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成瀬正次(日本障害者協議会)

登録する文献の種類:
その他

情報の分野:
その他

主題:
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著者名・研究者名:
成瀬正次(日本障害者協議会)

掲載雑誌名:
JANNET NEWS LETTER

発行者・出版社:
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会

巻数および頁数:
第13巻  2頁

発行年月:
1997年4月

キーワード:
1.国際協力
2.障害者プラン
3.障害当事者団体

要約:
 障害者プランの柱のひとつである「国際協力」は3つの項目から成り立っている。それは、(1)ODA(政府開発援助)における障害者に対する配慮、(2)国際機関を通じた協力の推進、(3)国際協調・交流の推進であるが……。

文献に関する問い合わせ先:
〒162 東京都新宿区戸山1-22-1
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
Phone: 03-5273-0601
Fax: 03-5273-1523

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成瀬正次(日本障害者協議会)

 障害者プランの柱のひとつである「国際協力」は3つの項目から成り立っている。それは、

(1)ODA(政府開発援助)における障害者に対する配慮、
(2)国際機関を通じた協力の推進、
(3)国際協調・交流の推進

であるが、(1)の後半で、「国際協力事業団等を通じた研修員の受け入れ、専門家、青年海外協力隊の派遣等を積極的に推進するとともに、我が国の障害者自身の国際協力への参画について検討を行う。」と説明されている。

 この「検討」作業については既に一昨年、国内の関連団体に対するアンケート、昨年、海外関連団体へのアンケートに加えて現地調査が行われている。調査の目的の一つは障害当事者による協力の可能性を把握することにあった。対象国はタイおよびネパール。調査団の構成は次の通り。障害当事者が2名、専門家2名、手話通訳者1名、JICAから3名。
タイにおける訪問先は、障害者リハビリテーション委員会他8団体。当事者団体は身体障害者協会と全国聾唖協会の2つ。アクセス改善など課題はあるが、タイでは障害者対策が国の施策(障害者リハビリテーション法)の中に位置づけられているし、障害当事者が中心となって活動している。
ネパールでは、大蔵省、女性・福祉省をはじめ9団体を訪問した。当事者団体としては3年前にスタートし、現在加盟56団体に成長した「全国障害者連盟」がある。障害分野の施策については各省庁の次官クラスと障害当事者4名の作業委員会で検討中である。各国NGOの援助を受けてきた歴史の古い団体は多いが、日本の障害当事者が自らの生きた経験を伝え交流することで、大きな役割を果たすことができる。
最後に政府の「生活福祉空間づくり大綱」の一節を引用し、国際協力プロジェクトの成功を祈りたい。「障害者を含む全ての人々が自立し尊厳を持って社会の重要な一員として参画して交流することが可能な社会、これこそがいきいきとした社会を構築するうえでの基本目標でなければならない」。