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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2014年11月号

編集後記

「それなら私と死んでくれますか」とお母さんに諭され少年の化石氏が病人宿に入所する件を栗林浩さんが書かれていたが、その情景を想像するだけで胸がつまる。化石氏の主テーマは母だったという。今、手元に2013年の本誌の表紙絵を描いた日高和俊さんの短歌がある。絵を描くだけでなく短歌も詠んでいた日高さんは今年の5月1日46歳で亡くなったが、もしもの時は恩師に渡してほしいと亡くなる1月半前に同じ南九州病院で長く闘病している仲間に自分の短歌を託し、それを送っていただいた。日高さんの短歌にも母(両親)を詠んだ歌がある。「噴煙を上げる姿は父のごと穏やかな日は母のごとしも」「噴火する姿は父の厳格さけふは優しき母なる慈愛」。(S)


小林紗羅さんの作品には「つぶつぶ」「ひょろひょろ」などの言葉を形にしたものがあります。初めて見た時、おもしろいなぁと感じました。紗羅さんが通うアトリエぱんげあは、「教える」ということはしません。参加者が好きな場所で好きな画材を使って作品づくりをしています。そんな中で紗羅さんは、描くことに集中していました。自由でゆったりとした雰囲気が発想力を生んでいるように思います。田中一旭さんがアスムンス・ミーネのことを紹介してくれましたが、子どもたちは指示されるのではなく自由に過ごしながら自分の可能性を伸ばしているという文を読んで、ぱんげあのあの雰囲気を思い出しました。(K)