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創立20年史 財団法人日本身体障害者スポーツ協会

No.34

7.第12回厚生大臣杯争奪全国身体障害者アーチェリー選手権大会

  1. 名称
    厚生大臣杯争奪 第12回フェニックス全国身体障害者アーチェリー選手権大会
  2. 主催
    (財)日本身体障害者スポーツ協会
    日本身体障害者アーチェリー連盟
     日本自転車振興会補助事業
  3. 後援
    厚生省,神奈川県,厚木市
    神奈川県総合リハビリテーションセンター
    全日本アーチェリー連盟
    神奈川県身体障害者スポーツ協会
    神奈川県身体障害者連合会
  4. 協賛
    神奈川県アーチェリー協会,厚木市アーチェリー協会,七沢スポーツクラブ,全国脊髄損傷者連合会
  5. 期日
    昭和58年9月18日
  6. 会場
    神奈川県総合リハビリテーションセンター
    アーチェリー場,陸上競技場
    エントリー総数…300名
    出場選手数…300名
出場選手地域
- 都道府県指定都市 人数 - 都道府県指定都市 人数
東京都 31 14 兵庫県 14
神奈川県 25 15 青森県 5
大阪府 24 16 福岡県 10
奈良県 16 17 栃木県 13
長野県 13 18 千葉県 7
三重県 8 19 横浜市 8
群馬県 10 20 川崎市 6
茨城県 11 21 新潟県 5
埼玉県 18 22 香川県 5
10 北海道 8 23 滋賀県 5
11 岩手県 9 24 長崎県 8
12 愛知県 12 25 大分県 14
13 鳥取県 10 26 宮崎県 5
種目別出場選手数
男子FITAラウンドクラス 50名
女子FITAラウンドクラス 23名
男子ショートメトリッククラス 65名
女子ショートメトリッククラス 39名
男子初心者クラス 51名
女子初心者クラス 25名
男子頚髄損傷者クラス 31名
オープン参加 16名

各種目入賞者

(1)FITAラウンドクラス(男子)
順位 氏名 所属 90m 70m 50m 30m Total 備考
岩瀬章 烈アーチェリークラブ 286 319 296 336 1,237 大会新
岡西三千夫 玉津アーチェリークラブ 256 295 294 336 1,181 大会新
井上佳宥 奈良県身障アーチェリークラブ 246 286 278 331 1,141 -
(2)FITAラウンドクラス(女子)
順位 氏名 所属 70m 60m 50m 30m Total 備考
美浪まさ代 奈良県身障アーチェリ―クラブ 281 302 293 294 1,170 -
高瀬礼子 烈アーチェリークラブ 255 278 263 322 1,118 -
鈴木一二美 奈良県身障アーチェリークラブ 259 259 227 310 1,110 -
(3)男子ショートメトリッククラス
順位 氏名 所属 50m 30m Total 備考
南口純一 奈良県身障アーチェリークラブ 279 322 601 大会タイ記録
福田光男 奈良県身障アーチェリークラブ 267 323 590 -
山崎亮 長野アプルズアーチェリークラブ 250 312 562 -
(4)女子ショートメトリッククラス
順位 氏名 所属 50m 30m Total 備考
山藤はな 烈アーチェリークラブ 255 297 552 大会新
角谷博美 大阪身障アーチェリークラブ 153 257 410 -
西野智恵 烈アーチェリークラブ 149 228 377 -
(5)男子初心者クラス
順位 氏名 所属 30m
桜井恒彦 鳥取アンカーアーチェリークラブ 301
林野康見 東京都身障訓練校A C 299
柳川伸二 国立身障センターA C 286
(6)女子初心者クラス
順位 氏名 所属 30m
秋山美鈴 東京身障訓練校 219
(7)男子頚髄損障者クラス
順位 氏名 所属 30m
成田正男 かもめアーチェリークラブ 276
増田侑弘 鳥取アンカーアーチェリークラブ 238
阿部幹雄 国立身障センターA C 214

男子団体戦

  • 大会記録
    昭和58年度奈良県身体障害者アーチェリークラブ1,800点
  • 優勝
    奈良県身体障害者アーチェリークラブ1,800点
    (井上,南口,福田)

女子団体戦

  • 大会記録
    昭和58年度奈良県身体障害者アーチェリークラブ1,595点
    (美浪,鈴木,杉村)

総評

 厚生大臣杯争奪第12回フェニックス全国身体障害者アーチェリー選手権大会は,絶好のアーチェリー日和のなかで行われました。参加選手も今大会から,ろうあの選手も加わり,北は北海道から南は宮崎まで全国から300名の選手が集まりました。又,日本を代表する松下和幹,亀井孝両選手が特別参加して下さるなか,それに力を得たかのように岩瀬,岡西両選手を筆頭に新記録が続出しました。特に岩瀬選手の1,237点は,現在世界でも西ドイツとベルギーの選手等が出しているだけの高得点であり,日本では初めての1,200点アップという快挙です。
 又,団体戦男子の部では,昨年に引き続き奈良県身障A CがV2を達成し,女子の部に於いても同クラブが優勝する等,来年の奈良国体を目指し着実に力をつけている様子がうかがえました。
 第13回大会も今年度大会以上の記録が期待されます。

8.第13回全国身体障害者スキー大会

(長野飯綱大会)

