音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

MEMBER'S REPORT

ぶりっぢの活動

和田雅行

項目 内容
掲載雑誌名: JANNET NEWS LETTER
発行者・出版社: 財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
Japanese Society for Rehabilitation of Disabled Persons
巻数および頁数: 第4巻3号 4頁
Vol.4 No.3 P4
発行年月: 1997年10月
October 1997
文献に関する問い合わせ先: 〒162 東京都新宿区戸山1-22-1
財団法人 日本障害者リハビリテーション協会
Phone: 03-5273-0601
Fax: 03-5273-1523

ぶりっぢの活動

和田雅行

JANNETへの入会は、当時新聞記事を見てJANNET設立総会に参加したのがきっかけであった。会員の中で個人加盟というのは私だけであり、すばらしい活動をされている団体の中にあって、勉強させて戴こう思っている。

私は、知的障害者の施設で働いているが、また小さなボランティアグループにも所属している。今回は、そのグループである「国際福祉支援作品交流ネットワーク ぶりっぢ」を紹介したい。

「ぶりっぢ」は、1988年に代表の荒井章の呼びかけで、主に福祉施設職員が集まり発足した。荒井は、20数年前韓国の障害者施設を訪れ、その後もさまざまなアジアの国の国際交流活動に参加してきた。

会の目的として、「日本と海外における福祉集団の経済的支援のひとつとして、海外の障害者や福祉・NGOの作品等を購入し、日本の福祉ショップ、バザーなどの商品として提供することで、双方に利益が生み出せるよう橋渡しを行う。この交流ネットワークを通して、海外作品の紹介、関係者の人的交流、日本の福祉界とNGOの交流促進活動を行う。」ことを掲げた。

当初は、韓国の陶磁器や木工品、NGOの作品をバザーで紹介販売したが、大量に売れ残ってしまいつまずきかけていた。そこで、バザーなどで売れる小物を考えた。日本各地の施設などがバザーをするときは、プラスチックケースの衣装箱に小さく仕切った木箱にアクセサリーなどの小物を入れ、4段重ねて宅配便で送る。木箱を取り出して机の上に並べればすぐに店を出せて、手間がかからない。簡単に扱えるセットで、私たちはこれを「ミニショップ」と呼んでいるが、終わればまた返送してもらうだけである。これが私たちの活動も支えている。現在、北海道から大阪まで約40団体が利用しており、福祉関係に限らず子供会、学童保育、PTA、自治会等の運営資金にも利用されてきている。

少しずつでも軌道に乗ってきている感があったが、宅配便のみでは第三者の目にはその活動ぶりは見えない。そこで、自宅の一室を利用して展示場(ぶりっぢサロン)を造った。

ここでは、日本の福祉施設や作業所で作られた作品や、NGOの作品などを展示、委託販売し活動を紹介している。このほか、毎年韓国より韓国支部のスタッフはじめ福祉施設関係者、留学生を招いて施設見学を行ったり、逆に日本の施設関係者とともに韓国を訪問し交流を図っている。また、JANNETに加盟したことで、カンボジアで活動している小味かおる氏、リハブ・クラフト・カンボジアのコリン・マクレナン氏とも交流が出来、作品を紹介させていただいている。昨年、カンボジアで活動しているNGOのスタディツアーに参加し、お二人にお会いすることも出来た。毎年10月に日比谷公園で行われる「国際協力フェスティバル」にも参加させていただいている。

さらに、ネパールにおいて単独で村に入って共同生活し、学校建設や医療支援活動をしている垣見一雅氏と出会い、昨年私達もネパールを訪問し実情を伺うことも出来た。バングラデシュについても、個人的なつながりから、婦人労働者の作品も紹介している。

今年度の主な計画は、次のとおり。

  1. 「ミニショップ」の利用団体を増やし、現に交流している障害を持つ人達が自分たちで韓国を訪問出来るようにサポートしていく。
  2. 福祉施設、作業所職員等との情報交換。
  3. 海外の施設関係者との交流。
  4. NGO団体との交流
  5. 展示場でのバザーを通して、地域との交流を深めていく。

以上に重点を置きながらも、ほんの小さなグループであるが、人的ネットワークを大切にし、細々とながらも支援活動を続けていければと考えている。