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「JANNET NEWS LETTER」
(April 2001 第29号)
障害分野NGO連絡会(JANNET)発行

<トピック>

終盤を迎えた「アジア太平洋障害者の十年」
キャンペーン2000バンコク会議開催さる

アジア太平洋障害者の十年推進NGO会議(RNN)事務局長 丸山一郎
修士課程・作業療法士 林 由美子

 国連・ESCAP「アジア太平洋障害者の十年」は終盤に入り、2年を残すのみとなった。この「十年」は、国連・障害者権利宣言(1975年)からの障害者問題の解決に向けた一連の国際協調行動の恩恵を最も受けた日本が提案し実現させたものである。
しかしながら、この時点でも日本での周知度はとても低く、関係者ですらその存在を知らないようで、周知度80%の国際障害者年(1981年)や同20%の「国連・障害者の十年(1983年~1992年)」に比べて提案国日本のPR努力は殆どない。
ましてアジア太平洋地域では、一般住民の話題になることは全くない状況である。世界の他の地域では実施されなかった<UN Asian & Pacific Decade of Disabled Persons国連・ESCAP「アジア太平洋障害者の十年」>は単なるお題目に終わるのであろうか。
最終年の明年は日本で政府評価会議(閣僚会議の可能性あり)が開かれることになった。


「十年」推進キャンペーン会議とRNN
この中にあって、「国連・障害者に関する長期計画」の実施のための国際協調を広く知らせ、「完全参加と平等」に向けて12の行動課題の実施を各国で推進するために、NGOが毎年各国で開催してきたのが<アジア太平洋障害者の十年推進NGO会議(RNN)>の推進キャンペーンと、進捗状況を評価するための会議である。
RNNの母体は『新・障害者の十年推進会議』(日本身体障害者団体連合会、日本障害者協議会、全国社会福祉協議会、日本障害者リハビリテーション協会で構成)であるが、1993年にはじめての推進キャンペーンを沖縄で開催した際に、各国の障害者団体ネットワークを結成した。現在16ケ国の国内障害者団体と8の国際NGO(WFD,WBU,DPI,II,RIなど)が加盟している。。


タイ・キャンペーン
マニラ、ジャカルタ、オークランド、ソウル、香港、クアランプールでの実施の後、8回目のバンコク・キャンペーン会議は、12月12日からの3日間、国連エスキャップを会場に全体会・分科会・展示・施設見学などが行われた。障害者対策を進めるための基調講演や各国のバリアフリーへの改善状況が示され、行動課題の実施評価をめぐっての討論がなされたが、特に障害女性の活発な発言が目をひき、障害別交流会も盲、ろう、知的障害別など活発であった。また、少数ながらも精神障害者の参加が目立った。最終日には会議の決議がなされ、各国・国連へのアピールとして採択されている。
(9回目のキャンペーンは、長い戦乱を経験したベトナムで本年12月11日からハノイ
で開催される。最終年はスタートの日本に戻り10月大阪で開催予定となっている。)