  1. 目的
    身体障害者が健常者と共にスキーを通じて,競い合い,楽しみ合う中でお互いの理解を深め,肉体的,精神的にも障害を克服する意欲を養い,潤いのある豊かな生活の向上を図ることを目的とする。
  2. 名称
    第13回全国身体障害者スキー大会(長野飯綱大会)
  3. 主催
    (財)日本身体障害者スポーツ協会
    日本身体障害者スキー協会(本大会は(財)日本自転車振興会の補助事業として行われます)
  4. 共催
    長野県,長野県教育委員会,長野市,長野市教育委員会,(社)長野県社会福祉協議会,(社)長野県身体障害者福祉協会,(財)長野県スキー連盟
  5. 主管
    長野市スキークラブ,日本身体障害者スキー協会長野支部
  6. 後援
    厚生省,文部省,労働省,(財)全日本スキー連盟,他
  7. 協賛
    東京銀行協会,(社)生命保険協会,他
  8. 大会期間
    昭和59年2月17日(金)から2月19日(日)まで
  9. 大会会場
    長野県長野市国設飯綱高原スキー場
  10. 大会参加人員
    350名(役員含む)
  11. 大会参加選手資格
    大会に参加できる選手は,次の各号に該当する者
    1. 日本身体障害者スキー協会に所属する会員及び本大会の主旨に賛同する障害者及びボランティア
    2. 年令16才以上の者(但し主催者が特別に認めた場合を除く)
    3. 大会参加申込み時,医師の診断を受け適当と認められた者(体の弱い者)
  12. 日程
    • 2月17日(金)
      参加登録受付時間 午後8時~9時30分
      開講式 10時
      会場 飯綱スキー場管理事務所前
      講習会 10時30分~12時
      会場 Bコース,Cコース
      講習会及びオフシャルトレーニング
      午後1時~3時
      前夜祭 6時30分 会場 アゼィリア飯綱
    • 2月18日(土)
      開会式 午前9時
      場所 飯綱スキー場管理事務所前
      大回転競技 午前10時30分~午後3時
      上,中級 タイムレース申告レース 会場Bコース
      初級 申告レース 会場 B又はCコース
      視覚障害者スキー 申告レース 会場 B又はCコース
      チェアスキー 申告レース 会場 B又はCコース
      閉会式 午後競技終了後30分後
      会場 飯綱スキー場管理事務所前
    • 2月19日(日)
      講習会 午前9時~11時30分 会場 Cコース
      解散
  13. 競技種目 大回転競技
    1. タイムレース 経験を有する者(上級)
    2. 申告タイムレース 上,中,初級者
  14. 競技規則
    1. この大会に定める規定(申告タイム)の他,全日本スキー連盟競技規則最新版による。
    2. タイムレース出場選手はヘルメット及び流れ止め,又はストッパーを装着すること。
    3. 障害関係は本人負担とする。(但し,1日スポーツ保険は主催者の負担で加入し,その限度内で保障する。保険証持参のこと)
  15. 表彰
    1. 各部第1位~3位まで表彰する。
    2. 参加者全員に参加賞を贈呈する。
  16. 参加申込み等
    1. 締切 昭和58年12月10日(土)必着
    2. 大会参加費 参加申込選手1人当り
      会員1,500円 非会員2,000円
      申込書と同時納入のこと
    3. 宿泊場所 国民宿舎飯綱高原荘
      アゼィリア飯綱
      アララット富士見荘
    4. 申込様式 別紙参加申込書を用いる
      (宿泊申込み含む)
    5. 申込場所
      〒170 東京都豊島区東池袋3―13―5
      (財)日本身体障害者スポーツ協会内
      現地 日本身体障害者スキー協会
      〒380 長野県長野市若里1570―1
      (社)長野県身体障害者福祉協会気付
      第13回全国身体障害者スキー大会実行委員会
    6. その他 現地集合,現地解散とする。

長野飯綱大会会場
長野飯綱大会会場略図1及び2

第13回全国身体障害者スキー大会開,閉会式配置図
第13回全国身体障害者スキー大会開、閉会式配置図

大会役員

  • 大会名誉会長
    坂田道太
    (日本身体障害者スキー協会名誉会長)
  • 大会名誉顧問
    伴素彦
    (全日本スキー連盟会長)
  • 大会長
    葛西嘉資
    ((財)日本身体障害者スポーツ協会会長)
    高橋敏
    (日本身体障害者スキー協会会長)
  • 副大会長
    吉村午良
    (長野県知事)
    市村勲
    (長野県教育委員会教育長)
    柳原正之
    (長野市長)
    中村博二
    (長野市教育委員会教育長)
    湯本安正
    ((社)長野県社会福祉協議会会長)
    太田武利
    ((社)長野県身体障害者福祉協会理事長)
    片桐匡
    ((財)長野県スキー連盟会長)
  • 顧問
    清野市治
    (日本身体障害者スキー協会顧問)
    菅秀文
    (日本身体障害者スキー協会顧問)
    渡辺才智
    (日本身体障害者スキー協会顧問)
  • 参与
    猪股直衛
    ((財)長野県スキー連盟副会長)
    竹節元千代
    ((財)長野県スキー連盟副会長)
    塩島澄博
    ((財)長野県スキー連盟技術委員長)
    丸山庄司
    ((財)長野県スキー連盟技術副委員長)
    福岡孝純
    (日本身体障害者スキー協会参与)
    北沢俊美
    (日本身体障害者スキー協会長野支部長野アンプティースキークラブ顧問)
    小賀坂広治
    (日本身体障害者スキー協会長野支部長野アンプティースキークラブ顧問)
    宮沢順一
    (日本身体障害者スキー協会長野支部長野アンプティースキークラブ顧問)
    城下和夫
    (長野県医師会会長)

運営委員会

  • 会長
    高橋敏
    (日本身体障害者スキー協会会長)
  • 副会長
    井手精一郎
    (日本身体障害者スポーツ協会常務理事)
    山岸勲
    (長野県社会部長)
    片桐匡
    (長野県スキー連盟会長)
    夏目武
    (長野県社会福祉協議会常務理事)
    太田武利
    (長野県身体障害者福祉協会理事長)
    水口玲
    (長野市福祉事務所長)
  • 委員
    木鋪巌
    (長野県教育委員会教育次長)
    小池淳美
    (長野市教育委員会教育次長)
    小野清治郎
    (長野市社会福祉協議会会長)
    中島一郎
    (長野市身体障害者福祉協会会長)
    小林雅夫
    (長野市開発公社局長)
    竹内幸三郎
    (飯綱観光協会会長)
    郷津勝
    (長野市スキー連盟専務理事)
  • 実行委員長
    鈴木康夫
    (長野市スキークラブ会長)
  • 副実行委員長
    中川健司
    (日本身体障害者スキー協会副会長)
    深沢定実
    (日本身体障害者スキー協会副会長)
    小島良信
    (日本身体障害者スポーツ協会事務局長)
    平岩彦三郎
    (長野県障害福祉課長)
    茂木一雄
    (長野県社会福祉協議会事務局長)
    小泉祥治
    (長野県身体障害者福祉協会事務局長)
    佐々木文郎
    (長野市福祉部次長)

式典 期日 59年2月18日(土)
場所 飯綱スキー場管理事務所前
〈開会式〉
○受付 8:00~

  1. 役員,選手団整列 8:45
  2. 開会のことば 9:00
  3. 開会宣言 9:00
    長野県身体障害者福祉協会理事長
  4. 国家斉唱 9:05
  5. 大会長あいさつ 9:10
    日本身体障害者スポーツ協会会長
  6. 名誉会長あいさつ9:13
    坂田名誉会長
    長野県知事,長野県議会議長
    (財)全日本スキー連盟会長
  7. 来賓祝辞
    (財)長野県スキー連盟会長 国会議員代表
  8. 歓迎のことば 9:25 長野市長
  9. 選手宣誓 9:28
    地元選手(男子) 次期開催県(女子)
  10. 競技上の注意 9:30 競技委員長
  11. 閉式のことば 9:35
    日本身体障害者スキー協会会長

〈閉会式〉

  1. 役員,選手団整列 3:00
  2. 開会のことば 3:05
    長野県社会福祉協議会会長
  3. 成績発表 3:07 競技委員長
  4. 表彰メタル授与 3:10
    坂田名誉会長 大会長 長野県スキー連盟会長他
  5. 講評 3:20 技術委員長
  6. 大会長あいさつ 3:23
    日本身体障害者スキー協会会長
  7. 次期開催県あいさつ 3:25 宮城県代表
  8. 国家斉唱 3:30
  9. 万才三唱 3:33
  10. 閉会宣言 3:36
  11. 閉会のことば 3:37
    長野県身体障害者福祉協会

