24年6月20日、障害者総合支援法が成立し、来年4月の施行に向けた準備が進められています。制度の谷間が解消されるはずだったこの法律は、実際には、その対象に(一部の)難病患者を疾患名で追加したに過ぎず、根本的な谷間の解消にはほど遠い現実があります。これまで声も出せなかった難病当事者が、自分たちのことを自分たちで語る契機になればと思い、10月4日に参議院議員会館でシンポジウムを開催しました。

2.「見えない障害バッジ」、ちょっとずつ広がる

東日本大震災の前後から、ツイッター等のSNSを通じて知り合った仲間と「見えない障害バッジ」というものを手弁当でつくってきました。障害者運動と関わったこともなければ、障害のある人と会ったこともないという人も参加してくれています。ちょっとずつ地道に、草の根で広がってくれたらいいなと思いながらの活動です。

3.REASE「社会的障害の経済理論・実証研究」で難病について話す

「障害」と一言で言っても、実際のところ他の障害についてはわからないことがたくさんあります。さまざまな障害を抱える人たちが、障害の種別を越えてさまざまな場で共同研究を始めています。その場の中の一つで、緊張しながら話しました。

4.内閣府障害者政策委員会差別禁止部会、意見書まとまる

5月21日付の任命で差別禁止部会の議論に加わりました。一当事者として、この社会を生きる一生活者として、必死に話せたのかどうか。わたし自身、若い当事者として部会の議論から多くを学びました。

5.障害者総合支援法、成立

短く語るには大きすぎるニュースですね。


東京
佐々木貞子(ささきさだこ)

DPI女性障害者ネットワーク運営委員、DPI障害者権利擁護センター相談員。子育ての経験から、障害者が当たり前に受け入れられない社会の矛盾を痛感、視覚障害のある親の会「かるがもの会」や地域での啓発の活動も行なってきた。

1.「障害のある女性の生活の困難―人生の中で出会う複合的な生きにくさとは―複合差別実態調査報告書」発行!(3月)

やっと障害女性が抱える、辛い経験の氷山の一角が明らかになった。勇気をもって答えてくださった、87名の障害女性に深く感謝したい。

2.障がい者制度改革推進会議差別禁止部会で障害女性の困難についてヒアリングが実現!(5月)

3名の障害女性が発言、DPI女性障害者ネットワークは複合差別報告書を基に、差別禁止法に女性に関する独立した条文の明記を訴えた。

3.新型出生前診断の導入に波紋(9月)

人は障害の有無にかかわらず充実した人生を送ることができる、そのために社会が変わる必要があることを私たちが発信していこう。

4.DPIアジア太平洋ブロック会議in韓国(10月)

障害女性の複合差別実態調査報告書ダイジェスト版の英語版・韓国語版を配布、「世界中で障害女性の実態の可視化と政策課題の明記を」と訴えた。

5.各地で広がる障害女性の動き

9月、長野県の障害者差別をなくすための研究会で、障害女性について取り上げられる。京都府の条例づくりの集会でも、障害女性が辛い経験を発言した。千葉市9月議会で、障害女性への施策について質疑が行われる。11月、首都圏以外で初めて、複合差別調査の報告会が神戸で開催され、関西でも障害女性のネットワークの設立が準備されている。一人ひとりの小さな声が繋がり、うねりとなって波を起こす。さて、来年は…。


東京
新澤克憲(しんざわかつのり)

広島出身。東京学芸大学大学院教育学研究科中退。世田谷区の就労継続支援B型事業所ハーモニー施設長。

1.幻聴妄想かるた発売

精神障害の当事者の呟きをカルタにしたハーモニーの「幻聴妄想かるた」(医学書院)。第6回「新しい医療のかたち」賞受賞、精リハ学会神奈川大会への参加など、2011年末に発売以来、多くの方に知っていただく機会を得たことをうれしく思っています。

2.生活保護不正受給問題

なぜメディアはレアケースである芸能人の事情を不正受給であるかのように報道するのか。一部の政治家は、受給者を「ナマポ」と呼んだり、制度全体の問題であるかのようにミスリードするのか。当事者の手の届かないところで、セーフティーネットが弄(もてあそ)ばれているように感じます。

3.日本のすべての原子力発電所が稼働停止

5月北電泊発電所が運転停止をし、42年ぶりに日本のすべての原子力発電所が稼働停止をしました。再稼働した関電大飯発電所も活断層の有無で議論が続いています。東電福島第1原子力発電所の事故の収束の目途すら立たない現状で、将来の子どもたちに危険を先送りする再稼働に反対です。

