音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

厚生労働省 生活支援ニュース第2号

発行日:平成23年(2011年)4月12日(火)

厚生労働省
Ministry of Health, Labour and Welfare

出典:
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000014uzs-img/2r98520000018rrs.pdf

「大切なお知らせをお届けします」

東日本大震災から1か月が経ちました。まだまだ不便な生活を送られていることと 思いますが、体調を崩されてはいませんか?「生活支援ニュース 第2号」では、体 調を維持するための健康法、生活やしごとの支援のための各種制度などを紹介し ています。毎日の生活にぜひお役立てください。

みなさんのまわりに、目や耳の不自由な方や、 身のまわりの状況が即座には把握しにくい、 といった方はいらっしゃいませんか?

そうした方は必要な情報を得ることが難しく、支援の手がさしのべられないおそれがあ ります。耳の不自由な方には筆談で情報を伝えるなど、周囲の人の手助けが必要な方 に、ちょっとした心配りをお願いします。

もくじ

生活支援について

健康のために

しごとの支援について

お子さんのいる方、妊娠中の方へ

配慮が必要な人へ

生活支援について

当面の生活費を10万円まで無利子でお貸しします。(特別な場合には20万円)

被災された方のさしあたっての生活資金として、 所得に関係なく1世帯あたり10 万円を無利子でお貸しする「緊急小口資金」の特例貸付があります。亡くなられた 方や要介護の方がいる世帯、4人以上のご家族がいる世帯などには、最大20 万円をお貸しします。お近くの市町村の社会福祉協議会(社協)へお申し込み ください。別の自治体に移られた方も、避難先の社協で受け付けます。当初1年間 は返済する必要がなく、償還期限はその後2年以内となっています。

その他の主な支援制度

◆借りる

制度名 概要 申請窓口 限度額
災害援護資金 負傷したり、住居・家財に被害を受けた方に、援護資金をお貸しします。 市町村 ~350万円
母子寡婦福祉貸付金 母子家庭の母または寡婦に対して、生活資金をお貸しします。 県・市(福祉事務所) 月額10万3千円

◆受けとる

制度名 概要 申請窓口 限度額
失業保険 災害による事業所の休業などで、実際には離職していない休職状態などでも、給付を受けることができます。 ハローワーク 直近の給与の50%~80% 給付日数90日~330日
広域活動給付費 ハローワークの紹介で、往復300km以上遠方の会社を訪問して就職活動をする場合に支給されます。 ハローワーク 交通費実費+宿泊料(一泊上限8,700円)
移転費 ハローワークの紹介で、遠方の会社に就職する場合に、引っ越しにかかる経費などが支給されます。 ハローワーク 交通費実費 +移転料(上限141,000円) +着後手当(上限19,000円) ※単身の場合
未払い賃金の立替払 地震による被害で中小企業などの賃金が未払いの場合、立て替え払いします。 労働基準監督署 未払い賃金総額の8割(最大296万円)

お知らせ(年金)

年金は、予定通り4月15日にいつもの口座に振り込まれます。通帳や印鑑、キャッシュカードをなくした方は、 金融機関にご相談ください。
お問い合わせは被災者専用フリーダイヤル、0120(707)118へ。
受付時間:(月~金)9時~17時

健康のために

心身の健康を保つために

不便な避難所の生活ではがまんを強いられ、これまでにないストレスを受けて おられることでしょう。自由に動き回ることもままならないでしょうが、心身の健康 を維持するためのヒントをご紹介しますので、身のまわりのことが一段落したら、 参考にしてください。

「生活不活発病」に備えましょう

「動かない」状態が続くことで心身の機能が低下し、「動けなくなる」のが「生活不活発病」で、特に 高齢者や持病のある人に起こりやすいのが特徴です。
避難所では、それまで行っていた掃除や炊事、買い物などができなかったり、ボランティアの方から 「こちらでやりますよ」と言われて受け身になってしまったり、疲労がたまったり・・・と動かなくなる 条件がたくさんあります。
生活不活発病になると、歩くことが難しくなったり疲れやすくなったりして「動きにくく」なり、「動か ない」ようになってますます病状がすすむ、と悪循環になりがちなため、早期の対応が大切です。

「燃え尽き症候群」という言葉で知られるようになりましたが、 長期間、心身が張り詰めた状態が続くと、ものごとへの意欲が急に なくなってしまうことがあります。これは一種のストレス反応です。 このような状態になるまでストレスをためないよう、気分転換し たり、休息をとったりしてリラックスするよう努めましょう。 誰にとっても新しい環境ですから、最初からはりきりすぎずに、 上手に自分のペースを見つけて過ごすようにしてください。

支援者のみなさん、はりきりすぎは禁物です!

