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「ノーマライゼーション 障害者の福祉」 2017年6月号

17の目標のうち障害関連のターゲット

ゴール17:目的のためのパートナーシップ

田丸敬一朗

SDGsのゴール17の内容は、以下のとおりである。

「持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する(外務省仮訳)」

このゴールでは、ここまでの16のゴールを達成するため、必要な行動を示し、持続可能な開発を達成するための各国のパートナーシップについて述べられている。たとえば、17・2では、先進国から開発途上国へのODA(政府開発援助)について、GNI(国民総所得)比の0.7%の実施を求めている。ちなみに、日本の2014年の実績では、ODA支出純額は、世界5番目であるが、GNI比は、世界18番目の0.2%となっている。

私たちは、日本のODAの増加を求めていくとともに、障害と開発の視点に立ち、国際協力戦略の立案段階からその実施や評価に至るまで、障害当事者の参画を求めていく必要がある。また、開発協力大綱の見直しの際には、障害者を含む最も脆弱な人々への支援を強化し、「誰も取り残されない」世界を目指すものにするべきと考える。また、17・16には、マルチステークホルダーの強化が記述されており、SDGsの国内実施のため、障害者団体の参画を求めていかなければならない。

さらに、17・18には「(前略)開発途上国に対する能力構築支援を強化し、所得、性別、年齢、人種、民族、居住資格、障害、地理的位置(中略)質が高く、タイムリーかつ信頼性のある非集計型データの入手可能性を向上させる。」と述べられている。SDGsの達成を図るために指標が設定されていることから、SDGs達成のためには適切なデータの収集が不可欠といえる。

ここでは、途上国に限定された書き方となっているが、フォローアップとレビューの74「基本原則」のGでも述べられているように、各国がフォローアップやレビューを行う際に使用するデータは、収入、年齢、性別等に加え、障害等あらゆる状況を踏まえた、高品質で、アクセス可能、時宜を得た、細分化されたデータを収集する必要がある。わが国の障害に関するデータは、性別や年齢、所得等、障害の有無による比較がされてきていない。

今後、わが国が真にSDGsを達成していくためには、今後政府が行う調査において、前記のようにあらゆる状況を踏まえた、細分化されたものでなければならない。これらのデータに基づき、障害について明記がないSDGsのゴールを含むすべての目標において、「誰も取り残されない」社会を目指していかなければならない。

(たまるけいいちろう DPI日本会議)