クレパス画の異才
いしかわ けんじ
石川謙二
1926~1952(享年26歳)
11歳のとき入園してきました。
右目はほとんど見えず、18歳頃には左目も視力減退。
謙二君は虚弱体質で、入園までは浮浪生活を送っています。
言葉は無く、数概念は皆無の重度知的障害児でした。
しかし入園して2年目(13歳)の春頃から大判の画用紙に猛然とクレパス画を描き始め、かつて自分の住んでいた浅草の情景を再現していきました。思いをそこにめぐらせば、まざまざと紙上に浮かび出てくるものらしい。
浅草公園の子であり街頭の浮浪児であった、謙二君の絵は常に人物が描き込まれる人臭い表現です。