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世界各国の社会保障制度

フランス
為替レート:1.00米ドル=0.68ユーロ

老齢・障害・遺族

法的枠組み

最初の法制化:1910年

現行法:1945年(非農業部門の被用者)、1975年(障害者)2005年に改正あり、1996年(社会保障団体)、2001年(扶養給付)、2003年(年金改革)

制度の種類:社会保険・社会扶助制度

注:強制加入補足年金の制度は事業主と被用者が共同で管理する。

適用範囲

商工業に従事する被用者、所定の条件に合致する主婦

非就労の世帯主(老齢年金のみ)、以前に6カ月以上の強制加入があった適用対象外の者、障害のある家族の世話をする非被用者、海外で働くフランス国民の任意加入

農業、鉱業、鉄道、公益事業、公共部門の被用者・職員向け制度、船員向け制度、非農業部門の自営業者向け制度、農業部門の自営業者向け制度

フランスに居住する高齢の扶養家族はすべて社会扶助の適用対象となる。

財源

被保険者:老齢給付の対象となる所得の6.65%(法定最低賃金を上回る失業手当を受けている者は、老齢給付の手当の11.37%を負担する)

任意加入者は、所定の所得帯に応じて四半期払いの保険料を支払う。

保険料算定の基礎となる所得上限は、月2,773ユーロである。

障害給付と、遺族給付の費用の一部は、後述の「疾病・出産」の下で財源が確保される。

自営業者:適用外

事業者:老齢給付については算定対象の給与の8.3%、遺族手当については給与総額の1.6%

老齢給付の保険料算定の基礎となる所得上限は、月2,589ユーロである。遺族手当の保険料算定にあたって月額の所得上限はない。

法定最低賃金の1.6倍未満の賃金については事業主負担が減額され、23歳未満の新規採用従業員に代わって支払う保険料は所定条件に基づき償還される。

障害給付と、遺族給付の費用の一部は、後述の「疾病・出産」の下で財源が確保される。

政府:変額補助金

受給要件

老齢年金:制度を問わず160四半期以上の加入期間があるか、一般制度のみの場合は150四半期の加入期間があれば、60歳で老齢年金が満額支給される。14歳か15歳か16歳で就労し、160四半期の加入期間がある者は、56歳から59歳までの間に年金を受給できる。

年金受給者は、年金受給後すぐ、新たに稼得活動を開始できるが、退職前に従事していた稼得活動を再開する場合は、6カ月待たなければならない。

加入期間の算定にあたって、被保険者が失業給付、退職前給付、あるいは障害年金(障害程度判定が80%以上)を受け取った期間が考慮される。一定条件を満たせば、出産をした女性被保険者、あるいは育児や病気・障害の子供の世話のために仕事を中断した親には、加入期間特別割り増しが子供1人につき8四半期を限度に付与される。

障害者、働いている母親、退役軍人には、特別な受給資格がある。

部分年金:1四半期以上の加入期間があれば、60歳で減額年金が支給される。

繰り下げ支給:60歳を超えると、条件に応じて繰り下げ支給となる。

高齢者向け連帯手当(資力審査あり):低所得の年金受給者に65歳(障害者は60歳)から支給。連帯手当は他の老齢給付の補足に使用される。

資力審査:独身の年金受給者は、年間所得が7,719.52ユーロ未満、夫婦の場合は13,521.27ユーロでなければならない。

障害年金:被保険者の条件は、60歳未満であること、稼得能力低下の判定が職業を問わず3分の2以上であること、障害が始まるまでに12カ月の加入期間があり、過去12カ月間に800時間の雇用があり、なおかつ過去3カ月間に200時間の雇用があったこととする。

遺族年金(資力審査あり):受給資格のある遺族は、51歳(2009年7月1日現在50歳)以上であること(年齢条件は2011年1月1日から適用が打ち切りとなる)。受給資格のある遺族には、離婚した元妻で未再婚の者も含まれる。非婚のパートナーは、たとえ故人との間にシビルパートナーシップ契約が結ばれていても受給資格がない。

資力審査:遺族が独身の場合、年間の個人所得は1時間当たりの法定最低賃金の2,080倍(年間17,555.20ユーロ)を超えないこと。ただし、遺族が再婚または同棲している場合は年間28,088.32を超えないこと。遺族と新しい配偶者もしくはパートナーの年金その他の所得を含む年間所得が資力審査の基準を超える場合は減額給付となる。資力審査の基準は毎年1月に調整される。

育児補足給付:遺族が65歳未満で、一般制度の年金受給資格がなく、3人以上の子供の出産もしくは育児をした場合に支給される。

遺族手当(資力審査あり):故人の死亡直前の12カ月間に3カ月以上の強制加入または任意加入があった場合に支給される。遺族の条件は、51歳(2009年7月1日現在50歳)未満であること、フランスまたはフランス領ポリネシアに居住していること、故人と婚姻関係があって離婚していないこと、被保険者の死後に再婚または同棲していないこと(遺族手当は2011年1月1日から支給がなくなる)。

コメント[作成者1]:原文のor olderは誤記と思われます。

資力審査:個人所得は四半期当たり2,081.62ユーロ未満であること。

死亡手当:故人が被用者であったか、失業給付、疾病現金給付、障害年金(障害程度判定が66.6%以上であること)のいずれかを受給していた場合

老齢給付

老齢年金:年金満額は被保険者の基準所得の50%相当額である。

基準所得は、最も賃金の高い25年間の平均調整後所得相当額である。

給付額算定の基礎となる所得上限は、月2,773ユーロである。

部分年金:合計加入期間が160四半期未満の場合、一般制度に基づく加入のみを考慮し、年金額は一般制度で150四半期未満の加入期間に比例して減額される。部分年金は被保険者の基準所得の25%を下回らない。

