第6章 取り組み事例「KUINA」
第3節 考察
(1)ケースに見る支援の流れ
ここまで示した5ケースにもとづき、当事業所の支援フローを第1章の支援フレームに合わせて整理すると次のようになる。
枠組み | 内容 | |
---|---|---|
利用の契機 |
|
|
生活訓練 | 個別支援計画 |
|
カンファレンス |
|
|
モニタリング |
|
|
地域資源との接点 |
|
|
支援・訓練内容 |
|
|
地域生活開始に向けた支援 |
|
|
利用終了後のフォロー |
|
|
地域生活のための相談サポート |
|
(2)まとめ
①当事業所の支援フレーム
当事業所は、自立支援法移行前の事業である援護寮時代からの流れで、病院の次に地域につなぐための施設として位置付けられており、地域定着するための準備・支援という位置づけで実践されている。当事業所の支援アプローチは次のようになる。
「自分のこれからの生活をイメージしていく場所として、特に何かプログラムなどを提供するというよりも、普通に生活している流れの中で学んでもらう」との考えにもとづいて支援が行われている。普段の生活を観察する(見守る)視点を重視し、生活の場を見ながら関係を作る訪問活動を重視し、本人の長所を生かす個別支援計画のもと、支援が行われている。
②信頼関係構築の重要性
本人と支援者との関係構築が最初に来る重要テーマであり、その関係構築のためには一定の期間が必要であるといえる。信頼関係構築がなければ、そもそも訪問しても門前払いとなり、通所にもつながらない。支援が必要なことにどうやって本人に気づいてもらうかということも重要な視点であるといえる。その上での支援となるため、2年間の期間ではどうしても足りないというのが実感である。地域生活開始当初などは1日数回の訪問が必要であり、現状の生活訓練では訪問日数が月14回の上限では、足りないということは否めない。