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自己紹介及び現在の活動

●河村
今日は、研究会として4人で主として意見交換をして、現在発達障害のある大学生への支援ということで、特にアメリカでどういうふうに進めているのかということを中心に、具体的に、リアルにわかるように、イメージをみんなが持つということを目標に、今日の2時間の議論、進めたいと思います。よろしくお願いします。

最初に、参加者のプロフィールは既に文章になっていますのでそこに譲るとして、アクティビティとして今どんな活動をしているのかということについて、紹介を兼ねて簡単に補足をして、渡部さんのお話に続けたいと思います。

私から申し上げますと、私は今DAISY注釈11という国際標準規格の開発を中心に、書かれた記録というものをどういうふうに誰もが共有できるようにするのかということに関心を持って、そういう意味でのアクセシビリティとかソーシャル・インクルージョンとか、そういうツールの開発と改革ですね、ちょうどグーテンベルグが聖書を広げるときに印刷技術がぴったり間に合って、ものすごいインパクトを与えて社会改革が行われて、みんなが自分の言葉で聖書が読めるようになり、知識が世界中に、よくも悪くもですけれども、行き渡っていったということがあると思うのですね。

今のマルチメディアというのは、やはりそれに匹敵するようなインパクトが本来あるはずで、これまで配慮されてこなかった障害について、やはりこのマルチメディアの機能をしっかり生かせば、誰もが同じ知識を同時にシェアすることができる。分け持つことができるという可能性を秘めていると私は思います。そういう意味で、DAISYというスタンダードが最もそれに合っている候補であるということで、今国際的に、仲間と一緒に、そういうものがどういうところで有効なのだろうか、どういうところで生かされているのだろうかということについて、研究したり交流したり、ということをやっています。 では井上さん、よろしくお願いします。

●井上
井上です。日本語ではLDは学習障害と呼ばれますが、全国LD親の会注釈22に所属しています。東京を中心に近県の親が集まっている「けやき」注釈33という会に入っています。LDのお子さんたち、その中にはすでに成人の方もいますが、LDの人の教育や就労支援について行政に対しいろいろ要望をしてきました。「けやき」は来年で創立20年目になります。 それから全国のLD親の会がありまして、これは17年目に入ります。全国各地の親の会が集まって、国レベルでの施策について一致協力して要望しましょうということで結成されました。私は今までそこの事務局員として雑用をやっております。 もう一つ障害者放送協議会の著作権委員会というのは、1998年だったと思うのですが、河村さんが当時の委員長をされており、LDの人に対しての情報保障に関し著作権上の課題があるのではということで呼ばれまして、いろいろお話ししたり、一緒に文化庁の著作権課や関係団体等に対し要望をしてまいりました。今は私が2代目の委員長ということで引き継がせて頂いております。以上です。

●河村
ありがとうございました。では萩原さん、次にアクティビティに関して、お願いします。

●萩原
萩原です。慶應義塾大学と中央大学の学生相談室で働いております。近年、発達障害を抱えていらっしゃる大学生の方がとても増えていらっしゃっています。その中で個別の支援をどういうふうにしていこうかということで、日々考えながらやっています。 今年の3月まで、目黒区の教育相談室で働いておりまして、そちらは幼児から高校生までが対象で、発達障害絡みの相談が急増していたのです。高校生までの支援というのは割と、昔に比べたら少しずつ整ってきているのかなと思うのですが、そのままその方たちが大学生になるときに、学生相談室だけでは十分に対応できていない現状で、今後どうなるのだろうという危機感を持っています。 あとは、個人的に、ボランティア活動で障害児と健常児の合同の体験キャンプなどをしています。

●河村
ありがとうございました。 それではここから、講師、今日のメインのスピーカーである渡部テイラー美香さんのお話になります。では、よろしくお願いします。

●渡部
渡部テイラー美香と申します。今日はよろしくお願いします。
私はモンタナ大学という州立大学のDisability Services for Students、DSS注釈44とアメリカではよく言うのですが、障害学生サービス部と直訳で言えば的確だと思います。そこでコーディネーターとして勤めています。コーディネーターとしてどういうことをするかと言いますと、障害学生が大学で就学する際に困難にあったときに、リーズナブル・アコモデーション、合理的配慮と言いまして、障害学生との相談を通じで、どういうような配慮をリクエストするのが合理的か、または的確なのかどうかを決めて、サービスを提供するという流れです。
新入生の中には、やはり高校と大学との差がとても大きいので、大変就学に困難な学生がたくさんいます。その学生のサポートをするために、2年前から障害を持つ高校生のための大学体験セミナーをモンタナ大学で3日間、しております。私がメインのコーディネーターをしているのですが、高校生で、どんな大学でもいいんです、たとえば専門学校とか技術大学とか、2年制の専門学校とか、または4年生大学。実際高校から卒業した後の生活はどんなものだろうというのを体験するための機会を提供しています。その学生達はキャンパスで、寮に3日間住んで、キャンパスの学食でご飯を食べて、そしてセミナーとして2日間ほど、自分達の市民権のこととか、特にアシスティブ・テクノロジー、支援技術のデモンストレーション、それを実際に使ってみるというようなことをセミナーでやっています。
今日はよろしくお願いします。