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創立20年史 財団法人日本身体障害者スポーツ協会

No.13

10.昭和49年度事業

1.第10回全国身体障害者スポーツ大会

(茨城県 水戸市・勝田市・那珂町・東海村)
昭和49年11月2日~3日
参加選手830人 役員他1,281人 計2,111人
スローガン「友愛と希望で結ぶ集いの輪」

1.大会開催のいきさつ
 昭和39年11月に開催された東京パラリンピック第1部(世界22ヵ国が参加した国際大会)および同時に行なわれた第2部 (全国から480名が参加した国内大会)がともに大切のうちに終ったのを契機として,身体障害者スポーツに対する国民の 関心が急激に高まり,昭和40年の岐阜国体が開催されるにあたり,国は毎年国民体育大会の開催県において全国身体障害者 スポーツ大会を開催することと定め,第1回全国身体障害者スポーツ大会が岐阜県で行なわれた。以来,この大会は国民の 深い理解のもとに年々充実発展し,第10回全国身体障害者スポーツ大会が昭和49年11月2日・3日の両日,茨城県笠松運動 公園陸上競技場を中心に5会場で実施されたのである。

両陛下競技御観覧
両陛下競技御観覧

2.大会開催の基本方針
 第10回全国身体障害者スポーツ大会は,身体障害者の社会復帰への旺盛な意欲を助長する「希望と努力の祭典」とし,併せて県民の社会福祉への理解をよりいっそう深めることを重点とした。
 また,「友愛と希望で結ぶ集いの輪」のスローガンのもと,全国からの参加者を“まごころ”をもってあたたかく迎え,友愛にみちた大会とすることを目標として,大会の基本方針とした。

3.大会スローガンと大会テーマ
 大会のスローガンについては,48年9月1日より10月10日まで公募を行ない,パンフレット,新聞広報,ラジオ放送等で広く県内に呼びかけた結果,652点の応募があり,2次にわたる選考審査会で審査の結果,笠間市 大里晴江さんの作「友愛と希望で結ぶ 集いの輪」が大会のスローガンとして選定された。
 なお,大会テーマは茨城国体のテーマ「水と緑のまごころ国体」を受けて「まごころ大会」と定めた。
◎ 愛の県民運動
 全国からの参加者を県民総参加のもとで,“まごころ”をもって迎えるとともに,県民の身体障害者に対する正しい認識をさらに深め,福祉思想のいっそうの伸展を図るため,「愛の県民運動」を展開し成果を収めた。
(1) 愛の折づる
 身体障害者に対する理解及び大会に対する家庭の関心を深めるため,会場周辺地の小学校31校の児童により千羽鶴のレイを作成して,水戸駅頭において各県の選手役員に贈呈して歓迎の意を表した。
(2) まごころの塔
 身体障害者の総参加による大会とするため,県内の身体障害者施設・学校等の入所者・児童・生徒の手によってビニールによるバラの造花を作り,これを高さ8mの塔として主会場に建立した。
(3) 街頭広報
 大会について一般県民の理解を深めるため,8生活福祉事務所が中心となって,管内の身体障害者団体とともに宣伝カー等延約200台,参加者1,000人をもって延約20日間にわたってリーフレット・マッチ・風船等を配布しつつ自動車パレードを実施した。
(4) 愛の絵はがき
 会場周辺地の中学校9校の生徒により,歓迎の絵葉書1,700枚を作成し, 各選手団に配布した。

皇太子殿下のおことば


 身体に障害を持つ人々のスポーツの場である大会が,多くの人々の理解と関心を深めつつ回を重ね,ここに10回目を迎えたことを大変うれしく思います。
 顧みますと,この10年今もって私の脳裏を去らないのは,岐阜県で開かれた第1回大会の光景であります。
 秋空の下,大勢の観衆の前を力強く入場する選手の姿がまことに印象的でありました。それから10年,バスケットボール,盲人野球が加わり,この会も大きく変わりました。
 身体障害者に対する理解と関心には,まだ不十分な面がありますが,今日までの間にずい分と大きく変わったことと思います。発足当時は,選手のほとんどが施設からの参加者でありましたが,回を追うごとに社会人の参加者が増えてまいりました。10年前,日本で開かれたパラリンピックの際,外国選手の多くが社会人であったことを思い合わせると,この間の我が国の歩みを感じるものであります。
 スポーツの意義は,心身の健康の増進に資することにあると思います。我が国の身体障害者の皆さんが,一人でも多くスポーツに親しみ,体のみならず心の健康を保つとともにスポーツの楽しさを味わえるよう,次の10年間,関係者の皆さんに一層の努力を期待したいと思います。
 ここに参加された皆さんが,この大会を心ゆくまで楽しまれ,後々までよい思い出となるよう期待してやみません。