繰り下げ支給:年金満額受給資格となる四半期数を満たしてから1四半期活動するごとに、または被保険者がその時点で満額受給資格を満たしていない場合は60歳から1四半期活動するごとに年金額が0.75%増額される。

被保険者が退職年齢後に減額給与で働き続ける場合に支払われる年金合計額の一部として、一定条件に沿って、累進型年金が算定される。年金と稼得活動からの所得の合計額は、被保険者の退職前の最後の賃金を超えてはならない。

年金満額受給資格を満たした被保険者には、年間の年金最低額6,958.21ユーロが満額支給される。総加入期間が160四半期に満たない場合、その分に比例して年金最低額が減額される。年金最低額(基礎年金+補足年金)は、法定最低賃金純額の85%相当額である。

常時介護手当:年額12,129.94ユーロが支払われる。

配偶者補足給付(所得審査あり):一般制度で150四半期の加入期間がある被保険者は、65歳(障害者の場合は60~64歳)で年額609.80ユーロが支給される。総加入期間が150四半期に満たない場合は、その分に比例して年金額が減額される。

扶養児童補足給付:子供1人につき月額84.69ユーロが支給される。

養育補足給付:被保険者が3人以上の子供を養育してきた場合、年金額の10%相当額が支給される。

高齢者向け連帯手当(資力審査あり):老齢年金を、独身者の場合は最低年額7,537.30ユーロに、夫婦の場合は13,521.27ユーロに増額する目的で支給される。

給付額調整:給付額は生計費の変動に合わせて定期的に調整される。

長期障害給付

障害年金:被保険者がいかなる職業活動にも従事する能力がないと判定された場合、年金額は被保険者の平均所得の50%相当額となる。一部の稼得活動に従事可能な場合には30%となる。

平均所得は最も賃金の高かった10年間の所得に基づいて算定する。

給付額算定の基礎となる所得上限は、月2,589ユーロである。

年金の年間最低額は3,009.45ユーロである。

特別補足給付(資力審査あり):独身者の場合、年間最高4,314.03ユーロが支給される。

常時介護補足給付:障害年金の40%相当額が支給される。最低給付額は月額982.15ユーロである。

月払いの障害年金は、60歳で老齢年金に切り替わる。

被保険者が稼得活動に復帰した場合、年金は所得審査なしに引き続き6カ月間支給される。その後、年金と所得の総額が、障害が始まる前暦年の平均賃金を超える場合、年金が停止される。

給付額調整:給付額は生計費の変動に合わせて定期的に調整される。

遺族給付

遺族年金(資力審査あり):故人に支給された年金または支給予定だった年金の54%相当額である。故人に再婚歴がある場合、年金は寡婦(寡夫)間で故人との婚姻期間の長さに応じて分割される。

故人に最低60四半期の加入期間があった場合、年金の最低年額は3,137.19ユーロである。加入期間が60四半期に満たない場合、その分に比例して年金額が減額される。

年金の最高年額は16,638ユーロである。

育児補足給付:遺族年金の10%相当額である。年間補足給付の最低額は313.71ユーロである。資力審査の結果、遺族年金が減額されている場合、補足給付も比例して減額される。

遺族手当(資力審査あり):被保険者の死後、最大2年間、月額555.10ユーロが支給される。遺族が50歳以上の場合、55歳まで延長可能である。

死亡手当:故人が死亡する直前3カ月の平均賃金日額の90倍に相当する額が一時金として支給される。

給付額算定の基礎となる所得上限は、月2,589ユーロである。

一時金最低額は310.68ユーロである。

一時金最高額は7,767ユーロである。

給付額調整:給付額は生計費の変動に合わせて定期的に調整される。

管理運営主体

厚生・青少年・スポーツ・共同体省(http://www.sante.gouv.fr)と経済・財務省(http://www.minefi.gouv.frが総合的な監督と規制にあたる。

コメント[作成者2]:"両省名に関しては、正式な日本語名称を確認できませんでした。現内閣では名称が変わっているため、ここでは暫定訳を当ててあります。
なお、現在のフランソワ・フィヨン内閣における、上記URLに該当する省庁の名称はそれぞれ、「厚生・スポーツ省」と「経済・産業・雇用省」です。
<参考>
在日フランス大使館 Webサイト
http://www.ambafrance-jp.org/article.php3?id_article=3305

全国被用者老齢保険金庫(http://www.cnav.fr)は、老齢年金と遺族手当の管理運営にあたる。

全国疾病保険金庫(http://www.ameli.fr)は、障害・遺族年金の管理運営にあたる。

保険料は共同徴収機関(http://www.urssaf.fr)が徴収する。

社会保障機関中央資金管理事務庁(http://www.acoss.fr)は保険料の管理にあたる。

疾病・出産

法的枠組み

最初の法制化:1928年

現行法:1945年(非農業部門被用者)、1996年(社会保障組織)、1999年(国民皆保障)、2001年(父親休暇)、2004年(出産保険)、2004年(疾病保険改革)

制度の種類:社会保険制度

適用範囲

被用者、求職者、学生、職業訓練を受ける者

年金受給者と一部の非被用者も医療給付の対象となる。

海外で働くフランス国民を含め、任意加入が可能である。

農業、鉱業、鉄道、公益事業、公共部門の被用者・職員向け制度、聖職者向け制度、船員向け制度、非農業部門の自営業者向け制度、農業部門の自営業者(一部のグループを対象に一般制度の下で医療給付が支給される)向け制度

財源

被保険者:総所得の0.75%。老齢年金受給者(低所得の年金受給者は免除)は老齢年金の1.4%、民間年金の2.4%を拠出する。求職者は、退職前手当の1.7%、または最低保証所得の2%に失業給付と訓練手当の1%を加えた額を拠出。学生、若年層、その他のグループは、定額保険料を負担する。海外で働く任意加入の被保険者については、前述の「老齢・障害・遺族」の項を参照。

