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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2016年1月号

トピックス

編集委員花田春兆氏、第16回ヤマト福祉財団小倉昌男賞特別賞受賞

俳人で本誌編集委員の花田春兆氏が、第16回ヤマト福祉財団小倉昌男賞特別賞を受賞された。贈呈式並びに祝賀会は、昨年の12月3日(木)、一般社団法人日本工業倶楽部で行われた。

ヤマト福祉財団小倉昌男賞は、障害者に適した仕事作りや作業環境の工夫、就労機会の拡大を図り障害者に生きる自信と喜びをもたらしている人、給与など労働条件の改善を通じて働く障害者の生活向上に貢献している人、障害者に一生懸命に仕事を教え一人前の職業人に育て上げた人など、障害者の自立支援に貢献した人の中から毎年2人を選んでいる。今年は西谷久美子氏(社会福祉法人はる常務理事)と林博文氏(NPO法人ピアファーム理事長)が受賞された。そして花田春兆氏は、生まれながらの重度の脳性マヒ者として永年にわたる俳句や文芸活動、障害の視点からの日本文化や歴史の検証など旺盛な執筆活動とあわせ、国際障害者年日本推進協議会副代表、日本障害者協議会顧問など障害者運動と通じた障害福祉の向上に貢献されてきたことが高く評価されての特別賞受賞となった。以下の選考委員の方々の言葉からも裏付けられる。

「先生は財団活動のみならず、この世界にとってかけがえないものであり、選考やコメントを超えた存在でいらっしゃいます」(今野由梨委員)

「ただただ感服するばかりである。障がいという編み棒で言霊を編み続けて卒寿に。障がい分野を超えて日本の宝である。いつまでも鋭筆をふるっていただきたい」(藤井克徳委員)

また、田中優子氏(法政大学総長)とともに推薦者の炭谷茂氏(本協会会長)は、「ここにいるすべての方が推薦者なのではないか。私はその代表だと思っている」と述べられた。どなたにも好かれる先生のお人柄の一端を紹介された。

今回の特別賞は、昨年の10月22日で満90歳、卒寿という大変おめでたい長寿をお祝いすることにもなった。この日、春兆先生は2年前に亡くされた奥様の遺影を抱かれ、ご子息とお嬢さんの2人と共に式に参列され、列席者から温かい祝福を受けていた。

例年、春兆先生は受章者へのお祝い俳句(自筆による)を披露、プレゼントされているが、この日はご自身に向けた自祝の俳句も用意されていた。

西谷久美子氏へ

「称えよや首都特産の聖夜菓子」

林博文氏へ

「年用意人得てこその梨・葡萄」

自分へ

「生きて来し卒寿の幸を噛みしめよ」

自祝(挨拶に代えて)

「まさにまさに卒寿祝の大朗報」

「生きて来し卒寿の幸に酔う今宵」

「冬灯も燦今宵は祝杯受ける身ぞ」