都道府県(市)別参加人員
都道府県
(市)
選手 監督
介護者
役員
視察員
合計 都道府県
(市)
選手 監督
介護者
役員
視察員
合計 都道府県
(市)
選手 監督
介護者
役員
視察員
合計
○北海道 25(8) 8 9 42(8) 静岡県 12 10 34 56 長崎県 10 7 2 19
青森県 9(1) 7 5 21(1) ○愛知県 21(11) 13 2 36(11) 熊本県 10(2) 10 4 24(2)
岩手県 10(1) 6 13 29(1) 三重県 15(1) 6 115 136(1) 大分県 10(2) 6 4 20(2)
宮城県 9(1) 9 0 18(1) 滋賀県 8 10 16 34 宮崎県 10 2 9 21
△秋田県 19 3 15 37 京都府 7 7 3 17 鹿児島県 19(2) 10 17 46(2)
山形県 9 7 2 18 大阪府 12(1) 5 34 51(1) 沖縄県 8(1) 6 5 19(1)
○福島県 21(10) 8(1) 8 37(1) 兵庫県 13(2) 10 11 34(2) 札幌市 8 4 12 24
△栃木県 22(1) 9 4 35(1) 奈良県 8(1) 6 4 18(1) 横浜市 7(2) 7 10 24(2)
群馬県 9(1) 6 5 20(1) ○和歌山県 21(12) 13(1) 30 64(13) 川崎市 8(1) 7 29 44(1)
埼玉県 12(3) 10 48 70(3) △鳥取県 21 4 18 43 名古屋市 8(3) 4 3 15(3)
○千葉県 29(14) 6(1) 50 85(15) 島根県 9(1) 4 14 27(1) 京都市 9(1) 10 6 25(1)
○東京都 35(13) 13(1) 5 53(14) 岡山県 11(1) 3 11 25(1) 大阪市 12(1) 8 0 20(1)
神奈川県 9(2) 4 16 29(2) ○広島県 21(11) 13 6 40(1) △神戸市 23 11 2 36
新潟県 11(1) 10 9 30(1) 山口県 9(1) 4 23 36(11) 福岡市 8 2 6 16
富山県 8(1) 7 4 19(1) △徳島県 23 7 8 39 ○北九州市 18(11) 11(1) 7(2) 36(14)
石川県 7(1) 10 30 47(1) 香川県 9 4 6 19 ○△茨城県 76(16) 11 15 102(16)
福井県 8(1) 9 3 20(1) 愛媛県 11 5 5 21 - - - - -
山梨県 8(1) 7 5 20(1) 高知県 9 2 13 24 - - - - -
○△長野県 37(10) 12 59(4) 108(14) △福岡県 30(1) 11 8 49(1) - - - - -
岐阜県 10 10 37 37 佐賀県 9(1) 9 39 57(1) 合計 830(156) 423(5) 858(6) 2111(167)

