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第2節 オランダ

(オランダ王国)
Koninkrijk der Nederlanden

1.障害者介護サービスに関する調査

2.モデルに関する調査

3.障害児に関する調査

添付資料
オランダ障害要介護程度区分認定申請書

後藤 猛(Japan Euro Promotions(JEP)代表)


1.障害者介護サービスに関する調査

(1)障害の定義、範囲、区分

オランダでは、障害の定義、範囲、区分に関する法律規定はなく、保健福祉スポーツ省が時代に沿ってその定義の大原則を発表し、各専門機関がこの大原則にのっとり、各々が定義づけをしてきた。この定義に従い、医療介護保険法(ZVW)や社会支援法(Wmo)の障害者区分認定が行われてきた。この定義は、定義の境界すれすれにいる弱者を救済できるように、柔軟性を持たせていることが重要な特徴である。なお、「医療」と「介護」を同時にカバーしている制度については「医療介護」と記述する。

オランダ保健福祉スポーツ省が発表した「一般的な障害者」の定義づけは、以下の通りである。

「障害者とは、体力、感覚(器官)力、知力が悪化して、慢性的病に伏している人を指す。つまり、障害とは体力、感覚(器官)力、知力の悪化の結果として、通常の機能が限定され、この悪化が永続性を持つ恒久的なものであり、発展過程の個人的な能力さえもおびやかす。障害者は、比較的長い期間にわたりこの病に悩まされ、完全な回復も期待できなく、沈滞した慢性状態が特徴で、どうしようもない疾病疾患に悩まされている。」(2004年1月1日)1)

出典;オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

上記の定義に基づき、特別医療介護保険法(AWBZ)適用の程度区分認定をする中央医療介護認定機関(CIZ)は、特別医療介護保険が適用される障害と疾病疾患、限定の定義を以下のように定めた。

障害・疾病疾患・限定の6つの区分(中央医療介護認定機関による定義)

区分1

【身体の疾病疾患による限定】

現実の身体的疾病疾患が原因で、慢性状態でそれが末期の状態に達している。慢性的疾病疾患により、全ての機能がこれ以上よくならないと予測されたその状態が継続し、治療を継続することにより様態が回復に向かったり、現実にある限定がなくなるものでもない。これが、担当治療医師によっても確認できる。治療や回復につながるはずの医療行為(治療)や準医療行為(準治療)により、逆に悪化していく。

この疾病疾患の特徴は、身体障害の定義とは基本的に違う。身体の限定とは、この限定が神経系統や運動器官から来るのではなく、末期の状態で回復することがなく、これが終末へつながり、その期間がどれだけ続くのか正確な時間さえわからないことである。

【身体障害】

身体障害も身体の疾病疾患である。身体の限定が神経系統や運動器官から来るもので、末期の状態ではないが機能の回復が不可能で、機能回復の可能性は、治療医師がこれを判断する。

区分2

【心理老人病的要因(認知症)の疾病疾患による限定】

心理老人病的要因(認知症)は、基本的に頭脳の疾病疾患や障害により起こる。その兆候は、特に思考能力、精神生活、知的判断、記憶能力に現れ、多くは機動性の喪失や社会的手際さの欠如と共に現れる。認知症とは、後天的な脳の疾病疾患で、数種の疾病疾患や症状の総称である。

区分3

【精神の疾病疾患による限定】

精神的疾病疾患は、精神の限定と呼ばれる。なぜなら、1つまたは複数の疾病疾患が精神的要因から来ているからである。オランダでは知的障害も含め精神の限定を社会的障害と呼んでいる。

区分4

【知的障害】

  • 軽度知的障害  IQ50-70
  • 中度知的障害  IQ35-50
  • 重度知的障害  IQ20-35
  • 最重度知的障害 <IQ20
  • 精神薄弱(程度が確定できない、知的テストが不可能)

区分5

【感覚器官障害】

視覚障害と限定

  1. 0(全く見えない)と6/60(弱視力)
  2. 見えるほうの目で30%以下の視界
  3. 視角が10度以下

聴覚・コミュニケーション障害

言語障害

区分6

【心理社会的因子】

家族・家庭内問題、家族以外の対人関係問題、学校・職場の問題、社会的支援や経済的問題を持ち支援援助を必要とする市民。

(2)要介護者の定義、範囲、区分(制度別)

中央医療介護認定機関(CIZ)または青少年介護事務所(Bureau Jeugdzorg.)の認定を受け、特別医療介護保険法(AWBZ)に基づく医療介護が必要な人(de zorgbehoefte van mensen)ならびに各市町村(自治体)の認定を得て社会支援法(Wmo)に基づく介助や介護が必要な人が要介護者になる。

中央医療介護認定機関の作成した特別医療介護保険法(AWBZ)の程度区分には、利用者がどれだけの医療介護を必要としているかを定めている。2007年7月1日よりスタートした医療介護程度区分パッケージ(ZZP)サービスによると、特別医療介護保険法の要介護者とは、次の利用者を指す。

  1. 身体の疾病疾患により機能を限定された利用者(医療介護の必要な利用者、末期患者)
  2. 心理老人病的要因(認知症)の疾病疾患により機能を限定された利用者(心理社会的要因を持つ利用者)
  3. 知的障害者
  4. 身体障害者
  5. 精神の疾病疾患により機能を限定された利用者
  6. (軽度)知的障害者

出典;中央介護認定機関(CIZ)2008年 http://www.ciz.nl/

(3)制度の名称、根拠法

A.根拠法について

障害者や要介護者を対象にした関連制度と根拠法は、次のa)~j)の通りである。

a)精神科病院特別入院法(De Wet Bijzondere opnemingen in psychiatrische ziekenhuizen;Bopz)

強制入院を強いられる利用者を保護する法律で、利用者の意思に反して精神科施設に入院させられる場合に際しての利用者の権利について記している。保健福祉スポーツ省は、この法律に基づく政策である、1.精神医療の強制入院と治療、2.知的障害者の介護ケア、3.老人精神病(認知症患者の介護ケア)の責務を負う。

b)個別保健介護に関する職業法(De Wet Beroepen in de Individuele Gezondheidszorg;BIG)

個別保健介護の実践を行う医療介護提供者の質の管理を目的とする。医療介護を受ける利用者を悪質な医療介護提供者の素人的で怠慢な医療介護行為から守ることを目的とする。この法律では、医療介護提供者である薬剤師、医師、看護師、理学療法士、心理療法士、歯科医、助産師などが肩書きを使用する場合、これを登録しなければならないとしている。また、どの医療介護提供者が、どのような条件のもとに手術や注射などの医療行為ができるかも明記している。

c)社会支援法(De Wet maatschappelijke ondersteuning;Wmo)

人に頼らず、できるだけ長く独立して生活できることを達成するために要介護者や介護者を支援する法律であり、この共生社会に全ての市民が参加できることを目的としている。この法律は福祉法(De Welzijnswet)、障害者補装具法(De Wet voorzieningen gehandicapten;WVG)と特別医療介護保険法の一部を吸収し、2007年1月1日に発足した。社会支援法の責務と施策は市町村(自治体)に任されている。

d)特別医療介護保険法(De Algemene Wet Bijzondere Ziektekosten;AWBZ)

オランダ語の直訳では「特別な疾病にかかる経費に関する一般法」である。特別な疾病と介護の経費負担リスクのための国民保険で、オランダに住み、または働く全ての人がその保険料を強制的に支払わされる代わりに、その恩恵を享受する権利を持つ。特別医療介護保険法には、一般疾病保険で支払うことが不可能な高額な医療、長期にわたる在宅介護や、ナーシングホーム・障害者施設への入院など、利用者にとって、その支払いがほとんど不可能な医療介護費をカバーする目的がある。

e)保健介護市場規制法(De Wet marktordening gezondheidszorg;WMG)

目的は、医療介護における市場競争の活性化であり、利用者にとって重要な法律である。この法の下に医療介護提供者と保険会社は、市民への全ての情報の公開義務を持つ。医療介護提供者は、利用者が希望して特定の治療や病院、保険会社を選択できるように、利用者に提供する医療介護の価格、サービスの質、その他の特徴をできるだけ詳しく明確に示さなければならない。また、この法律は、全医療介護市場(保険会社、医療介護取引、医療介護認可)や医療介護市場の進展、医療介護の申し込みやその処理過程の監視をも管理している。医療介護の全ての価格は、この法律の下にある保健介護料金法(Wtg)に定めてある。

f)保健介護料金法(De Wet tarieven gezondheidszorg;Wtg)

医療介護の全ての価格をここに定めている。

g)医療介護施設許可法(De Wet toelating zorginstellingen;WTZi)

2006年1月1日に施行され、政府や地方自治体の医療介護施設の収容能力や建物それ自体に対する関与を抑制し、責任を持てる医療介護施設がより自由に創造されることを目的としている。医療介護保険法(ZVW)や特別医療介護保険法(AWBZ)の履行には、医療介護施設の許可が必要であり、利用者の流れ次第で施設の改修などが必要となる。2008年1月1日から新たな病院を建てる場合は、許可性が廃止になり、2009年1月1日から長期医療介護用と精神保健介護用の建築規定も廃止された。

h)医療契約法(Wet op de Geneeskundige Behandelingsovereenkomst;WGBO)

患者と医療介護提供者の責任と義務を定めている。医療契約法の目的は、弱い立場になりやすい利用者の立場の強化にあり、そのため、1.医療介護提供者が持つ情報への権利、2.医療行為に対する許可、3.医療書類の閲覧、4.医療介護提供者の秘密保持義務、5.医療行為中のプライバシーの厳守義務、6.自己決定できない利用者の代理権を強調している。同時に、利用者の持てる権利と同じように、利用者が抱えている問題を医療介護提供者へより正確に明快に十分に示し説明する利用者義務をも明記している。正確な情報により、医療介護提供者は、迅速でよりよい診断ができ、よりよい医療と介護の提供ができる。利用者は可能な限り医療介護提供者へ協力し、その助言に従わなければならないとしている。

i)慢性病患者と障害者の補償法(De Wet tegemoetkoming chronisch zieken en gehandicapten;Wtcg)

慢性病患者や障害者がその限定により通常以上の光熱を使用したりなどし、通常以上の経費が出た場合、それを補償するもので、特別出費の財政的調整の代わりにある。この法律は2009年1月1日に効力を発した。

j)青少年保護法(Wet op de Jeugdzorg)

親と子へ深刻な成長過程の問題やしつけ教育の問題を解決するために、全ての保護を施すことを目的としている。この目的の中には、児童知的保健介護(特別医療介護保険)や軽度障害児童介護(特別医療介護保険)も含まれる。


1968年にスタートした特別医療介護保険は時代に沿わなくなり、その組織や法律の簡素化とより有効な機能化と効率化、そして組織や作業の透明化が必要だと騒がれてきて、2003年に機能を重点に置いた保険として再出発した。それは医療介護の提供者(病院、各施設、主治医、専門医など)が予算を作成して国に提出し、特別医療介護保険の機能(医療と介護と指導援助など)を基に国がこれに応えて提供者へ申請された金額を支払ってきたこれまでとは違い、医療介護提供者(病院、各施設、主治医、専門医など)への支払いは、利用者がどれだけの量とタイプの医療介護を必要しているのかといった、利用者ごとに支払われる制度に変わった。

この機能集中型費用負担システムは、2003年に病院をはじめとする施設外介護に導入され組織や支払いが鮮明になり、2007年から医療介護費用負担システムが医療介護福祉施設内にも導入された。また、市民に密着した住民の住民による住民のための医療介護と福祉という要求が高まり、これまで市民から遠かった医療介護と福祉が国から利用者を中心とした住民のもとに戻って来て、社会支援法(Wmo)の導入によって実施された。

社会支援法の実施の第一の理由は、これまでの特別医療介護保険の存続が資金不足で危機に侵されてきたことだ。個人ではとてもカバーできない事故や大病のリスクや長期にわたる高額な医療介護(ケア)をカバーするために作られたこの法律が高齢化が進むにつれ、高齢者のための医療介護保険のようになっていき、現在のように支払い不能の状況まで追い詰められてきた。そしてこれから20年後、団塊の世代が80歳になり、多くの国民が公的ケアを必要とするようになったときの財政出費を考えると、このままではいられない状況になってきた。

第二に、これまでの国のレベルで配慮が行き届かなかった国民の介護(ケア)、住まい、福祉を国民=利用者が住んでいる自治体のレベルまで下げることにより、組織的にも距離的にも市民との温度差がなくなり、利用者にとって最高の条件で充実した介護(ケア)を提供できることがあげられる。また、利用者へのサービスを充実させることで、これまでのように「窓口が多すぎて、どこへ行けば適切な福祉援助や助言を受けられるかがわからない」など多くの苦情を撲滅し、医療介護と福祉サービスの全てが簡素化・集中化され、鮮明になることを目的とした。

