音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

「JANNET NEWS LETTER」
(October 2001 第31号)
障害分野NGO連絡会(JANNET)発行

<トピック>

GLADNET年次総会に参加して

大阪市職業リハビリテーションセンター 井上 宜子

GLADNET総会会場の風景

 2001年5月16日~18日に京都市国際交流会館にて本総会が開催された。参加者はESCAPやILOの専門官・大学関係者・障害者団体・支援機関・企業等であった。
私は、知的障害者の情報処理訓練事業に従事しており、企業に送り出した修了者の多くが事務職としてPCを使った仕事に従事している。今回は、訓練修了後に高島屋大阪店に就職した女性が上司とともに発表するということで参加した。 
現在、彼女は総務部人事グループで、アルバイトの採用業務(電話応対やアルバイトの申込受付、発送業務等)の仕事に携わっている。時折、会社を訪問するが、彼女と周囲の方との間に障害はほとんど感じられない。会社が配慮している事柄(できる限り得意な仕事を用意し、仕事しやすい環境を整える等)はあるが、共に働く方がごく自然に受け止め実践しているため、その結果として、障害を感じさせないのだと思われる。彼女の発表では、就職までの経緯と仕事内容について感想を交えながら端的に述べられていたが、仕事に対する責任感、企業人としての自覚が伝わってきた。そして、職業リハビリテーションにおいて企業就労に勝るものはないことを改めて実感した。
本総会では、ICT(information and communication technology)へのアクセスの可否が就労や教育等に与える影響は大きく、アクセシビリティーを高める重要性について多くの報告があった。その一つの取り組みとして様々な障害に対応できるソフト、DAISYの紹介があった。知的障害等に対応するものとして、実際に人間の話す声に同期してテキストや絵が表示されるものが、プレゼンテーションでも使用されていた。従来、視覚障害や肢体不自由向けの支援機器は目にしてきたが、知的障害等に対応するものは初めてであり、興味深く拝見した。能力開発施設の業務に携わるものとして、今後何らかの形で活用させていただきたい。

(注)GLADNETグラッドネット:Global Applied Disability Research and Information Network on Employment and Training (障害者の雇用と訓練に関する情報交換の国際的なネットワーク)
URL http://www.gladnet.org/