(注)△印は盲人野球チームの参加都道府県等
○印は車椅子バスケットボールの参加都道府県等
( )内は車椅子常用者再掲

都道府県(市)選手障害別出場者数
都道府県
(市)
選手名
肢体(1) 肢体(2) 視覚 聴覚
北海道 12(1) -(7) 2 3 17(8)
青森 2 1 2 4 9
岩手 6 1 2 1 10
宮城 5 1 1 2 9
秋田 2 3(12) 2 7(12)
山形 5 1 3 9
福島 3 1(9) 2 6 12(9)
千葉 7 4(10) 4 4 19(10)
栃木 5 1 2(12) 2 10(12)
群馬 1 4 4 9
埼玉 2 3 2 5 12
東京 11 2(10) 4 8 25(10)
神奈川 2 2 2 3 9
山梨 3 1 2 2 8
新潟 3 1 2 5 11
長野 7 -(10) 2(15) 3 12(25)
富山 2 1 1 4 8
石川 3 1 2 1 7
福井 4 1 1 2 8
静岡 7 2 3 12
愛知 5 1(10) 1 4 11(10)
三重 4 1 6 4 15
岐阜 9 1 10
滋賀 5 1 2 8
京都 4 2 1 7
大阪 4 1 3 4 12
兵庫 6 2 3 2 13
奈良 4 1 1 2 8
和歌山 5 2(10) 2 2 11(10)
鳥取 5 2(13) 1 8(13)
島根 4 1 2 2 9
岡山 6 1 2 2 11
広島 6 1(10) 1 3 11(10)
山口 3 1 3 2 9
香川 5 2 2 9
徳島 4 2(15) 2 8(15)
愛媛 6 3 2 11
高知 2 2 3 2 9
福岡 11 1 1(15) 2 15(15)
佐賀 5 1 2 1 9
長崎 3 3 4 10
熊本 3 2 3 2 10
大分 4 2 2 2 10
宮崎 4 2 4 10
鹿児島 10 1 3 5 19
沖縄 3 1 2 2 8
札幌市 5 1 2 8
横浜市 1 1 1 4 7
川崎市 4 1 1 2 8
名古屋市 5 1 2 8
京都市 1 2 4 2 9
大阪市 5 1 3 3 12
神戸市 3 3(15) 2 8(15)
福岡市 1 4 3 8
北九州市 4 1(10) 1 2 8(10)
茨城 23(1) 7(8) 11(15) 11 52(24)
- - - - - -
合計 273(2) 57(94) 131(112) 161 622(208)

肢体(1),肢体(2)の( )は車椅子バスケットボール
視覚の( )は盲人野球

種目別出場人員一覧表
競技群 種目 肢体(1) 肢体(2) 視覚 聴覚 合計
歩走技群 60m競走 - 27 27 - - - - - - - - - - 27 27
100m競走 76 - 76 - - - 26 9 35 40 16 56 142 25 167
200m競走 - - - - - - 5 2 7 16 8 24 21 10 31
400m競走 13 - 13 - - - - - - 9 7 16 22 7 29
800m競走 - - - - - - - - - 5 - 5 5 - 5
1,500m競走 - - - - - - 13 - 13 7 - 7 20 - 20
5,000m競走 - - - - - - - - - 4 - 4 4 - 4
60m直線走 - - - - - - 21 10 31 - - - 21 10 31
100m障害競歩 20 5 25 - - - - - - - - - 20 5 25
車椅子60m競走 - - - - 7 7 - - - - - - - 7 7
車椅子100m競走 - - - 27 - 27 - - - - - - 27 - 27
小計 109 32 141 27 7 34 65 21 86 81 31 112 282 91 373
跳技群 立巾跳 55 10 65 - - - 20 5 25 - - - 75 15 90
走巾跳 41 14 55 - - - 25 10 35 49 22 71 115 46 161
走高跳 2 - 2 - - - 10 4 14 16 13 29 28 17 45
三段跳 - - - - - - 7 - 7 15 - 15 22 - 22
小計 98 24 122 - - - 62 19 81 80 35 115 240 78 318
投技群 砲丸投 45 7 52 8 - 8 19 3 22 18 12 30 90 22 112
槍正確投 50 10 60 15 3 18 - - - - - - 65 13 78
ソフトボール投 41 10 51 7 2 9 25 1 26 - - - 73 13 86
槍投 9 - 9 1 - 1 - - - 12 3 15 22 3 25
ハンドボール投 - - - - - - - 14 14 - - - - 14 14
小計 145 27 172 31 5 36 44 18 62 30 15 45 250 65 315
陸上合計 352 83 435 58 12 70 171 58 229 191 81 272 772 234 1,006
スラローム群 車椅子スラローム - - - 18 6 24 - - - - - - 18 6 24
卓球 シングルス 47 8 55 7 - 7 - - - 16 15 31 70 23 93
弓技 洋弓 8 3 11 9 - 9 - - - - - - 17 3 20
水泳技群 20m自由形 - - - - - - 11 5 16 - - - 11 5 16
20m平泳 - - - - - - 13 - 13 - - - 13 - 13
20m背泳 - - - - - - 3 1 4 - - - 3 1 4
25m自由形 18 - 18 2 - 2 - - - - - - 20 - 20
25m平泳 4 6 10 1 - 1 - - - - - - 5 6 11
25m背泳 4 - 4 1 - 1 - - - - - - 5 - 5
50m自由形 6 - 6 - - - - - - - 1 1 6 1 7
50m平泳 7 - 7 - - - - - - - 2 2 7 2 9
50m背泳 - - - - - - - - - - 3 3 - 3 3
100m自由形 - - - - - - - - - 6 - 6 6 - 6    
100m平泳 - - - - - - - - - 6 - 6 6 - 6
100m背泳 - - - - - - - - - 1 - 1 1 - 1
小計 39 6 45 4 - 4 27 6 33 13 6 19 83 18 101
総計 446 100 546 96 18 114 198 64 262 220 102 322 960 284 1,244