第三に、これまでの複雑だった法律や官僚主義的な組織の改革と革新を行うために、社会支援法が必要であった。

特別医療介護保険法の使命は、時代にあったニューズに応じて守り抜かれ、長期にわたる医療介護を必要とする全ての脆弱な人々に質の高い医療介護を提供し、長い時間をかけ障害者や要介護者をケアをしていくことにある。

B.制度の比較について

上記の関連制度と根拠法のうち、主要な法律である「特別医療介護保険法」と「社会支援法」の2つを取り上げ、その関係を見てみる。

a)社会支援法と特別医療介護保険法の比較

2つの法律の比較を、図表1に記す。

図表1 社会支援法と特別医療介護保険法の比較

  社会支援法(Wmo) 特別医療介護保険法(AWBZ)
対象 障害者、慢性疾病の者 障害者、慢性疾病の者
認定 市町村(自治体)の社会支援窓口 中央医療介護認定機関(CIZ)
青少年介護事務所(bureau Jeugdzorg)
自己負担 収入による 収入による
特別記載 AWBZサービスの享受の有無  
範囲 準医療行為、介護、福祉、住まい 医療介護
給付内容 家事の介助、住宅、車椅子や他の移動手段、移動交通手段、障害者駐車許可書と駐車場、福祉作業(趣味クラブ、町内センター、公民館)
マントルケア(注1)とボランティアの支援、中毒症ケア、女性受け入れ施設、社会福祉収容センター、公共の精神保健介護、家庭暴力撲滅
個人介護(PV)、看護(VP)、支援指導(OB)、活動促進指導(AB)、治療(BH)、滞在(VB)支援指導や活性化指導への交通手段、松葉杖や車椅子などの看護補装具使用、手話通訳の世話、医療不可欠介護の1年以上の継続滞在、AWBZ施設(注2)の滞在や継続滞在のケア、例外的出産を含む出産前の介護、先天性新陳代謝疾病、国内予防接種プログラムに基づく接種
不服申立て 市長と助役の会へ抗議 中央医療介護認定機関(CIZ)の地域所長へ抗議

(注1)介護が必要な利用者に、長期にわたる介護(ケア)が支援団体などからなされるのではなく、隣近所や家族、友人などが必要な介護(ケア)を行うこと。マントルケア提供者は、あくまでもボランティアで無償である。

(注2)AWBZ施設については、図表5を参照。

出典;オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

b)特別医療介護保険法か社会支援法かの判断

利用者の状況と適用される法律を図表2に記す。

図表2 特別医療介護保険法か社会支援法かの判断

利用者の状況 特別医療介護保険法か社会支援法か
慢性の精神的問題や心理社会的因子がある 基本的に社会支援法が適用されるが、特別医療介護保険法の適用資格を持っている場合は適用されない。
特別医療介護保険法施設に入居している 基本的に社会支援法が適用される。特別医療介護保険の認定を受けた場合も同様である。しかし、その施設に入居していなかったり、独立して住んでる場合や入居待ちの場合は、その限りではない。この場合、長期の在宅での医療介護を通し、一時的に設備の利用やサービスを受ける。
一時的に設備の利用やサービスが必要 多くの場合、特別医療介護保険法に基づき、設備やサービスを借用できる。設備やサービスの必要性が26週間以内の場合は、社会支援法は適用されない。設備やサービスの必要性が26週間以上だが、必要性がそれほど長くない場合は、各市町村(自治体)と在宅介護団体との間で、どちらが設備やサービスを提供するかを取り決める。
車椅子が必要 特別医療介護保険法に基づく施設に入居していて医療介護を施設内で受けている場合、特別医療介護保険法に基づく車椅子の権利がある。医療介護を受けてない場合は、社会支援法に基づく車椅子の権利がある。

出典;オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

(4)運営主体

障害者と要介護者を対象としたオランダ医療介護保険の運営主体(責務者)は、大きく分けると医療介護事務所と各市町村(自治体)の2つからなる(図表3参照)。なお医療介護事務所についての詳細も下に記す。

図表3 医療介護保険の運営主体

開始年 法律・制度 運営主体
2006 医療介護保険法(ZVW)(注1) 保険会社(zorgverzekering)
1968 特別医療介護保険法(AWBZ) 医療介護事務所(zorgkantoor)32ヶ所
2007 社会支援法(Wmo) 各市町村(自治体)(gemeente)441市町村
2009 慢性病患者と障害者の補償法(Wtcg) 医療介護事務所(zorgkantoor)32ヶ所

(注1)医療介護保険と補充保険が医療介護の経費をカバーする。医療介護保険は基礎国民保険で法的強制保険である。保健福祉スポーツ省はこの保険の基礎パッケージを作成している。この基礎パッケージから外れる治療は、補充保険でカバーしなければならず、これは任意保険になっている。任意保険パッケージの内容と保険料は、保険会社によって異なる。保健福祉スポーツ省は、この任意保険に一切関知しない。

出典;オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

A.特別医療介護保険と医療介護事務所

医療介護事務所(zorgkantoor)は、全国32ヶ所に事務所を持つ公益法人で、中央医療介護事務所(1ヶ所)と地域医療介護事務所(31ヶ所)からなる。各地域の医療介護事務所は特別医療介護保険法(AWBZ)に基づく医療介護の実施に責任を持つ。各医療介護事務所は、利用者窓口、地域介護政策課、総務課の3部門を持つ。

「利用者窓口」は特別医療介護保険法に基づく医療介護に関する情報を提供し、申請者が保険に加入しているかどうかの確認を行うと共に、利用者負担金を支払っているかどうかの確認、利用者の経済状況の確認も行う。「地域介護政策課」は医療介護の実施を確実に速やかに行うための政策方針(ケアプラン)を立て、利用者との間で契約を結び利用者の相談にのる。「総務課」は、利用者の正確な登録や事務手続きを行い、これを管理している。

利用者と政府の医療介護事務所や各市町村との対話は、テレビや新聞などのメディアを通して連日行われ、社会管理環境が整っている。介護事務所や各市町村は、利用者のために使命と責務を持ち、利用者に最適の医療介護を適正な価格で提供できる医療介護提供者を探さなければならない。

特別医療介護保険法に基づく医療介護認定の決定書は、利用者と利用者が属する医療介護事務所へ送られる。医療介護認定の決定書を受け取った医療介護事務所の役割は、利用者が持つ全ての医療介護サービスの権利を実際にそのまま受けられるようにすることである。そこで医療介護事務所は、利用者にとって医療介護提供者になる保険会社や団体と連絡を取る。利用者が個人帰属予算(利用者自身へ医療介護を購入する予算が給付される)を望む場合は、利用者は医療介護事務所と連絡を取り、その旨を伝え、このアレンジをしてもらわなければならない。特別医療介護保険法による医療介護認定の決定は、どの機関に対しても強い拘束力を持ち、医療介護事務所から指定された医療介護提供者は、この認定の決定事項に従う義務を負っている。

B.社会支援法と地方自治体

社会支援法(Wmo)に基づく介護認定決定は、依頼された介護認定機関から利用者が住んでいる市町村へ送られる。その介護認定の決定書を受け取った市町村は、利用者が持つ全ての介護サービスの権利を実際にそのまま受けられるようにする。介護サービスの内容は、国のガイドライン内で全て市町村の裁量に任せられている。利用者に対応するのは、各市町村の社会支援法の窓口であり、ケアプランに関して各市町村は、利用者や障害者協議会や高齢者団体などの利用者団体からの意見や希望を聞かなければならない。

(5)制度の体系・相互関係

これまでの障害者と要介護者のため法律(福祉法、障害者補装具法、特別医療介護保険法の一部)を一本化し、特に長期にわたる介護のための社会支援法(Wmo)を作り、単純・明確化と共に一貫性を強調した新たな制度がスタートした。社会支援法は、市町村に軽度や重度の長期にわたる介護の実施とその責務を規定した。これまでの特別医療介護保険法は、重度で長期にわたる専門的医療介護と利用者毎の最適な(テーラー仕立て)医療介護の実施に責務を負うと規定した。また、この制度改正は医療介護供給者間のサービス向上のための自由競争を刺激することが目的であり、医療介護供給者は、利用者の希望を最優先させ、柔軟性を持ち利用者に合ったサービスの供給を目指すようにした。

特別医療介護保険法と社会支援法の相互関係は、寝たきりなどの重度障害者や要介護者の医療介護と共生社会の中で、軽重度障害者や要介護者ができるだけ独立して人に頼らず生活できる可能性を助成する医療介護の考えに一貫性を持たせることにあった。ここに、ボランティアやマントルケア、正確で詳しい利用者の情報、アドバイス、教育支援、日常茶飯事の介助と市民間のお互いの支援や助け合いがなければ、この制度は成り立たないとした。

(6)加入対象者、加入者

A.特別医療介護保険

特別医療介護保険は強制保険であり、オランダに住んでいる者は、国籍を問わず源泉課税でこれを支払い加入者になる。オランダに住んでいなくともオランダで働いている者は、給与所得税を支払い加入者となっている。以上、特別医療介護保険の加入対象者は、オランダに住んでいる者、ならびにオランダ国外に住みオランダの給与所得税を支払っている者になる。しかし、例外もあるので常に保険会社団体(het College voor zorgverzeleringen;CVZ)へ参照し確認すべきである。

B.社会支援法

社会支援法に基づく介護は保険によるものではないため加入という形はとらず、オランダに住んでいる者は、国籍を問わずこれを利用できる。

(7)給付内容

A.特別医療介護保険法に基づくもの

特別医療介護保険による医療介護は「機能」という表現を使い、6種類の機能が給付される(図表4参照)。これを特別医療介護保険の6つの機能サービスと称する。なお、図表5には特別医療介護保険法に基づくサービス施設を列記する。

●マントルケアについて

介護が必要な利用者に、長期にわたる介護(ケア)が支援団体などからなされるのではなく、直接周りから、つまり社会的関係のある隣近所や家族、友人などが、通常の介護(ケア)を行う社会的関係者にとっては負担がかかるが障害者や要介護者にとっては必要な介護(ケア)を行うことである。マントルケア提供者は、あくまでもボランティアで無償である。

しかし、難病にかかった家族や障害者をケアする場合も、ケアを提供する側のQOL(Quality of Life,生活の質)を考えてやらなければ、ケアしている人が次に病に倒れる可能性を持つ。

ここでマントルケア支援部隊が出てくる。マントルケア支援基地は自治体に必ず1つあり、小さな自治体ではこの枠を超えて連携協力しながら利用者の立場になり、マントルケアをする人々をサポートしている。この運営費は全て特別医療介護保険から出ていて、市町村経由でサポート提供者を支援している。州や自治体によっては、これに地方の予算を追加しているところもある。

マントルケア支援部隊は、マントルケア提供者の負担を軽減するためにボランティアを探し、組織し、マントルケアが必要な各家庭に送り込む。ボランティアは無償であるが、マントルケア提供者は、ほとんどの場合、ケアに関する資格を持っている。支援部隊は、資格のないボランティアに教育と教育の場を与え、ケアの質の向上にあたる。また、家族のケアのために、ボランティアとボランティアの勤務先との間に問題が起きないように、経済団体や、現実にマントルケア提供者の勤務先を訪れ、個人の事情やマントルケアに対する理解を深めてもらうためにいろいろな説明や交渉を行っている。オランダ医師会は、多くの医療行為を徹底した上質の教育でマントルケアに携わる人々に教育、訓練をし、ボランティアが安全に利用者の立場に立ったケアをできるようにしている。

このオランダ医師会の柔軟な対応は、オランダ経済に大きな貢献をしている。オランダの家族介護では、最高で週5日間の介護をし、年に2回は10日間ぐらいの自分だけの休暇を取り息抜きをし、新たな空気とエネルギーを得て次の活力にしている。このためにもマントルケア支援部隊は、重要な役割を果たしている。人口1,640万のオランダで100万人近くの家族、友人、隣り近所の人が障害者や要介護者のマントルケアをしている。政府はこのマントルケアにより、「障害者や要介護者は、すぐにケアホームやナーシングホームに預けられることなく、これまでと同じ生活環境の中に長くいることができ、より長く独自の自立した生活習慣や環境、生き方を継続できる」としている。

