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世界各国の社会保障制度

英国
為替レート:1.00米ドル=0.48ポンド

老齢・障害・遺族

法的枠組み

最初の法制化:1908年(老齢年金)、1911年(障害保険)、1925年(老齢・遺族保険)

現行法:1992年(各法の統合)、1995年(年金)、1999年(福祉改革・年金)、2000年(育児支援、年金、社会保障)、2002年(年金クレジット)、2004年(年金)、2007年(年金)

制度の種類:社会保険・社会扶助制度

適用範囲

拠出制給付:16歳~65歳(男性)または16歳~60歳(女性)の被用者で、週90ポンド以上770ポンド以下の所得がある者(2008年4月からの基準)

16歳~65歳(男性)または16歳~60歳(女性)の自営業者で、年間所得が4,825ポンド以上の者は、国家第二年金、労働災害給付、拠出制求職手当を除く全給付の適用対象となる。

任意加入者は、退職基礎年金および遺族年金のみが適用対象となる。

年金クレジット(資力審査あり)は60歳以上の低所得の年金受給者と、65歳以上で退職の備えが少ない者が利用できる。

無拠出制給付:英国に居住するすべての者

財源

被保険者:105ポンド(2008年4月から)~770ポンド(2008年4月から)の範囲の週の所得の11%。特定の既婚女性および寡婦は週の所得の4.85%、週の所得が770ポンドを超える部分についてはその1%を加算する。

任意加入者は定額で週8.10ポンドを支払う。

被保険者の保険料の15%は、国民健康保険に分配され、医療給付費用に使われる。また、被保険者の保険料は、疾病・出産給付、労働災害給付、失業給付の財源にもなる。

自営業者:所得が4,825ポンド(2008年4月から)を超える場合、定額で週2.30ポンド。さらに、年間所得が5,435~40,040ポンドの自営業者は、8%の所得比例保険料と、40,040ポンドを超える所得がある場合はその1%を加算する。

自営業者の保険料の15%は国民健康保険に分配され、医療給付費用に使われる。

事業主:週105ポンド(2008年4月から)を超える各従業員の所得の12.8%

事業主の保険料の15%は国民健康保険に分配され、医療給付費用に使われる。また、事業主の保険料は、疾病・出産給付、労働災害給付、失業給付の財源にもなる。

政府:資力審査を伴う手当その他の無拠出制給付の総費用。給付費用の不足を補填するための拠出型制度への国庫助成。

受給要件

退職基礎年金(定額):65歳(男性)または60歳(女性、ただし2010年から2020年にかけて段階的に65歳に引き上げ)の者で、保険料支払いまたはクレジット取得の形で全就労期間(一般に男性44年間、女性39年間)の90%の加入期間があること。2010年4月6日以降に公的年金支給年齢に達した者については、公的年金の満額受給に必要な加入年数は30年に短縮される。

子供の養育中か、高齢者または障害者の親族を介護している被保険者の場合、満額受給に必要な加入年数が短縮される。特定の給付(就業不能給付や求職者手当など)の支払い対象期間については、加入クレジットが与えられる。

部分年金:加入期間が短い場合には、比例して年金が減額される。受給権が年金満額の25%に満たない被保険者には、基礎年金は支給されない。

早期退職年金:早期退職年金はない。

繰り下げ支給:期間無制限に繰り下げ可能である。

年齢による増額:80歳以上

退職基礎年金は海外でも受給可能だが、欧州連合加盟国または互恵協定のある国に居住する者に限り調整される。

国家第二年金(SSP):65歳(男性)または60歳(女性、ただし2010年から2020年にかけて段階的に65歳に引き上げ)の者。基礎年金に加えて支給される。所得水準下限(年4,524ポンド)を超え、13,000ポンド(2007年)未満の所得がある者は、SSP支給にあたっては、13,000ポンドの所得があったと見なされる。

海外でも受給可能だが、欧州連合加盟国または互恵協定のある国に居住する者に限り調整される。

高齢者年金(無拠出制退職年金):80歳以上で基礎年金満額の60%未満の受給権がある年金受給者に支給される。60歳を経過後の連続20年間のうち英国に10年の居住実績があること。

年金クレジット:英国に居住する60歳以上(ただし2010年から2020年にかけて段階的に65歳に引き上げ)の男女で、所得が所定の水準を下回る者。また、退職の備えが少ない65歳以上の者にも付与される。