種目分類

  • 第1部
    (A1)クラス 両足に障害のある者 2本スキー アウトリガー又はストック2本
  • 第2部
    (A4)クラス 片下肢障害のある者 2本スキー 2本ストック
  • 第3部
    (A6/8)クラス 片上肢障害のある者 2本スキー 1本ストック
  • 第4部
    (A2)クラス 片下肢障害のある者 1本スキー アウトリガー
    4―1(30才以下) 4―2(31~40才)
    4―3(40才以上)
  • 第5部
    申告タイム(Aクラス) 健常者含む。但し,健常者はメタル表彰外とする。
  • 第6部
    申告タイム(Bクラス)
    6―1両下肢マヒ(チェアスキー)
    6―2(29才以下) 6―3(30~39才)
    6―4(40才以上)
  • 第7部
    申告タイム(Cクラス)
    7―1(30才以下) 7―2(31才以上)

競技上の注意
(競技運営上,競技種目,方法を上記に変更した。)

  1. 抗議
    ゴール後,3分以内に主審に申出ること。
  2. 途中キケン者はゴールしない。(ストック又はアウトリガーを上げて,キケンの意志表示又は旗門員に連絡する。)

国際身体障害者スポーツ大会第2部国内大会の競技規則成立の過程

筑波大学 中川一郎

 1964年にわが国で開催された国際身体障害者スポーツ大会は,いわゆるパラリンピック東京大会であり,その第2回国内大会は,現在の身体障害者スポーツ大会であった。
 パラリンピック東京大会の第1部は,国際ストーク・マンデビル競技大会であり,その競技規則は,国際ストーク・マンデビル競技大会であり,その競技規則は,国際ストーク・マンデビル競技委員会制定のものが用いられたわけであったが,その第2部については,今だかつて,その競技制定に至る経過が明らかにされていない。
 そこで,当時の資料を参考に,20年前の競技規則制定に至るいきさつを明らかにすることとした。
 殊に,ヨーロッパにおける身体障害者のスポーツ活動を見聞きしていた人達(国立身体障害者更生指導所長 稗田正虎,世界歴戦者連盟理事 沖野亦男など)の間で,わが国への導入が計画され,1961年4月,身体障害者のスポーツが,広く国内に普及発展し,パラリンピック東京大会並びに全国的な身体障害者のスポーツ大会の実現を願い,外国における身体障害者のスポーツ活動の意義,効果,方法,記録,その発展過程について,主にローレンチェン(H.Lorenzen,西独)の資料を参考に紹介した『身体障害者スポーツ』沖野亦男は,国立身体障害者更生指導所並びに国立光明寮の協力を得て発行し,厚生省は,これを関係方面に配布したのであった。
 同年8月には,身体障害者関係団体が中心となり,厚生省は,「日本身体障害者スポーツ振興会」を結成した。
 1962年4月,身体障害者のスポーツに関する指導並びに解説を内容とする『身体障害者のスポーツに関する研究』が,稗田正虎によってまとめられた。この書の内容は,前年から始められた身体障害者に適用すべきスポーツ種目の選定,実施方法,並びにそれらに附帯する用具の研究に関する成果をまとめたものであった。なお,この研究には,千葉県習志野市からの研究委託費が当てられていた。また,研究のうち,肢体不自由児者に関する分野については,国立身体障害者更生指導所の和田博夫,増田弥太郎,山崎功がかかわり,視覚障害者に関する分野については,国立東京光明寮の藤本道雄がその中心的存在としてかかわっていた。
 一方,聴覚障害者については,同年「全国聾学校体育連盟」が結成され,翌1963年には,「ろうあ体育協会」も設立し,2年程前から準備していたものの実現をみるに至り,日本ろうあ体育協会は,東京都立大田ろう学校の川口浩を中核に,パラリンピック東京大会第2部の実施種目等の検討に入ったのであった。
 また,1963年には,翌年に迫ったパラリンピック東京大会第1部,第2部を想定し,8月(水上競技大会),11月(陸上競技大会)に第1回身体障害者体育大会山口大会を,山口県並びに同県の関係団体,そして財団法人 国際身体障害者スポーツ大会運営委員会(現 日本身体障害者スポーツ協会)の主催で催した。
 なお,この大会の実施に当っては,前年から,増田弥太郎,藤本道雄,そして川口浩等を中心に鋭意すすめられていた各障害群毎の競技規則作成の成果と,増田弥太郎が翻訳し,財団法人 国際身体障害者スポーツ大会運営委員の手によって公にされた『国際ストーク・マンデビル競技規則集』が用いられたのであった。
 そして,1964年4月,前年,増田弥太郎の訳出した部分を加え,国立別府病院の中村裕の労により,『国際ストーク・マンデビル競技規則集』は完訳し,7月には,第2部国内大会のために,全日本盲学校連盟,国際ストーク・マンデビル競技規則等の各種競技規則を考照し,『障害者競技規則集』も作られ,財団法人 国際身体障害者スポーツ大会運営委員会の手で関係者に配布され,11月の国際身体障害者スポーツ大会第1部国際大会と第2部国内大会の準備が整ったのであった。
 1961年の『身体障害者スポーツ』刊行から1964年の『身体障害者競技規則集』刊行までを概観した結果,国際身体障害者スポーツ大会第2部国内大会の競技規則は,当時のわが国の肢体不自由者のリハビリテーション施設,国立身体障害者更生指導所の増田弥太郎を中心とする職員,並びに視覚障害者のリハビリテーション施設,国立東京光明寮の藤本道雄,そして東京都ろう学校の川口浩等,熱心な体育指導者によって案内されたものであることがわかった。
 また,この案出に当って,肢体不自由者並びに視覚障害者の競技規則については,イギリスを中心に広まったストーク・マンデビル競技規則と,西ドイツのローレンチェンの業績の影響を受けながら,それぞれの施設を中心に,わが国において実施されていたものに工夫をこらし,出来るだけ各種スポーツ団体の当該スポーツの競技規則に近いものとする努力がなされたものと考えられた。
 さらに,聴覚障害者の競技規則については,ろう学校を中心に実施されていた競技規則を中核とし,出来るだけ各種スポーツの競技規則に近いものとして導入されたものであると考えられた。
 そして,これらの集約に関しては,葛西嘉資を会長とする財団法人 国際身体障害者スポーツ大会運営委員会が当り,その実行に関しては,国立身体障害者更生指導所,殊に,増田弥太郎が,その多くの労をさいたものであることは,当時を知る者の一人として筆者が断言できるのである。
 国際身体障害者スポーツ大会第2部国内大会の競技規則成立過程については,未だ明らかではなかったが,当時の資料をひもとくことにより,その成立は,熱心な体育指導者,増田弥太郎,藤本道雄,川口浩等を中心とする働きによるものであり,肢体不自由者と視覚障害者のそれは,わが国の更生指導所等において実施されていたスポーツ活動を元に,ヨーロッパに起った身体障害者スポーツの競技規則の良い所を取り入れ,工夫したものであり,また聴覚障害者については,ろう学校の体育活動を発展させたものであることがわかった。