車椅子バスケット競技組合せ及び成績表

盲人野球競技組合せ及び成績表

(5) まごころのバラ
 各県からの選手役員をあたたかく迎える意味をこめて,水戸市内女子高校5校の生徒の手によって県花のバラの造花を作成し,開閉会式に臨む選手の胸元を飾った。
(6) まごころの集いの輪
 県社会福祉協議会(善意銀行)では梅干し運動を実施し,県内各地から梅干し898㎏が寄せられ,選手団の土産及び湯茶接待用に供した。また, 大会に協力するボランティアを募り, 大会会場や案内場において接待・案内・介助等の奉仕活動を展開した。これには県内のボランティアグループ, 青少年赤十字, 手話サークル513名が参加し, 大会開催の意義を深めることができた。

ボランティア参加状況
内訳/月日 10.31 11.1 11.2 11.3 11.4
ボランティア - - 39 65 - (77)
104
- - 171 237 - (353)
408
手話 8 11 43 63 27 (83)
152
8 11 253 365 27 (513)
664

( )は人員

(7) 愛の福祉展
 県障害福祉課では, 大会の開催によせて, 身体障害者の福祉について今後の姿を指向することを重点に,関係業者等の協力を得て主会場内で「愛の福祉展」(第一会場 体育館内,第二会場 バックスタンド下)を開催,両日で5,700人の入場者があり, 参加者に対し身体障害者の福祉について理解を深めることができた。

2.第23回国際ストーク・マンデビル競技大会

(英国ストーク・マンデビルスタジアム)
昭和49年7月20日~27日)
参加国29ヵ国 570人
日本選手団 選手6人 役員4人

※ストークマンデビル競技大会終了後ローマ国際大学に参加
役員
団長/大石一夫(国立身体障害センター)
医師/畑田和男(太陽の家)
コーチ/中川一彦(国立身体障害センター)
通訳/鈴木義男(日本赤十字社語学奉仕団)
選手/

  • 岩沢 実(川崎市)
    100m競走,スラローム他
  • 梅田 実(東京都)
    100m競走,スラローム他
  • 川上 稔(兵庫県)
    100m競走,スラローム他
  • 高口鋭博(広島市)
    100m競走,スラローム他
  • 松本幸雄(大分県)
    重量挙,100m競走他
  • 渡辺幸江(東京都)
    60m競走,スラローム他

ヤリ投げ
ヤリ投げ

日本選手成績

第23回国際ストークマンデビル競技大会
メダル 個数 内容
スラローム(川上,高口)
スラローム(松本,渡辺)
- - アーチェリー(渡辺,川上)
ダーチャリー混合(川上,渡辺) 60m(渡辺)
-

ローマ国際競技大会
メダル 個数 内容
スラローム(川上,渡辺,梅田)
- - 卓球(松本)ダーチャリーM(川上,梅田)
スラローム(岩沢,高口,松本)
- - アーチャリー(渡辺)100m(梅田)
- - 60m(渡辺)
100m(松本)アーチャリー(川上)
- - 卓球団体(岩沢,梅田)
16 -
カップ 松本(卓球)渡辺(スラローム)
- - 川上,梅田(ダーチャリーW)
- - 梅田(努力賞)日本チーム(優秀賞)