被保険者の保険料は障害給付・遺族給付の財源にも使用される。

自営業者:適用外

事業主:給与の12.8%に加え、扶養補助制度用の給与の0.3%、利益の0.13%相当額の社会連帯保険料(利益が760,000ユーロを超える場合は0.16%)

事業主の保険料は、障害給付・遺族給付の財源にも使用される。

政府:自動車保険料の12%の割増金からの収入、医薬品広告やアルコール、タバコの費用に対する目的税からの収入。個人所得には(CSG)が一律課され、疾病保険・家族給付の財源となる。政府は、病院新設や一定の保健・社会サービスのコストの一部の資金も拠出する。

政府の拠出金は、障害給付・遺族給付の財源にも使用される。

受給要件

疾病現金給付:被保険者が過去3カ月間に200時間以上の雇用がある場合は最大6カ月にわたって支給される。また、最初の3カ月間の雇用200時間を含め、過去12カ月間に800時間の雇用がある場合は6カ月以上3年未満にわたって支給される。過去12カ月間に失業給付を受けているか受けたことがある求職者、あるいは過去12カ月以内に職を辞した求職者は、最後の賃金に基づき算定される疾病現金給付を受給できる。

出産現金給付:被保険者は、10カ月以上の登録加入期間と、妊娠判定前3カ月間に200時間の雇用があること。被保険者は、8週間以上労働を中止しなければならない。養子縁組にも同じ受給要件が適用される。養子縁組のための休暇期間は、養子を迎える母親と父親の双方とも条件を満たしている場合には、双方で分け合う。過去12カ月間に失業給付を受けているか受けたことがある女性求職者、あるいは過去12カ月以内に職を辞した女性求職者は、最後の賃金に基づいて算定される出産現金給付または養子縁組現金給付の受給資格がある。

父親給付:被保険者は、10カ月以上の登録加入期間と、父親休暇期間前の3カ月間に200時間の有給雇用があること。受給権者は子供の実父でなければならない。過去12カ月間に失業給付を受けているか受けたことがある男性求職者、あるいは過去12カ月以内に職を辞した男性求職者は、最後の賃金に基づいて算定される父親現金給付の受給資格がある。

医療給付:被保険者が前月に60時間の雇用があるか、前月に最低賃金の60倍以上の賃金に対する保険料を払ったか、過去3カ月間に120時間の雇用があるか、あるいは過去3カ月間に法定最低賃金の120倍に相当する保険料を払った場合、最大1年間、支給される。被保険者が前年に1200時間の雇用があるか、前年に最低賃金の2030倍に相当する保険料を払った場合、最大2年間支給される。求職者は、失業給付受給中に医療給付の受給資格があり、失業給付終了後4年間受給資格が保持される。被保険者の扶養家族である遺族は、被保険者の死後最大4年間、医療給付の受給資格がある。3人の子供を養育中もしくは養育した生存配偶者に対しては既婚・離婚を問わず、無制限である。労働災害給付受給者とその扶養家族も無制限である。

疾病・出産給付

疾病給付:就業不能状態が始まる前の3カ月間の平均日給の50%相当額が、病気休暇の最初の30日間支給される。その後、3人以上の扶養児童がいる被保険者には、66.6%が支給される。3日間の待機期間後、3年間に最大360日まで支給される。慢性疾患または長期疾患の場合、総支給期間は3年間である。

給付額算定の基礎となる所得上限は、月2,773ユーロである。

給付の最低日額は、8.48ユーロである(扶養児童がいる被保険者は11.30ユーロ)。

給付の最高日額は、46.21ユーロである(扶養児童がいる被保険者は61.62ユーロ)。

受給者がリハビリ目的でパートタイム労働を再開した場合、部分給付または全額給付が支給される。

給付額調整:給付が3カ月以上支給されてからは、給付額は賃金の変動に応じて自動的に調整される。

出産給付:第1子および第2子については、被保険者の出産休暇期間前3カ月間の平均所得の100%が、出産予定日前の6週間と同予定日後の10週間にわたって支給される。第3子については出産予定日前の8週間と同予定日後の18週間にわたって支給される。双子の場合、出産予定日前の12週間と同予定日後の22週間にわたって支給される。三つ子以上の多胎出産については、出産予定日前の24週間と同予定日後の22週間にわたって支給される。

三つ子以上の多胎出産を除き、妊娠または出産に起因する合併症の結果、産科での治療が必要な場合は、さらに2週間追加して支給される。

出産に起因する合併症で母親が死亡した場合、父親は、父親給付の休暇期間に続き、産後休暇期間と同等の有給休暇期間を利用できる。

流産の場合、給付支払金の期間は、出産後に支給される出産給付の期間に基づいて決定する。

養子縁組の場合、被保険者が養育中の子供の数が1人または2人であれば、10週間支給される。3人以上の場合は18週間支給される。子供の数にかかわらず、複数の養子縁組の場合は22週間支給される。養子を迎える母親と父親の養子縁組休暇期間が合わせて11日間延長(複数の養子縁組の場合は18日間)される場合は、双方で分け合うことができる。

給付額算定の基礎となる所得上限は、月2,773ユーロである。

給付の最低日額は、8.48ユーロである。

給付の最高日額は、74.24ユーロである。アルザス州とモゼル県については72.71ユーロである。

父親給付:被保険者の父親休暇開始前3カ月間の平均所得の100%相当額が最大連続11日間支給される。多胎出産の場合は連続18日間支給される。父親休暇期間は出産日から4カ月以内に取得しなければならない。

労働法に基づいて事業主から有給で与えられる3日間の休暇に加えて、父親休暇期間も有給である。

給付額算定の基礎となる所得上限は、月2,773ユーロである。

給付の最低日額は、8.48ユーロである。

給付の最高日額は、74.24ユーロである。アルザス州とモゼル県については72.71ユーロである。

給付額調整:出産給付、父親給付、養子縁組給付は、毎年調整される。

労働者医療給付

一般治療・専門医治療、入院、臨床検査サービス、医薬品、眼科・歯科治療、出産、医療器具、交通費が給付対象となる。通常、被保険者がサービスに対して費用を立て替え払いし、地方の疾病金庫から払い戻される。