健康やこころの問題の相談に応じます(産業保健推進センター)

産業保健推進センターでは、被災された方からの健康上の不安やこころの問題についての電話相談を実施しています。

健康関係:0120-765-551(受付時間:土、日・祝日を除く 13:00~17:00)

こころの問題:0120-226-272(受付時間: 同上 9:00~12:00、13:00~17:00)

こころの相談電話を開設しています〔日本精神衛生学会〕

精神科医師、臨床心理士、保健師、精神保健福祉士など、専門のスタッフが電話相談に応じます。

0120-111-916
4月23日(土)まで毎日13:00~22:00

「生活不活発病」の早期発見を

発見のポイント

チェックリストの①~⑥の項目について地震前(左側)と現在(右側)のあてはまる状態に✓をつけてください。
このチェックリストで、各項目の上から2番め以下にチェックがある時は注意してく ださい。
特に地震前(左側)と比べて、現在(右側)が1段階でも低下している場合は、 保健師、救護班、医療機関などにご相談ください。

生活不活発病チェックリスト

地震前 現在
①屋外を歩くこと
□遠くへも1人で歩いていた
□近くなら1人で歩いていた
□誰かと一緒なら歩いていた
□ほとんど歩いていなかった
□外は歩けなかった
□遠くへも1人で歩いている
□近くなら1人で歩いている
□誰かと一緒なら歩いている
□ほとんど外へは歩いていない
□外は歩けない
②自宅内を歩くこと
□何もつかまらずに歩いていた
□壁や家具を伝わって歩いていた
□誰かと一緒なら歩いていた
□這うなどして動いていた
□自力では動き回れなかった
□何もつかまらずに歩いている
□壁や家具を伝わって歩いている
□誰かと一緒なら歩いている
□這うなどして動いている
□自力では動き回れない
③身の回りの行為(入浴、洗面、トイレ、食事など)
□外出時や旅行の時にも不自由はなかった
□自宅内では不自由はなかった
□不自由があるがなんとかしていた
□時々人の手を借りていた
□ほとんど助けてもらっていた
□外出時や旅行の時にも不自由はない
□自宅内では不自由はない
□不自由があるがなんとかしている
□時々人の手を借りている
□ほとんど助けてもらっている
④車いすの使用
□使用していなかった
□時々使用していた
□いつも使用していた
□使用していない
□時々使用
□いつも使用
⑤外出の回数
□ほぼ毎日
□週3回以上
□週1回以上
□ほとんど外出していなかった
□ほぼ毎日
□週3回以上
□週1回以上
□月1回以上
□ほとんど外出していない
⑥日中どのくらい体を動かしていますか
□外でもよく動いていた
□家の中ではよく動いていた
□座っていることが多かった
□時々横になっていた
□ほとんど横になっていた
□外でもよく動いている
□家の中ではよく動いている
□座っていることが多い
□時々横になっている
□ほとんど横になっている

                       

予防のポイント

  • 毎日の生活の中で活発に動くようにしましょう。
  • 横になっているより、なるべく座りましょう。
  • 動きやすいよう、身のまわりを片付けておきましょう。
  • 歩きにくくなっても、杖などで工夫をしましょう。
  • 避難所でも楽しみや役割を持ちましょう。
  • 気分転換を兼ねて散歩や軽い体操を。
  • 「安静第一」「無理は禁物」と思いこまないで。
    (病気の時は、どの程度動いてよいか相談を)

一方で、予防のためだからと、急に激しい運動を始めるのも逆効果です。 普段よりもからだが疲れやすくなっているので、無理をするとダウンして しまいます。少しずつ、休憩をはさみながら動きましょう。

しごとの支援について

従業員の方へ

勤め先が被災し、休業や一時的な離職を余儀なくされた方には、雇用保険の「失業給付」が受けられます。 遠方に避難している
場合は、避難先近くのハローワークで手続きが行えます。

