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APWD(アジア・ワークセンター・ネットワーク)の設立について

日本障害者リハビリテーション協会 丹羽 勇

1997年11月、京都で開かれた障害者の就労を支援する国際社会就労組織の国際会議に集まったアジア・太平洋地域からの参加者の合意をえて、アジアの障害者作業所のネットワーク(APWD)が組織された。この新しい組織は、日本の全国社会就労センター協議会(会長 調 一興氏)が発起人となって結成されたものである。このネットワークの目的は、アジア・太平洋地域に活動している障害者の作業所の連携と協力を強化し、作業所の働きをより効果的に、より近代的に発展させることによって、より多くの障害者に就労の機会を創出することである。

このネットワークは、日本を含めて18か国の障害者作業所でスタートした。APWDの初代の事務局長には日本障害者リハビリテーション協会の丸山一郎氏が満場一致で選任された。また、今後組織の発展を検討する作業委員会には、日本からは共同作業所連絡会理事長の鈴木清覚氏が、オーストラリア、シンガポール、フィリピン、インド、インドネシア、中国(香港)からの代表7名の中に加わった。

アジア・ワークセンター・ネットワークの当面の活動として①情報の交換、②作業所に従事する職員の資質の向上をはかる訓練セミナーの開催、③障害者作業所の製品の国際的な販売、④作業所の効率的運営や生産技術の向上を図る技術協力等が提案された。

この連携組織の誕生は、「アジア・太平洋障害者の十年(1993-2002)」の重要な行動課題の一つである地域内組織間の協力の前進と評価されよう。組織づくりは簡単だが、目に見える具体的な成果を一つひとつ作り出すには今後の努力にかかっている。


出典
”JANNET NEWS LETTER” Vol.4 No.4 (通巻16号)


発行者

障害分野NGO連絡会(JANNET)


発行年月

1998年1月


文献に関する問合せ先

(財)日本障害者リハビリテーション協会
162-0052 東京都新宿区戸山1-22-1
Tel 03-5273-0601  Fax 03-5273-1523