図表4 特別医療介護保険の6つの機能(サービス)一覧

種類 サービス概要
1.個人介護(PV)
Persoonlijk Verzorging
身体のケアでシャワーを浴びる、洗身、衣服着脱、トイレへの移動介助、飲食の介助、コルセットや補助ストッキングの着脱の介護サービス
2.看護(VP)
Verpleging
傷の手当て、薬の服用、注射、インシュリン注射の扱い方の指導、障害や病気とどう生きていくかのアドバイスや指導教育、硬膜外鎮痛、脊髄鎮痛、薬物・液体・流動食の静脈内投与、薬物の蒸気投与、酸素吸入器使用など専門化された看護治療サービス
3.支援指導(OB)
Ondersteunende
Begeliding(Algemeen)
認知症や精神的疾病疾患、知的障害などの利用者が日常の活動を自身でうまく統制できない活動を支援し指導すること。
意思の伝達や事務処理などの日常生活の介助でグループ支援指導の場合をOB-dayと呼び、個人的支援指導の場合をOB-algと呼ぶ。支援指導は、長期にわたる集中介護を行っている人、例えば病気のパートナーや障害を持った子供を介護している人への支援指導をも意味する。利用者は、限られた時間にその介護の一部か全部を支援してもらうことによって介護から開放されることが必要で、これにより、障害者中心の障害者のためのの介護が実現するとしている。
4.活動促進指導(AB)
Activerende
Begeleiding
買い物をするとか自立して住むとか、新しい経験を積むことを学び、個人的機能を改善させることが目的。身体的な面では、病気や障害といかに生きていくのかを学び、精神的には、例えば振る舞いや態度が変わるように話し合い、訓練、トレーニングを重ねる。活動促進指導の目的は、利用者が自立し自活できるように個人的機能を改善するところにある。活動促進指導は、グループで行うAB-dayと個人的支援指導のAB-alの2通りがある。
5.治療(BH)
Behandeling
脳卒中の発作のような兆候を回復させるためや悪化を防ぐための治療である。個人介護機能も含めて、治療のほかに最適な介護の供給が必要である。
6.滞在(VB)
Verblijf
居宅、通所、入院(入所)を含む滞在とは、一時的にまたは長期に入院入所することで、週末など週(24時間×7日)の3日間のことなどを指す。長期とは、ケアホームやナーシングホームへ住むことである。これにはリハビリテーション期間の数週間や数ヶ月も含まれる。以前、滞在は24時間以上の完全介護のことだったが、利用者の自立自活をあくまでも重視した英語で言う「ハーフウェーハウス」になり、この定義の中にはデイケアも含むし、地域で見守りが同居していたり、見守りが近所にいる独立住宅での生活も含む。また、利用者が見守られている時間は、24時間、16時間、8時間、4時間、2時間とまちまちでもある。つまり、自宅でない場所で行われる介護や看護の全てを含む。部分的にでも1人で自活できなかったり、施設への滞在が必要になったり、継続的に見守りが必要だったり、例えば喘息のように、前もって予測がつかないけれども決まった医療介護が必要なとき、自宅では必要な医療介護がどうしてもできないときに、長期だけでなく週末だけの入所も含めて、また一時的なものを含めてこれを入院入所という。
6c.医療介護程度パッケージ(ZZP)
Zorgzwaartepakket
医療介護が必要な利用者を、認知症などの要介護者、知的障害者、身体障害者、精神疾病者、(軽い)知的障害者ごとに分け、障害程度パッケージを作りその中に程度区分を設け、利用者がどのグループに属し、どのような(程度の)医療や介護を受けられるのかを明記した。医療介護程度パッケージごとに利用者ガイドブックが作られ、どのような施設で利用者がどのような機能サービスを受けられるのか、医療介護程度パッケージごとにこれを示した。

出典;
オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/
中央認定機関(CIZ) http://www.ciz.nl/
をもとに作成

図表5 特別医療介護保険のサービス施設

  1. ケアホーム
  2. ナーシングホーム
  3. 障害者施設
  4. アールネム市の障害者の町“ヘット・ドルプ”
  5. 監視付き一戸建てまたは住宅マンションを持つ地域施設(RIBW's)
  6. 精神科病院
  7. 一般病院の精神科(PAAZ'en)
  8. 病院とその中のリハビリテーション施設

出典;オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

B.社会支援法に基づくもの

社会支援法は、図表6にある9つのサービスを提供している。自治体がこれらのサービスのどの領域に力を入れるかは、各自治体の環境と事情に合わせ独自に判断する。この法律の目的は、あくまでも市民がこの政策に積極的に参加することであって、政府は明確にこの法律が支援法であり、かつ市民の個人的責任を助成するものであるとしている。この点からも、各自治体が市民に対して援助、支援するサービス領域を透明にし、わかりやすくすることを義務づけている。

なお、図表7に住んでいる自治体で受けられる社会支援法の介護、福祉、住宅に関する給付サービスを記す。

図表6 社会支援法に基づく9つの給付内容

給付項目 種/原語
1.市町村内の社会的一貫性と住みやすさの推進 het bevorderen van sociale samenhang en leefbaarheid in dorpen,wijken en buurten;
2.成長期にある問題児の集中援助、非行予防としつけ、問題を持つ親への援助 op preventie gerichte ondersteuning van jeugdigen met problemen met het opgroeien en ondersteuning van ouders met problemenmet opvoeden;
3.情報とアドバイスと市民援助の提供 het geven van informatie, advies en cliëntondersteuning;
4.マントルケアをする人とボランティアの援助 het ondersteunen van mantelzorgers en vrijwilligers;
5.社会のコミュニケーションへの参加推進と障害や慢性的精神の問題や心理社会的因子を持つ人々が独自に自立し、機能できるよう支援推進 het bevorderen van de deelname aan het maatschappelijke verkeer en het bevorderen van het zelfstandig functioneren van mensen met een beperking of een chronisch psychisch probleem of een psychosociaal probleem;
6.障害や慢性的精神の問題や心理社会的因子を持つ人々が独自に自立し、機能を維持するため、または社会コミュニケーションに参加するための施設援助 het verlenen van voorzieningen aan mensen met een beperking of een chronisch psychisch probleem of een psychosociaal probleem ten behoeve van het behoud van hun zelfstandig functioneren of hun deelname aan het maatschappelijk verkeer;
7.虐待を受けた女性の受け入れ施設を含めた社会的受け入れ施設の提供 maatschappelijke opvang, waaronder vrouwenopvang en huiselijk geweld
8.公共の場における市民の精神保健ケアの推進 het bevorderen van openbare geestelijke gezondheidszorg, met uitzondering van het bieden van psychosociale hulp bij rampen
9.中毒者政策の推進 het bevorderen van verslavingsbeleid

出典;オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

図表7 社会支援法に基づく介護、福祉、住まいに関するサービス給付内容

給付項目 種/原語
1.家事家政の介助 hulp bij het huishouden
2.住宅 woonvoorzieningen
3.車椅子か他の移動手段 rolstoelen of andere verplaatsmiddele
4.交通手段 vervoersvoorzieningen
5.障害者用駐車カードと駐車場 gehandicaptenparkeerkaart en -parkeerplaats
6.福祉関係仕事
(各種クラブ、町内会、公民館など)
welzijnswerk(zoals ondersteuning voor clubs,wijkcentra, dorpshuizen)
7.マントルケアとボランティア ondersteuning van mantelzorgers en vrijwilligers
8.中毒者ケア verslavingszorg
9.女性受け入れ施設 vrouwenopvang
10.社会的受け入れ施設 maatschappelijke opvang
11.公的精神保健ケア openbare geestelijke gezondheidszorg
12.家内暴力撲滅 bestrijding van huiselijk geweld

出典;オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

(8)障害者のみの付加給付

障害者のみが受けられるのは、特別医療介護保険法と社会支援法(Wmo)、慢性病患者と障害者の補償法、社会就労サービス法(WSW)の給付や補助金のみで、他の給付は障害者でなくとも条件さえ整えば受けられる。

a)社会参加支援への付加給付

特別医療介護保険法と社会支援法で述べた通りである。

b)就労支援

社会就労サービス法に基づく就労である。これは就労障害者(独立して通常の就業ができない身体障害者、精神疾病者、知的障害者)へ、その障害の程度と限定に応じて、利用者に適した実際の就労を提供し、利用者は就労の成果として給与をもらう。ほとんどの場合、利用者は社会就労を行うと共に学校や研修所へ通っている。

社会就労サービス法の適用を受けられる条件は、1.就労障害者で独立して通常の就業ができない、2.時間や場所、作業テンポなどの適合が必要だったり、指導者の支援が必要な場合、3.週に定まった何日かの就労ができること、4.就労意欲があること、である。これのどれかが満足しない場合は、社会保険庁(UWV)と就職先を見つける他の可能性を探す。

社会就労サービス法の適用を受けるには認定が必要となる。認定のための6段階は次の通りである。

  1. 社会保険庁の支部に行くか、インターネット(www.werk.nl)を通して認定応募用紙に記入し、社会就労サービス法の認定へ応募する。
  2. 社会保険庁の支部から呼び出しがあり、1回目の面談をする。
  3. 面談後、認定申込書に記載し、
  4. 2回目の面談を受け、
  5. 認定判断があり、
  6. 認定決定が出される。

(認定が出されると)

  1. スーパーマーケットやレストラン、または各種事務所で指導されながら就業する。
  2. これが不可能な場合は、包装会社などの社会就労サービスの指定会社で働く。
  3. 所得手当ては、旧制度の就労不能保険法(WAO)と自営業者就労不能保険法(WAZ)があったが2004年に廃止され、社会労災保険である就労能力比例労働と所得に関する給付(WIA)に代わった。ただし、この法律は、障害者のみの付加給付ではない。

(9)ケアマネジメント

導入されているケアマネジメントは、政府や自治体のケア政策と、各医療介護施設が出すケアマネジメント、各利用者を対象とするケアマネジメントがある。なお、図表8に示すように医療介護の経営管理がケアマネジメントの中心にある。

図表8 ケアマネジメント(医療介護の経営管理)

  1. 施設や現場の専門的戦略や方針の開発
  2. 利用者の必要性にあった医療介護の調和
  3. 在宅や施設のコンビのようなまったく違った介護提供者の介護プロセスの調和
  4. 施設におけるケアプランの作成
  5. 人事の組織化と計画
  6. 財政管理計画
  7. 業務遂行における役割と支援の認定
  8. 変化する環境の最前線のマネジメント
  9. 革新のためのチームや同僚に対する刺激方法
  10. チームワークと共同作業の開発と進展
  11. 同僚への指揮とコーチ
  12. 自分にあった専門的処理の開発
  13. 同僚との個人的影響効果の改善
  14. 個人コーチの方法

出典;オランダ高等職業教育 http://www.hbo.nl/

ケアマネジメントで重要なことは、利用者が中心で、どこのどのような施設でも利用者苦情不平委員会があることである。医療福祉施設には、必ず国が任命した有能なPVPと呼ばれる「利用者個人の信頼できる相談委員」がいて、利用者のいろいろな相談にのり、関係機関や団体、個人と対話を行い、問題を解決する。ここで問題が解決しない場合は、利用者に徹底的に耳を傾ける苦情不平委員会の設置が法律で定められており、そこへ訴える。

この一段上には、懲罰委員会がある。勿論、さらに上には裁判所があるわけだが、その前に厚生大臣直属の医療介護監督委員会がある。また、これ以外に数え切れないNGOや利用者を援助する独立した会や支援団体、消費者団体があり、これらの存在は、全て法律でしっかりと位置づけされ、その意見は国の政策さえ変更させる。

利用者の最大の味方は、利用者と国の高い敷居を外し、国民個人と政府や国が直接に対話を通して個々の小さな問題を解決可能にするため国会によって選ばれ、憲法で保証されている「ナショナルオンブズマン」である。オンブズマンは、大きな自治体や中小の自治体連合にもいて、国民の誰もが手紙やメール、電話で国や自治体に対する自己の考えを訴え、政策に対する不平不満や希望を述べることができる。オンブズマンの回答は、プロの調査官の調査を得て短期間で必ずもらえ、国民一人ひとり人が国や自治体の動きを個人的にウォッチできるようになっている。このナショナルオンブズマンの利用の仕方は、マスコミを通して国民の中に浸透している。人の生命とQOL(Quality of Life)を管理するための、社会文化計画委員会や社会経済委員会、応用科学研究所(TNO)などの国の独立アドバイス機関やジャーナリズムの役割も、オランダのケアマネジメントで重要な役割を果たしている。

(10)給付対象者

A.特別医療介護保険法による給付対象者

中央医療介護認定機関(CIZ)または青少年介護事務所(Bureau Jeugdzorg)の医療介護認定決定を受けてのみ、特別医療介護保険法による給付対象者になれる。2007年の社会支援法(Wmo)の導入により、特別医療介護保険法による給付対象者が以前と変わった。