年金クレジットは英国に一時的に不在の場合に限り海外で受給できる。

長期就業不能給付:被保険者は、給付請求年度に先立つ過去3課税年度のいずれかの年度に週の所得下限の25倍以上の所得に対する保険料を支払い、さらに請求開始前の2課税年度の両年にわたって週の所得下限の50倍以上の所得に対する保険料を支払ったか、クレジットを付与されていなければならない。末期症または障害生前手当の最高額区分を受給している場合、障害(医学的評価によって判断)が52週間経過後に支給される。

障害生前手当(無拠出型、資力審査なし):障害が65歳以前に始まった場合に支給される(支給は65歳以降も継続可能)。通常、障害発生の3カ月後から支給される(末期症の場合を除く)。支給額は介護と移動の必要性に応じて決定される。

介護手当(無拠出型、資力審査なし):障害が65歳以降に始まった場合に支給される。通常、障害発生の6カ月後から支給される(末期症の場合を除く)。低額手当か高額手当かは介護の必要性によって決定される。

介護者手当(無拠出型、資力審査なし):重度障害者(受給要件を満たす一定の給付を受給している者)の介護のために、週に35時間以上のフルタイム労働を見合わせている者に支給される。介護者は、請求時点で16歳以上65歳未満とし、全日制の学生や週95ポンドを超える所得者であってはならない。

障害生前手当、介護手当、介護者手当は、通常英国に居住する者であれば、海外でも受給できる。最大26週間までの一時的な不在は、受給権に影響しない。

寡婦(寡夫)手当:児童手当を受けている子供がいる寡婦(寡夫)と妊婦の寡婦に支給される。寡婦(寡夫)は通常年金受給年齢に達していないこと。故人は老齢年金の受給要件を満たす加入期間があるか、死亡時点で年金受給者であること。

死別手当:扶養する子供のいない45歳以上の生存配偶者に週払い給付が支給される。寡婦(寡夫)となった日の後52週間にわたって支給される。故人は老齢年金の受給要件を満たす加入期間があるか、死亡時点で年金受給者であること。

死別支払金:配偶者の死によって生じる費用を支援するため、一時金が支給される。故人は老齢年金の受給要件を満たす加入期間があるか、死亡時点で年金受給者であること。

後見人手当:完全な孤児、または特定の条件下で片方の親が生存している子供を養育する者に支給される。故人は老齢年金の受給要件を満たす加入期間があるか、死亡時点で年金受給者であること。

死別手当、死別支払金、後見人手当は、海外でも受給可能だが、欧州連合加盟国または英国と互恵協定を締結する国に居住する者に限り調整される。

老齢給付

退職基礎年金(定額):週払いの年金最高額は90.70ポンドである(2008年4月から)。

扶養家族補足給付:成人の被扶養者の労働所得が所定の額を下回る場合には、この被扶養者に週54.35ポンドが支給される(2008年4月から)。

早期退職年金:早期退職年金はない。

繰り下げ支給:支給開始年を1年繰り下げるごとに約10.4%年金を増額する。連続12カ月以上にわたって繰り下げる被保険者は、繰り下げ支給の年金を課税対象となる一括払いの一時金と利息として受け取ることができる。

年齢による増額:週0.25ポンドが支給される。

国家第二年金(SSP):平均標準報酬額を基準に決定する。

高齢者年金(無拠出制退職年金):週54.35ポンド(2008年4月から)から、老齢年金を差し引いて支給される。受給中の公的年金がある場合、本年金の額から差し引かれる。

給付額調整:給付額は物価変動に応じて毎年調整される。調整額は、前年9月の小売物価指数に応じて算定される。

年金クレジット:個人の事情と所得(報酬、貯蓄、他の年金)に応じて、資力審査を伴う給付が支給される。受給権者には、他の所得を含めた合計額として、週124.05ポンド(独身者)または週189.35ポンド(夫婦)が保証される。65歳以上で貯蓄その他の非公的年金がある場合、加算額を受給できる。

長期障害給付

長期就業不能給付:短期就業不能給付(後述の「疾病・出産」の項を参照)の支給後、就業不能53週目(末期症の場合は29週目)から週84.50ポンド(2008年4月から)が支給される。障害が45歳以前に始まった場合、補足給付が支給される。

扶養家族補足給付:支払い請求者の子供を養育する成人被扶養者には、所定の条件の下、週54.35ポンド(2008年4月から)が支給される。

障害生前手当(無拠出型、資力審査なし):介護項目は、必要性に応じて週67.00ポンド、44.85ポンド、17.75ポンドのいずれかとなる(2008年4月から)。移動項目は必要性に応じて週46.75ポンドまたは17.75ポンドである(2008年4月から)。