費用分担:医療サービスごとに1ユーロの定額保険料を支払うことになっており、年間の上限が定められている(妊婦または出産休暇中の女性、入院患者、低所得者は免除)。疾病保険は、定額保険料を控除後、被保険者が支払った費用の全額または一部を払い戻す。払い戻し額は、サービスの種類によって異なり、日額16ユーロ(精神科の場合は12ユーロ)の保険料を控除(障害児童、戦争犠牲者、労働災害の受給資格者は免除)後、所定の重症疾病、障害程度判定66.6%以上の労働災害受給資格者、妊娠6カ月目から出産12日目までの妊産婦(妊娠に関わる費用かどうかを問わない)を対象とする医療サービス費用は100%、医療サービスは70%、医療補助サービスは60%、医薬品は35%または65%、臨床検査サービスは60%または70%、眼鏡・医療器具は65%(ただし年間上限あり)、入院は80%となっている。

被保険者は、その他の医療費用の全部または一部について、補完的な保険商品に任意加入できる。

資力審査を伴う国民皆疾病保険の対象者である被保険者は、無償の補完保険を利用できる。

支給期間に制限はない。

被扶養者医療給付

一般治療・専門医治療、入院、臨床検査サービス、医薬品、眼科・歯科治療、出産、医療器具、交通費が給付対象となる。通常、被保険者がサービスに対して費用を立て替え払いし、地方の疾病金庫から払い戻される。

費用分担:医療サービスごとに1ユーロの定額保険料を支払うことになっており、年間の上限が定められている(妊婦または出産休暇中の女性、入院患者、低所得者は免除)。疾病保険は、定額保険料を控除後、被保険者が支払った費用の全額または一部を払い戻す。払い戻し額は、サービスの種類によって異なり、日額16ユーロ(精神科の場合は12ユーロ)の定額保険料を控除(障害児童、戦争犠牲者、労働災害の受給資格者は免除)後、所定の重症疾病、障害程度判定66.6%以上の労働災害受給資格者、妊娠6カ月目から出産12日目までの妊産婦(妊娠に関わる費用かどうかを問わない)を対象とする医療サービス費用は100%、医療サービスは70%、医療補助サービスは60%、医薬品は35%または65%、臨床検査サービスは60%または70%、眼鏡・医療器具は65%(ただし年間上限あり)、入院は80%となっている。

被保険者は、その他の医療費用の全部または一部について、補完的な保険商品に任意加入できる。

資力審査を伴う国民皆疾病保険の対象者である被保険者は、無償の補完保険を利用できる。

支給期間に制限はない。

管理運営主体

厚生・青少年・スポーツ・共同体省(http://www.sante.gouv.fr)と経済・財務省(http://www.minefi.gouv.frが総合的な監督にあたる。

コメント[作成者3]:省名について、上述コメントに同じです。

疾病保険金庫全国連合が医療機関との契約交渉にあたり、医療費償還スケジュールを設定する。

2者共同運営団体の全国商工業被用者疾病保険金庫(http://www.ameli.fr)が制度の運営管理にあたる。

2者共同運営団体である128の初級疾病保険金庫と4つの海外一般疾病保険金庫が被保険者の登録、現金給付の支払い、医療費払い戻しの管理にあたる。

保険料は101の共同徴収機関(http://www.urssaf.fr)が徴収する。

社会保障機関中央資金管理事務庁(http://www.acoss.fr)は保険料の管理にあたる。

社会債務償却金庫(http://www.cades.fr)は、社会保障一般制度の債務の管理と償却にあたる。

労働災害

法的枠組み

最初の法制化:1898年

現行法:1946年(労働災害)、1972年(農業)

制度の種類:社会保険制度

適用範囲

被用者、学生、職業訓練中の者、特定の求職者、社会福祉事業団体の特定の無給メンバー、既決囚

海外で働くフランス国民と強制加入のない者は任意加入

農業、鉱業、鉄道、公益事業、公共部門の被用者・職員向け制度、船員向け制度、非農業部門の自営業者向け制度、農業部門の自営業者向け制度

財源

被保険者:なし。任意加入の被保険者は、危険度判定に応じて異なる保険料を支払う。

自営業者:適用外

事業主:費用総額。危険度判定に応じて保険料は異なる。平均保険料は給与総額の2.26%。

政府:なし

受給要件

労働災害給付:受給資格のための最低期間はない。通勤途上で発生した事故は適用対象となる。

一時的障害給付

最初の28日間は、前月の1日当たり平均所得の60%相当額で、上限額が設定されている。その後は、80%相当額である。就業不能状態が始まった日から回復または長期障害認定まで支給される。

給付額算定の基礎となる1日当たり所得の上限(1日当たり277.52ユーロ)は、社会保障保険料算定の基礎となる年間所得上限の0.834%相当額である。

給付額調整:3カ月以上の給付支給期間が経過後、賃金の変動に応じて給付額が調整される。

長期障害給付

長期障害年金:年間給付額は、基準所得の100%相当額である。

基準所得は、31,947.56ユーロを上限とする過去12カ月間の所得総額に、33,472.18ユーロを超える所得の33.33%を加えた額に等しい。

給付額算定の基礎となる所得下限は、16,736.09ユーロである。

給付額算定の基礎となる所得上限は、133,888.72ユーロである。

常時介護補足給付:年金の40%相当額が支給されるが、年間12,129.94ユーロを下回らないこととする。

部分的障害:年間給付額は基準所得100%に対して、障害程度割合10%~50%の場合は障害程度判定の0.5を乗じた額、障害程度割合が50%を超える場合は1.5を乗じた額である。

