大学・短期大学・高等専門学校における障害学生の修学支援に関する実態調査報告書

本編

１．調査概要

(1)対象：大学、短期大学、高等専門学校
(2)調査方法：郵送配布・回収による悉皆調査（一部FAX・電子メールにて回収）
(3)調査期日：平成17年5月1日現在

２．回収状況

• 全体の回収率は90.5％。学校種（大学、短期大学、高等専門学校）別、また設置形態（国立、公立、私立）別にみても、いずれもほぼ90％に達しており、集計結果はおおよその実情が反映されているものと考える。
• なお、短期大学部は大学に合算して集計しているが、短期大学部のみの回答であったものは集計から除外した。

○学校種別

※大学には大学院大学を含む。

○設置形態別

３．注意事項

①本調査の回答率は90.5％である。

②本調査における「障害学生数」は、以下の説明により回答を得た数値である。
各種手帳を有している学生数、および入学時の健康診断の際に支援等が必要と判断された学生の合計数（重複する場合は実数）。（※国公立大学・短期大学においては文部科学省に報告している数値、私立大学・短期大学においては日本私立学校振興・共済事業団に報告している数値で可）。
※そのほか、「病弱・虚弱」の注釈として「慢性の呼吸器、心臓、腎臓疾患等の状態が継続して医療・生活規制を必要とする程度の者又はこれに準ずる者。」を、「その他」の例示として「学習障害」や「障害種別不明」を挙げている。

③回答校数は1,009校であるが、同一法人が有する大学と短期大学を合算して回答した大学が8校あったため、本報告における回答校数は1,001校とする。

④「全学生数」は、「学校基本調査（平成17 年度速報）」（文部科学省）における数値を使用した。同調査と本調査では調査内容等に若干の違いがあるため、本報告において「全学生数」を用いて算出した数値には、参考値であること（【参考値】）を付記した。
＜学校基本調査＞
(a)大学において学部生、大学院において大学院生のほか専攻科及び別科の学生並びに聴講生等を含んでいる。
(b)短期大学において本科学生のほか専攻科及び別科の学生並びに聴講生等を含んでいる。
(c)高等専門学校において学科、専攻科のほか聴講生、研究生等を含んでいる。

※通信は正規の課程のみ。

＜本調査＞
(a)大学（大学院を含む。）及び短期大学において専攻科及び別科の学生並びに聴講生等を含んでいない。
(b)高等専門学校において聴講生及び研究生等を含んでいない。
(c)地域区分別の障害学生数に通信教育課程を含んでいる。
(d)回収率が90.5％。

⑤調査項目の設問「８．卒業状況」と「９．卒業後の状況」は、回答に記入漏れなどの不備が多く、集計結果に十分な信頼性が得られない可能性があるため、本報告から除外した。

４．表記区分

①課程別

②学校種別

５．入試時に特別な措置を行った受験者数等

• 大学、短期大学、高等専門学校（以下「学校」という。）において、平成17年度入試（平成17年4月入学者）の際に特別な措置を行った受験者数は1,734人であった。また、合格者数は632人、入学者数は527人であった。

６．障害学生数

（1）課程別

• 学校における障害学生の在籍数は5,444人で、学校基本調査（文部科学省）における全学生数に対する在籍率は0.16％【参考値】であった。また、大学（短期大学を含む。）の学部(通学)に在籍する障害学生数は4,494人で、同区分の全学生数に対する在籍率は0.16％【参考値】であった。
• 課程別に障害学生の在籍率をみると、大学の学部(通信)が他課程に比べて高くなっている。これは、自宅で受講できる（移動を要しない）、自身の体調などに合わせた履修スケジュールが組めるといった通信教育課程の教育方法の特徴によることなどが要因として考えられる。今後、障害学生の修学支援方策を検討する上で、より詳細な要因分析が必要となるであろう。

^(*1)大学には短期大学を含む。
^(*2)全学生数：「学校基本調査(平成17年度速報値)」の数値。

（2）学校種別

• 学校種別にみると、大学（大学院を含む。）の障害学生の在籍数は4,842人で全学生数に占める割合（在籍率）は0.16％【参考値】。同じく短期大学では507人で0.21％【参考値】、高等専門学校では95人で0.16％【参考値】であった。在籍率は短期大学が若干高い状況にある。

^(*1)全学生数：「学校基本調査(平成17年度速報値)」の数値。

（3）障害種別

• 障害種別の内訳をみると、「視覚障害」が510人（障害学生総数の9.4％）、「聴覚・言語障害」が1,158人（同21.3％）、「肢体不自由」が1,700人（同31.2％）、そのほか「病弱・虚弱」が1,327人（同24.4％）であった。
• なお、「その他」の内訳については、記述があったものをみると、精神障害、発達障害（ＡＤＨＤ、アスペルガー症候群など）、うつ病、パニック障害、種別不明などがみられた。

（4）障害学生在籍数階層別の学校数

• 一校に在籍する障害学生数による階層別学校数は、1人の学校が152校（回答校全体の15.2％）、2～5人の学校が210校（同21.0％）、6～10人の学校が104校（同10.4％）、11～20人が80校（同8.0％）、21人以上が46校（同4.6％）であった。
• また、障害学生が在籍していないと回答した学校は409校で、回答校全体の40.9％を占める。

• なお、障害区分の「病弱・虚弱」「その他」を除いた一校に在籍する障害学生数による階層別学校数は、1人の学校が167校（回答校全体の16.7％）、2～5人の学校が221校（同22.1％）、6～10人の学校が103校（同10.3％）、11～20人が48校（同4.8％）、21人以上が21校（同2.1％）であった。
• また、「病弱・虚弱」「その他」を除いた障害学生が在籍していないと回答した学校は441校で、回答校全体の44.1％を占める。

（5）学年別

• 障害学生の在籍状況を学年別にみると、１年が1,416人、２年が1,438人、３年が1,155人、４年が1,316人となっている。

※大学には短期大学を含む。