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平和と社会正義実現のための支援-アジアにおけるSHIAの協力

グニラ・ホーリング(SHIAプログラムコーディネータ)

登録する文献の種類:
その他

情報の分野:
その他

主題:
平和と社会正義実現のための支援-アジアにおけるSHIAの協力

著者名・研究者名:
グニラ・ホーリング(SHIAプログラムコーディネータ)

掲載雑誌名:
JANNET NEWS LETTER

発行者・出版社:
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会

巻数および頁数:
第12巻  4頁-5頁

発行年月:
1997年1月

キーワード:
1.国際協力
2.スウェーデン
3.民間団体(NGO)

要約:
 SHIAは目下、アフリカ、ラテン・アメリカ、アジアの18カ国で、60の事業を実施中である。600万米ドルの経費は主としてスウエーデン政府からの助成金で賄われている。アジアでは、15の事業がインド、ネパール、スリランカ、タイ、ベトナム、ラオスで実施されており、その主な目的は、リハビリテーションと教育のための特別な活動を除いては、これらの国々の障害者組織を支援することである。

文献に関する問い合わせ先:
〒162 東京都新宿区戸山1-22-1
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
Phone: 03-5273-0601
Fax: 03-5273-1523

平和と社会正義実現のための支援-アジアにおけるSHIAの協力

グニラ・ホーリング(SHIAプログラムコーディネータ)

背 景

スウエーデン国際障害者援助財団(SHIA)は、1981年、国連が宣言した「国際障害者年」にあたり設立された。今日では、30万人以上のいろいろな障害を持つ人々から構成される14の協会の代表がSHIAの評議会員になっている。

目 的

 SHIAの主な目的は、発展途上国の障害者の組織を支援し、障害者の社会的な完全参加と平等を目的とする開発事業に協力することである。障害者に対する支援と理解を創りだすことは、彼らに対する社会一般の態度を変化させるための重要な戦略である。SHIAの会員団体は、生活環境/リハビリテーションおよび教育の各分野での事業を企画実施することも使命としている。
SHIAは、国連の障害者に関する世界行動計画障害者の機会均等化に関する基準規則、女性差別撤廃のための条約、児童権利条約で策定された目的と戦略ならびにスウエーデン政府の国際開発協力の諸目的に協力している。
SHIAがその事業を提案実施する場合に欠くことができない基準は、貧困の撲滅、民主主義と人権の推進、障害を持つ婦女子の支援などである。SHIAの本部はストックホルムにあるが、現地活動を行う支部は、国内のコーディネーターが配置されているスリランカと、当該地域のコーディネーターが配置されているニカラグアにおかれている。

事業支援

 SHIAは目下、アフリカ、ラテン・アメリカ、アジアの18カ国で、60の事業を実施中である。600万米ドルの経費は主としてスウエーデン政府からの助成金で賄われている。アジアでは、15の事業がインド、ネパール、スリランカ、タイ、ベトナム、ラオスで実施されており、その主な目的は、リハビリテーションと教育のための特別な活動を除いては、これらの国々の障害者組織を支援することである。

インド

スウエーデン視覚障害者協会は、全インド盲人連合会と協力して、弱視の児童とビハールおよびアンドウラ・ブラデシのCBR(地域に根ざしたリハビリテーション)事業を支援している。またスウエーデンの全国知的障害者協会は、カルカッタの障害者補助授業評価協議会と協力して一般の意識向上と両親の教育のための情報活動を実施している。

ネパール

 知的障害者スウエーデン協会は、ネパール障害者協会と協力して、カトマンズ、ダヌーシャ、ポカラおよびカイラリ地区でCBR事業を支援している。スウエーデン全国聴覚障害者協会はそのストックホルム支部と共に若年の女子聴覚障害者のための職業訓練計画を実施している。聴覚障害をもつスウエーデン人アドバイザーは、スウエーデン全国聴覚障害者協会の財政的援助を受け、現在活動中のCBR計画の枠内で聴覚障害者のための諸活動や教育を推進し、ネパールの聴覚障害者や難聴者の全国団体の組織を支援している。

スリランカ

 スウエーデン全国聴覚障害者協会は、スリランカの聴覚障害者中央連合会を支援している。スウエーデン全国知的障害者協会は、マツガーナのリハビリテーションセンターを設備面と職員訓練面で、またダイアレイプの子供の家を改装および設備面で支援している。スウエーデン障害者連合会、スウエーデン視覚障害者協会などのSHIAの会員団体は、スリランカの労働社会福祉省や障害者団体と協力して、カルータラ地区の障害者のリハビリテーションや職業訓練について広汎かつ長期にわたる開発計画の実現に協力している。スウエーデン視覚障害青年協会は、ラトラマナ盲学校と協力している。

タ イ

 スウエーデン全国聴覚障害者協会は、この国の全国聴覚障害者協会を支援している。スウエーデン難聴者協会は、技術援助、設備供与および医療/聴能関係職員の研修などを含む、聴覚障害を防止するための広汎なプログラムを実施してきたが、訓練などで、今ではコンケン地区でろうおよび難聴児のための学齢前教育を実施中である。スウエーデン視覚障害者協会は、タイ盲人協会と協力している。

ベトナム

 スウエーデン視覚障害者協会は、ベトナム盲人協会と協力してニンビンおよびティエン・ジャン州で実施されているCBR事業を支援している。スウエーデン全国聴覚障害者者協会は、ESCAP(国連アジア太平洋経済社会委員会)と共同で、1996年10月ハノイで開催される障害に関するワークショップの経費の一部を負担している。

ラオス

 スウエーデン難聴者協会は、ラオス人民民主主義共和国で、特に聴覚障害児を中心に支援するプログラムの準備のために、その実現の可能性を検討中である。

地域協力

 SHIAは、アジア太平洋障害者の10年の宣言にかかわる具体的施策支援のため、ESCAPに協力を行っている。1993年地域内の聴覚障害者団体育成や焦点をあてた地域セミナーが協同で開催され、ESCAPの「障害者の自助組織」についてのマニュアルを再発行するための経費援助が供与され、また1995年には障害をもつアジア女性についての報告「忘れられた姉妹達」がSHIAの援助で作られた。北京の女性会議に際しては、障害をもつ女性のニーズに焦点を当てた事前のセミナーが、ESCAP/SHIAの協力で開催された。