遠方での就職を検討している方へ。
面接交通費と引っ越し代を支給します。

失業給付を受けながら、ハローワークに求人登録して遠方での就職を探している方には、面接のための交通費や、就職が決まった後の引っ越し代が出ます。詳しくは、 「その他の主な支援制度」の「広域活動給付費」「移転費」をご覧ください。

震災で死亡・負傷した方は「労災保険」の対象となります。

仕事中や通勤中に地震や津波に遭い、死亡・負傷した方は労災保険の対象となります。亡くなった方については、遺族年金、または一時金が遺族に支払われます。けが をした方には治療費のほか、療養のため仕事に行けない場合は賃金の約8割相当額の給付などが受けられます。

支払われない給料や退職金は、国が立て替えます。

震災で勤めていた会社が倒産し退職された方で、給料や退職金が支払われていない 場合は、国が会社に代わって一部を立て替え払いする制度が利用できます。

労災保険や「未払賃金立替払制度」については、申請手続きも簡素化しています。
詳しくは、労働基準監督署へお問い合わせください。

事業主の方へ

震災による直接被害で休業せざるを得ず、賃金も支払えない状態であれば、従業員は雇用保険の「失業給付」が受けられます。 一方、「取引先が震災で被害を受け、部品が調達できない」などの理由で事業活動が縮小している場合は、従業員に支払う休業手当の一部を助成する「雇用調整助成金」を受けられます。詳しくはハローワークにご相談ください。

平日は午後7時まで、土日もハローワークは開いています。

ハローワークでは、「特別相談窓口」の設置や避難所への出張相談で、被災された みなさんの支援に取り組んでいます。特に、岩手、宮城、福島3県内14か所の ハローワークでは、土、日・祝日も窓口サービスを行い、平日も午後7時まで時間 を延長しています。お気軽にご相談ください。

平日の時間延長と、土・日に窓口を開けるハローワーク

□岩手:釜石、宮古、大船渡、久慈
□宮城:仙台、石巻、塩釜、気仙沼
□福島:福島、平、会津若松、郡山、二本松、相馬出張所

開庁時間平日 8:30~19:00/土、日・祝日 10:00~17:00
  ※気仙沼は停電中のため、当面、平日は17:15まで

障害のある方の雇用相談に応じます

被災地域の「障害者職業センター」では、障害のある方の雇用に関する特別相談窓口を設置し、さまざまな相談・不安にお答えしています。どうぞご利用ください。 (受付時間はいずれも月~金 8:45~17:00)

□青森県/電話:017-774-7123 FAX:017-776-2610 E-mail:aomori-ctr@jeed.or.jp

□岩手県/電話:019-646-4117 FAX:019-646-6860 E-mail:iwate-ctr@jeed.or.jp

□宮城県/電話:022-257-5601 FAX:022-257-5675 E-mail:miyagi-ctr@jeed.or.jp

□福島県/電話:024-522-2230 FAX:024-522-2261 E-mail:fukushima-ctr@jeed.or.jp

□茨城県/電話:0296-77-7373 FAX:0296-77-4752 E-mail:ibaraki-ctr@jeed.or.jp

□栃木県/電話:028-637-3216 FAX:028-637-3190 E-mail:tochigi-ctr@jeed.or.jp

□千葉県/電話:043-204-2080 FAX:043-204-2083 E-mail:chiba-ctr@jeed.or.jp

補聴器を無料で交換、修理・点検します。

震災で補聴器をなくしてしまった、壊してしまったという方は、業界団体の協力 で、代替品との交換、修理・点検、電池交換などを無料で行ってもらえます。 お問い合わせは日本補聴器販売店協会、電話03-3258-5964へ。
(受付時間:月~金 10:00~17:00)

お知らせ(ろうきん)

ろうきん(東北労働金庫・中央労働金庫)に口座をお持ちの方が、被災して通帳やカードを紛失した場合でも、 お名前や住所などから本人確認ができれば、1日10万円を限度に預金の引き出しができます。取引ろうきん 以外の店頭でも、同様に取り扱います。

お子さんのいる方、妊娠中の方へ

お子さんのいる方へ

  • 子どもに話しかけたり、抱きしめてあげたり、スキンシップをとって安心感 を持たせてあげましょう。
  • 睡眠がとれるように環境を整えてあげましょう。
  • 遊びを通して感情を外に出せるようにすることが大切です。絵を描いたり ぬいぐるみで遊んだりできるように、遊びの場を確保してあげましょう。
  • 子どもに余裕を持って接することができるよう、大人自身が落ち着いた時 間を持てるようにしましょう。