基準所得は、33,472.18ユーロを上限とする過去12カ月間の所得総額に、33,472.18ユーロを超える所得の33.33%を加えた額に等しい。

障害程度判定が1%の場合は378.27ユーロ、障害程度判定が9%の場合は最高3,781.38ユーロまでの一時金が支給される。

支給スケジュール:給付は四半期ごとである。障害程度判定が50%を超える場合は月単位である。

給付額調整:消費者物価指数の変動に応じて、行政命令に基づき毎年1月に給付額が調整される。

労働者医療給付

医療給付:治療・手術、入院、医薬品、医療器具、リハビリ、交通費など、必要な医療ケアすべて。サービスの費用は、当該金庫から直接支払われる。

医療費の患者一部自己負担はない。

継続期間に制限はない。

遺族給付

遺族年金:故人の死亡前12カ月間の労働による平均所得の40%相当額である。

受給資格のある遺族は、離婚していないか別居の配偶者またはパートナーで、被保険者の死亡原因となった災害や職業病発症以前に婚姻もしくはシビルパートナーシップが始まっていること。当該夫婦に子供がいる場合、婚姻またはパートナーシップの条件は放棄される。扶養料を受け取っている離婚した配偶者または別居中の配偶者は、各種条件の下、故人の死亡前12カ月間の労働による平均所得の20%を超えない範囲で、その扶養料相当額の年金が支給される。

高齢または障害の遺族向け補足給付:年金の20%相当額である。該当する遺族は、55歳以上か、障害程度判定が50%以上の者でなければならない。

再婚によって本年金は終了し、3年分の年金に相当する一時金が支払われる。遺児年金を受給している児童を養育中の遺族の場合、遺児年金受給が終了するまで年金が支給される。

遺児年金:20歳未満の遺児は最初の2人までは、それぞれ故人の死亡前12カ月間の労働による平均所得の25%相当額を受け取り、3人目の遺児からは1人当たり20%を受け取る。完全遺児については、1人当たり30%を受け取る。

受給資格のある他の遺族:扶養老親それぞれが、故人の死亡前12カ月間の労働による平均所得の10%相当額を受け取る。ただし30%を上限とする。

すべての遺族給付の合計額は、故人の死亡前12カ月間の労働による平均所得の85%を超えないこと。超える場合は、その分に比例して年金が減額される。

支給スケジュール:給付は四半期ごとである。遺族年金総額が故人の所得の50%以上の場合は月単位である。

給付額調整:消費者物価指数の変動に応じて、行政命令に基づき毎年1月に給付額が調整される。

葬儀手当:葬儀の費用で、一定上限がある。

管理運営主体

厚生・青少年・スポーツ・共同体省(http://www.sante.gouv.fr)と経済・財務省(http://www.minefi.gouv.frが総合的な監督にあたる。

コメント[作成者4]:省名について、上述コメントに同じです。

疾病保険金庫全国連合が医療機関との契約交渉にあたり、医療費償還スケジュールを設定する。

2者共同運営団体の全国商工業被用者疾病保険金庫(http://www.ameli.fr)が制度の運営管理にあたる。

2者共同運営団体である128の初級疾病保険金庫と4つの海外一般疾病保険金庫が被保険者の登録、現金給付の支払い、医療費払い戻しの管理にあたる。

保険料は103の共同徴収機関が徴収する。

社会保障機関中央資金管理事務庁(http://www.acoss.fr)は保険料の管理にあたる。

失業

法的枠組み

最初の法制化:1905年

現行法:1958年(失業)2004年改正、1973年(社会扶助)、1984年(社会保険、社会扶助)、1988年(最低給付)

制度の種類:社会保険・社会扶助制度

適用範囲

失業保険:見習い、家事労働者、保育者、公共部門の有給職員(公務員を除く)を含む、フランスまたはモナコ公国の被用者

公務員を除く公共部門職員で強制加入ではない者は、その事業主から同等の給付を直接受け取る。

除外:公務員、自営業者

建設作業員、港湾労働者、商船船員、航空機操縦士、家事労働者、契約労働者、守衛、障害者授産施設の障害者職員、ジャーナリスト、舞台芸術家、特定の海外移住者については、特別制度がある。

失業扶助(資力審査あり):フランス居住の長期失業者で、失業保険給付がこれ以上受給されない者または失業保険給付の受給資格がない者やその他所定の区分に相当する失業者

財源

被保険者:対象となる所得の2.4%

保険料算定の基礎となる所得上限は、月11,092ユーロである。

自営業者:適用外

事業主:対象となる給与の4%。対象となる給与の0.15%は、事業主が破産した場合に給与保証基金の財源となる。

保険料算定の基礎となる所得上限は、月11,092ユーロである。

事業主は、50歳を超える従業員を一時解雇する場合、当該従業員の年齢と当該企業の従業員総数に応じて追加保険料を支払う。

政府:社会扶助の総費用

受給要件

社会保険給付

失業給付:60歳未満、または年金満額受給に必要な加入四半期数(160四半期)を満たしていない60~65歳で、過去22カ月間に6カ月の労働がある者。被保険者の条件は、フランス居住者であること、職業安定所に登録済みであること、労働の能力を有し、就労可能な状態にあることである。自主退職、違法行為、適職紹介の拒否は失業の原因と認めない。

退職前給付:被保険者は、労働契約終了時点で57歳以上(所定の労働協定がある場合は56歳未満)とし、10年以上の雇用があり、過去1年間の雇用中に同一事業主のもとで勤務していなければならない。事業主は、政府と契約を締結していなければならない。労働契約がパートタイム労働契約に変更された場合、一定の条件の下、55歳で減額給付が支給される。

社会扶助給付

連帯手当(資力審査あり):被保険者は、失業前の10年間に5年以上の雇用期間があり、失業給付の受給権利がなくなり、職業安定所に登録されていること。申請者は、50歳以上の場合、失業給付ではなく、連帯手当を選ぶことができる。