4.障害者総合支援法が6月27日公布

重度訪問介護サービスの対象拡大など新たな施策を盛り込んだが、「総合福祉部会」が出した骨格提言はことごとく採用されず、障害福祉サービス利用料の原則無料化も見送られました。

5.訃報が続く

昨年からハーモニーの関係者で突然、亡くなる方が続いています。地域で暮らす精神障害者の健康をいかに守っていくかが自分たちにとって大きな課題となっています。


長野
尻無浜博幸(しりなしはまひろゆき)

松本大学観光ホスピタリティ学科准教授で社会福祉士の養成に携わっている。「福祉」と「観光」の融合を図るアクセシブル・ツーリズムや、松本地域をベースとした障害者就労を素材にCBRの日本定着に取り組んでいる。

1.民間企業の障害者雇用率15年ぶりの改正で2.0%に!

平成25年4月から、企業に義務づける障害者雇用率(全従業員に対する障害者の割合)を2.0%に引き上げることになったが、一方で、雇用率を達成している企業は現行45.3%と低い。社会の就労支援策を強化する観点から、多様化の社会に合わせ積極的な工夫もさらに必要となる。

2.「女性白書2012」に「障害をもつ女性」の項目登場

障害のある人たちの権利を保障する取り組みが広がりをみせているなか、女性白書に障害をもつ女性の項目が加わった。障害があることに加え、女性であることによる二つの複合的差別を受けていると特徴づけている。

3.世界の障害存在率15%に!

これまでどの場面においても平均10%の障害存在率と言われていた通説が、2011年6月刊行の「障害に関する世界報告書」で15%になることが明らかにされた。増加の主な原因は60歳以上の高齢障害者の増加である。今後、認識を改めるべきである。

4.障害者施設の優れた商品を紹介する雑誌「コトノネ」発刊

「コトノネ」という雑誌は、障害者施設の経営革新と、障害者施設の優れた商品を生活者に紹介することを目的とした季刊誌。福祉福祉していないところがいい。今年4月発行した。

5.台湾の障害をもつ方の合唱団が被災地を訪問

障害をもつ方が活躍している台北市の廣青合唱団が今年の3月に東日本大震災の被災地、石巻市を訪問した。レベルの高い純粋な歌声と丁寧な気持ちが「千の風になって」の歌にマッチして感動的な交流となった。企画に携わった学生が大きな勇気を感じていた。


大阪
高橋明(たかはしあきら)

NPOアダプテッドスポーツ・サポートセンター理事長。5回の冬季・夏季パラリンピックに日本選手団の監督やコーチとして参加し、パラリンピックの開・閉会式等のNHK解説者を務める。ライフワークとして障害者のスポーツ振興に情熱を注ぎ、講演活動や地域福祉活動に取り組んでいる。

1.大阪市改革プロジェクトチームは、大阪市長居障がい者スポーツセンターの廃止案を発表

改革PTは、1974年(昭和49年)に、全国に先駆け開設された長居障がい者スポーツセンターの老朽化と市の財政状況を鑑み、費用対効果から、同スポーツセンターを平成28年に廃止する案を発表したが、多くの反対意見や署名が集まり撤回、存続が決まった。

2.第40回日本車椅子バスケットボール選手権大会が開催される

1970年(昭和45年)から開催され、日本の障害者スポーツ振興に大きな影響を与えたこの大会が今年で40周年を迎え、天皇皇后両陛下のご臨席を仰ぎ盛会に開催された。昨年の震災で被災した選手や監督がいる宮城MAXチームが4連覇を達成。

3.2012パラリンピックロンドン大会が開催される

8月29日から9月9日にかけて、パラリンピックの発祥の地ロンドンでパラリンピックが開催され、多くのマスメディアが障害者のオリンピック=パラリンピックを報道、障害への理解とスポーツ振興に大きく寄与した。

4.ゴールボール全日本女子チームが金メダルを獲得

ロンドンパラリンピックにおいて、視覚障害者の団体競技「ゴールボール」に参加した日本の女子チームが、日本が過去に参加した団体競技では成しえなかった初めての金メダルを獲得した。

5.2012国際親善女子車椅子バスケットボール大阪大会開催

今年で10回目を数えた大阪カップに、今回も小・中学生を中心に約1万人の観戦の申し込みがあり、10年間トータルで観戦者が10万人を超え、世界トップレベルのゲームを通して、人間の可能性や勇気・元気と感動を与え、障害者理解にも繋がった。


兵庫
上田晴男(うえだはるお)

現在、全国権利擁護支援ネットワーク事務局長、NPO法人PASネット理事長、兵庫県芦屋市権利擁護支援センター長。全国各地の社会福祉法人や自治体等へのスーパーバイズも行なっている。