妊娠している方や赤ちゃんのいる方へ

  • おなかの赤ちゃんが元気に動いていれば大丈夫です。
  • 妊娠中は、冷えるとおなかが張ることがあります。できるだけ暖かくして横に なりましょう。
  • 赤ちゃんにしっかりお乳を吸わせましょう。一時的に出が悪くなっても、あげて いるうちにまた出てくることが期待できます。
  • 粉ミルクを溶く水は衛生的なものを用意します。哺乳瓶の消毒ができない時 は、使い捨ての紙コップを使って、少しずつ、時間をかけて飲ませましょう。
  • ミルクを作る水は、ミネラル分が多く含まれる硬水を避けましょう。

妊婦さんで、「定期健診が受けられない」「出産場所が見つからない」と いったお困りごとがある方は、避難所の救護班や保健師へ早めにご相談 ください。

紙スプーンの作りかた

紙パックからスプーンをつくる方法です。

1 注ぎ口の部分を切り取る。

紙スプーンの作りかた1


2 残りのパックを4分割にする。

紙スプーンの作りかた2


3 口に運びやすくするため、 斜めに切り落とす。

紙スプーンの作りかた3


※事前に洗うなどできるだけ清潔な紙パックをご使用ください。繰り返しの利用はさけてください。

被災者支援サイトOLIVEより転載 URLはこちら   http://www.olive-for.us/

ご存知ですか

被災者の方は、保険証(被保険者証)がなくても全国の医療機関で診 察や治療が受けられます。生活に困っている方については、診察代も 受 診かかりません。地震の後に他の市町村に移った方も同じです。

配慮が必要な人へ

認知症の方への配慮をお願いします

認知症の方が避難所で過ごすには、周囲のみなさんの十分な配慮が必要です。 ご協力をお願いします。

認知症の方に見られる特徴

  • 場所や時間などがわからない
  • 周囲で起こっていることが正しく理解できない
  • 身のまわりのことができなくなる
  • 物事をすばやく理解したり判断することが難しくなるなどがあります。

認知症の方は、環境の変化に大変影響を受けやすく、長期の避難所生活で徘徊 (はいかい)や大声などの症状を引き起こすことが心配されます。 少しの配慮で本人が安定し、家族や周囲の負担も軽減できることがあります。認知症の 方のご家族には「気にしないで」などと、ひと声かけるといった気遣いをお願いします。

避難所生活での認知症の方への配慮と工夫例

1 よく話しかけ、話にも耳を傾ける
誰にとっても状況が分からないことは不安で、それが興奮につながりやすくなります。 説明しても忘れられてしまうかもしれませんが、無理にでもゆっくり、穏やかに会話をすることが、 お互いの負担軽減につながります。

2 静かな環境を(可能な範囲で)工夫する
避難所の出入口付近は騒々しくなりがちなため、興奮を呼びやすく、また徘徊のある方は出て行って しまいやすいので、できるだけ静かで奥まった場所を確保しましょう。

3 以前に近い規則正しい生活リズムを目指す
避難所生活はそれだけで非日常的ですが、時間だけでも以前に近いリズムを心がけましょう。 昼間に外を歩いたり、日光に当たることが夜の安眠につながります。

4 そっと見守りつつ、必要に応じた声かけを
なれない生活へのとまどいや帰宅願望から、徘徊して行方不明になるおそれがあります。また、 身の回りのことも失敗しがちです。必要に応じて声をかけるなど、複数の人で見守りましょう。

5 周囲の方々の理解と協力が大切
認知症について理解してもらうことで、不要な誤解やトラブルを避けましょう。また、見守りなどの 協力関係を築くことにより、介護負担を軽減したいものです。

認知症に限らず、まわりの手助けが必要な方には、間仕切りや畳などを貸し 出せる場合があります。避難所の担当者へお気軽にご相談ください。

ご存知ですか(介護)

まだ要介護認定を受けていない方や、認定の有効期限を過ぎている方 でも、介護サービスを利用できます。お近くの市町村にご相談ください。 生活に困っている方については、サービス利用料もかかりません。