(資料)チェア・スキーについて

チェア・スキー協会会長 伊佐幸弘
昭和55年11月発足

車いすだからといってあきらめてはいけない
 車いすだからといって,もう出来ないものだとあきらめてはいけない。座ったままでも滑れるスキーを作ろうではないか。そして白銀を思いきり滑ってみよう。
 こんな思いにかられた仲間が集まって開発が始まったチェア・スキー。三回転半というウルトラ転倒にもめげず“車いすでもスキーはできる”を合言葉にして,いつの日にかとチャレンジし続けてきた思いが,いま鮮やかに実を結んだ。

(チェア・スキーの歩み)

  • 1975.2 ・飯島,田中,第4回日本身体障害者スキー全国大会視察。
  • 1976.1 ・石打スキー場,チェア・スキー1号機雪上テスト。回転不能,停止困難。
  • 1977.1 ・石打スキー場,チェア・スキー2号機雪上テスト。はじめて車いすの人達がテストパイロットとして参加。
  • 1977.3 ・竜王スキー場,チェア・スキー3号機雪上テスト。折りしも竜王スキー場で開催されていた第6回日本身体障害者スキー全国大会にとび入りで,デモンストレーションを行う。回転小回り不能,停止困難。
  • 1978.1 ・小丸山スキー場,チェア・スキー4号機雪上テスト。回転,停止可能。安定性やや難。はじめてゲレンデを滑る。
     小丸山スキー場に車いすの社長が経営する北志賀ガーデンホテルオープン。以後,雪上テストの本拠地となる。チェア・スキーの特許申請をする。
  • 1978.3 ・小丸山スキー場,チェア・スキー5号機雪上テスト。小丸山スキー場の御厚意により,最初からゲレンデでテストを行う。このシーズンに参加した車いすの人6名を数える。
  • 1979.1 ・小丸山スキー場,チェア・スキー6号機雪上テスト。座席をFRPで製作,評判悪し。ショックアプソーパを組み込んだことで,滑走安定性は良くなった。
  • 1979.3 ・小丸山スキー場,チェア・スキー7号機雪上テスト。FRP座席の形を改良するもまたしても評判悪し。スキー用ロープトウ・リフト1号機試作失敗。このシーズンに参加した車いすの人11名を数える。またテストに協力する人が20名以上を数える。
  • 1980.1 ・小丸山スキー場,チェア・スキー8号機雪上テスト。座席をパイプフレームに戻す。回転,滑走性全て良,完成と判断。チェア スキー推進本部結成(代表 伊佐幸弘)
  • 1980.3 ・キャンペーンを兼ねて,第1回チェア・スキー・ツアーを小丸山スキー場で実施。15名の車いす身体障害者を含め40人が参加。チェア・スキー用ロープトウ・リフト2号機試作。1名程度のリフティング可能となる。雪上車いす1号機試作も失敗。
  • 1980.11 ・日本チェア・スキー協会発足(会長 伊佐幸弘)
  • 1981.1 ・小丸山スキー場,新型機テストツアー。10名の車いす身体障害者を含め50人が参加。アウトリガーをFRP製フロートにし安全性向上。
  • 1981.2 ・カナダ政府とカナダ身体障害者スキー協会の招待を受け,カナダ アルバータ州バンフのサンシャインビレッジスキー場へチェア・スキーの紹介と指導に行く。
  • 1981.3 ・第2回チェア・スキー・ツアー(小丸山スキー場)実施。20名の車いす身体障害者を含め60名が参加。第10回日本身体障害者スキー全国大会でチェア・スキーのデモンストレーションを行う。チェア・スキー用ロープトウ・リフト完成。雪上車いす2号機試作するも失敗。
  • 1981.3 ・チェア・スキーをテーマとしたTBS国際障害者年特別企画番組「友情が雪に燃えた」放映。
  • 1981.7 ・チェア・スキーの特許がおりる。
  • 1982.1 ・新型チェア・スキーの開発に着手。
  • 1982.2 ・第8回大阪市身体障害者スキー教室(北龍湖スキー場)でチェア・スキーを紹介。
  • 1982.2 ・第3回チェア・スキー・ツアー(小丸山スキー場)実施。20名の車いす身体障害者を含め60人が参加。初めてのチェア・スキーバッヂテストを開く。新型のチェア・スキー1号機のテストで大成功をおさめる。
  • 1982.3 ・第7回国際身体障害者スキー親善大会(スイス・ディアプルレスキー場)に鷺谷・村田両氏を派遣。チェア・スキーを外国選手に紹介する。鷺谷氏,日本選手として初めてリュージュに出場,未経験ながら堂々4位。
  • 1982.4 ・名古屋の身障者団体のスキー教室にチェア・スキーの講習と指導に出かける(小丸山,志賀高原)。
  • 1982.11 ・チェア・スキー協会第2回総会を山中湖の東京YMCAセンターで開催,参加者約30名。会長に伊佐氏再選。
  • 1983.1 ・安比高原スキー場の協力を得て,盛岡市民福祉バンクとの共催で第1回東北,チェア・スキー・デモンストレーションを開催。参加者約30名。東北地方にチェアスキーの灯がともる。(スキージャーナル3月号に紹介された)
  • 1983.2 ・GOSA事業部の協力を得て,菅平スキー場にてチェア・スキー・デモンストレーション開催。参加者約20名。東京から手軽にチェア・スキーを楽しめる場所を切り拓く。
  • 1983.3 ・第4回チェア・スキー・ツアー(小丸山スキー場)を実施。第12回日本身体障害者スキー全国大会(竜王スキー場)でデモンストレーション。新型チェア・スキー2号機実用性を増す。

チェア・スキーのしくみ

 それでは,この新しいスポーツ,チェア・スキーを説明していきましょう。
 まず,構造ですが,チェア・スキーは第1図のような構造をしています。チェア・スキーは座ったままの姿勢で,上体を左右・前後に動かすことによって,スキーのエッジ操作を行います。立って滑べるスキーに比べて,大きく体重を移動することが出来ませんから,これを補うためにスキーは1本になっています。しかし,1本スキーだと簡単にひっくり返ってしまうので,両サイドに支えとして板ばねでアウトリガーをつけました。板ばねを用いたのは,体重のかけ具合でエッジが強く立つようになっています。
 座席は,座ったときに足を少し前に投げだしたように作られています(第2図)。この姿勢が滑走中のバランスコントロールに最も適していることがわかりました。滑走時の基本姿勢は前傾姿勢です。この他,座席にはクッションと,体をしっかりと固定する安全ベルトがついています。
 座席の両側には,ハンドブレーキがついています。チェア・スキーは,時速60㎞ぐらいのスピードが出せます。このスピードを殺すのがブレーキの主な役目ですが,スキーのストックのように回転のきっかけをつくる時にも使います。
 スキーの長さは,1m60㎝程度のものが滑りやすいようです。チェア・スキーの重量は,約18㎏です。