アーチェリー競技
アーチェリー競技

3.第1回世界身体障害者競技大会

英国ストーク・マンデビルスタジアム
昭和49年9月15日~22日
参加17ヵ国 212人
日本選手団 選手8人 役員6人

役員
団長/児玉昭吾
(厚生省社会局更生課課長補佐)
医師/南 宥
(琴の浦リハビリテーションセンター)
コーチ/水田賢二(国立身体障害センター)
通訳/間 千穂(日本赤十字社語学奉仕団)
マネジャー/氏家 馨
(日本身体障害者スポーツ協会)
マネジャー/田崎清春
(日本身体障害者スポーツ協会)
本部役員/葛西嘉資
(日本身体障害者スポーツ協会長)
選手/

  • 岡村清春(埼玉県)(片上腕切断)
    走高跳(金),5種競技(金)
  • 井下昭二(川崎市)(片中腕切断)
    50m背泳(銀),5種競技(金)
  • 金刺清吉(神奈川県)(片大腿切断)
    50m自由(銅),砲丸投他
  • 家田紀元(愛知県)(片大腿切断)
    50m平泳(銀),砲丸投他
  • 佐々木茂(東京都)(片大腿切断)
    ボーリング(金),50m平泳(銅)他
  • 奥野弘幸(神戸市)(片下腿切断)
    砲丸投他
  • 藤時賢二(東京都)(両大腿切断)
    50m平泳(金),槍正確投(銀) 他
  • 野田直道(川崎市)(両上腕切断)
    100m競走(金),障害競走

(金),5種競技(金)他

日本選手成績
メダル 個数 内容
10 ボーリング(佐々木)
50メートル平泳(藤時)
走高跳(岡村)
100メートル競走(岡村,野田)
槍投(岡村)5種競技(岡村,野田)
障害競走(野田)
フットボール遠蹴(野田)
12 50メートル平泳(家田,岡村)
50メートル自由(岡村)
25メートル自由(野田)
50メートル背泳(井下)
25メートル背泳(野田)
25メートル平泳(野田)
卓球(佐々木)槍正確投(藤時)
5種競技(井下)
100メートル競走(野田)
フットボール正確蹴(野田)
50メートル自由(金刺)
50メートル平泳(佐々木)
砲丸投(岡村)円盤投(岡村)
走高跳(井下)
27 -

4.身体障害者スポーツ指導者研修会

(1)全国研修会 国立身体障害センター付属リハビリテーション技術研修所
 前期/昭和49年8月19日~24日
 受講者22人
 後期/昭和50年3月10日~15日
 受講者26人

(2)地方研修会
 地方研修会は,昭和49年6月北海道地区を皮切りに四国,九州,近畿,中国地区の指導者を対象に開催した。

昭和49年度前期身体障害者スポーツ指導者研修会日程
- 午前(9:00~12:00) 午後(13:00~17:00)
8月19日
(月)
(9:00~9:30)開講式
(9:30~12:00)
医学的リハビリテーションにおけるスポーツの役割
国立身体障害センター
所長 橋倉一裕
運動生理学
日本女子体育大学教授 山川 純
8月20日
(火)
障害概論1脳性マヒ
(含,体育,養護訓練,スポーツの実際)
都立府中リハビリテーション学院長
五味重春
障害概論2四肢切断
(含,体育,スポーツの実際)
鉄道弘済会東京身体障害者福祉センター所長
稗田正虎
8月21日
(水)
障害概論3脊髄損傷
(含,体育,スポーツの実際)
国立身体障害センター医長
木村哲彦
障害概論4聴覚障害
(含,体育,スポーツの実際)
都立大田ろう学校教諭
川口 浩
8月22日
(木)
障害概論5視覚障害
(含,体育,スポーツの実際)
埼玉県立盲学校教諭 川崎善二
身体障害者の心理と行動治療
八代学院大学教授 泉山中三
8月23日
(金)
身体障害者スポーツ競技規則概論
国際競技について
国立身体障害センター主任体育訓練専門職
中川一彦 
内競技について

水田賢二
(車椅子バスケットボール&盲人野球)等の実実際と概論
国立身体障害センター
体育訓練専門職 水田賢二
8月24日
(土)
ゼミナール:地域の状況報告
国立身体障害センター
主任体育訓練専門職 中川一彦
閉講式
-