資力審査:失業給付受給権が停止するまでの12カ月間の世帯の平均月間所得(社会給付、貯蓄、扶養料を除く)は、独身の場合は980ユーロ、夫婦の場合は1,540ユーロを超えてはならない。

社会復帰手当(資力審査あり):失業保険適用対象外の外国籍の者、労働災害受給権者、職業病と診断された者、難民、特定の非市民集団、以前に拘留されていた者に支給される。申請者は職業安定所に登録しなければならない。

資力審査:求職者としての登録前の12カ月間の世帯の平均月間所得(社会給付、貯蓄、扶養料を除く)は、独身の場合は887.40ユーロ、夫婦の場合は1,774.80ユーロを超えてはならない。

最低社会復帰扶助(資力審査あり):被保険者は、25歳以上(妊婦であるか、被保険者に扶養児童がいる場合は非適用)で、職業安定所に登録されていて、社会保険と社会扶助給付の受給資格がないか受給権がなくなった者であること。

資力審査:過去3カ月間の世帯の平均月間所得(給与、社会給付、扶養料を含む)が最低社会復帰扶助より少ないこと。

最低活動扶助:1年以上にわたって最低社会復帰扶助を受け、従来の労働契約のもとで週に20時間以上のパートタイム雇用の紹介を受けた失業者に与えられる。

失業退職相当手当(資力審査あり):60歳未満の失業者で、老齢年金の加入期間が160四半期ある者に支給される。社会扶助給付の置き換え、または失業給付の補足となる。

資力審査:過去12カ月間の世帯の平均月間所得(社会給付を除く)は、独身の場合1,451.04ユーロ、夫婦の場合2,085.87ユーロを超えないこと。

失業給付

社会保険給付

失業給付:給付率は、過去12カ月間の平均賃金日額の57.4%から75%の範囲で、前年の申告所得額に応じて変動する。被保険者が過去22カ月間に6カ月以上拠出していた場合、7カ月間支給される。過去20カ月間に12カ月拠出した場合は、12カ月間支給、過去26カ月間に16カ月拠出した場合は23カ月間支給される。

50歳以上の被保険者は、過去36カ月間に27カ月以上拠出した場合、最大36カ月間受給できる。

給付額算定の基礎となる所得上限は、月11,092ユーロである。

本給付は、稼得活動による所得と部分的に組み合わせ、一定条件に基づき、最大18カ月間受給できる。

失業者には、引っ越しや職業訓練を奨励する所定の経済支援が与えられる。職業安定所に登録されている求職者を12カ月(50歳以上の求職者の場合は3カ月)以上にわたって雇用する事業主には、奨励金が付与される。

退職前手当:被保険者の過去12カ月間の2,516ユーロを上限とする平均所得の65%相当額で、これに加えて、平均所得のうち2,516ユーロを超える部分については50%相当額を加算する。労働契約がパートタイム労働契約に変更された場合は、半額の給付が与えられる。

給付額算定の基礎となる所得上限は、月4,958.67ユーロである。

給付の最低月額は888.60ユーロである。

受給権者がフルタイムの稼得活動を再開するか、老齢年金を受給するか、65歳に到達した場合、給付は停止する。

死亡手当:生存配偶者に支給されるもので、退職前手当の120日分相当額(扶養児童1人当たり45日分を加算)である。

社会扶助給付

連帯手当(資力審査あり):世帯収入が独身の場合で560ユーロ未満、夫婦の場合で1,120ユーロ未満であれば、給付月額は448ユーロである。それ以外の場合、資力審査基準収入(独身の場合1,031.80ユーロ、夫婦の場合1,621.40ユーロ)と世帯収入の差額に相当する額である。支給期間は6カ月間(55歳以上の受給権者の場合は1年間で、求職活動は免除される)で、受給要件を満たしている場合は更新可能である。また、受給権者が新しい会社を設立する場合、支給期間をさらに6カ月間延長できる。受給権者が稼得活動を再開するか、老齢年金を受け取るか、65歳に到達した場合、支給は停止する。

資力審査のある連帯手当は、最大12カ月間(受給権者が50歳以上の場合は制限なし)、所得(上限あり)と組み合わせることができる。労働災害年金も受給する場合、手当が満額支給される。

支給スケジュール:給付は月単位で、12月は追加給付がある。

社会復帰手当(資力審査あり):世帯収入が独身者で591.60ユーロ未満、夫婦で1,479.00ユーロ未満の場合、給付月額は315.55ユーロである。それ以外の場合、資力審査基準収入(独身の場合887.40ユーロ、夫婦の場合1,774.80ユーロ)と世帯収入の差額に相当する額である。支給期間は6カ月間で、受給要件を満たしている場合は更新可能である。

資力審査を伴う社会復帰手当は、最大12カ月間(受給権者が50歳以上の場合は制限なし)、所得(上限あり)と組み合わせることができる。労働災害年金も受給する場合、手当が満額支給される。

支給スケジュール:給付は月単位で、12月は追加給付がある。

最低社会復帰扶助(資力審査あり):独身者には月額447.91ユーロ、2人世帯には671.87ユーロ、3人世帯には806.24ユーロ、夫婦と子供2人の世帯には940.61ユーロが支給される。子供の数が2人を超える場合、1人増えるごとに179.16ユーロの補足給付が加算される。所得がある場合は、その額に応じて支給額が減額される。受給権者が住宅手当(後述の「家族手当」の項を参照)その他の住宅扶助給付を受け取る場合、最低社会復帰扶助は、定額一時金に減額される。支給期間は3カ月間で、更新可能である。