2008年1月の時点で58万8千人の子供から老人にいたるまでのオランダに住んでいる人が給付対象者であった。これは国民の3.6%にあたる数字である。58万8千人のうち、50万人は現物給付を受け、7万人は個人帰属予算を利用し、残りの1万8千人はこのコンビの給付を受けていた。給付対象者の中で一番多い機能サービスは指導サービスで20万人に達している。支援指導サービスへの認定が一番増しており、2005年~2006年までで40%も増加した。

(出典;オランダ保健福祉スポーツ省)

なお、図表9に特別医療介護保険法による給付対象者を記す。

図表9 特別医療介護保険法による給付対象者

  1. 身体の疾病疾患による限定SOM;Somatische ziekte/aandoening
  2. 心理老人病的要因(認知症)の疾病疾患による限定PG;Psychogeriatrische ziekte/aandoening
  3. 精神の疾病疾患による限定PSY;Psychiatrische ziekte/aandoening
  4. 身体障害LG;Licahmelijke handicap
  5. 知的障害VG;Verstandelijke handicap
  6. 感覚器官障害ZG;Zintuiglijke handicap
  7. 心理社会的因子PS;Psychosociaal probleem

出典;中央医療介護認定機関(CIZ) http://www.ciz.nl/

B.社会支援法による給付対象者

自治体自体か自治体の指定する支援認定機関、例えば中央医療介護認定機関の支援認定決定を受けてのみ、社会支援法の給付対象者になれる。図表10は2006年~2007年の社会支援法による給付対象者の一例である。給付対象者は自治体によりその判断が異なることと、実施施行されたばかりで、全体としての対象者数はまだ確認できてない。

図表10 社会支援法による給付対象者の一例(注)(2006年~2007年)

  2006年 2007年
軽度身体限定者 134 133
中度身体限定者 106 108
重度身体限定者 65 68

(注)給付を受け公共交通機関を使用している重度、中度、軽度身体限定者の可動性実態。 全体平均を100とした場合の数値。

出典;中央医療介護認定機関(CIZ) http://www.ciz.nl/

(11)認定主体

A.特別医療保険法の認定主体

中央医療介護認定機関は、保健福祉スポーツ省の依頼により特別医療介護保険の医療介護認定を行う。保健福祉スポーツ大臣は、特別医療介護保険法の医療介護認定の実施にあたり、詳細な規定を中央医療介護認定機関に提示している。

1968年以来これまで81の地域認定機関がそれぞれ異なった医療介護認定基準を持って認定を行ってきたが、申請ならびに認定数の増大にしたがい認定の統一化と公正化が必要となり、中央医療介護認定機関が2005年1月1日に発足し、オランダ全土に共通の認定方法を導入して地域認定機関を吸収し、医療介護認定基準の統一を果たした。

オランダの医療は、ホームドクター(家庭医)制度であるので、基本的に住民は家庭医を通し本人や家族などがこの認定申請をする。中央医療介護認定機関は、2008年に年間100万件の認定処理を3千人の職員(内60名が医師でそのほとんどが認定士)で行った。認定の80%は、即日認定で家庭医からの直接間接の諸申請が即時に認定されている。認定の残り20%は、複雑なケースで数週間の時間を要する場合もある。

中央医療介護認定機関は、家庭医や専門医からの申請を再認定確認をせずに、抜き打ち検査の検証者を認定の現場へ送り検証させる。認定検討期間中も利用者に対するサービスは継続的に続けられ、必要なものはその場の判断で決まる。

中央医療介護認定機関と全国家庭医連盟は、より迅速で、より単純・明確化された、新たな認定システムを検討中である。

中央医療介護認定機関は公益法人で、認定が利用者全員に行きわたるよう全国を6つに区分し、49(北東オランダ6、東オランダ5、北西オランダ10、南西オランダ16、中央オランダ8、南東オランダ4)地域に中央医療介護認定機関支部を網羅させ、ここで3千人の多種多様のプロが働いている。ユトレヒト州ドゥリーベルヘン市にある本部には、1名の理事長と2名の理事がおり、全国49の業務運営サービスを管理している。また、地域の中央医療介護認定機関には各々の所長と地域マネジャー、チームリーダーがおり、地域の認定、作業手順、支援計画、福祉用具、施設の質などの管理を行い、地域での認定の決定に責任を持ち、それぞれの地域にあった施政方針や運営方針を決めている。

児童の認定に関しては、中央医療介護認定機関に代わり、青少年介護事務所(Bureau Jeugdzorg)がこれを行うが、その責務は中央医療介護認定機関にある。

B.社会支援法の認定主体

各市町村(自治体)が認定主体になるが、実際の認定を中央医療介護認定機関や他の民間認定団体や会社へ任せることが多い。

(12)認定基準

A.特別医療介護保険法の認定基準

この認定基準は、統一された2つの方法がある。

1つは、オランダ障害要介護程度区分認定申請書2)添付資料参照)により判定するもので、この判定はオランダ保健福祉スポーツ省の特別医療介護保険認定決定方針規則(Beleidsregels indecatiestelling AWBZ)3)に基づくものである。

2つ目は認定基準プロトコール(SIP/Standaard Indicatieprotocollen)を利用した認定である。これにより認定決定された数と割合を図表11に記す。

認定基準プロトコールの目的は、あくまでも医療介護認定申請が出される時点から、医療介護が実際に開始されるまでの時間をできるだけ短縮することである。そこで医療ソーシャルワーカーや看護師によって記載された認定基準プロトコールは、そのまま中央医療介護認定機関へ送られ、認定を決定する重要な参考資料として活用される。ほとんどの場合、認定基準プロトールは中央医療介護認定機関内の専門家により一度だけ検証され、サービスが開始される。

利用者の医療介護認定が中央医療介護認定機関によって認められると、認定基準プロトコールは医療介護事務所へ送られ、医療介護事務所が指定する、または利用者が希望する医療介護提供者へ渡される。医療介護提供者は、この認定基準プロトコールに基づき利用者の医療介護を進める。医療介護の認定基準プロトコールが医療介護提供者によって忠実に活用されているか否かについては、中央医療介護認定機関が医療介護の現場にて、抜き打ち検査することで確認される。なお、認定有効期間は最高で5年である。

図表11 全体の認定決定と認定基準プロトコールから認定決定された数と割合

  2005年 2006年 2007年
認定基準プロトコール(人) 40,647 101,610 131,320
全体の認定決定(人) 662,069 775,833 820,995
認定基準プロトコールの割合(%) 6.1 13.1 16.0

出典;中央医療介護認定機関(CIZ) http://www.ciz.nl/

B.社会支援法の認定基準

認定基準は、すべて各市町村(自治体)に任せられている。

(13)認定者数

A.特別医療介護保険法の認定者数

図表12~図表14に、特別医療介護保険の認定者総数とその内訳を記す。

図表12 認定種類別の特別医療介護保険の認定者数(人)

認定の種類 2005年 2006年 2007年
身体の疾病疾患による限定(SOM) 412,379 479,494 525,393
身体の疾病疾患による限定(SOM)
+心理老人病的要因(認知症)(PG)
31,118 43,025 39,093
身体の疾病疾患による限定(SOM)
+心理社会的因子(PS)
37,801 38,943 19,656
知的障害(VG) 26,719 33,953 39,283
精神の疾病疾患による限定(PSY) 21,795 34,690 61,612
心理老人病的要因(認知症)(PG) 23,649 20,926 23,908
身体の疾病疾患による限定(SOM)
+精神の疾病疾患による限定(PSY)
11,690 18,349 18,012
感覚器官障害(ZG) 9,560 17,330 16,183
心理社会的因子(PS) 8,389 10,629 7,740
精神の疾病疾患による限定(PSY)
+知的障害(VG)
6,785 10,391 12,255
身体の疾病疾患による限定(SOM)
+感覚器官障害(ZG)
4,721 8,262 7,993
身体の疾病疾患による限定(SOM)
+知的障害(VG)
4,858 7,502 6,832
身体障害(LG) 3,580 4,151 4,669
その他 59,025 48,188 38,366
合計 662,069 775,833 820,995

出典;中央医療介護認定機関(CIZ) http://www.ciz.nl/

図表13 年齢別の特別医療介護保険の認定者数数(人)(日常生活介護を除く) (注)

(年齢) 2005年 2006年 2007年
0~11歳 25,796 32,353 35,787
12~17歳 14,386 17,552 20,637
18~49歳 78,293 105,608 127,726
50~64歳 70,904 105,608 127,726
65~74歳 105,868 117,109 118,050
75~84歳 232,656 259,481 258,707
85歳以上 134,081 157,187 163,548
不明 85 33 35
合計 662,069 775,833 820,995

(注)日常生活介護の給付は社会支援法で行われるようになった。

出典;中央医療介護認定機関(CIZ) http://www.ciz.nl/

図表14 機能カテゴリーによる特別医療介護保険の最終認定決定者数(人)

機能カテゴリー 2005年 2006年 2007年
1.個人介護(PV)のみ 83,537 88,938 116,646
2.看護(VP)のみ 94,227 104,310 84,713
3.PV+VP 96,484 102,818 87,569
4.治療(BH)(+PV/VP) 1,659 2,434 2,899
5.支援指導一般(OBA)のみ 28,503 30,480 28,832
6.OBA+(PV/VP/BH) 39,852 58,152 72,992
7.OBA+支援指導デイケア(OBD)
(+PV/VP/BH)
17,628 26,437 40,347
8.OBDのみ 11,058 16,239 20,130
9.OBD+(PV/VP/BH) 28,503 30,480 28,832
10.活動促進指導(AB)
(+PV/VP/BH/OBA/OBD)
44,663 57,658 54,121
11.一時滞在(VBT)(クラス4より少ない場合
(+PV/VP/BH/支援指導(OB))
16,007 18,475 22,887
12.滞在(+PV/VP/BH/OB/AB) 200,409 225,833 1,200
13.医療介護程度パッケージ(ZZP) 0 0 101,152
合計 662,069 775,853 820,995

出典;中央医療介護認定機関(CIZ) http://www.ciz.nl/

B.社会支援法の認定者数

制度が始まったばかりであり、各自治体により認定基準が違うので、介護に関する社会支援法の認定者数は不明である。

(14)利用手続き、所管窓口

A.特別医療介護保険法の利用手続き、所管窓口

特別医療介護保険法の利用手続きは、所管窓口である最寄りの中央医療介護認定機関へ電話やメールで、または直接事務所を訪ねることで行われる。多くの場合は公益法人公共相談支援機関(MEE)4)(無料相談)を通し、利用者本人か家族から中央介護認定機関へ申請される。

申請が出されるとまず最初に、申請者が正しい住所に住んでるかを最寄りの中央医療介護認定機関が確認する。申請は、申請書に必要事項を記入することで行われるが、利用者の許可がある場合に限り、家族や介護提供者、または他の方でも申請ができる(図表15参照)。なお、申請者に利用者本人か家族、病院や専門医、医療介護提供者が多いのは、利用者が長く特別医療介護保険を利用していることを物語っている。

図表15 中央医療介護認定機関(CIZ)への申請手続きの割合(2007年度)

申請者 割合(%)
利用者本人か家族 17.5
利用者相談支援機関 2.6
地方自治体 0.6
家庭医 2.1
その他(申請代理人が不明) 24.9
病院や専門医 11.7
医療介護提供者 41.0
申請者の合計人数 956,532(人)

出典;中央医療介護認定機関(CIZ)2008年1月

B.社会支援法の利用手続き、所管窓口

日常生活の支援援助や車椅子などの福祉用具の手配、住宅改修・改造に関する社会支援法に基づく介護サービスの申請の利用手続きは、各自治体(市町村)の役所の社会支援窓口で行われる。

(15)要否判定方法

A.特別医療介護保険法の要否判定方法

認定基準に基づく要否判定方法は次の3つがある。

要否判定方法<1>

中央医療介護認定機関は、年間100万件の認定の処理決定を3千名の職員(内60名が医師で、そのほとんどが認定士)で行っている。認定の80%は即日認定で、家庭医や家庭医を通した家族からの申請なので、それが即時に認定とされる。中央医療介護認定機関は、家庭医や他の医師と常に連絡交流しあい事情を知っているので再調査せずに、ランダムに抜き打ち検査する検証者を送る。

認定の残り20%は複雑なケースで、数週間の時間を要する。認定検討期間中も利用者に対するサービスは継続的に続けられ、必要なものはその場の判断で行われる。増え続ける医療介護認定にできるだけ早くどのような認定がくだるのかがわかるように、中央医療介護認定機関は、在宅介護組織、ナーシングホームなどの医療介護供給者に対して、いくつかの簡単な認定をする責務を託した。