昭和49年度後期身体障害者スポーツ指導者研修会日程
- 午前(9:00~12:00) 午後(13:00~17:00)
3月10日
(月)
開講式(9:00~9:30)
スポーツ医学概論「講」
東京教育大学体育学部教授 豊田 章
車椅子使用者(肢体不自由者)と陸上競技「実」
国立身体障害センター 主任体育訓練専門職
中川一彦(助手2名)
3月11日
(火)
リクレーション総論「講」「実」
日本レクリエーション協会
地域部長 斉藤保夫(助手2名)
車椅子バスケットボールの審判法と競技々術「実」
国立身体障害センター 体育訓練専門職
水田賢二(助手2名)
3月12日
(水)
ウエイトトレーニングと重量挙「実」
日本ウエイトリフテング協会々長
野中義治(助手1名)
水上競技(競泳)とそのトレーニング「実」
横浜スイミングクラブ支配人
橋瓜四郎(助手2名)
3月13日
(木)
視覚障害者の行動能力と体育・スポーツ
「講」「実」
筑波大学講師 功力靖雄
卓球競技とそのトレーニング「実」
早稲田大学卓球部コーチ 河原智(助手2名)
盲人卓球「実」
神奈川県総合リハビリテーションセンター 橋谷俊胤
3月14日
(金)
聴覚障害者と体育・スポーツ「講」「実」
川崎市立ろう学校教諭 橋場賢一
洋弓競技とそのトレーニング「実」
全日本アーチェリー連盟指導員
梶川 博(助手2名)
3月15日
(土)
身体障害者スポーツの振興と福祉「講」
国立身体障害センター次長 田崎清春
閉講式(11:00~)
-

(注)科目名の「講」「実」は,それぞれ講義,実技を示す。

身体障害者スポーツ指導者研修会(地方研修)
地区 場所 期間 受講者 講師
北海道 北海道 49. 6.16~ 6.18 65 4
近畿 三重 8月中6日間 50 8
四国 高知 9.21~ 9.24 26 4
近畿 三重 9月中5日間 30 6
九州 佐賀 10.15~10.18 32 6
中国 島根 11.26~11.30 30 6
関東 神奈川 50. 2.27~ 3. 2 28 11
北海道 北海道 3.21~ 3.23 39 6
近畿 三重 3.21~3.23 135 12
近畿 大阪 3.25~ 3.30 63 13
九州 宮崎 3.26~3.29 39 6
九州 大分 3.27~3.31 48 5
- 585 70

5.1974年全国車椅子バスケットボール競技大会

期日/昭和49年4月28日(日)~29日(月)
場所/佼成学園体育館
主催/全国車椅子バスケットボール競技大会実行委員会
参加/

  • 中部車椅子スポーツクラブ
  • 労災リハビリテーション千葉作業所
  • パラ神奈川スポーツクラブ
  • 太陽の家車椅子バスケットクラブ
  • 福島県愛好クラブ
  • 足立クラブ
  • 大阪身体障害者バスケットクラブ
  • 長野車椅子バスケットクラブ
  • 西多賀ワークキャンパス
  • 兵庫県車椅子バスケット愛好クラブ
  • 広島作業所チーム
  • 緑成園バスケットクラブ
  • 別府パシフィックチーム
  • 茨城県バスケットボールチーム
  • 高知県車椅子スポーツクラブ
  • 東京スポーツ愛好クラブ
  • イナズマクラブ
  • 村山クラブ
  • 車椅子バスケットボール好友クラブ
  • 全身障ジャガー

(合計20チーム)


優勝/長野車椅子バスケットボールクラブ
準優勝/太陽の家車椅子バスケットボールクラブ

6.極東,南太平洋身体障害者スポーツ大会実行委員会設置(FESPIC)

実行委員会発足 昭和49年10月21日(大分県庁)

