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DAISY - 次世代録音図書の国際標準

河村宏 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター

項目 内容
掲載雑誌名: JANNET NEWS LETTER
発行者・出版社: 財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
Japanese Society for Rehabilitation of Disabled Persons
巻数および頁数: 第4巻3号 1頁
Vol.4 No.3 p.1
発行年月: 1997年10月
October 1997
文献に関する問い合わせ先: 〒162 東京都新宿区戸山1-22-1
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
Phone: 03-5273-0601
Fax: 03-5273-1523

DAISY - 次世代録音図書の国際標準

河村宏 日本障害者リハビリテーション協会 情報センター

1997年8月、コペンハーゲンで開かれたDaisy Consortium会議の席上、最後に残された主要な未加入地域である米国を代表する団体の加入が承認された。この瞬間、21世紀の録音図書はDAISY(Digital Audio Information System)で統一されることが約束され、インターネット上で流通するマルチメディアに録音図書も仲間入りする道が開かれた。

DAISYと従来の録音図書の最大の相違は、目次、ページ、索引、しおりなど晴眼者が普通に本を読む時に使う機能があることである。再生スピードも可変である。コンピューターの画面に音声と同時にテキストを表示することもできる。そして何よりもファイル圧縮技術による長時間録音が魅力である。操作が簡単な専用プレーヤーは日本政府の助成によって世界26カ国で試験され、高い評価を得ている。

DAISYが現在のカセットに代わる次の世代の録音図書の標準規格として合意されたことによって、視覚障害、上肢障害、学習障害などの様々の障害により録音図書を必要とする人々が、世界中で情報資源を共有するための環境が整いつつある。スウェーデンの小都市で生まれ、日本をはじめとする11カ国の共同開発で大きく成長したDAISYは、本年末から来年にかけて、発展途上国を含めた世界中の音声情報を必要とする障害者の身近で様々な形で話題になるだろう。

日本障害者リハビリテーション協会は、現在構築中の研究情報システムをすべての障害者にアクセス可能とするために、最新のDAISYの開発成果を取り入れて開発を進めている。アクセスにコンピューターを使いたくない人には電話によるナビゲーションも提供する。同時に、インターネットに広がる広大な情報空間の完全なナビゲーションを視覚障害者にも提供するために、DAISYに対応した視覚障害者用WWW閲覧ソフトを開発している。この新システムは、世界に先駆けて実用化されたDAISYを含むWWWとして1998年1月より稼動する予定である。