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「JANNET NEWS LETTER」
(January 2000 第24号)
障害分野NGO連絡会(JANNET)発行

<トピック>

第14回アジア精神遅滞会議に参加して

日本知的障害福祉連盟 有馬正高

 昨年11月28日から12月3日にかけて、第14回アジア精神遅滞会議(以下第14回会 議と略)がネパール王国首都カトマンズで開催された。この会議は、2003年に日本で開催 が決定しているので、会議の母体であるアジア精神遅滞連盟(以下AFMRと略)の紹介 も兼ね、その模様を報告したい。

  1. アジア精神遅滞連盟(AFMR)の構成
    AFMRは、1993年に第1回会議をマニラで開催した時に結成された。現在のAFMRは、アジア14か国から推薦された知的障害関係団体を構成員として運営される。日本 からは日本知的障害福祉連盟が代表として承認されている。AFMRは、2年に1度アジア会議を開催し、第14回会議で開催国が1巡した。
  2. 第14回会議の運営
    開催の責任団体はネパールで公認されているNGO精神遅滞福祉協会であり、そのPrasad会長がAFMR会長として統括した。
    会議の主題は「精神遅滞をもつ人たちの機会均等に向けての戦略、親、地域、政府、国家、国際機関の役割」とされ、特別講演7題、各国報告8か国、CBRワークショッ プ、一般口演27題、ポスター発表10題の他に、女王陛下出席の開会式、各国参加者の演芸を含む閉会パーティー、バスツアー等のイベントが行われた。会議事務総長にきい た話では、国内約100人、国外約200人の参加であった。
    日本からは約60人が参加した。
  3. 発表された話題
    特別講演は、家族支援、演劇療法、言語学習プログラミング、CBRの成功例、機会均等、教育カリキュラム等に関する内容の発表と質疑であった。機会均等については、特 殊教育の場として養護学校と一般学校への統合が議論となり、アジアにおいては欧米の社会家庭環境との差を認識して方向を定める必要があると考えられた。なお、域外から 唯一の招待講演者であった国際育成会ウイルス会長は、今後望まれる活動の方向とアジアの国際への参加を説いた。ポスター発表は過半数を日本からの参加者が占めたが、今後はもっと増加するものと予想される。
  4. 感想
    3年前まで、経済的に開催は困難と訴えていたネパールの関係者達が、最終日のパー ティーでは喜びと安堵感を全身で見せてくれた。
    30年近くにわたる14か国での会議を経て、ようやく各国間で知人友人が増加してきたことが印象づけられた。特に、最貧国と思われる国からも予想以上の参加があり、活 発に発言に加わっているのを見て、今後の日本を含む国際協力のあり方に思いを馳せた。
    付記:
    アジア会議の前日、ポーテージ協会によるポーテージワークショップが開催され、100名近くの参加者があって盛会であった。