介護手当(無拠出型、資力審査なし):必要性に応じて週44.85ポンドまたは週67.00ポンド(2008年4月から)

介護者手当(無拠出型、資力審査なし):該当する場合、週50.55ポンド(2008年4月から)に扶養家族補足給付を加算して支給される。

給付額調整:給付額は物価変動に応じて毎年調整される。調整額は、前年9月の小売物価指数に応じて算定される。

遺族給付

寡婦(寡夫)手当:週90.70ポンド(2008年4月から)が支給される。

死別手当:寡婦(寡夫)となった時点または寡婦(寡夫)手当が終了する時点での遺族の年齢によって支給額は異なり、55歳以上の場合は週90.70ポンド(2008年4月から)、45歳から54歳までの場合、満額に対するパーセント値となる。

死別支払金:生存配偶者に直ちに2,000ポンドの一時金が支払われる。

後見人手当:子供1人につき週12.95ポンドが支給される。

給付額調整:給付額は物価変動に応じて毎年調整される。調整額は、前年9月の小売物価指数に応じて算定される。

管理運営主体

雇用年金省の年金サービス庁(http://www.thepensionservice.gov.uk)は、公的年金制度を管理運営し、年金受給者に対するサービスと支援にあたる。

雇用年金省の公共職業安定所「ジョブセンタープラス」(http://www.jobcentreplus.gov.uk)は、生産年齢の国民に対する給付の管理運営と就職支援にあたる。

歳入関税庁(http://www.hmrc.gov.uk)は、国民保険の拠出制度の管理運営にあたる。

疾病・出産

法的枠組み

最初の法制化:1911年

現行法:1977年(国民健康保険)、1992年(各法の統合)、1994年(就業不能給付)、1994年(疾病給付)、1999年(福祉改革・年金)、2005年(労働・家族)、2007年(福祉改革)

制度の種類:社会保険、社会扶助(現金給付)、国民皆(医療給付)制度

適用範囲

短期就業不能給付:所定の条件を満たし、法定疾病給付の受給権がないすべての被用者および自営業者。また、必要な加入条件を満たす失業者および非被用者にも支給される。

法定疾病給付:週当たり平均所得が90ポンド以上(2008年4月からの所得下限)の被用者に事業主から支給される。

出産手当:所定の条件を満たし、法定出産給付の受給権がないすべての被用者および自営業者。

法定出産給付:週当たりの平均所得が90ポンド以上(2008年4月からの所得下限)の女性被用者に事業主から支給される。

法定父親給付:週当たりの平均所得が90ポンド以上(2008年4月からの所得下限)で妻またはパートナーが出産を予定している被用者に事業主から支給される。

法定養子縁組給付:週当たりの平均所得が90ポンド以上(2008年4月からの所得下限)で養子縁組をする被用者に事業主から支給される。

医療給付:国籍を問わず、また保険料・所得税の支払いと無関係に、英国に居住するすべての者

財源

被保険者:就業不能給付と出産手当については、前述の「老齢・障害・遺族」の項の財源を参照

自営業者:就業不能給付と出産手当については、前述の「老齢・障害・遺族」の項の財源を参照

事業主:就業不能給付と出産手当については、前述の「老齢・障害・遺族」の項の財源を参照。法定疾病給付の総費用(特定の場合には費用の一部)と、法定出産給付・父親給付の8%

政府:法定出産給付・父親給付の92%(一部の小規模事業主の場合は100%)、法定疾病給付のごく一部。医療給付(国民健康保険)の費用の大部分。資力審査を伴う手当の総費用。

医療給付の主な財源は総合課税による収入。さらに、老齢・障害・遺族年金の保険料と患者自己負担の一部を財源に充てる。

受給要件

短期就業不能給付:被保険者は、就業不能期間中、連続4日以上の疾病がなければならない。給付請求の年に先立つ3課税年度のいずれかの年度に、週の所得下限の25倍以上(2008年4月から90ポンド)の所得に対する保険料を支払わなければならない。さらに請求開始前の2課税年度の両年にわたって週の所得下限(2008年4月から90ポンド)の50倍以上に相当する所得に対して保険料を支払ったか、クレジットを付与されていなければならない。

20歳(全日制学校在学中または訓練中の場合は25歳)前に就業不能となった若年者は、拠出条件を満たすことなく就業不能給付を受給できることがある。

法定疾病給付:被保険者は、就業不能期間中、連続4日以上の疾病がなければならない。週の所得下限(2008年4月からの90ポンド)以上に相当する週当たり所得を得ている65歳未満の被用者に支給される。