労働災害年金も受給する場合、給付が満額支給される。

支給スケジュール:給付は月単位で、12月は追加給付がある。

最低活動扶助:事業主は、一定条件に基づき、最大18カ月間、独身者に支払われる最低社会復帰扶助447.91ユーロ)と同等額を受け取る。

失業退職相当手当(資力審査あり):世帯収入が独身者で532.04ユーロ未満、夫婦で1,166.87ユーロ未満の場合、給付月額は968.00ユーロである。それ以外の場合、資力審査基準収入(独身の場合1,527.36ユーロ、夫婦の場合2,195.58ユーロ)と世帯収入の差額に相当する額である。受給要件を満たすことを条件に、12カ月間支給され、更新可能である。

失業退職相当手当は、月に最高919ユーロを上限に、社会保険失業給付と組み合わせることも可能である。

資力審査を伴う失業退職相当手当は、所得と組み合わせることができる。労働災害年金も受給する場合、手当が満額支給される。

給付額調整:連帯手当と社会復帰手当の額は、行政命令により毎年設定される。

管理運営主体

失業保険

フランス雇用社会団結住宅省(http://www.travail.gouv.fr)が総合的な監督にあたる。

2者共同運営団体である全国商工業雇用連合が制度管理にあたる。

2者共同運営団体である30の商工業雇用協会(http://www.portail.assedic.fr)が地域ごとの保険料徴収、求職者登録、失業保険支給にあたる。

失業扶助

フランス雇用社会団結住宅省(http://www.travail.gouv.fr)が総合的な監督にあたる。

商工業雇用協会(http://www.assedic.fr)は、社会扶助給付を支給する。

家族手当金庫は、最低社会復帰扶助を支給する。

家族手当

法的枠組み

最初の法制化:1932年

現行法:1946年

制度の種類:国民皆制度

適用範囲

家族手当:フランス居住のすべての児童

財源

被保険者:なし

自営業者:所得の5.4%

事業主:給与の5.4%

政府:前述の「疾病・出産」の項の財源を参照

受給要件

家族手当:20歳未満の子供が2人以上いる家庭であること。勤労者である子供は、所得が法定最低賃金の55%を超えてはならない。

幼児給付:2003年12月31日以降に嫡出子、養子、里子となった子供に支給される(経過期間中、2004年1月1日以前に嫡出子、養子、里子となった子供には代替給付が支給される)。本給付は、次の4つの要素で構成される。

出産助成金または養子縁組助成金(資力審査あり):妊娠7カ月目(または養子縁組の開始時)に支給される。

資力審査:世帯収入合計は、子供の数と家族状況(独身、稼ぎ手1人の夫婦、共稼ぎ夫婦)に応じて決まる上限を超えてはならない。

基礎手当(資力審査あり):出産の月から子供が3歳になるまで支給される。多胎出産を除き、複数の子供に同時に給付することはできない。基礎手当の資力審査を伴う給付の受給者は、資力審査を伴う家庭補足給付の受給資格がない。

資力審査:世帯収入合計は、子供の数と家族状況(独身、稼ぎ手1人の夫婦、共稼ぎ夫婦)に応じて決まる上限を超えてはならない。

労働短縮補足給付:3歳未満の子供の養育のために仕事の一時中止または時間短縮を決めた両親に支給する。親は第1子の場合は出産前の2年間、2人の子供がいる家族の場合は過去4年間、3人以上の子供がいる家族は過去5年間に、それぞれ4四半期以上の拠出があること。

労働短縮の選択式補足給付:2006年6月30日以降に出産または養子縁組した子供1人以上を含め、3人以上の子供がいる親は、労働短縮の補足給付の代わりに、選択式補足給付を選ぶことができる。

育児補足給付:両親が働いていて、認定の託児者または家事労働者による託児に料金を支払っている場合、6歳未満の子供に支給される。

病児介護手当:重い病気、怪我、障害のある子供のために、雇用を完全または部分的に停止した親に、最大12カ月間、支給される。病児介護手当の受給者は、労働短縮の補足給付または障害児特別育児手当の受給権がない。

障害児特別介護手当:障害程度判定が50%以上の20歳までの子供に支給される。資力審査はない。障害児のための特別介護手当の受給者は、病児介護手当の受給権がない。

ひとり親家庭手当(資力審査あり):1人以上の子供がいるか妊娠中のひとり親家庭の場合、最低世帯収入が保証される。

資力審査:受給権者の過去3カ月の所得月額は、ひとり親家庭手当額未満でなければならない。

家庭支援手当:孤児または未認知児もしくは棄児に支給される。

新学年手当(資力審査あり):6歳から18歳までの就学児、実習生、学生に支給される。働く未成年の所得は、月746.39ユーロを超えてはならない。

資力審査:世帯収入合計は、子供1人の家庭の場合17,011ユーロ未満、子供2人の家庭の場合20,937ユーロ未満、子供3人の家庭の場合24,863ユーロ未満でなければならない。子供4人以上の家庭の場合は1人増えるごとに3,926ユーロを加算した金額を超えてはならない。世帯収入がわずかに上限を超える場合は、その分に比例して手当を減額して支給されることがある。

家庭補足給付(資力審査あり):3歳以上21歳未満の子供が3人以上いる家庭に支給される。

資力審査:世帯収入合計は、子供の数と家族状況(独身、稼ぎ手1人の夫婦、共稼ぎ夫婦)に応じて決まる上限を超えてはならない。世帯収入がわずかに上限を超える場合は、その分に比例して手当を減額して支給されることがある。

住宅手当(資力審査あり):支払い請求者は家族手当給付のうちのいずれか1種以上の受給権があること。

資力審査:世帯収入合計は、子供の数、家族状況、家賃、住居の場所・状態に応じて決まる上限を超えてはならない。

移転手当:3人以上の子供がいる大家族で、出産または養子縁組のために世帯が大きくなった場合に支給される。住宅手当の受給権があること。

家族手当給付

家族手当:子供2人の場合は月額119.13ユーロ、子供3人の場合は月額271.75ユーロ、子供4人の場合は月額424.37ユーロが支給される。それ以上は1人増えるごとに月額152.63ユーロが加算される。