チェア・スキーの滑り方

  1. チェア・スキーの乗り方と点検
    1. チェア・スキーの両ブレーキをかけ,スキーを固定。チェア・スキーに乗り移ったら,腰と足のベルトをしめる。
    2. ブレーキの調子を点検する。(固すぎないかetc)
    3. 左右に体重をかけ,バネの調子を点検する。
  2. 滑り方
    1. 直滑降の滑り方
      1. ブレーキをかけたままで前方に体重をかけ,直滑降の体制に入る。
      2. 滑り出したら,左右のブレーキを少し効かせながら滑走する。(慣れてきたらブレーキはかけなくてもよい。)
      3. 停止は,2~3回ブレーキをかけ徐々にスピードを落し,停止する。
    2. 斜滑降のすべり方
       山側に体を倒し,ゲレンデを斜めに滑る。
    3. ターンの仕方
      1. 斜滑降から一度体を起こし,谷側に体重を移す。
      2. 回り始めたら,徐々に体重を山側に移し,そのまま斜滑降に入る。
      3. 1と2の動作をくり返すことでターンが可能となる。
        チェアスキーの構造図

9.第1回障害者自転車競技大会

(車両競技公益資金記念財団助成事業)

主催
(財)日本身体障害者スポーツ協会
日本サイクルスポーツ普及活動委員会
日本サイクルレーシングクラブ協会
読売新聞社

開催事項

  • 開催日 昭和58年10月9日(日)午前9時競技開始
  • コース 群馬サイクルスポーツセンター
    *1周6㎞コース*400mサーキット

〈受付 検車〉

  • 日本スペシャルサイクル競技大会の部出場者
    10月9日(日) 7:00~8:30
  • サイクルロードレース関東大会の部出場者
    10月8日(土) 14:00~17:00
    10月9日(日) 7:00~8:30
    サイクルスポーツセンターで行います。

〈練習日〉

10月8日(土)は練習日として,出場者に限りコースを開放します。

〈参加資格〉

  1. 日本スペシャルサイクル競技大会の部
     身体障害者手帳を有し,競技参加可能な健康な方。
  2. サイクルロードレース関東大会の部
     (財)日本アマチュア自転車競技連盟(加盟団体を含む)の登録者及び過去にプロ選手だった方は参加できません。但し,女性の場合はアマチュアであれば参加可能です。

競技規則及び車輛規格

ロードレースの場合は

  1. 1983年度日本アマチュア自転車競技連盟規則 ロードレースの部を適用します。
  2. 使用自転車はロードレーサー及びスポーツ車で,フリー式とします。但し,スポーツ車の場合はランプ,ミラー,キャリアなど競技実施上危険な部品はあらかじめ取り除いて下さい。

注意
 スペシャルサイクル競技大会の部のロードレースに参加の方も原則として使用自転車をご持参いただきますが,主催者側では一般スポーツ車の貸し出しを用意しておりますので,ご希望の方は参加申込み書にその旨をお書き込み下さい。

〈参加上の注意〉

〈危険防止のため,次の各項を厳守して下さい〉

  1. ロードレースにはヘルメット(安全基準合格のもの,カスクは不可)及び手袋を必ず着用すること。着用しない場合は,理由のいかんを問わず,出場できません。
    1. サイクルロードレース関東大会出場者は,各自ヘルメット持参のこと。
    2. スペシャルサイクル競技大会出場者用のヘルメットは,主催者側で用意してあります。
  2. 当日は健康保険証をご持参下さい。
  3. 日本スペシャルサイクル競技大会の部に出場の方は,参加申込書と共に身体障害者手帳の写しを添付して下さい。
  4. 日本スペシャル競技大会出場の選手で父兄付添の方は申込書に氏名等をお書き下さい。

競技種目及びスケジュール

〈日本スペシャルサイクル競技大会の部〉

  • A 視覚障害者部門
    1,000mタイムトライアル(タンデム車) 400mコース使用
    定員:中 高生男女各5名計20名と前に乗り操縦する晴眼者(原則として父兄)20名のペア
  • B 聴覚 言語障害者部門
    1. 1,000mタイムトライアル(ロードレーサー)400m使用
      定員:中 高生 一般男子各5名計30名
      ※日本公認記録とします。
    2. 6㎞ロードレース(ロードレーサー) 6㎞コース使用
      定員:高校 一般男子各10名計20名
  • C 肢体不自由者部門
    100mタイムトライアル(四輪車) 100mコース使用
    定員:3~4級障害者中 高生男女各5名計20名と健常者の同年異性20名のペア
  • D 精神薄弱者 情緒障害児者部門(武蔵野東学園特別参加)
    1. 100mタイムトライアル (四輪車)
      定員20名 100mコース使用
    2. 100mスラローム (一輪車)
      定員40名 100mコース使用
    3. 400mタイムトライアル (一輪車)
      定員40名 400mコース使用
    4. 6㎞ロードレース (ロードレーサー)
      定員20名 6㎞コース使用
- 9:00 :25 :40 10:00 :20 11:00 :30 :50 12:00
400mコース              A   B-1    D-3
100mコース     C      D-1      D-2
6㎞コース  B-2   D-4

大会役員

名誉会長
小林与三次(読売新聞社代表取締役社長)

名誉副会長
長谷川四郎(衆議院議員 群馬国際サイクルスポーツセンター会長)
岡村武(日本サイクルスポーツ普及活動委員会会長 日本自転車競技連盟会長)
大石三四郎(日本学校体育研究会連合会会長 (財)心身教育財団常務理事)
山口澄三郎(丸石自転車(株)代表取締役社長)
為郷恒淳(読売新聞社取締役副社長)

大会会長
野本誠一郎(日本サイクルスポーツ普及活動委員会委員長 日本自転車競技連盟常務理事)
葛西嘉資((財)日本身体障害者スポーツ協会会長)
鳴嶋英雄(日本サイクルレーシングクラブ協会理事長)
西山幸太郎(丸石自転車(株)専務取締役)
川上未太郎(読売新聞社事業本部長)

大会副会長
内山昭二(日本アマチュア自転車競技連盟財務委員長)
松田晃(全国特殊学校長会会長)
下田巧(全国特殊教育推進連盟理事長)
土屋準一(日本聾唖体育協会会長)
大庭淡路(全国高等学校体育連盟自転車競技部理事長)
井手精一郎((財)日本身体障害者スポーツ協会常務理事)
田島嘉治(日本アマチュア自転車競技連盟普及委員長)
曳地敏明(日本サイクリング協会総務部長)
湯浅武(読売新聞社事業本部長)

大会委員
倉澤哲郎((財)自転車産業振興協会常務理事)
篠崎政治((財)日本自転車普及協会専務理事)
佐々木宏((社)日本自転車工業会専務理事)