出産手当:出産予定週前の66週間に26週間以上の労働期間があり、13週間に週当たり30ポンド以上の平均所得があるすべての被用者および自営業者。被保険者は事業主から法定出産給付を受け取ってはならない。

法定出産給付:被保険者は、出産予定週前の第15週目まで同一の事業主に26週間以上継続雇用され、週の所得下限(2008年4月から90ポンド)相当額以上の週当たり平均所得を得ていなければならない。

法定父親給付:被保険者は、出産予定週前の第15週目まで同一の事業主に26週間以上継続雇用され、週の所得下限(2008年4月から90ポンド)相当額以上の週当たり平均所得を得ていなければならない。

法定養子縁組給付:被保険者は、養子縁組の週まで同一の事業主に26週間以上継続雇用されていなければならない。

医療給付:受給資格に必要な最低期間はない。

疾病・出産給付

短期就業不能給付:低額と高額の給付がある。低額給付は3日間の待機期間の後、週63.75ポンド(2008年4月から)が28週間にわたって支給され、成人の被扶養者がいる場合には1人につき週39.40ポンドが加算される。高額給付は第29週目から第52週目まで週75.40ポンド(2008年4月から)が支給され、成人の被扶養者がいる場合には1人につき週39.40ポンドが加算される。

法定疾病給付:3日間の待機期間の後、週75.40ポンド(2008年4月から)が就業不能の期間中、最大28週間まで支給される。

出産手当:出産予定日前の第15週目から出産翌週までの最大26週間にわたって支給される。支給額は117.18ポンドである。ただし、結果的に117.18ポンド(2008年4月から)を下回る場合は、週当たりの平均所得の90%となる。

法定出産給付:最大39週間支給される。最初の6週間は週当たりの平均所得の90%(2008年4月から)が支給される。残る33週間は、週117.18ポンドが支給される。ただし、結果的に117.18ポンドを下回る場合は、週当たりの平均所得の90%となる。

法定父親給付:事業主が1週間または2週間(受給する被用者が選択)にわたって週117.18ポンドを支給する。ただし、結果的に117.18ポンドを下回る場合は、週当たりの平均所得の90%となる(2008年4月から)。

法定養子縁組給付:事業主が最大26週間にわたって週117.18ポンドを支給する。ただし、結果的に117.18ポンドを下回る場合は、週当たりの平均所得の90%となる(2008年4月から)。

労働者医療給付

医療給付:医療サービスは、公立病院、または契約している医師・歯科医から提供され、その費用は国民健康保険から直接支払われる。給付内容には、一般開業医による診療、専門医によるサービス、入院、出産ケア、歯科医療、医薬品、医療器具、在宅介護、家族計画が含まれる。

費用共同負担:患者は処方1回当たり6.85ポンド、歯科治療については治療過程によって異なるが最高194ポンドを支払う。資力審査を伴う給付を受けている者とその成人被扶養者、16歳未満(学生は19歳未満)の子供、妊婦、乳幼児のいる母親は、歯科治療と処方の費用が免除される。公的年金支給年齢を超えている者と他の特定の層にあたる者は、処方費用が免除される。国民健康保険の低所得者向け制度では、特定の低所得者は処方の費用が免除される。

期間は無制限である。

扶養家族医療給付

医療サービスは、公立病院、または契約している医師・歯科医から提供され、その費用は国民健康保険から直接支払われる。給付内容には、一般開業医による診療、専門医によるサービス、入院、出産ケア、歯科医療、医薬品、医療器具、在宅介護、家族計画が含まれる。

費用共同負担:患者は処方1回当たり6.85ポンド、歯科治療については治療過程によって異なるが最高194ポンドを支払う。資力調査を伴う給付を受けている者とその成人被扶養者、16歳未満(学生は19歳未満)の子供、妊婦、乳幼児のいる母親は、歯科治療と処方の費用が免除される。公的年金支給年齢を超えている者と他の特定の層にあたる者は、処方費用が免除される。国民健康保険の低所得者向け制度では、特定の低所得者は処方の費用が免除される。

期間は無制限である。

管理運営主体

雇用年金省の公共職業安定所「ジョブセンタープラス」(http://www.jobcentreplus.gov.uk)は、生産年齢の国民に対する給付の管理運営と就職支援にあたる。