介護事務所から委任された医療介護供給者は、中央医療介護認定機関の作成した認定基準プロトコールをもとにこの責務を行う。認定基準プロトコールは、傷の手当てや薬の投与などの単純な看護行為の認定のために使われる。中央医療介護認定機関は、抜き打ちの検査判定により介護提供者の責務遂行を管理している。

要否判定方法<2><3>

2005年以降、要否判定方法は、1.認定基準プロトコールによるもの、2.単純認定申請、3.複雑認定申請の3種類のみになった。認定基準プロトコールによる申請は、認定フィルターを通らずそのまま認定確定になるが、単純認定申請と複雑認定申請は、認定フィルターにかけられる。

単純認定申請は、基本的な記述に間違いがあるかどうかを確認したうえで確認サインが認定者からされ、認定確定になる。複雑認定申請は、始めてからその内容が確認され、そこで確認でき認められれば、認定が確定する。標準認定プロトコールと単純認定による確定には抜き打ち検査があり、そこで詳しく確認され、申請に間違いがある場合は認定確定が取り消される。

ここ数年の特別医療介護保険法の改正により、2005年~2007年まで平均して年間10%も増え続けてきた認定決定は、2006年~2007年の1年間を見ると3%に留まっている。特に65歳以上の認定決定の数はほとんど変わってない。

社会支援法(Wmo)の導入で、2007年7月1日から施設外介護(intramurale)の認定給付方法も変わった。特別医療介護保険法の権利は、単なる機能サービスの給付でなく、機能サービスのパッケージである医療介護程度パッケージ(ZZP)5)になった。また、日常家庭介護(HV)は、特別医療介護保険法から社会支援法へ移り、特別医療介護保険の介護認定に入らず、これにより特別医療介護保険法の介護認定決定者の計算方法も変わった。

基準をどう運用するか認定基準の基になるオランダ保健福祉スポーツ省がまとめた「特別医療介護保険法認定決定方針規則2009年(Beleidsregels indicatiestelling AWBZ 2009)」は、11章・合計173ページの書類で、これを基に中央医療介護認定機関が2008年12月18日に作成した「中央医療介護認定機関認定指針(CIZ Indicatiewijzer)」は、10章・合計148ページに、その要否判定方法などが細かな字でびっしりと詰まっている。

B.社会支援法の要否判定方法

社会支援法の要否判定方法は、各自治体により異なる。

(16)利用者負担

人口1,650万人を抱える小国オランダ(九州とほぼ同じ面積)は、医療介護に年間500億ユーロ以上の予算を取っている。利用者負担は、今後増え続ける医療介護経費の将来をみると非常に重要なテーマである。

医療介護での利用者負担は、特別医療介護保険法と社会支援法(Wmo)の2つの場合がある。ただし、どの場合でも利用者負担額が収入、年齢、家族状況から中央医療介護事務所(zorgkantoor)が計算し出した「利用者最高負担額」を超えることはない。利用者の「利用者最高負担額」は、インターネットのサイトで国民の誰もが簡単にその金額を計算できる。2009年より特別医療介護保険法と社会支援法の利用者負担額の所得税からの控除案がなくなったが、特別医療介護保険法と社会支援法の医療介護利用者は、慢性病患者と障害者の補償法(Wtcg)の導入により、利用者負担額の割引きを得ることが可能になった。

入院入所医療介護(extramurale zorg)の場合は33%の割引きがあり、在宅医療介護(intramurale zorg)では、65歳以下の利用者に16%、65歳以上に8%の割引きが設定された。施設に住んでいる利用者の割引きは、2009年1月から請求書でもって清算され、在宅で医療介護サービスを受けている利用者のそれは2009年度の割引きを2010年の初めに一括して清算される。これも、2010年から請求書をもって清算される。

2010年1月1日から特別医療介護保険の指導サービスを受けている成人は、新たにこれに対して利用者負担をする。介護、看護、滞在の特別医療介護保険サービスには、すでに利用者負担規定が取り入れられている。

2009年7月1日から導入する計画だった個人の資産も利用者負担額の計算に入れる法案は消滅した。

出典;オランダ保健福祉スポーツ省
http://www.minvws.nl/dossiers/wet-tegemoetkoming-chronisch-zieken-en-gehandicapten-wtcg/korting-eigen-bijdrage-awbzwmo/default.asp

A.特別医療介護保険法の利用者負担

特別医療介護保険法の利用者負担には、特別医療介護保険施設に居住、滞在(一時的でも)している場合と在宅の2通りがある。

a)施設居住滞在の利用者負担

18歳以上で特別医療介護保険施設に居住、滞在(一時的でも)している場合は、利用者負担が生じる。この利用者負担には、所得、家族状況、認定により低額と高額利用者負担がある。初めの6ヶ月間は低額利用者負担を支払い、その後は、状況により低額と高額利用者負担の判断がされる。

【独身で以下の状況にある場合は、低額利用者負担と判断される】

  • 特別医療介護保険施設ので居住や滞在(一時的でも)が終了し、在宅介護の可能性がある場合
  • 継続する短期認定がある場合
  • 扶養給付手当てを受けているか育英奨学資金を受けている子供の費用を支払っている場合

【既婚で以下の状況にある場合は、低額利用者負担者と判断される】

  • 本人またはパートナーに継続する短期認定がある場合
  • パートナーが最初の1年目に病院やリハビリセンターまたは精神の疾病疾患による限定で入院していて、かつこれまでの経費を滞納していない場合
  • 本人またはパートナーの滞在が終了し、在宅介護に移行する可能性がある場合
  • 扶養給付手当てを受けているか育英奨学資金を受けている子供の費用を支払っている場合

低額利用者負担の年間利用者負担額は、利用者とパートナーの収入の12.5%(2007年度)で、月額最低限度が141.20ユーロ、最高限度が741.20ユーロである(2009年度)。

これ以外の利用者は、全て高額利用者負担になる。高額利用者負担の月額最高限度は、1,838.60ユーロである(2009年度)。最初の半年間に高額利用者負担をしてきた利用者は、その後も高額利用者負担を支払う。

出典;
Startpagina
http://www.hetcak.nl/smartsite.dws?id=58607
Zorg met Verblijf
http://www.hetcak.nl/smartsite.dws?id=58616
Bereken uw lage eigen bijdrage
http://www.hetcak.nl/smartsite.dws?id=61420

b)在宅介護の利用者負担

在宅介護は、利用者負担である。中央医療介護事務所が利用者の負担額を保健福祉スポーツ省の規定に沿って計算する。計算は、パソコンのモジュールを利用してできる利用者負担額は、家族構成、年齢(65歳以下・以上)、収入、4週間で受けた医療介護の時間によって定まるが、中央医療介護事務所が定めた最高利用者負担限度を超えることはない。基本は時間につき12.40ユーロが利用者負担になる。

c)移動用補装具の利用者負担

移動用補装具の利用者負担は、個人帰属予算(PGB)と現物給付(ZIN)によって異なる。

個人帰属予算の場合は、利用者自身へ医療介護を購入する予算が給付される。給付されたお金の出費の責務は、地域医療介護事務所に対し利用者自身が負う。治療と長期滞在には、この予算は使えない。医療介護事務所は、利用者の個人帰属予算額を医療介護認定証書と利用者の収入状況によって決める。医療介護事務所は、最終決定の前に税務署に提示している利用者の収入を確認する。その後、医療介護事務所は利用者がいつから個人帰属予算を受けられるかを決め、それを文書で利用者へ知らせる。予算以上ものを購入した場合は、これを自己負担とする。

医療介護現物給付の場合は、利用者へ在宅介護団体やケアホーム、ナーシングホームや利用者の住まいを見守っている団体の人が、医療介護に必要な補助器具とか医療介護をどのように受けるかを決めに来る。医療介護現物給付を選択した場合、利用者はどの医療介護提供者から医療介護現物給付を得たいかを決める(自由選択権)。どの医療介護提供者(在宅医療介護団体やケアホーム、ナーシングホームや利用者の住まいの見守りをしている団体)にそれを依頼するかを決め、医療介護認定証書を送る。希望する医療介護提供者がいない場合、医療介護事務所が利用者に一番適した医療介護提供者を、利用者のために探す。

医療介護現物給付は、利用者のための在宅介護機関やケアホーム、ナーシングホームなどの施設利用であり、医療介護提供者から利用者へ提供される医療介護と補助器具である。ある移動用補装具の利用に、自己負担や倹約負担を市町村から請求される場合もあるが、車椅子を自己負担することはない。

B.社会支援法の利用者負担

自治体は利用者負担を定めて課すことができるが、国が利用者負担基準を定めているので新たに負担額を定める必要はない。自治体は行政法450、第4条1-2の収入に応じた利用者負担最高額と利用者負担制度の平等に従わなければならない。収入による最高限度を下げることは自治体に一任されている。法定利用者負担最高額は社会支援法と特別医療介護保険法の合計額にも適応される。利用者の特別医療介護保険法の利用者負担最高額が社会支援法より優先し、利用者の特別医療介護保険法の利用者負担最高額が社会福祉法のそれよりも低い場合にその差額が自治体へ支払われる。図表16に国が定めている利用者負担の4グループについて記す。

図表16 国が定めている利用者負担の4グループ

グループ 利用者負担最高額/4週間(ユーロ) 所得境界(ユーロ) 超過収入の未払い割合(%)
未婚65歳以下 16.60 16,137 15
未婚65歳以上 16.60 14,162 15
既婚65歳以下 23.80 20,810 15
既婚65歳以上 23.80 19,837 15

出典;オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

利用者負担はパートナー(パートナーがいる場合)の収入も含めてその合計が(社会的最低限度の生活扶助給付金を含め)社会的最低限度生活扶助給付額に20%上乗せした金額より低い場合は、利用者負担はない。これを超している場合は、超した金額に対して最高限度15%の利用者負担を支払う。ただし、個人帰属予算は、すでに収入などを考慮して計算した金額なので利用者負担がない。

C.低所得者・障害者への配慮

18歳以上のオランダ人や永住権を持つなどのオランダ人と同等の資格を持ち、オランダに住んでいる者は、QOL(Quality of Life)の権利を持つ。そのためにオランダ国の住民は、市町村へ求職援助を求めなければならない。仕事が見つかるまでの間や就業できない状況にある場合、オランダ国の住民は、「福祉と労働に関する保険法」により各自治体に生活扶助給付金の請求ができ、自治体はこれに応えなければならない。これは、21歳~65歳までのオランダに住んでいる市民に適用される。なお、利用者の収入が生活扶助給付金に20%上乗せした金額より低いときは社会支援法の利用者負担は控除され、これより多いときは、その超した金額に対して最高限度15%の利用者負担が課せられる(実際の給付額は、社会雇用省のサイトに掲示してある)。

低所得者や障害で一部しか働けない障害者へは、その労働から得た収入の内容や失業手当、税控除、所持している資産などを見ながら最終給付金の額を定める。所得がまったくないとか障害のため完全に働けない場合は、これも資産を見たうえで給付金額を決める。

障害者や要介護者は、特別医療介護保険や社会支援法に基づく医療介護を求める場合、収入や資産に関係なく中央医療介護認定機関や最寄りの市町村へこれを申請し、中央医療介護認定機関や自治体は、この申請を通常通り判断する。

出典;オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

1.障害者介護サービスに関する調査 脚注

1)オランダ政府の障害定義は、時と共に変わると同時に新たな言葉も適応されている。現在、「Handicap(障害)」、「Stoornis(疾病疾患)」、「Beperking(限定)」という言葉が、医療介護で使用されている。限定は障害と疾病疾患の結果であり、障害や疾病疾患には、一時的なものと慢性的なものがある。

2)オランダ障害要介護程度区分認定申請書は、次のサイトからダウンロードできる。
Aanvraagformulier AWBZ-zorg http://www.ciz.nl/sf.mcgi?4545

3)特別医療介護保険認定決定方針規則(Beleidsregels indecatiestelling AWBZ):中央医療介護認定機関は、オランダ保健福祉スポーツ省の特別医療介護保険認定見解指針にのっとり中央医療介護認定機関認定指針(CIZIndicatiewijzer)を作成した。

4)公益法人公共相談支援機関(MEE)は介護提供者やその他の全ての機関から独立し、利用者のためにのみ働く公的機関である。MEEのサービス利用の費用は税金で賄われている。事務所は全国各地へ点在し、介護を必要とする障害者や要介護者、不治の病に襲われた市民に、教育、医療厚生、居住、就労、社会施設、収入、移動手段、休暇など広範囲にわたり情報を提供している。また障害者や要介護者を介護している両親、家族、友人、隣人などにも広く適切な情報を提供し、共生社会を支援している。サービスはあくまでも利用者自身の選択が原則で、医療介護から法律相談まで、ここで働くプロが支援する。