1.障害者虐待防止法の施行

10月から待望の障害者虐待防止法が施行された。しかし、地域レベルでの体制整備はこれからというところが多い。通報のハードルが下がり、広報・啓発を丁寧に行うことで虐待状況にまで陥ることを未然に防ぐことも可能である。行政の主体的な取り組みが求められている。

2.障害者総合支援法の公布

これまで総合福祉部会で検討されたことを受けて総合支援法が公布された。名称はともかく、内容的に「骨格提言」が生かされていると言えるであろうか。事業体系や支給決定システムの再構築等の課題の具体化の中で実効性のあるものにしていくことが求められる。

3.サービス等利用計画の対象拡大

相談支援体制が大きく変化し、計画相談支援等の個別給付化により障害者ケアマネジメントが本格的に推進されることになった。しかし、委託相談支援事業の「基幹型」機能への再構築や指定特定相談支援事業所の確保と指導・監督体制等の整備は順調に進んでいるとは言えない状況となっている。

4.市民後見の推進

「市民後見」元年として、今や国策のごとく市民後見人養成研修が拡大している。しかし、養成が目的化し、仕組みづくりが立ち遅れている状況がある。「成年後見センター」ではなく、地域の権利擁護支援システムの一環として「権利擁護支援センター」を位置付けて具体化することが求められる。

5.権利擁護支援センターの展開

4月に兵庫県宝塚市に権利擁護支援センターが開所した。芦屋市、西宮市に続く快挙である。動きは全国にも広がっており、地域における総合的な権利擁護支援推進拠点となることが期待されている。


兵庫
大矢暹(おおやすすむ)

特養ホーム淡路ふくろうの郷施設長。1947年京都府で生まれ9歳の頃失聴。ろう学校で手話と仲間を得る。京都府ろうあ協会に入会。ろうあ者の生活と権利を守る運動に参加。兵庫県聴覚障害者協会会員。

1.中川原高齢者・障がい者・地域ふれあいセンターの開所

ふくろうの郷と共にあった中川原中学校が7人の卒業生を最後に廃校。連合町内会との共同で、交流と助け合い事業を開始。互いに包みあうインクルーシブな社会、障害者の権利宣言を暮らしに生かす第一歩です。

2.「国は基本合意・骨格提言を無視するな」兵庫集会に参加

5.16の全国集会に呼応し、5.11兵庫集会にふくろうの郷のお年寄りも参加。「70歳まで50年近く精神病院に。手話が通じない。怒ると手足拘束で保護室に」汗だくの訴え。それが新しい歴史を拓くのですね。

3.冊子『一人ひとりが輝く』を編集し全日本ろうあ連盟が出版

施設の利用者は権利主体であり変革主体。お客様ではない。就労支援は40か所で老人ホームはやっと7か所。ただの「箱」ではない施設づくりを呼びかけた冊子。3.11以後の東北や被災地にこそ拠点づくりを。高知県などでろう老人ホーム建設運動始まる。

4.高松市手話通訳派遣拒否の違憲提訴

高松市のろう女性が娘さんの専門学校入学の説明会や入学式に手話通訳派遣を申請するも市は派遣要綱によって拒否。不服申し立ても拒否され高松地裁に提訴。改正基本法で言語に含むとされた手話。ならば手話で裁判を。そのため法廷に手話通訳を。手話を言語とした法を生かしていく大事な裁判。

5.冊子『勝楽進・佐代子自分を語る』をご夫婦が出版

ふくろうの郷で暮らすお二人の自分史。戦争・優生思想・断種。繰り返されてはならない歴史の証言。


広島
秋保喜美子(あきやすきみこ)

1949年生まれ。生後6か月頃、高熱が続き脳性小児マヒになる。28歳の時、結婚を機に地域生活に入る。2008年10月、自立支援法違憲訴訟の原告に夫婦で挑む。2010年1月、違憲訴訟原告代表として「基本合意」に調印。

1.「障害者自立支援法」が「障害者総合支援法」に変身し成立

今度こそ基本的人権が守られる新法が作られると期待していたが、新法は「自立支援法の改正法」だった。名前が変わっても自立支援法の問題解決は進んでいない。裁判で交わした「基本合意」も無視!さまざまな立場の人たちが議論を積み重ねてまとめられた「骨格提言」も取り入れないなんて…このままでは終われない!