大会実行委員
委員長
岡景義(読売新聞社スポーツ事業部部長)
副委員長
高田敬助(丸石自転車(株)常務取締役)
総務委員長
広瀬喜久男(読売新聞社スポーツ事業部次長)
副委員長
高橋昭夫(日本自転車競技連盟事務局長)
副委員長
神田英治(日本障害者体育研寄会事務局長)
事務局長
川上秀夫(丸石自転車(株)営業企画部部長)
実行委員
大沢仁郎(読売新聞社スポーツ事業部主任)
戸田善雄(読売新聞社スポーツ事業部)
吉田清見(日本サイクルレーシングクラブ協会専務理事)
小島良信((財)日本身体障害者スポーツ協会事務局長)
伊藤忠一(日本学校体育研寄連合会理事)
九重卓(武蔵野東学園体育主任)
大友健二(武蔵野東学園音楽主任)
高橋友彦(日本自転車競技連盟)
多田康彦(丸石自転車(株)営業部副部長)
松阪一利(日本サイクルレーシングクラブ協会事務局長)
柳井英彦(丸石自転車(株)営業企画部)
米良行雄(丸石自転車(株)総務部)

〈前夜祭〉

場所 新治村中学校体育館
日時 58年10月8日(土)〈入場開始〉午後6時30分
〈開始〉午後7時0分
司会 春風亭柏葉

1.開会の辞 大会実行委員長 岡景義
1.挨拶 大会名誉副会長 山口澄三郎
大会顧問 岡田太平
1.〈特別参加〉武蔵野東学園演技
〈ミッキー〉チェアガール 一輪車 新体操 器械体操 ピアノ独奏
〈ビックバンド東〉ブラスバンド演奏
1.落語一席 春風亭柏葉
1.チャリティーオークション
春風亭柏葉 川上秀夫
1.審判長注意(日本スペシャルサイクル競技会の部) 審判長 高橋昭夫
1.閉会の辞 大会実行副委員長 高田敬助
(退場8辞50分)
〈第1回フレンドシップサイクル競技大会開会式〉
場所 群馬国際サイクルスポーツセンター
日時 58年10月9日(日)
「式次第」
司会 大会事務局長 川上秀夫
1.役員選手整列 午前8辞0分
1.〈特別参加〉武蔵野東学園演技
(ビッグバンド東)一輪車 雨天中止
ブラスバンド演奏
〈ファンファーレ〉 午前8時30分
1.開会宣言 大会会長 野本誠一郎
1.名誉会長挨拶 名誉会長 小林与三次
1.審判長注意
丸石カップ争奪サイクルロード
関東大会の部審判長 吉田清晃
1.選手宣誓
日本スペシャルサイクル 丸石カップ争奪サイクルロードレース競技大会選手代表 関東大会選手代表
1.閉会通告 退場8時45分

◎〈日本スペシャルサイクル競技大会の部閉会式〉

式次第
1.役員選手 選手整列(午後12時40分)
1.開式通告 司会 大会事務局長 川上秀夫
1.成績発表 大会総務委員長 広瀬喜久男
1.表彰
〈読売賞〉 名誉会長 小林与三次
〈丸善賞〉 大会総務委員長 広瀬喜久男
1.表彰
〈読売賞〉 名誉会長 小林与三次
〈丸善賞〉 大会名誉副会長 山口澄三郎
〈日本自転車競技連盟賞〉 大会名誉副会長 岡村武
―〈花束贈呈〉―
1.審判長講評
日本スペシャルサイクル大会の部 審判長 高橋昭夫
1.閉会の辞 大会副会長 井手精一郎
1.役員・選手退場 (午後1時10分)

〔A〕視覚障害者部門
○1000mタイムトライアル(タンデム車)

中学生の部 参加4
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
44 奥村一真 (筑波大学付属盲学校) °1′46″01
43 相沢史郎 (筑波大学付属盲学校) °1′46″92
41 中村隆 (筑波大学付属盲学校) °1′54″30
高校生男子の部 参加9
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
59 月森俊暢 (筑波大学付属盲学校) °1′42″36
54 水出靖 (筑波大学付属盲学校) °1′45″37
58 吉田勝豊 (筑波大学付属盲学校) °1′45″71

〔B〕聴覚 言語障害者部門
①1000mタイムトライアル(ロードレーサー)

中学生男子の部 参加5
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
61 松岡学 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °1′40″80
62 島村敏 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °1′55″33
65 守神正貴 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °1′58″81
中学生女子の部 参加5
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
70 竹内順子 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °2′12″59
69 宮根里恵 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °2′34″43
68 黄川田裕子 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °2′36″74
高校生男子の部 参加5
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
72 細沼要 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °1′41″08
71 神山秀昭 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °1′42″99
73 若林桂一 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °1′55″38
高校生女子の部 参加5
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
77 新井恵子 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °2′10″15
78 田中架之子 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °2′12″30
80 矢原則子 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °2′19″97
一般男子の部
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
81 吉川担 (東京都 チームラバネロ) °1′29″10
82 高野譲二 (東京都 なるしまフレンド) °2′04″50

②6㎞ロードレース(ロードレーサー)

高校生男子の部 参加10
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
島村明 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °14′18″29
田中宏幸 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °14′47″31
10 黒沢浩史 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °14′57″43
神山秀昭 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °15′09″97
小須田敬 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °15′21″92
関根毅 (埼玉県 県立坂戸聾学校) °15′58″21
一般男子の部 参加2
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
11 吉川担 (チーム ラバネロ) °11′30″86
12 高野譲二 (なるしま フレンド) °12′46′46

肢体不自由者部門
○100mタイムトライアル(四輪車)

中学生男子の部 参加3
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
91 宮田勝啓 (群馬県 県立二葉養護学校) ° ′19″70
93 原沢直人 (群馬県 県立二葉養護学校) ° ′19″96
- - - -
中学生女子の部 参加1
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
96 岡本美枝 (群馬県 県立二葉養護学校) ° ′20″26

〔D〕特別参加 (武蔵野東学園)

