音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

  

「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2015年11月号

工夫いろいろエンジョイライフ

実用編●竹串は必需品、他●

提案者:小松日吉 イラスト:はんだみちこ

小松日吉(こまつひよし)さん

1970年生まれ。1973年デュボビッツ病を発病。両親が離婚し、父に引き取られ、青森県内の療養施設に入所。閉鎖的で辛い幼少期を過ごす。1982年、肺炎で呼吸器を付け寝たきりになる。母との再会で人生が一転。1998年、埼玉県内の病院に転院。2004年、夢の在宅生活を始める。一人暮らしをして思うことは、介助者とうまくやっていくこと、何事も我慢しない、分からないことは誰にでも相談できる環境を作ることです。川口市在住。


竹串は必需品

私は寝たきりで人工呼吸器を使用しています。両手が使えないので、竹串を使っています。これを口にくわえて、介助者を呼ぶ時の呼び出しベルを押したり、電化製品のリモコン操作などを行なっています。そのほか、パソコンで介助者がスムーズに介助できるようなマニュアルの作成をしたり、インターネットで調べ物をしています。

スマートフォンは、最初は竹串での操作が大変でしたが、スマホ用に竹串を工夫し操作可能になりました。今では、コミュニケーションツールとして、Facebookやゲーム(将棋)を楽しんでいます。


健康面の配慮:バランスのとれた食事作り

現在かかりつけの病院は、3つです。他に訪問医療や訪問看護、訪問歯科を利用しています。在宅生活を始めた頃は、栄養不足で味覚障害になったり、風邪を拗(こじ)らせてよく入院していました。それからは、生活パターンを作り体調管理をしています。

食生活では、栄養のバランスを考えて3品以上作るようにし、補えない栄養は青汁とサプリでとるようにしてからは、入院が少なくなりました。介助者の中には料理ができない人もいます。その場合は、電子レンジで目玉焼きができる容器を使って調理したり、インターネットでレシピを見たりして、少しずつ料理ができるように介助者に教えたりしています。

最近は、障害が重くなり、食事をとるのも大変になってきていますが、メニューを考えて食材の切り方や調理法を工夫して食べやすい料理を作ることで、まだ何とか食べられています。


楽しく外出する工夫

月に3~6回外出をしています。本当はもっと外出したいのですが、金銭面と介助者不足で難しい状況です。外出はベッド型ストレッチャーを使っています。今使っているのは3代目で、私が外出時に必要なものが積め込めて、出かけやすいように作られています。これに酸素ボンベや呼吸器、吸引器等、必要な物を積んで主に電車で移動しています。

外出する時は、行き先を決めてスケジュール表とマップを作り、事前に介助者と打ち合わせをしています。これは介助者任せにならないようにするためです。今までで一番遠くに出かけたのは 青森県と大阪のUSJです。それから、季節ものとオタク系グルメの食事に行くことが多いです。誕生日はメイドカフェに行って祝い、夜はうまい食事をするのが定番コースです。

療養所にいた頃にはできなかった、味わえなかった、行けなかった所に今、時を取り戻すかのようにいろんな場所へ行っています。

生活の中で工夫をしていることはまだまだあると思います。結局、在宅生活を持続するコツは覚悟や気持ちの強さで、大いに遊んで楽しむことが原動力になると思います。

今後の目標は、長生きしてギネスブックに登録することです!

よろしく~~f(^_^)。