11歳以上の子供には33.51ユーロ、16歳以上の子供には59.57ユーロの補足給付が支給される(子供2人家庭の第1子を除く)。

20歳(21歳未満)の子供1人を含め、3人以上の子供がおり、家族手当の受給権がある家庭には、月額74.06ユーロの定額手当が最大1年間支給される。働いている未成年の所得は746.39ユーロを超えてはならない。

幼児給付:次の4種の要素で構成される。

出産助成金(資力審査あり):妊娠7カ月目(または養子縁組の開始時)に子供1人当たり855.25ユーロの一時金が支給される。

基礎手当(資力審査あり):出産の月から3歳の誕生日を迎える前月まで月額171.06ユーロが支給される。養子縁組の場合、20歳の誕生日を超えない範囲で最大3年間支給される。

労働短縮の補足給付:被保険者の労働が通常の労働時間の半分以下(給与所得者でない者は月77時間未満)の場合は月額232.67ユーロ、通常の労働時間の50%から80%の範囲内(給与所得者でない者は月122時間未満)の場合は月額134.13ユーロが支給される。満額は月額359.67ユーロである。受給権者が基礎手当の受給権を持たない場合、満額は530.72ユーロに引き上げられる。

補足給付は、出産、養子縁組の後の月、または出産休暇・父親休暇・養子縁組休暇の終了時から子供が1人だけの場合は6カ月間、子供が2人以上の場合は3歳の誕生日が来る前の月まで支給される。

子供の年齢が18カ月から29カ月の間に被保険者が労働を再開した場合、引き続き補足給付が2カ月間支給される。

両親がどちらもパートタイム労働で、双方とも補足給付の受給資格がある場合、双方の補足給付の合算した最高額は、月額満額を超えてはならない。

労働短縮補足給付の受給は、所定の条件の下、育児補足給付と組み合わせることができる。

労働短縮の選択式補足給付:出産または養子縁組の最初の年に最大12カ月間、月額587.90ユーロが支給される。受給権者に基礎手当の受給権がない場合、補足給付額は758.95ユーロに引き上げられる。

育児補足給付:育児費用を補うため、子供の数と世帯収入に応じて算定される所得比例現金給付が支給される。認定の託児者に預けている子供1人ごとに支給される。ただし、託児者が家事労働者の場合は当該家庭への一括支給となる。託児者の給与に占める当該両親の拠出割合は、15%未満であること。

家族手当金庫は、認定託児者の社会保障保険料全額または家事労働者の社会保障保険料の50%の払い戻しも行う。

社会保障保険料は、託児者の給与に対して上限の範囲内で支払われる。

認定託児者と家事労働者のサービスを利用する家庭については、所定の条件の下、2種類の託児補足給付の受給が可能である。

パートタイム労働に従事する親は、労働短縮補足給付と組み合わせて育児補足給付の受給が可能である。

病児介護手当:月に22日を上限に休暇1日ごとに日額39.58ユーロ(ひとり親家庭の場合は47.02ユーロ)の給付が支給される。両親ともに子供の介護のために活動を短縮する場合、減額給付が支給される。

両親は、病児介護の目的で、3年間の期間中に最大310労働日の介護休暇を取ることができる。さらに、資力審査を伴う医療費補足給付として101.22ユーロも支給される。

障害児特別介護手当:月額119.72ユーロが支給される。給付額は第三者による介護については、89.79ユーロから999.83ユーロの範囲で変動する補足給付が支給される。障害児の疾患の治療の結果として必要になる支出については、追加の給付が支給される。

ひとり親家庭手当(資力審査あり):受給権者に所得がない場合、妊婦は561.18ユーロ、子供1人を養育するひとり親家庭は748.24ユーロの給付に加え、子供が1人増えるごとに187.06ユーロの補足給付が支給される。所得(扶養料、一部の社会給付を含む)のあるひとり親家庭については、所得額と子供の数で変動する定額住宅給付額に応じて手当が減額される。給付は子供が3歳に達するまで支給される。子供が3歳を過ぎている場合は12カ月間の支給である。

受給権者が稼得活動を再開するか有給職業訓練を開始した場合、所定の期間、給付の一部または全額が引き続き支給される。

受給権者は、自動的に疾病・出産保険の適用対象となる。

家庭支援手当:子供1人を養育するひとり親家庭の場合は83.76ユーロ、親が養育していない子供の場合111.68ユーロが支給される。

家庭支援手当の受給は、ひとり親家庭手当と組み合わせることができる。

新学年手当(資力審査あり):子供1人当たり272.57ユーロが支給される。16歳未満の子供は8月に支給される。16歳から18歳までの子供は学業あるいは見習いを継続していることを証明する必要がある。

家庭補足給付(資力審査あり):家庭ごとに月額155.05ユーロの定額手当が支給される。

住宅手当(資力審査あり):家賃水準、所得、子供の数に応じて変動する月額が支給される。

移転手当:他の住居に移転する費用を対象とする給付であり、子供の数によって上限が決まる。

給付額調整:小売物価指数の変動予測に応じて毎年1月に家族給付額が調整される。資力審査を伴う給付は、基準となる暦年中の小売物価指数の変動平均に応じて7月に調整される。

管理運営主体

厚生・青少年・スポーツ・共同体省(http://www.sante.gouv.fr)と経済・財務省(http://www.minefi.gouv.frが総合的な監督にあたる。

コメント[作成者5]:省名について、上述コメントに同じです。

3者共同運営団体の全国家族手当金庫(http://www.caf.fr)が基金の調整と財務均等化にあたる。

3者共同運営団体である123の地域家族手当金庫が給付を支給する。

保険料は103の共同徴収機関(http://www.urssaf.fr)が徴収する。

社会保障機関中央資金管理事務庁(http://www.acoss.fr)は保険料の管理にあたる。