①100mタイムトライアルの部(四輪車) 参加12
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
122 鈴木蔵人 (東京都 武蔵野東学園) ° ′24″66
115 新井貴博 (東京都 武蔵野東学園) ° ′27″60
113 菅原敏明 (東京都 武蔵野東学園) ° ′32″99
112 牟田口啓 (東京都 武蔵野東学園) ° ′35″90
117 井上敬浩 (東京都 武蔵野東学園) ° ′37″18
111 境野康司 (東京都 武蔵野東学園) ° ′40″89
②100mスラロームの部(一輪車) 参加26
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
139 加藤豊 (東京都 武蔵野東学園) ° ′22″55
138 山中昭男 (東京都 武蔵野東学園) ° ′23″24
132 人見隆之 (東京都 武蔵野東学園) ° ′24″55
131 吉野浩章 (東京都 武蔵野東学園) ° ′24″91
154 粟本貴史 (東京都 武蔵野東学園) ° ′25″72
141 山木勝也 (東京都 武蔵野東学園) ° ′28″18
③400mタイムトライアルの部(一輪車) 参加35
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
188 加藤豊 (東京都 武蔵野東学園) °2′10″83
197 小手裕基 (東京都 武蔵野東学園) °2′21″53
178 栗原直孝 (東京都 武蔵野東学園) °2′22″08
204 神田太郎 (東京都 武蔵野東学園) °2′24″24
187 高橋直人 (東京都 武蔵野東学園) °2′25″26
196 五十嵐剛 (東京都 武蔵野東学園) °2′26″52
④6㎞ロードレースの部(ロードレーサー) 参加13
単位 ゼッケン 氏名 所属 記録
21 田中幸成 (東京都 武蔵野東学園) °21′56″62
35 渡辺暁 (東京都 武蔵野東学園) °21′59″92
23 市田義昭 (東京都 武蔵野東学園) °22′02″21
22 八木豪 (東京都 武蔵野東学園) °22′06″43
36 堤淑高 (東京都 武蔵野東学園) °22′07″20
30 鈴木崇史 (東京都 武蔵野学園) °22′23″61

〈コース及び会場案内図〉
群馬サイクルスポーツセンター概略図及び会場図

10.第3回大分国際車いすマラソン大会

  1. 目的
     この大会は,日本国内及び外国の身体障害者が車いすによるマラソンを通じて,お互いの理解を深めるとともに,身体的精神的な更生を図り,希望と勇気をもって社会に参加する意欲を大いに喚起することを目的とする。
  2. 名称
     第3回大分国際車いすマラソン大会
  3. 主催
     大分県 国際ストーク マンデビル競技連盟 大分県 大分合同新聞社 (財)日本身体障害者スポーツ協会 大分県身体障害者体育協会
  4. 後援
     厚生省 日本車椅子バスケットボール連盟 大分県教育委員会 財団法人大分県体育協会 社団法人大分県身体障害者福祉協会 社会福祉法人大分県社会福祉協議会 NHK大分放送局 株式会社大分放送 株式会社テレビ大分 日本アイ ビー エム株式会社 KLMオランダ航空会社 日本航空株式会社 全日本空輸株式会社 東亜国内航空株式会社
  5. 協力
     大分陸上競技協会 大分県警察本部 陸上自衛隊第3特科群 社会福祉法人太陽の家
  6. 日時
     昭和58年11月13日(日) 午前11時スタート
  7. コース及び距離
     大分市周辺 ハーフマラソン(21,0975㎞) フルマラソン(42.195㎞)
    「別図のとおり」
  8. 参加資格
    1. 国内選手にあっては,身体障害者手帳を所有する車いす使用者で,主催者が認定した者とする。
    2. 外国選手にあっては,主催者が招待した者と自費参加の者とする。
    3. 満18歳以上の者(昭和58年11月12日現在)
  9. 競技規則
    1. 国際ストーク・マンデビルゲームゲーム規則及び大会規則による。(別紙)
    2. 本大会では,次のとおり関門規制を実施する。
      (ハーフマラソンの部)
       5キロ地点は11時30分,10キロ地点は12時,15キロ地点は12時30分,ゴールは13時10分にそれぞれ閉鎖する。関門閉鎖後の走行は認めない。
      (フルマラソンの部)
       10キロ地点は12時45分,21.0975地点は12時35分,30キロ地点は13時10分,ゴールは14時にそれぞれ閉鎖する。関門閉鎖後の走行は認めない。
  10. クラス分け
    フルマラソンの部 クラス分類なし
    ハーフマラソンの部 次の5クラスに分ける。
    クラス1(a)上部頚髄損傷者で上腕三頭筋が抵抗に抗し得ない(筋力3以下)もの。 
    (b)下部頚髄損傷者で上腕三頭筋を良好であるが,
    手首および指の伸筋 屈筋は機能しない(筋力3以下)もの。 
    (c)下部頚髄損傷者で上腕三頭筋が良好で指の伸筋 屈筋が強力(筋力4~5)であるが,
    虫様筋,骨間筋の機能はないもの。
    第1胸髄損傷者も含まれる。
    クラス2第2胸髄~第5胸髄損傷者(座位バランスなし)
    クラス3第6胸髄~第10胸髄損傷者(座位バランスはあるが,下部腹筋の機能はない。筋力2以下)
    クラス4第11胸髄~第3腰髄損傷者 下肢筋力点数:脊髄損傷者1~20 脊髄性小児麻痺者1~15
    (a)第4腰髄~第2仙髄損傷者 大腿四頭筋の筋力3以上 下肢筋力点数:脊髄損傷者21以上
    髄性小児麻痺者16以上
    (b)両大腿切断者
    クラス5脳原性麻痺者
  11. 表彰
    1. フルマラソンは総合,ハーフマラソンは総合及びクラス別表彰を行う。
      1. 総合表彰は,第1位から第10位まで行い,メダル及び記念品を授与するものとし,総合優勝者に優勝杯を授与する。
      2. クラス別表彰は,各クラス男女別に第1位から第3位まで行い,メダルを授与する。
  12. 申込方法
     参加申込書(別紙)に必要事項明記のうえ,昭和58年9月20日(火)までに大会事務局あてに送付すること。
     なお,締切日後の参加申込は当日消印のあるものを除き受け付けない。
  13. 開会式
    昭和58年11月12日(土) 午後3時30分
    大分県立荷揚町体育館(大分市荷揚町)
  14. 閉会式
    昭和58年11月13日(日)
    マラソンゴール後大分市営陸上競技場で行う。
  15. コース下見
    昭和58年11月12日(土)午前9時
    県庁前広場からバスで行う。
  16. 健康診査
     昭和58年11月12日(土)午後0時30分から午後2時30分まで大分中村病院で受診のこと。受診しない選手は出走を認めない。
  17. 競走中の事故について
     競走中に事故が発生した場合の治療費は,原則として競走者の負担とする。
     ただし,救急措置及び障害保険の加入については,主催者側において対処する。
    (健康保険証持参のこと)
  18. 雨天時の取扱い
     雨天時においても,原則としてマラソン大会を実施する。
  19. 大会事務局
     大会事務局は,大分県福祉生活部障害福祉課内におく。
    所在地
    (〒870)
    大分市大手町3丁目1番1号
    電話番号 0975―36―1111 内線2253

大会役員

会長 大分県知事 平松守彦
副会長 大分県副知事 持永尭民
副会長 大分市長 佐藤益美
副会長 (財)日本身体障害者スポーツ協会会長 葛西嘉資
副会長 大分県身体障害者体育協会会長 中村裕
副会長 大分合同新聞社社長 長野健
顧問 大分県議会議長 清原文男
顧問 大分市議会議長 仲道幸一
顧問 大分市教育委員会委員長 佐々木智英
顧問 大分県市長会長 佐藤益美
顧問 大分県町村会長 正本秀雄
顧問 (財)大分県体育協会会長 工藤秀明
顧問 大分陸上競技協会会長 工藤秀明
顧問 (社福)大分県社会福祉協議会会長 立木勝
参与 大分県総務部長 児玉俊明他

