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高齢者の労働と生きがいに関する研究

No.3

3 結果

1 調査対象者のくらしと労働の状況

(1)同居の状況
 最も多いのは男性の場合「配偶者との同居」(90%)、女性の場合「一人くらし」(41%)であった。これは結婚時の男女年齢差、(概ね女性が若い)平均余命差(女性が長い)による相違と思われる(表3-1)。
表3-1 調査対象者のくらしと労働の状況
1 同居の状況(複数回答 問3)
区分
同居の生活者
全体 男女別内訳 年齢別内訳
回答数
と比率
合計 60
~64歳
65
~69歳
70
~74歳
75
~79歳
80歳
以上
1 配偶者
回答数
410
391
19
246
124
36
回答比率(%)
81.3
89.9
27.5
100
84
78
32
40
2 既婚の男子
回答数
51
38
13
25
21
回答比率(%)
10.1
8.7
18.8
13
3 既婚の女子
回答数
39
33
17
16
回答比率(%)
7.7
7.6
8.7
10
10
20
4 子供の配偶者
回答数
47
40
24
18
回答比率(%)
9.3
9.2
10.1
11
11
5 未婚の子供
回答数
72
66
57
12
回答比率(%)
14.2
15.2
8.7
50
20
6 孫
回答数
63
55
31
24
回答比率(%)
12.5
12.6
11.6
11
15
18
7 その他の家族
回答数
15
13
13
回答比率(%)
2.9
2.9
2.9
8 親族以外の親族
回答数
9 一人暮らし
回答数
48
20
28
22
20
回答比率(%)
9.5
4.6
40.6
10
40
回答数合計
745
656
89
426
237
63
回答数者合計
504
435
69
293
160
44
(2) 就労状況
 就労者は男性76%、女性46%。不就労者は男性23%、女性49%であった(残りは無回答)。就労者を年代別でみると70歳前半層までは70%以上、75歳代後半層64%、80歳以上60%と、労働意欲が長期間持続されることが判明した(表3-2)。
表3-2 就業の状況(問4)
区分
有無
全体 男女別内訳 年齢別内訳
回答数
と比率
合計 60~
64歳
65~
69歳
70~
74歳
75~
79歳
80歳
以上
1 している
回答数
363
331
32
211
119
28
比率(%)
72.0
76.1
46.4
100
72
74
64
60
2 していない
回答数
136
102
34
79
40
15
比率(%)
27.0
23.4
49.3
27
25
34
40
3 無回答
回答数
比率(%)
1.0
0.5
4.3
合計
504
435
69
293
160
44
(3) 仕事の内容
 自営、常雇は少なく、臨時、パートの就労が75%を占めている。内訳は労務系37%、事務系28%と、労務系がやや多い。これはシルバー人材センター委託業務の質による(短期労働が多い)と考えられる。加齢につれ、事務系が減少し、労務系が増加している(表3-3)。
表3-3 仕事の種類(問5)
区分
仕事の内容
全体 男女別内訳 年齢別内訳 回答者割合%
件数 比率 60
~64歳
65
~69歳
70
~74歳
75
~79歳
80歳
以上
60

64
65

69
70

74
74

79
80


1 自営農林営業
1.1
1 1 33
2 自営商工サービス業
1.9
1 3 4
3 会社団体の役員管理者
24
6.6
23
11
5 8 14
4 常雇の事務、技術系
33
9.1
33
26
12 5 4
5 常雇の労務系
22
6.1
21
10
5 7 14
6 臨時、パート労務系
136
37.5
120
16
77
49
37 41 32
7 臨時、パート事務系
101
27.8
92
64
29
30 24 18 33
8 臨時、パート技術系
29
8.0
26
15
10
7 8 14 33
9 無回答
1.9
1 3
合計
363
100
331
32
211
119
28
(4) 仕事継続可能年齢
 70歳代前半までは、もう一つ上の年代までの就労を目標とし、70歳代後半に至り、そろそろ仕事の限界と考える人が増えている。65~69歳では「70歳前半まで働ける」(57%)、70~74歳では「70歳代後半まで働ける」(49%)、75~79歳では「今がよいところ」(46%)と答えており、70歳代前半までは勤労意欲が衰えていないことがわかった(表3-4-a)。
表3-4-a 仕事の継続a 肉体的に仕事を続けられる年齢(問6-1)
区分
有無
全体 男女別内訳 年齢別内訳
回答数 比率
60~
64歳
65~
69歳
70~
74歳
75~
79歳
80歳
以上
60~64歳
65~69歳
55
15.1
48
53
70~74歳
158
43.5
143
15
(57)
120
37
75~79歳
97
26.7
93
25
(47)
58
(46)
13
80歳以上
21
8.5
19
わからない
13
3.6
12
無回答
19
5.3
16
11
合計
363
100
331
32
211
119
28
(5) 引退希望時期
 「仕事を続けられる年齢」と「仕事をやめたい年齢」は概ね一致するも、70歳代前半までは仕事継続可能年齢よりさらに上の年齢まで働きたいと考えている人が相当程度みられる。70歳代に達しても気持ちの上では仕事を生きがいと感じていることが窺われる。
 「生涯現役」の思想が日本人に根強く残っていることが判る。70歳代後半になると、「そろそろやめたい時期」、「わからない」が増えている。仕事を離れ、別の生きがいを模索する時期となっている(表3-4-b)。
表3-4-b 仕事の継続b 今の仕事を辞めたい時期(問6-2)
区分
有無
全体 男女別内訳 年齢別内訳
回答数 比率
60~
64歳
65~
69歳
70~
74歳
75~
79歳
80歳
以上
60~64歳
0.3
65~69歳
41
11.3
36
39
70~74歳
128
35.3
116
12
94
34
75~79歳
86
23.7
84
29
45
12
80歳以上
31
8.5
29
15
わからない
25
6.9
21
10
無回答
51
14.0
44
32
16
合計
363
100
331
32
211
119
28

主題・副題:
高齢者の労働と生きがいに関する研究 87~89頁