5)医療介護程度パッケージ(ZZP)とは、障害者や要介護者をグループ化し、認知症、知的障害者、身体障害者、精神限定者、(軽い)知的障害者とに別け、中央医療介護認定機関(CIZ)が介護程度パッケージの中に程度と区分を設け、どの障害程度パッケージにも、利用者がどのグループに属し、どの機能サービスでどの程度の医療介護が受けられるのかを明記した。医療介護程度パッケージごとに利用者ガイドブックが作られ、どのような介護施設で、利用者がどのような介護を受けられるもか、介護(障害)程度パッケージごとに示した。

2.モデルに関する調査

(1)モデル1/全盲の夫妻

*夫婦(正式同姓)とも全盲で、女性へのインタビューをもとに構成。

1.性別

私は女性で、夫は男性です。

2.年齢

私は35歳で夫は36歳です。

3.家族と住まい

パートナーと生活してます。小さな町に住んでます。

4.住居

町の中心部の一軒家でいろんな設備が揃った持ち家です。

5.病歴

後天的な全盲です(2人とも)。

女性:8歳のときからだんだん視力が落ち、20歳でまったく見えなくなりました。

男性:23歳のときに事故に遭って全盲になりました。

6.経済状態、収入源

女性:正規の仕事へ従事しており、そこから給与が支払われています。仕事は事務関係の仕事です。

男性:事故の後、就業不能保険(WAO)から給付金が出ています。

(数年前に2人乗り用自転車のチャンピオンになった。このときは自分でスポンサーを見つけ、財政面を全て自分で行った)

7.利用している財政サービス、介護サービス

盲人のためにある特別医療介護保険(AWBZ)からの「基本パッケージ補装具給付サービス」を利用しています。例えば、ブライユ式点字タイプライター、各種朗読本などのCD-ROMレーザー器具、盲人用感知安全つえ、盲導犬、リハビリテーション、活動促進のトレーニング、ADL(日常生活活動)、コンピュータコース(授業)、補装具マスターコース(使い方の授業)などがそれです。ただ通常のパッケージサービスでなく、特別なものをもらいたい、してもらいたいときは、相当の忍耐が必要で、図々しく何度も訪ねないとダメです。そのような場合、ほとんどど全てに、市役所の社会支援窓口や(と)家庭医の診断書、中央医療介護認定機関(CIZ)の特別な認定が必要です。

例えば、スポーツ用の(電動)車椅子は、基本パッケージ補装具給付サービスの中に入っています。この代わりに2人乗り用自転車がほしいと要求したら、それは問題だと市役所の社会支援窓口が言うわけです。また盲導犬は、基本パッケージ補装具給付サービスの中に入っていますが、盲導犬の代わりに最新のGPS(衛星による全地球的測位システム)盲人ナビシステム徒歩機器がほしいと言ったら、これも問題だと言うのです。ですから、今はGPS盲人ナビシステム徒歩機器やマイレッジストーンソフトを個人帰属予算(PGB)規定の「PGB補装具給付サービス視覚障害規格外給付サービスパッケージ」として利用しようとしているのです。革新された最新補装具は、これまでのものに比べるといろいろな新しい機能を持ち、効果的で便利で障害者にとって使いやすい。これを理解してもらうのが大変です。全ては、市役所の社会支援窓口に行き、相談して理解していただきます。

仕事のため、また職場で使用する補装具は、女性がUWV(被用者保険実施機関=社会保険庁)へ申請し取得している。女性はすでにUWVの認定登録をしているので、必要な補装具を新たに申請し取得することはそれほど難しくない。これらの補装具は、女性に個人的に帰属すると理解され、職場の雇用者が代わっても(転職する場合など)、女性は補装具を別の職場に持っていける。

女性は以前、職場へ公共交通機関を使い通っていた。そのときは作業療法士・活動インストラクターと相談し自宅と職場からバス停までの安全なルートを決めて通勤していた。しかし、このバスが廃止になり、通勤手段がタクシー(障害者用タクシー)に代わり、彼女はキロメーターにつき利用者負担が発生するUWVからのタクシー代給付に代わった。

8.専門介護士の介護と特別な介助(財政面も含めて)

日常生活介護(HV)の洗濯、アイロンがけ、掃除給付サービスと、例えば銀行関係などのアレンジ、意思の伝達や事務処理などの日常生活支援指導(OB)サービス給付を受けています。介護の受け方は、個人帰属予算を選択しました。しかし、支援者が来るまで待たなければいけないこともありました。このほかに「財団法人役立つ」1)の「一般介助サービス」のボランティアが2週に1回来て買い物をしてくれるます。それ以前は、母が買い物をしてくれました。個人帰属予算と同時にマントルケアを十分に利用しています。例えば、庭の手入れや日常生活上の必要な簡単な大工仕事などは、マントルケアのボランティアの方がしてくれます。(市役所の社会支援窓口に行き相談してアレンジ:社会支援法)

10.機動性

盲人用感知安全つえ、盲導犬、GPS盲人ナビシステム徒歩機器を利用しています。(市役所の社会支援窓口に行き相談してアレンジ:社会支援法)

移動のためのアレンジは以下の通り。
  • 地域タクシー用のパスを利用、特別活動のための交通手段は、いろいろな組織によってアレンジされているのでこれを利用している。
  • 2005年に(特別パスによる)鉄道利用が廃止された。それ以来、違法で列車に乗っている。公共の交通機関を使用する場合は、パスポートを携帯してなければならないが、それを怠ってたので訴えられたこともある。

11.健康状態

良好

12.どのような介護サービスがあるか(受けられるか)知っていたか

いつもどんな権利があるか、私たちで勉強してます。でも探し当てるまでは長い時間がかかるときも多かった。全てこちらから探さねばならないのです。聞かなければ誰も教えてくれません。昔は可能性が、あちらこちらに分散してて、自分に合ったサービス給付を探すのに苦労しました。市役所が給付サービスを選択できるというのは、問題です。なぜなら、市町村によってサービスが違うのですから、市町村によって社会支援法の方針が違うのですから困ります。また、どの保険会社も独自のサービスや方針を持っているのも選択に困り、私たちにとって難しい。市町村や保険会社よりも私たち個人の状況が重要でしょう。どのような環境に住んでいるとか。どのようにして収入を得ているのとか。また、「患者の会」もあまりあてにはなりませんね。

今、私たちの権利の全てをわかりましたが、それは長い長い調査をした結果ですよ。

14.必要なときに必要な支援を受けられたか

いいえ、多くの場合は支援が可能になるまで待たなければなりません。尋ねたことを中心に支援してくれるとか、それを活用できる世話をする人が必要です。通常の大人扱いでなく、ほとんどが感情を害するような子供扱いが多いのです。重要なことは、視覚障害者が1人で可能な限り何でもできるように義務づけ、激励することです。介護者は要介護者をちゃんと大人として障害のない人として接するべきです。全盲でも子供ではないのですから、そのへんの教育がボランティアやパートタイマーに必要です。

15.介護支援と介護士や介助士の仕事は一致しているか

介護者はプロだが、ボランティアの場合は介護介助と実際行っていることが一致していないときがあります。

16.医療介護や社会支援の法律をどう思うか

法律はほとんどよくかみ合っていないと思います。市町村、県、国の政策方針がバラバラだと思います。州を越えて移動するときのパスの使い方が複雑です。私たちは障害者の政策方針に大変興味を持っています。私たちは他のみんなと同じように、普通に可能な限り独立して生活しようとしてますが、そうするだけで1日が終わってしまいます。本当に大人扱いをしてほしいと思います。

日本へのアドバイスは、障害者の事務、財政、現実的な介護、介助支援窓口は、たった1つであり、唯一のデータベースでみんなが作業を行うことです。オランダでは窓口がやっと1つになりましたが、昔は大変でした。家庭医も専門医も介護事務所も保険会社もみんな同じデータを共有していれば、同じことを何度も聞かなくともよいと思います。また、勝手な判断をすることもないと思います。

17.社会活動

なし

(2)モデル2/頸髄損傷

1.性別

男性。

2.年齢

57歳。

3.家族と住まい

村で妻と2人暮らし。

4.住居

賃貸、一戸建て。

5.病歴

後天的、4年間、同類の障害、行動の変化、ときどき(短期)記憶喪失、糖尿病、重度の心臓障害、多発神経炎(昏睡状態後)。

6.経済状態、収入源

給付金で生活、就業不能保険法(WAO)による給付金。

7.利用している財政サービス、介護サービス

(1)社会支援法(以前は障害者補装具給付法だった)

市町村の社会支援窓口で補装具を申し込む。補装具の種類は、寄りかけ座席付き三輪スクーター、改造車、タクシー券。

(2)介護個人帰属予算(PGB)

本人へ介護を購入する予算が給付される。給付されたお金の出費の責務は、地域の介護事務所に対し本人自身が負う。個人帰属予算(PGB)の額は、介護認定証書と本人の収入、つまり就業不能保険法による給付金によって決まる(給付額は教えていただけませんでした)。

8.専門介護士の介護と特別な介助(財政面も含めて)

プロと友人の介護介助を受けています。

9.財政面も含めて、どのような介護サービス(機能)を得ているか

中央医療介護認定機関から医療介護保険適用の認定を受け、以下の医療介護保険法と社会支援法の給付サービスを受けています。

(1)個人介護(PV)、日常生活活動(ADL)、シャワー、洗身、衣服着脱、トイレへの移動介助。

(2)看護(VP)、薬の服用。

(3)日常生活介護(HV)、掃除、洗濯、料理、食事、買い物。

(4)支援指導(OB)、例えば銀行関係などのアレンジをしていただく。うまくいかない意思の伝達や事務処理などの日常生活の支援指導を受けている。

(5)活動促進指導(AB)。障害とどう生きていくのかをが学び、1日をどう過ごしていくかの指導を受けている。

10.機動性

市役所の社会支援窓口へ行って相談し、寄りかかり座席付き三輪電気自動車と改造車の給付サービスを受け、自家用車に寄りかけ座席付き三輪電気自動車を小型エレベーターで積むことができるように車を改造してもらいました。

11.健康状態

やっとです。多くのことに障害を感じています。痛みがあちらこちらにあり気分がすぐれないときが多くあります。

12.どのような介護サービスがあるか(受けられるか)知っていたか

初めは知りませんでしたが、公共相談支援機関(MEE)に相談したところトレント州(住んでいる州)のMEEの方がいろいろと教え家内へ指導してくれました。ですから、家内は私にいろいろな可能性をたくさん教えてくれます。

13.あなたの権利は知っているか

初めはわかりませんでしたが、MEEに相談したり、このように実践していることで、だんだん多くのことがわかってきました。

14.必要なときに必要な支援を受けられたか

家内からは受けています。でも、外からとなると難しいです。

15.介護支援と介護士や介助士の仕事は一致しているか

介護士の家内が私の介護をしてくれて、個人帰属予算からもらうお金で家内へ介護費用を支払っているので、仕事の一致も経済もよくいってます。

17.社会活動

なし

(3)モデル3/知的障害

1.性別

男性。

3.家族と住まい 4.住居

アペルドールンという人口10万人の地方都市に、市から住宅賃貸給付金をもらい1人でマンション(3DK)を借りて住んでいる。

5.病歴

生まれたときから軽度の知的障害。

6.経済状態、収入源

給与をもらえる仕事に就業してない。17歳以降、若年者障害手当て(Wajong)の給付を受けている。

7.利用している財政サービス、介護サービス

アペルドールン市の住宅賃貸給付金。

アペルドールン市の経営する市銀行(スタット・バンク)より、これまで積み上げた借金の返済のための融資を受けている。

ボランティア財政後見人(オランダでは、全体の後見人、介護後見人、財政後見人の3通りの後見人がある)が家計簿を見てくれている。

財団法人障害者サービスセンターが(中央医療介護認定機関(CIZ)の認定に基づき)2×3時間の医療介護保険の個人的指導(PB)サービスを受け、利用者負担部分を給付金の収入の中から支払っている。市の依頼で中央医療介護認定機関から社会支援法適用の認定を受け、社会支援法の給付サービスを受けている。

8a.在宅介護

ありません。

8b.専門介護士の介護と特別な介助(財政面も含めて)

外部から日常生活の支援指導を週6時間受けている。その他、家族がマントルケアをしている。

9.財政面も含めて、どのような介護サービス(機能)を得ているか

市の依頼で中央医療介護認定機関から社会支援法適用の認定を受け、以下の社会支援法の給付サービスを受けている。

  • 個人的なケア(日常生活活動、入浴、シャワー、着替え、トイレ)などは、自分で行う、時に両親がチェックしに来る。
  • 家事は自分で行う(掃除や洗濯は自分で行う)。介助と管理は両親や市役所の社会支援指導員が行う。
  • 料理、食事、買い物について。食事は料理調達システム(大皿に食べるだけになった食べ物が用意され、配達される)を利用し、その経費は自分で負担している。