保健省(http://www.dh.gov.uk)は、国民健康保険を通じて医療給付・サービスの管理運営にあたる。

労働災害

法的枠組み

最初の法制化:1897年

現行法:1992年(各法の統合)

制度の種類:社会保険・社会扶助制度

適用範囲

被用者

除外:自営業者

財源

被保険者:前述の「老齢・障害・遺族」の項の財源を参照

自営業者:適用外

事業主:前述の「老齢・障害・遺族」の項の財源を参照

政府:前述の「老齢・障害・遺族」の項の財源を参照

受給要件

労働災害就業不能給付:労働災害については、被保険者は被用者でなければならない。所定の14%を超える障害程度かどうかは、医学的に判断する。職業病については、被保険者は法律に定めるスケジュールに沿った職務執行過程で指定疾病に罹患していること。

一時障害給付

一時障害給付(短期就業不能):初回は最大52週間にわたって支給される。3日間の待機期間の後、週63.75ポンド(2008年4月から)が最大28週間まで支給され、成人被扶養者がいる場合は1人につき週39.40ポンドが加算される。第29週目から第52週目までは週75.40ポンド(2008年4月から)が支給され、成人被扶養者がいる場合は1人につき週39.40ポンドが加算される。

就業不能の第53週目から(28週間以上に及ぶ末期症と障害の場合は第29週目から)は、週84.50ポンド(2008年4月から)が支給され、さらに請求者の子供を養育する成人被扶養者がいる場合は、特定条件の下、週50.55ポンドが加算される。45歳以前に障害が始まった場合は補足給付が支給される。

給付額調整:給付額は物価変動に応じて毎年調整される。調整額は、前年9月の小売物価指数に応じて算定される。

所得扶助(社会扶助):所得が所定の基準を下回る16歳から59歳までの者に支給される。支給額は所得と事情によって異なる。貯蓄額が16,000ポンドを超えるか、平均労働時間が週16時間以上(パートナーがいる場合は週24時間)の場合、所得扶助は支給されない。

長期障害給付

労働災害就業不能給付:100%の障害程度と判定された場合、労働災害発生後または職業病の発症後の第15週目から週136.80ポンド(2008年4月から)が支給される。

所得減少手当:1990年10月以前に発生・発症した労働災害または職業病だけを対象に支給される。被保険者が1%以上の障害程度または通常作業の遂行不能と判定され、所得損失を招いた場合、最高で週54.75ポンド(2008年4月から)が支給される。

常時介護手当:被保険者が100%の障害程度と判定された場合、必要性に応じて週27.40ポンドまたは54.80ポンドが支給される(2008年4月から)。必要性が大きい場合は、週82.20ポンドまたは109.60ポンドが支給される。

特別重度障害手当:常時介護手当の上位2等級のいずれかを受給している場合、週54.80ポンド(2008年4月から)が支給される。

部分的障害:障害程度判定20%の場合の週27.36ポンドから、障害程度判定90%の場合の週123.12ポンドまで幅がある(2008年4月から)。

給付額調整:給付額は物価変動に応じて毎年調整される。調整額は、前年9月の小売物価指数に応じて算定される。

労働者医療給付

必要な給付はすべて国民健康保険制度の下で支給される。

遺族給付

寡婦(寡夫)手当:児童手当を受けている扶養児童が1人以上いる寡婦(寡夫)には、週90.70ポンド(2008年4月から)が支給される。

死別手当:寡婦(寡夫)となった時点または寡婦(寡夫)手当が終了する時点での遺族の年齢によって支給額は異なり、55歳以上の場合は週90.70ポンド(2008年4月から)、45歳から54歳までの場合、満額に対するパーセント値となる。

死別支払金:配偶者の死によって生じる費用を支援するため、直ちに2,000ポンドの一時金が支給される。

後見人手当:子供1人につき週12.95ポンドが支給される。

給付額調整:給付額は物価変動に応じて毎年調整される。調整額は、前年9月の小売物価指数に応じて算定される。

管理運営主体

雇用年金省の公共職業安定所「ジョブセンタープラス」(http://www.jobcentreplus.gov.uk)は、生産年齢の国民に対する現金給付の管理運営と就職支援にあたる。

歳入関税庁(http://www.hmrc.gov.uk)は、国民保険の拠出制度の管理運営にあたる。

失業

法的枠組み

最初の法制化:1911年

現行法:1995年(求職者)