2.拡がる貧困層。全国あちこちで餓死発見

札幌、福岡、千葉、埼玉など生活困窮に追い込まれ餓死。そこまで追い込まれるほど大変さを抱えている人たちが増え続けている。「餓死」「自殺」など辛く苦しい出来事が多い。悲しいことだ。

3.原発なくせ!再稼動反対の抗議デモ

「うわぁーすごい!」6月29日に原発再稼働反対デモが行われた。若者も主婦も労働者もさまざまな人が命を守る運動に駆けつけた。その数何万人という人の抗議デモ!国民の願いとかけ離れがちな政治の流れの審判を社会に問いかける大きな力に感動した。

4.日本全国活気づかせたロンドンオリンピック

勇気と根性とチームワークの大切さを示してくれたスポーツ業界。暗い話題ばかりの中で胸ときめかせ、あきらめないエネルギーをもらった。

5.全国障害者問題研究会全国大会を広島で開催

8月11日~12日、第46回全国大会が広島で開催。2700人が集い、平和の大切さを受け止め、さまざまな分科会で実践を学び合い、願いをつなぎあいました。


広島
馬屋原誠司(まやはらせいじ)

近畿大学短期大学部講師、広島県・広島市スクールカウンセラー。脳損傷の子どもが復帰した学校において発生する問題に発達障害の視点から、海外のエビデンスを基に神経心理学と社会心理の両側面から学校現場での対応と相談に取り組む。家庭では、思春期の2娘の父親として奮闘中。

1.中学校武道・ダンスの必修化

平成24年4月から全国の中学校保健体育において、武道・ダンスが必修となった。学校教育において、頭部への衝撃がもたらす影響と対策に基づいて、教員が授業や部活動を指導する体制の構築が急がれる。

2.広島県体育教諭の武道授業研修

5/25(金)広島県教委は、安全指導の研修会を開いた。県教委スポーツ振興課によると、死亡事故などを防ぐため、09年度から年1回の研修を開催。11年度までに、柔道指導を担当する教員が同様の研修会に参加するよう徹底してきた。

3.8/18(土)小児脳損傷を抱える当事者と家族のための日帰りキャンプをNPO高次脳機能サポートネットのシェイキンズ・キッズが江田島市で開催。当事者と家族が集まり交流を図った。同じ問題を抱える当事者と家族の交流は、お互いに気持ちを分かち合える貴重な体験の場となった。

4.9/15(土)第31回日本心理臨床学会の事例研究において、「小児脳損傷は、成人に比べて予後が良好であるという通説」が誤りであり、学校に復帰後に発達する脳機能に生理学的、また心理社会的に大きな影響を与えることを事例と海外の先行研究から報告した。

5.11/3(土)脳外傷友の会シェイキングハンズの広島地区勉強会として「高次脳機能障害家族として、支援者として~光をつかみとるまで~」(講師:仙台市のNPOぽっぷの森ピアカウンセラー佐々木智賀子氏)が開催され、県内の医療・行政・当事者家族が数多く参加し、当事者のご主人と暮らす妻や幼い子どもたちの12年間の奮闘生活に涙をこらえ耳を傾けた。


鹿児島
原田ケイ子(はらだけいこ)

鹿児島県出身。1975年から県保健師として県内6保健所および県庁6課で地域住民の健康づくり等に取り組む。2011年10月1日から県難病相談・支援センターの副所長兼相談課長。

1.iPS細胞研究の山中伸弥先生のノーベル賞受賞

再生医療の実現に向けiPS細胞の研究で多くの難病等患者の方々への希望を与えていただいている山中先生がノーベル賞を受賞された。今後、臨床応用研究が加速され一人でも多くの方が救われるよう期待しています。

2.尖閣諸島、竹島の領土に係る国際問題

竹島に始まり尖閣諸島の国営化等で、日・中・韓の領土問題が顕在化。暴徒化した人々の報道等もあり民間交流等にも強い影響が出ており、改めて恒久平和を祈っています。

3.今後の難病対策の方向性検討が進む

厚労省難病対策委員会において、現在の特定疾患研究事業を見直し、希少性難治性疾患の方々を幅広く捉え、公平性、治療研究の推進や医療体制の整備等、難病対策の見直しの方向性が打ち出されました。また、障害者総合支援法が成立し、平成25年4月から難病の障害の程度により障害福祉サービスが受けられるようになります。難病の定義は、対策の根幹であることから難産ではありますが、速やかな提示を望んでいます。

4.ロンドンオリンピックにおける日本人の活躍

レスリングや水泳等の競技で多くの金・銀・銅メダルや入賞・世界記録等の成果があり、感動と元気をたくさんいただきました。

5.初めての骨折

5月、県公衆衛生学会の慰労会参加後の帰り路、運動神経は抜群と思っていたのに転倒し右足を骨折。通勤や移動動作などとても不自由しましたが、同僚や家族の手助けがあり、7月には運動ができるまでになりました。心から感謝。