10.機動性

自転車に乗っている。障害者用のタクシーバスのパスを持っているが、時間通り来たことがないので、ほとんど利用していない(オランダには障害者手帳というものはないが、障害者用のタクシーやバスのパスがあり、市役所の社会支援窓口に申請するようになっている)。

11.健康状態

よい。

12.どのような介護サービスがあるか(受けられるか)知っていたか

介護サービスを受けるのに、市役所の社会支援窓口へ行き相談し、説明や助けが必要だった。

14.必要なときに必要な支援を受けられたか

はい。

15.介護支援と介護士や介助士の仕事は一致しているか

両親と指導してくれる方が一体になり、どんな介護介助が必要かを記載してくれたので必要な介護介助が受けられる。受けられるべき介護介助とサービス財団からもらう介護介助は一致している。

17.社会活動、日課

ボランティアで週3日間、町の中にある子供の農場で働いている。この農家は市の援助で経営され、市民に無料で開放されている。子供たちが鶏、牛、馬、豚、ウサギ、羊、ヤギ、モルモット、アヒル、ガチョウなどの家畜に触れたりして楽しめるところで、家畜の飼育を手伝ったりしたりして働いている(オランダのほとんどの市町村にこのような子供の農場が点在し、ほとんどが指導員つきの知的障害者のボランティアにより経営されている。これらのアレンジは知的障害者NGO団体が行い、そこへ社会支援法の活動支援の給付金が支払われている)。また、絵画クラブ(教室)とビリヤードクラブへ属していて、そこに通っている(オランダの自治体や病院などの公共、準公共施設、銀行などが知的障害者や精神科施設に入院している患者の絵画を半年ごとに交換するなどし、絵画や芸術作品を施設から有償で借りている)。週末は、両親のところで過ごす(オランダでは、障害があるなしに関係なく、18歳頃になると親元を離れ独立して一人で生活を営む習慣がある)。

(4)モデル4/精神病ならび精神的疾病疾患者

*モデルは、A、B、C、の3名。

1.性別 2.年齢 3.家族と住まい 4.住居

A:25歳男性、一人暮らしで、年に1度(緊急性がない場合)精神科医が家に訪ねて来る。人口75万人のアムステルダム市。

B:36歳男性、監視付き(4時間)住宅である地域保護住宅施設(RIBW's)のマンションで一人で暮らしている。人口75万人のアムステルダム市。

C:62歳女性、監視付き(16時間)住宅である地域保護住宅施設(RIBW's)のマンションで一人で暮らしている。人口5万人の地方都市。

*RIBW'sの監視は、24、16、8、4時間に分かれている。

5.病歴

3名とも施設へ強制入所させられたり、自分で入院したり、デイサービスやホームヘルプ、ショートスティなど、いろいろなサービスをこれまで受けてきた(詳しい事情、病名は本人からの聞き取りが不可能であった)。

6.経済状態、収入源

A:25歳男性の収入源は、若年者障害保険手当(Wajong)の給付金。市からの住宅賃貸給付金。衣食住には、まったく困らない。ボランティアの財産管理後見人がいる。

B:36歳男性の収入源は、就労不能保険手当(WAO)の給付金。市からの住宅賃貸給付金。これまでの借金を返さなければならなく財産管理後見人が返済計画を立てている。

C:62歳女性の収入源は、生活補助給付(Bijstand)の給付金。市からの住宅賃貸給付金。素晴らしい住環境で、衣料、食事にお金を払うと月200~300ユーロの小遣いが残るだけで、休暇でアジアにはいけないと愚痴。(職業なし)

2名の男性は、アムステルダムのNGO「ワーターフーフェル・噴水の丘」(運営資金は医療介護保険などから出ている)で日常活動をしていることが多い。250名の利用者がここのメンバーで、メンバーのために(市民ボランティアも支援者として多く参加)料理教室、絵画教室、日曜大工教室などを活動支援として行っている。そのノウハウで市役所や公共施設などで行われるパーティーへ出前サービスをしたり、高齢者や障害者の住宅の日曜大工仕事などを行ったりしている。また、この「NGO噴水の丘」は、ランチレストランと地ビール工場を経営し、ここでもメンバーが指導を受けながら働いている。この2人はこれらの活動に参加しているが、ほとんどボランティア活動のため収入は日給5ユーロ前後で、生活扶助の給付金の削減の対象にもならないという。重要なことは、共生社会への参加にあると2名も自覚している。

7-1.利用している介護サービス

中央医療介護認定機関から医療介護保険法と社会支援法の適用の認定を受け、以下の医療介護保険法と社会支援法の給付サービスを受けている。

【看護(VP)】

2週に1回精神科の看護師が薬を持って来る。年に1回度精神科医が診療しに来る。

【日常生活介護(HV)】

掃除、洗濯

【支援指導(OB)】

銀行関係などのアレンジをしてもらう。うまくいかない意思の伝達や事務処理などの日常生活の支援指導を受けている。

【滞在(VB)】

地域保護住宅(RIBW's)の生活指導付きの住宅。

7-2.利用している財政サービス

A:25歳男性は、18歳以降も就業したことはなく、若年者障害保険手当(Wajong)の給付金で生計を立てている。市役所の社会支援窓口を通して日常生活介護(週1回)、介護事務所を通して看護、支援指導(週1回)を受け、利用者負担は給付金から支払う。

B:36歳男性は、以前仕事をしていたが、精神的疾病にかかり、職を失ったので前の就労不能保険手当(WAO)の給付金で生計を立てている。市役所の社会支援窓口を通して日常生活介護(3回)、介護事務所を通して看護、支援指導(週3回)を受け、利用者負担は給付金から支払う。

C:62歳女性は、疾病前に就業し、他の理由で自己退職したので、現在、生活補助給付(Bijstand)の給付金で生活している。市役所の社会支援窓口を通して日常生活介護(週4回)、介護事務所を通して看護、支援指導(週4回)を受け、利用者負担はなし。

17.社会活動

A:気が向いたときに「噴水の丘」に行く。

B:気が向いたとき「噴水の丘」に行く。

C:マントルケアで娘や妹と共にイベントへ参加するときもある。

2.モデルに関する調査 脚注

1)「財団法人役立つ」(Stichting Stade)は、ユトレヒトの「一般介助サービス財団」(de Stichting Algemene Hulpdienst Utrecht)が母体となり1994年に創立した。福祉関係のボランティアを募り、彼らを教育指導し、他の多くのボランティア組織などと協力しながら活動している。

3.障害児に関する調査

保健福祉スポーツ省は、「平等待遇法」の解釈により、幼児、児童、高齢者に対する医療介護の専門性(専門知識など)が異なっても、年齢や性別、国籍、障害の種類や疾病疾患、限定の種類などにより医療介護の差別待遇を受けることがない、とした。また、公共部門のサービスの効率化のためにも障害者、要介護者という弱者への医療介護の一元化を実現し、いかなる障害を持った人も、共生社会では障害を持たない人と同等の権利を有し、オランダに住む身体、知的、感覚器官に障害や精神的疾病疾患、その他の心理社会的問題を持つ市民も障害のない市民と同様に可能な限り、一般的な通常の設備や施設、住環境の利用を希望しているとして、そのためにオランダ政府は、弱者に対するQOL(Quality of Life)の環境とインフラ作りをしていると言明した。

(1)障害児施設の種別と数

「平等待遇法」の解釈により、私立の施設を除くと公的な障害児に対する特別障害施設はなく、通常の施設の一部になってる。また、オランダ中央統計局も障害児と限定した統計はないとした。図表1に通常の障害者の施設についでのデータを記す。

図表1 通常の障害者の施設

  全体数 知的障害 身体障害 感覚器官障害
滞在・居住・デイケアセンター 73,515 62,111 4,731 1,099 (2004)
1人当たりの収容数(ベット数など) 169 127 20 9 (2005)
施設での看護滞在日数×1000 21,070 17,775 1,117 316 (2004)
ディーケアセンター合計日数×1000 6,638 5,131 779 29 (2004)

出典;CBSオランダ統計局 http://www.cbs.nl/en-GB/menu/home/default.htm

(2)利用の条件

通常の施設の一部の障害児施設を使用する場合は、中央医療介護認定機関(CIZ)か、知的障害児の場合は青少年介護事務所(Bureau Jeugdzorg.)の認定が必要である。

【障害者介護の3通りの道】

  • 滞在と治療介護:看護や行動科学治療が知的、感覚障害、身体障害者へなされ、24時間介護で施設に滞在する。長期にわたる看護や介護を必要とし保護住宅に住んでいる知的障害者はこれに入る。
  • 治療なしの滞在看護:知的、感覚障害、身体障害者が治療なしで24時間介護で施設に滞在する。
  • 滞在なしの介護(在宅介護):日中の活動はデイケアセンターで行われ、介護は利用者の家で行われる。

出典;
CBSオランダ統計局 http://www.cbs.nl/en-GB/menu/home/default.htm
オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

(3)予算

施設運営に使われる予算を図表2に記す。

「平等待遇法」の解釈により、障害児に対する特別予算はなく、青少年医療介護は、オランダに住んでいる他の市民と同じように、社会支援法、特別医療介護保険、疾病給付保険で賄われている。

3歳~18歳までの身体および知的障害児を自宅で育てている人には、四半期ごとに206.24ユーロの補助金が出る(TOG(在宅障害児支援補助金法)2000)。この認定は、中央医療介護認定機関の責務において青少年介護事務所で行われる。

出典;オランダ保健福祉スポーツ省 http://www.minvws.nl/

図表2 施設の運営に使われる国の予算

  全体数 知的障害 身体障害 感覚器官障害  
施設数 179 135 21 9 (2004年)
施設での看護滞在日数×1000 21,070 17,775 1,117 316
デイケアセンター合計日数×1000 6,638 5,131 779 29
政府予算(単位:百万ユーロ) 4,594 3,785 301 130
現実に保険会社へ支払われた金額 4,482 3,693 294 121
差額 112 92 7 9
施設数 169 127 20 9 (2005年)
政府予算(単位:百万ユーロ) 4,807 3,934 323 137
現実に保険会社へ支払われた金額 4,763 3,905 319 129
差額 44 29 5 7

出典;CBSオランダ統計局 http://www.cbs.nl/en-GB/menu/home/default.htm

――――――<参考資料>――――――

●参考ウェブサイト

●参考文献

  • Adresgids Maatschappelijk Welzijn 2008/2009. Bohn Stafleu van Loghum, 2009, 1134p.
  • Maatschappelijkzorg. saw 3. 2008.
  • Broepen boek gezondheidzorg
  • Statistical year book
  • Chronisch zieken en gezondheiudzorg
  • Handboek transmualezorg
  • Gezondheid en zorg in cijfer 2008
  • CIZ Trendrapportage
  • Beleidsregels AWBZ 2009-
  • CIZ Indicatiewijzer 2009-

■添付資料

オランダ障害要介護程度区分認定申請書

認定申請書

2007年1月版

中央医療介護認定機関の受理年月日  


添付の説明書をご覧いただきながら、漏れのないようにご記載ください。

1.個人データ
出生名(苗字)(*1   頭文字  
生年月日   性別 □男  □女
婚姻 □未婚  □既婚  □(登録した)同棲  □寡婦(寡夫)(*2
該当者のみお答え下さい。:同棲者のデータ
出生名(苗字)   頭文字  
生年月日   性別 □男  □女
介護申請者の希望する苗字(*3 □出生名(苗字)        □同棲者の苗字
□出生名(苗字)+同棲者の苗字 □同棲者の苗字+出生名(苗字)


2.ホームドクター(家庭医)について
苗字   頭文字  
電話番号   住所  


3.(医療介護コストに関する)保険会社
保険に入っていますか? □いいえ  項目4へ記入  □はい
保険会社の名称   保険証番号  


4.自宅データ
通りの名前   住宅番号  
郵便番号   住所  
電話番号   携帯番号  
電子メールアドレス  
仮住所(*4)について - 該当者のみお答え下さい。
居住開始年月日   居住終了年月日  
仮住まいの種類 □介護施設   施設の名称:
病棟:      部屋:
□個人的な関係   関係の種類:
通りの名前   住宅番号  
郵便番号   住所  
電話番号   携帯番号  


5.法的代理人(*5)はいますか?
□いいえ、項目6へ記入  □はい、以下に記入
出生名(苗字)   頭文字  
通りの名前   住宅番号  
郵便番号   住所  
電話番号   携帯番号  
電子メールアドレス  
介護申請者との関係  