開会式式典

開会通告(15:30)
選手団入場
開会宣言 大分県福祉生活部長 稲垣博二
国旗掲揚
主催者あいさつ 大分県知事 平松守彦
国際ストークマンデビル協議連盟事務総長 ジョアン スクルートン
来賓祝辞 厚生大臣 林義郎
大分県議会議長 清原文男
審判長注意 審判長 一丸光一
選手宣誓
花束贈呈
大会記念くす玉割
閉式通告
役員選手団体場
式典終了 (16:20)

国際ストーク マンデビル協議連盟事務局長あいさつ要旨
 来賓の皆様,そして14ヶ国からのISMGF連盟から参加の選手の方々へ
 私は,ISMGF会長のボブ ジャクソン教授とISMGF執行委員会役員より挨拶の言葉をもってまいりました。
 第3回大分国際車いすマラソンの晴れの場に出場できることを光栄に存じます。
 我々連盟の創設者である故ルードウイック グッドマン卿教授が連盟会長であった当時の1964年に東京で第2回バラリンピックを開催した時,この美しい国日本を最後に訪問した時のことを思い出します。
 貴国における脊髄損傷者の全ての治療とリハビリテーションの発展と我々のスポーツ活動の始まりであったと言えたでしょう。国際ストーク・マンデビル競技は,3つの車いすの輪にシンボルマークとして象徴されるように,友好と調和とスポーツマンシップをうたっています。
 車いすマラソンレースは増々盛んになりつつあり,我々の加盟国で行なわれるようになってきています。実際,健常者のマラソンに車椅子走者を受け入れる国も出てきており,これは身障スポーツのノーマライゼーションのもう1つの進展であります
 この第3回大会は,ISMGFのスポーツカレンダーで初めて公式行事として認められたレースです。そして,このマラソンが大成功となることをお祈りします。この国際車いすマラソンを可能にしてくださった平松大分県知事とその他多くの人々のご好意に感謝いたします。ISMGFを代表して,好意と感謝をこめてお贈りするこの認定書を受け取っていただければ幸いです。

行事日程
月日 時間 行事 場所
11月11日 13:30 健康診断(外国選手) 西鉄グランドホテル
16:30 外国選手説明会 西鉄グランドホテル
11月12日 9:30 コース下見 マラソンコース
12:30 健康診断(日本選手) 大分中村病院
15:30 開会式 県立荷揚町体育館
11月13日 11:00 マラソン競技 県庁前スタート
14:15 閉会式 大分市営陸上競技場
17:30 レセプション(サヨナラパーティー) パルス5

大分国際車いすマラソン大会競技規則

  1. 本大会では,ハーフ,フルマラソン及び男女共に同時走行させる。
  2. 競技者は,決められた出発線から決勝線までコース内を走行する。
  3. 競技者が,走行中,他の競技者の走行を故意に妨害したり,接触したりした場合は,失格とする。
  4. 競技者は,走行中転倒した場合,競技審判員,補助員の介助を受けることができる。
     ただし,競技者に記録的に有利になるような介助を受けてはならない。
  5. 競技中における車椅子のトラブル(例えばパンク,シャフトの破損等)は,競技者自身が解決するものについては,これを認める。
  6. 競技者は,走行中に審判員,補助員,警察官の指示に従うこと。
  7. 競技者は,走行中,腕章を付けた明確に識別される公式医務員及び審判員から競走中止を命ぜられたときは,ただちに競走をやめなければならない。
  8. 次の関門に制限時間を設ける。
    ハーフマラソンの部
    5㎞30分 10㎞60分
    15㎞90分 ゴール130分
    フルマラソンの部
    10㎞45分 21.0975㎞95分
    30㎞130分 ゴール180分
     以上の時間を超えた選手は,直ちに収容車に乗せる。
  9. 飲食物供給所
    1. 飲食物供給所は,10㎞,15㎞(ハーフ フル共通),20㎞,25㎞,30㎞。35㎞の各地点付近に設ける。
    2. 主催者が用意する飲食物は,オレンジジュース及び水とし容器は,紙コップ及びスポンジとする。
    3. 主催者が設けた場所以外で他人から飲食物やスポンジなどを受け取った場合は失格とする。
       ただし,主催者が設けた場所でも,役員,補助員の介助を受けてもよい。
    4. 競技者が定刻までに提出した飲食物は主催者が認めたものに限り,携帯又は主催者が設けた場所に置くことができる。
  10. クラス分け
    1. フルマラソンは,フリークラスとする。
    2. クラスは,5クラスに分け,ハーフマラソンのみ適用する。
    3. 下肢点の1,2点は0とする。
    4. 上位クラスの者が下位クラスに出場することはできる。
  11. 車椅子
    1. 車椅子は4輪(2つの大車輪及び2つの小車輪)とする。
       その他の車輪の取付けは認めない。
    2. 車輪に変則ギアを取り付けることは認めない。
    3. ハンドリウムは,2つの大車輪に各々1つのみ認める。ただし,メディカルチェックにより片手操作用の車椅子が必要と認められた場合は,この限りではない。
    4. 電動車椅子は認めない。
  12. 上記以外については,国際ストーク・マンデビルゲーム(ISMG)規則による。
◎フルマラソン
順位 タイム 氏名 所属
2°07′54″0 グレコール ゴロンベック 西ドイツ
2°07′56″0 リック ハンセン カナダ
2°10′07″0 ゲオルグ フロイント オーストリア
2°13′45″0 アンドレ ヴィガー カナダ
2°14′44″0 マーティー ボール アメリカ
2°21′50″0 ピーター ブロックス カナダ
2°21′53″0 ハインツ フレイ スイス
2°22′20″0 山本行文 大分県
2°24′03″0 吉松時義 大分県
10 2°27′18″0 星義輝 東京都
◎ハーフマラソン
順位 タイム 氏名 所属
1°05′24″0 ポール ファン ウィンケル ベルギー
1°12′09″0 アブドウル アジズアルハダド クウェート
1°16′43″0 シャフィ アル ダフィリ クウェート
1°16′51″0 メシャリ アルオダイビ クウェート
1°17′57″0 永尾嘉章 兵庫県
1°18′00″0 マーク マルセル デ メイヤー ベルギー
1°18′05″0 渡辺和照 横浜市
1°18′11″0 ロール テルジェ ノルウェー
1°18′22″0 北原一彦 大分県
10 1°21′40″0 中谷政夫 和歌山県

主題:
創立20年史 No.34

発行者:
財団法人日本身体障害者スポーツ協会

発行年月:
昭和60年3月31日

文献に関する問い合わせ先:
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東京都新宿区戸山1-22-1
戸山サンライズ内
TEL 03-204-3993