フェスピックの経過

  • 49. 2. 5
    県福祉生活部長, 社会課関係者,太陽の家事務局長・庶務課長と構想について打合せ
  • 2. 8
    県知事,県議会議長,福祉生活部長,太陽の家理事長・事務局長打合せ具体的に今後の方針等を検討の結果,準備委員会を編成することとなる。
    委員長 太陽の家理事長
    中村 裕
    副委員長 大分県社会課長
    林 栄一
    事務局 大分県社会課におく
  • 3. 1
    準備委員会より開催の連絡及び支援の依頼文書を関係先に発送
  • 3. 22
    東京で準備打合せ会開催
    場所 鉄道弘済会館
    出席者 厚生省 角田更生課長, 越谷課長補佐他1名
    日本身体障害者スポーツ協会
    氏家常務理事,大石事務局次長,寺田理事,堀場理事
    社会福祉事業振興会
    瀬戸常務理事
    大分県社会課課長補佐
    池田博司
    太陽の家理事長
    中村 裕
    協議事項 主催及び後援団体,開催地,開催期日,参加国
  • 4. 27
    シンガポールで打合せ会
    場所 ホテル「ヒルトン」
    出席者 日本 中村準備委員長 他1名
    シンガポール Dr.Goh, Dr.Robert Don
    オーストラリア Dr.John Grant,Mr.Graham Pryke
    協議事項 期日,理事国,種目,ルール,参加招請国,次期開催担当について調整
  • 5. 15 
    大分県身体障害者体育協会理事会開催
    東南アジア身障者スポーツ大会開催決議,準備委員長,副委員長の紹介
  • 5. 24 
    日本身体障害者スポーツ協会役員会にてFESPIC構想承認さる。(中村準備委員長出席)
  • 5. 25 
    準備打合せ会(社会福祉会館3階)
    参集機関 県社会課,大分県福祉事務所,別府市福祉事務所,太陽の家
    協議事項 1.大会開催に関し大分市,別府市の受入れについて
    2.県,市,太陽の家の担当者について
    3.予算及び補助金について
  • 5. 26~27 
    大分市長,別府市長にFESPIC開催について協力依頼(中村準備委員長)
  • 6. 1
    東南アジア南太平洋地域21か国に対しインフォメーション発送
  • 6. 2~7
    FESPIC予算の打合せ(県,太陽の家関係者協議)の上,総額8,800万円として厚生省に提出協議(林準備副委員長)
  • 7. 19
    大分県身体障害者体育協会理事会において中村太陽の家理事長を大分県身体障害者体育協会会長に推薦,シンガポール会議出席を決議
  • 8. 7
    ニュージーランドのジェファーソン氏来県, 太陽の家にて, 中村準備委員長などとFESPI開催期日その他について意見交換
  • 9. 10 
    東京で打合せ開催
    出席者 厚生省更生課長,日本身体障害者スポーツ協会長,大分県社会課長,大分県身体障害者体育協会長
    協議事項 1.FESPIC大会実施要綱,実行委員会会則,事務局規程,FESPIC理事会規約
    2.実行計画,予算
    3.シンガポール会議について
  • 9. 17~18
    FESPIC準備委員会中村準備委員長
    大分市,別府市内関係者に協力依頼
  • 10. 8
    シンガポールで打合せ会議開催(マンダリンホテル)
  • 10. 12
    FESPIC実行委員会発足
  • 10. 12
    第1回打合会開催(大分市)
  • 10. 12
    葛西会長他来県 厚生省井手更生課長来県
  • 10. 31 
    参加各国にインフォメーション送付
  • 11. 18 
    常任委員会事務局部長会開催
  • 12. 15~16 
    東京都世田谷区代官屋敷において,「FESPICに発展途上国を参加させる会」が募金のためボロ市開催
  • 12. 23 
    事務局部長会議,太陽の家で開催
  • 12. 22~25 
    中村準備委員長,上京打合せ
  • 50. 1. 27 
    常任委員会事務局部長会開催
  • 2. 9 
    大分市で街頭宣伝を行なう
  • 2. 14 
    通関関係打合せ実施 対全日空打合せ実施
  • 2. 26
    宿泊関係打合せ 西鉄グランドホテル,トキハ,西鉄航空など出席
  • 2. 28 
    エントリー締切日
  • 3. 27~31 
    競技審判団講習会 農協共済別府リハビリテーションセンター,国立別府重度身体障害者センター他で実施
  • 3. 28 
    実行委員会開催