6.住宅の種類
□家族用住宅                       □牽引される移動住宅

□アパート/アパートマンション              □水上住宅
(エレベーター付き)

□アパート/アパートマンション              □ホームレス(*7)
(エレベーターなし)

□特別介護保険法施設                   □その他、主に:
(ケアホーム、ナーシングホーム、指導付き一般住宅(*6))


7.生活環境
□一人暮らし
□パートナーと同棲(項目1で記載したパートナー)
□他の同居者と住んでいる(以下に記載)
1 出生名(苗字)   頭文字  
  生年月日   性別 □男  □女
  介護申請者との関係  
2 出生名(苗字)   頭文字  
  生年月日   性別 □男  □女
  介護申請者との関係  
3 出生名(苗字)   頭文字  
  生年月日   性別 □男  □女
  介護申請者との関係  
4 出生名(苗字)   頭文字  
  生年月日   性別 □男  □女
  介護申請者との関係  
5 出生名(苗字)   頭文字  
  生年月日   性別 □男  □女
  介護申請者との関係  


8.連絡できる人をお持ちですか?
□いいえ、項目9へ記入  □はい、以下を記入
1番目の連絡員について
苗字   頭文字  
通りの名前   住宅番号  
郵便番号   住所  
電話番号   携帯番号  
介護申請者との関係  
2番目の連絡員について
苗字   頭文字  
通りの名前   住宅番号  
郵便番号   住所  
電話番号   携帯番号  
介護申請者との関係  


9.郵便物のお届け先について
郵便物を送ることができるのはどの住所ですか? □自宅          □1番目の連絡員

□法的代理人       □2番目の連絡員

□その他(以下を記入)
通りの名前   住宅番号  
郵便番号   住所  


10.支援や生活介護用品、施設を申請する理由について
申請のきっかけと、現在お困りになっていることは何ですか?
病気、体の変調、不自由なことをあげてください。

特別医療介護保険法に基づく介護に関する質問(申請書の1ページにある説明を見てください。)

11.どのような援助や介護が必要ですか?
□個人介護  □活性化指導

□介護指導  □治療

□看護    □短期入所

短期入所を選択した場合、週に何日間利用したいですか?

□1日  □2日  □3日  □4日  □5日  □6日  □7日
その他、何か必要なものがあれば、ご記入ください。
どのくらいの期間、介護が必要と考えますか? □3ヶ月以内      □3ヶ月から6ヶ月

□6ヶ月から1年     □1年以上

□期限なし(永遠に)  □不明
すでに介護を受けていますか?(*8) □いいえ、希望する開始時期:  □はい、開始時期:


12.希望する支援方法について
どのように介護を受けたいですか? □個人帰属予算(PGB)(*9

□現物支給(ZIN)

現物支給を選択した場合、どの機関に依頼しますか?
機関の名称  
通りの名前   住宅番号  
郵便番号   住所  

社会支援法に関する質問(申請書の1ページにある説明を見てください。)

13.銀行口座番号、郵便為替銀行口座番号、市民サービス番号(BSN)/納税者番号(SOFI)
銀行か郵便為替銀行番号   BSN/SOFI  


14.社会支援法の支援について、どのようなものが必要ですか?
□家事家政に関する支援
どのくらいの期間必要ですか? □3ヶ月以内 □3ヶ月から6ヶ月
□6ヶ月から1年 □1年以上
□期間なし(永久に) □不明
希望する開始時期   希望サービス業者  
その他、ご希望があれば記入してください。
車椅子
□手動式車椅子     □スポーツ用車椅子

□手押しべービーカー  □特注車椅子

□電動車椅子      □その他:
その他、ご希望があれば記入してください。
移動手段(*10
□共同バス          □障害者用超小型車  □無料レンターカー(バス)

□三輪用自転車        □交通機関費用報酬  □その他:

□モーターで稼動する車椅子  □改造車
その他、ご希望があれば記入してください。
住居設備:建築上の適応可能な住居
□階段      □物置

□台所      □敷居

□トイレ/個室  □その他:
その他、ご希望があれば記入してください。
住居設備:住居福祉用具
□シャワー椅子     □持ち上げリフト   □浴室用リフト

□ポータブルトイレ   □風呂場の手すり   □シャワーのストレッチャー

□シャワートイレ椅子  □トイレ高さ調整機  □その他:
その他、ご希望があれば記入してください。
住居設備:その他
□室内浄化 □移転/家具備え付け費用
その他、ご希望があれば記入してください。
そのほか必要なもの(*11
必要とする設備。備品等について、具体的に記述してください。

以下は必ずご記入ください。

15.医療介護・支援の有無
今現在、有料の組織機関あるいは、専門組織の機関の介護を受けていますか? □いいえ
□はい、組織/機関の名称:
今現在、他の(同居者、家族、隣人、友人)ボランティア援助を受けていますか? □いいえ
□はい、以下にお答えください。
どのようにして他から支援を受け、有料のあるいは専門の支援を受けないで済んでいるのか、週に何時間、他の誰から支援を受けているかを以下に記載してください。 同居者 家族、隣人、友人
  週に何時間
家事援助
買い物、食事の用意、掃除、洗濯
身体介護
洗身/シャワー、着替え、ベットから車いす間の移乗、就床、起居動作、排泄、サポートストッキングの脱ぎ着

申請説明書に、より多くの例が記載されています。
看護の援助
圧縮包帯を巻く、注射、管を体内にいれたりまたは点滴をする、傷の手当、排出の手伝い(カテーテル、浣腸)、注射器や管を通し薬を投与する、口/咽頭から吸引

申請説明書に、より多くの例が記載されています。
援助指導
活動計画のサポート、日課の調整、決定の受け入れ、日課の構築、社会参加への準備、社会との交流や定期的なの維持活動行動への推奨
  同居者 家族、隣人、友人
  週に何回
見守り
誰かの援助なしには自宅で自立した生活ができないが、他の施設への入所ではなく、24時間体制で週の何日間か付き添いをしてもらっているという方について
 
以上の支援について、今後、何らかの変動があるとおもいますか? □いいえ
□はい、以下に説明してください。
 
皆様の医療介護申請の判定に、中央医療介護認定機関は、皆様を支援している方々の同意が必要です。そこでこの方々の氏名と電話番号を記載してください。
名前 電話番号 本人との関係
    □同居人 □家族、知人、隣人
    □同居人 □家族、知人、隣人
    □同居人 □家族、知人、隣人
    □同居人 □家族、知人、隣人


16.福祉用具/設備施設の利用の有無
現在、福祉用具/設備施設を利用してますか? □いいえ
□はい、以下に記入してください。
 


17.治療医の有無
今現在、治療医がいますか? □いいえ
□はい、以下に記入してください。
氏名(苗字)   頭文字  
役職  
施設  
どのくらいの期間治療を受けていますか? □1年未満  □1年以上


18.中央医療介護認定機関は、詳しい情報をいただくため、もしよければ何方と連絡を取りたいと思います。どなたに連絡すればよろしいですか?
□1番目の連絡人  □2番目の連絡人

□法定代理人   □その他、特に(以下に記載してください)
氏名(苗字)   頭文字  
通りの名前   住宅番号  
郵便番号   住所  
電話番号   携帯番号  
介護申請者との関係  


19.法的保護観察下にある方
現在、精神病院特別入院に関する法など法的保護観察下にある場合は、これを記入してください。 □いいえ、項目20に進んでください。
□はい、以下にチェックをしてください。
□保護観察(OTS)          □精神病院医療保護短期入院(IBS)  □法廷被保護人

□法廷被金銭的後見         □法廷被ケア後見         □法廷被後見

□法廷被代理            □意志に基づく法廷委任      □条件付き免除の法廷委任

□暫定的/継続的委任の法廷委任(RM)  □予防拘禁           □その他の矯正監視下


20.通訳が必要ですか?
□いいえ、21に進んでください。  □はい、以下に記載してください。
どの言語の通訳ですか?  
該当する場合 □聴覚障害  □視聴覚二重障害


21.国籍/特別滞在状況
国籍 □オランダ  □その他、特に:
滞在状況 □労働許可  □一次  □許容  □永久


22.申請処理に関する関係情報データ
認定委員が調査に必要とする関係情報データをお持ちの場合は、早速送ってください。
これにより、申請処理の遅れを防げます。
申請書類と一緒に補充資料の送付が必要ですか? □いいえ、項目23に進んでください。
□はい、どのデータを一緒に送るかについて、以下に記載してください。




23.この他に申請に際して重要なことがありますか?
 

提出された資料の取り扱いは、中央医療介護認定機関のプライバシー規定の中で同意されている条項にあるように、間違いなく遵守いたします。この規定により、この調査のために個人情報データを登録したものは、申請者及び他の誰でもが、中央医療介護認定機関により登録された個人情報データを閲覧し、希望すれば修正し、補充し、抹消する権利を持ちます。申請者が望めば、この権利を委任された人がこの権利を行使できます。


申請書類の宣言

出生名(苗字)   頭文字  
生年月日  


1)ご自身や代理の方により提出された、医療介護と施設使用のため申請したデータ資料は正しく、間違いがありませんか? □はい  □いいえ
2)ご自身のホームドクターや他の治療者に申請した認定に関し、必要なら中央医療介護認定機関に(診察診断や試験結果などの)医療データ書類を提出する許可を与えますか? □はい  □いいえ
3)専門的に又はボランティアで介護をしてくれている人々や施設に、申請した認定に関してのデータ資料を頂いてもよいですか?中央医療介護認定機関は例えば現在行われている介護がどんなものかを質問いたします。 □はい  □いいえ
4)中央医療介護認定機関は、ご自身の申請を判定するのに、重要な各種のデータ資料(ご自身の履歴書、健康に関する情報、ご自身の状態(何ができて/何ができないか)、住居と住環境、社会環境、現在受けている支援)を集めております。この情報による判定は、特別医療介護保険の医療介護認定と/や社会支援法の適用の参考にいたします。
中央医療介護認定機関、特別医療介護保険の医療介護認定をする機関と/や社会支援法の参考資料を作成する自治体に、これらの個人情報を提供することを許可しますか?
□はい  □いいえ

所見
もし中央医療介護認定機関にご自身の申請を取り扱う権限がない場合は、中央医療介護認可機関はご自身の申請を権限のある機関に送ります。

年月日   場所  

署名:

介護申請者以外の方の署名(委任又は法廷代理人)
署名者の名前(活字体文字)  
電話番号  
介護申請者との関係  
署名:
この申請書類に介護申請者が署名しない場合、その理由は?
 
この申請と、ご希望の補充された情報の追加に関し、介護申請者と話しましたか?
□はい 
□いいえ、理由:

この書類を最寄の中央医療介護認定機関送れます。この住所はウエップサイトwww.ciz.nlにあります。他の選択として郵便番号プログラム“postcodeprogramaCIZ”により“地域の中央介護認定機関を選ぶことができます。

郵便番号の数字から最も近い中央医療介護認定機関の場所がわかります。

<執筆者による注>

*1.結婚した女性や同性愛者は相手の苗字の使用を本人の自由意志で決められるので、誤解や悪用を防ぐため日本と違い出生名を書くことが基本。

*2.社会福祉給付の関係で、該当者は寡婦(寡夫)の明記が必要。

*3.結婚や離婚などで本人の意思で苗字を変更することが可能。旧姓を名のるかどうかは個人に任される。

*4.市役所に登録している「現住所」ではなく、病気などの理由で病院や施設に入院(入所)したり、家族や友人宅に住んでいる場所の住所。

*5.例えば、成年後見のような。

*6.精神病院の入院期間を出来だけ短くし、その退院者や知的障害者を一般住宅に住ませ(個人からグループまで多様)プロの指導員がその家や近所から住民の指導管理をする。

*7.給付金で経済的理由のホームレスは殆どいなく、麻薬やアルコール常習者、精神病的問題保持者、賭博依存症者、虐待で家を出た女性などがそれで、社会鍋のようなNGOやNPOが国から運営資金を受けホームレスを滞在させたりケアを行い、ホームレスの現住所はNGOやNPOの施設になっている。

*8.中央医療介護認定機関の認定を受け、現在、医療介護又は継続医療介護を受けているかどうか。

*9.個人帰属予算を選択した場合、その予算内で家族が介護する場合と介護提供者が介護する場合の二通りがあります。

*10.社会援助法によって支払われる移動手段の金額は、認定程度により公共の交通機関だけでなくタクシー代も含まれる。

*11.障害者が快適に暮らせるよう住居に段差がないか、充分な手すりがあるか、車椅子が充分通れるドアの広さを持っているか、台所や洗面所の台やいすが上下に作動するかなどを重要視する。