制度の種類:社会保険・社会扶助制度

適用範囲

受給条件を満たす失業中の全求職者

除外:自営業者は、拠出制の求職者手当の適用対象外とする(自営業者は所得に基づく求職者手当のみ)。

財源

被保険者:前述の「老齢・障害・遺族」の項の財源を参照

自営業者:なし

事業主:前述の「老齢・障害・遺族」の項の財源を参照

政府:前述の「老齢・障害・遺族」の項の財源を参照。資力審査を伴う手当の総費用

受給要件

求職者手当(社会保険):被保険者は18歳以上の失業者または労働時間が週16時間未満の者(16歳または17歳の場合、特定条件を満たす場合のみ受給資格がある)。請求の前提となる2課税年度(4月~翌3月)のいずれかの年度に、週の所得下限(2008年4月から90ポンド)の25倍以上に相当する所得に対して、保険料が支払われなければならない。さらに、請求の前提となる両課税年度で週の所得下限(2008年4月から90ポンド)の50倍以上に相当する所得に対して、保険料の支払いまたはクレジット付与があること。

失業者として登録し、労働の能力を有し、就労可能な状態にあり、積極的に就労を求めていること、現行の求職者協定書を有することが必須条件である。この求職者協定書は、求職者と求職者アドバイザーが作成して署名する。求職者協定書では、求職者は積極的に訓練と労働を求めることが義務付けられる。求職者協定書に署名しなければ、給付が停止される。

求職者手当(社会扶助):拠出制(社会保険)の受給資格がない者または拠出制では必要性が満たされない者には、所得が必要性を満たすうえで不足している場合に、自身と扶養家族を対象とする所得審査制手当の受給資格が与えられることがある。貯蓄額が16,000ポンドを超えている場合は支給されない。

失業者として登録し、労働の能力を有し、就労可能な状態にあり、積極的に就労を求めていること、現行の求職者協定書を有することが必須条件である。この求職者協定書は、求職者と求職者アドバイザーが作成して署名する。求職者協定書では、求職者は積極的に訓練と労働を求めることが義務付けられる。求職者協定書に署名しなければ、給付が停止される。

失業給付

求職者手当(社会保険):25歳以上の場合は週60.50ポンド、18歳から24歳の場合は47.95ポンド、18歳未満の場合は47.95ポンドの定額給付が支給される(2008年4月から)。3日間の待機期間の後、最大26週間まで支給される。

求職者手当(社会扶助):手当の額は、請求者の年齢、世帯収入、家族構成によって決まる。年齢に応じて1人当たり週47.95ポンドから60.50ポンドの範囲で支給される(2008年4月から)。3日間の待機期間の後、最大26週間まで支給される。

管理運営主体

雇用年金省の公共職業安定所「ジョブセンタープラス」(http://www.jobcentreplus.gov.uk)は、生産年齢の国民に対する給付の管理運営と就職支援にあたる。

歳入関税庁(http://www.hmrc.gov.uk)は、国民保険の拠出制度の管理運営にあたる。

家族手当

法的枠組み

最初の法制化:1945年(児童手当)、1987年(家族給付)

現行法:1992年(各法を統合)、2002年(子供の税額控除)

制度の種類:国民皆制度(児童手当)、税額控除制度

適用範囲

児童手当、子供の税額控除:子供がいる英国居住者全員

勤労税額控除:子供の有無を問わず低所得労働者

財源

被保険者:なし

自営業者:なし

事業主:なし

政府:総費用

受給要件

児童手当・子供の税額控除:対象となる子供は16歳未満(16歳または17歳については全日制教育機関に在籍せず労働時間が週24時間を超えない者、全日制の学生の場合は19歳未満)。また、受給資格は、英国での居住・在住状況にもよる。

勤労税額控除:請求者は被用者または自営業者で、週16時間以上の労働時間があること。

家族手当給付

児童手当:受給要件を満たす長子には週18.10ポンド、第2子以降は1人増えるごとに12.10ポンドが支給される(2007年4月から)。

子供の税額控除:子供のいる世帯を対象に実施される。対象となる世帯は年間所得が最高58,175ポンド(1歳未満の子供がいる場合は66,350ポンド)である。必ずしも勤労世帯である必要はない(下記の勤労税額控除を参照)。1歳未満の子供や障害児がいる場合は税額控除額の加算がある。

勤労税額控除:所得と家族状況によって決まり、承認済みの託児費用が含まれる。障害のある労働者と重度障害者には控除額の加算がある。

管理運営主体

歳入関税庁(http://www.hmrc.gov.uk)は、児童手当と税額控除の管理運営にあたる。