極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会理事会規約
(名称)
第1条 この理事会は,「極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会理事会」(英語名:“The Board of Directors of Far Eastern & sSouth Pacific Games for the Handicapped”以下“FESPIC理事会”“The Board of FESPIC”と呼ぶ)と称する
(事務所)
第2条 FESPIC理事会の事務所は,日本国大分県別府市亀川「太陽の家」内に置く。ただし,開催国が日本以外の場合,理事会の決定により他の場所に事務所を移すことができる
(目的)
第3条 FESPIC理事会は,スポーツが身体障害者のリハビリテーションにとって重要であり,かつ,競技への参加を通じ参加国の身障スポーツ・福祉向上と,相互理解・友情にとって有意義であることを認め,FESPICの運営を円滑にするための討議母体として活動することを目的とする。
(組織)
第4条 この理事会は,極東・南太平洋地域に位置しFESPICに参加する各国の代表者の中から,互選により5名をもって構成する。ただし1か国より選出される理事の数は1名以内とする。

  1. 理事の中1名を理事長,1名を副理事長,1名を会計理事とし,理事の互選によりこれを決定する。
  2. 理事長は理事会を総括し,副理事長はこれを補佐し,理事長事故あるときはこれを代行し,会計理事は財務を掌理する
  3. 理事の任期は4年とし,再選を妨げない
  4. 理事に欠員を生じた場合は,その都度理事会によって補充し,任期は前任者の残り期間とする

 (権限と任務)
第5条 

  1. 理事会は,FESPICの執行に必要な権限及び任務を有し,概ね次の通りとする
    1. FESPICの開催年次・期日及びその場所の決定
    2. FESPICの執行・財政その他運営に関する各種の事項について協議決定すること
    3. FESPICの目的と一致すると考えられる事柄や競技に関し,他の団体と協力し,またはその団体に加入し,関連事項を遂行すること
    4. 参加国の身障者のスポーツの促進・発展に努めること
    5. 参加を希望する国から提出された加入申請書類審査と加入の承認
    6. 競技ルールの決定ならびに修正に関する事項を決定すること
    7. 各国から推薦された者の中から技術部会を設置し,助言の資格で活動する技術専門家を任命すること
    8. 業務の円滑をはかるため各国に連絡委員を任命すること,及び開催に必要な準備委員を任命すること
  1. 理事会は必要に応じ顧問を委嘱し,諮問することができる

(会議)
第6条 理事会は,理事長が招集し,その指定する期日及び場所においてこれを開催する

  1. 理事会の議長は理事長,副議長は副理事長とする
  2. 理事長は理事の2分の1以上から,会議に付すべき事項を示して理事会の招集を請求された場合には,その請求があった日から2か月以内にこれを招集しなければならない
  3. 理事長が必要と認めた場合は,連絡委員をオブザーバーとして出席させることができる
  4. 理事会は,理事の過半数の出席をもって成立し,議決は多数決によって決定する
    ただし,理事の出席は委任状をもってこれにかえることができる

(付則)
第7条 

  1. 財政及び競技ルールについては,当面次の要領による
    1. FESPICの開催に必要な費用は,旅費を除き開催国が負担する
    2. FESPICの競技ルールは次のとおりとする
      a パラプレジア,四肢麻痺者のためのもの……SMGルールによる
      b その他の障害者のためのもの……日本身体障害者スポーツ協会ルールによる
  1.  この規約は1974年10月8日よりその効力を発する

1974年10月8日
フェスピック理事会構成員

理事長 Dr 中村裕(日本)
理事 Mr G.E.pryke(オーストリア)
理事 Dr N.R.Jefferson(ニュージーランド)
理事 Mr P.Manurung(インドネシア)
理事 Mr C.Goh(シンガポール)
事務局長 Dr J.Grant(オーストラリア)
会計 Mr 氏家 馨(日本)

7.映画製作等(中央競馬社会福祉財団助成事業)

1)映画製作

  • 題名 「走れっ!」16㎜カラー(30分)
    1本
    副題 車椅子バスケットボールへの招待
    製作 東京シネビデオ株式会社
    制作費 3,000,000円

2)車椅子バスケットボール規則集印刷

  • 印刷部数 600部 @580.-各都道府県等配付
    制作費 348,000円
    配付先 都道府県,指定都市
    各更生相談所,身体障害児者施設等

車椅子競技
車椅子競技

円盤投げ(視覚障害)
円盤投(視覚障害)


主題:
創立20年史 No.13

発行者:
財団法人日本身体障害者スポーツ協会


発行年月:
昭和60年3月31日


文献に関する問い合わせ先:
〒162
東京都新宿区戸山1-22-1
戸山サンライズ内
TEL 03-204-3993