音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

愛知県グループホーム調査-世話人さんからのアンケート調査結果-

愛知県精神薄弱者愛護協会

熊谷豊、林俊和

項目 内容
発行年 1996年12月8日
転載元 発達障害と施設援助-愛知県知的障害児・者施設紀要-「じゆうがあるで、なかまがおるで、わたしの家だよ」第11号 pp.97-107(愛知県精神薄弱者愛護協会)

愛知県下の39のグループホームにアンケートを依頼しました。
その内、34のグループホームの世話人さんから回答がありました。
このアンケートは、自由記述が多くあります。
その理由は、問題やその解決のための工夫を書いてもらい、アンケートの中でそれらをお互いに学び合う場にしたい、という願いがあったからです。
自由記述の結果は、☆印ひとつを一人の世話人さんの回答にあて、世話人さんの記述をそのまま紹介しています。
それぞれの自由記述の後に、「三人寄らば文殊の知恵」のつもりで「まとめ」を作りました。

世話人さんの年齢、性別、前職、経験年数をお聞きしました

1. 世話人さんの年齢は?

世話人の年齢は23歳から74歳まで、平均44歳でした。
内訳を見ると、20代8人、30代8人、40代6人、50代4人、60代5人、70代2人です。
愛知県の世話人の年齢は、他県と比べると若い人が多いようです。
例えば、* 国のグループホームの調査(1994)では、世話人の平均年齢は50歳となっています。

2.世話人さんの男女別の内訳は?

女性27人、男性7人でした。国のグループホーム調査(1994)では、女性が91%、男性が6%ですから、愛知県は男性の世話人が多いと思われます。

3.世話人さんの前職は?

施設職員が12人(34%)で多く、新卒の人3人、主婦2人。あとの方はそれぞれ次のような違う職業についています:看護婦、歯科助手、学校教師、保母、私塾講師、会社員、医療生協、協同組合、ウエイター、寺の庫裏、旅館、調理員、アルバイト。

4.世話人さんになってからの経験年数は?

1年未満が7人、1年から2年未満が9人、2年から4年未満が9人、4年から6年未満が4人、6年以上が5人、最高の方は9年です。年齢との関係を見ると、70歳代の2人の方は、世話人歴がそれぞれ6年と9年。60歳代の5人の方は、3年が2人、4年、5年、6年がそれぞれ1人づつとなっています。

同居、通勤いい点や苦労する点を聞きしました

1.世話人さんはグループホームに同居していますか、それとも通っていますか

同居している人が13人、通勤の人が20人でした。
男女別に見ると、女性では同居が9人、通いが17人、男性では同居が4人、通いが3人です。

1- 1 同居している世話人の方に聞いてみました。

(1)家族はいますか?

同居している世話人14人の内、家族のある人は7人です。
配偶者のある人が4人、子どもと一緒に暮らしている方が3人います。

(2)家族生活で困難なことがありましたか?

「あった」と答えた方は5人、特にないと答えた方が2人いました。

(3)同居のいい点や苦労する点について具体的に書いてもらいました。


(いい点)住人の人達の家としての自覚が持ちやすい。
(苦労する点)通勤に時間がかかる。いざという時にすぐに行ける距離ではない(不安がある)。


(いい点)
・何かあった時(例えば、ガスが止まってお風呂のお湯が出なくなったとか)すぐ対応が出来る。
・あまり時間を気にせずに(ケアーや遊びも含めて)相手が出来る(限度がありますが)。 ・一つの家族のような気持ちのつながりが持て、それが全ての面でプラスになっていると思う。
(苦労する点)
特に改まって言いたてるほどのことではないですが、私にとってプライベートな時があまりない(特に各自鍵を持って自由に出入りするので)ことは少しつらいことです。勤務時間とプライベートな時間の区別が全くない。


・休みが取りにくい(代替の方ボランティア等)に来てもらっても世話人家族がホームを離れなければならず、いつも出かけなければならない状況に陥る。
・夜間一緒にいるので精神的に安心できる。
・通勤時間がないので楽。


・緊急時の対処に迅速に行動できる等互いに安心感がある。夜間の安全性もある程度心配いらない。
・世話人の休日であっても声が筒抜けであり、またトイレも共同なので落ち着けない。
・外食となる。銭湯となる。

☆家族とのコミュニケーションがない。娘がお母さんと話したり相談したい時いつも彼等がいて私はスレスがどんどんたまってしまう。プライバシーがないと訴える。グループホーム(アパートの2F)の1F空室が出来たので家族で移るが娘との時間は取れず、悩みは多かったが親子の関係は少々ブルーの方がよいのではと思えるようになった。適度な寂しさが娘に自立を促し、自分の弱さを自覚し「弱さ」の理解も深まり人間として台頭である認識が育てられたと思う。

☆幼い子が親を必要とする時間と勤務時間が重なり、その時のバランスがとれず、悩んだことがあります。彼らが世話人を必要とする時間が集中的ばかりではないので、同居していることによって、こまぎれ時間を使えることがうれしい。


(いい点)何か問題があった場合、すぐ対応できる。
(苦労する点)いびきや寝言がうるさくて眠れない場合がある。


・入居者の様子がわかり対応がしやすい。
・気持ちと気持ちの結び付きがあるような気がする。
・気を使ことが多い。

☆楽しい(時には宴会なんかもやってます)。

☆同居人の行動、性格がよく判る。何事においてもウソが以外と多い。注意すると怒られると思い返事しない。無断外泊、無断欠勤、ほとんどの寮生がウソを言う(すぐ私に判るような)。最初はよくだまれた。最近はよくなりましたが性格的には素直さがない人もいます(知の高い人)。


・自宅を開放して始めたので鍵が各部屋にないので、次男の部屋や私の部屋へ入って大事なものを勝手にさわったり、持って行った。
・火の始末、戸締り等。

書いていただいた内容を次のようにまとめてみました。

同居のいい点は、
*何か問題が起きたときに、すぐに対応できる安心感がある。
*何か問題が起きたときに、すぐに対応できる安心感がある。
*入居者の様子がよくわかる。
*気持ちのつながりが持てる
同居の苦労する点は、
*勤務時間とプライベートな時間との区別がつきにくい。
*家族(特に幼児の場合など)との対応が入居者が優先するするためできないことがある。

1-2 通っている世話人の方に聞いてみました。

(1)自宅からグループホームまではどのくらいかかりますか?

グループホームまでの通勤時間
グループホームまでの通勤時間を示した棒グラフ
通勤時間

(2)夜間の泊まりはありますか?

ある人が、16人、ない人が3人でした。

1ヶ月に何回泊まりがありますか

1ヶ月の泊りの回数を示した棒グラフ

(3)通いのいい点や苦労する点について具体的に書いていただきました。

☆日中家に戻ったとしても、気持ち的にもあまりゆっくりできない。そのためあまり細目に家に戻らず、時々外出したりして過ごす。仕事に就いてから、この生活に慣れるまでかなり時間がかかった(日中もホームにいると、常に仕事が頭から離れない状態が続く)。

☆仕事とプライベートが切り替えられる。

☆入居者が病気したときだけ泊まります。

☆通勤といっても施設の寮からで目の前ですので、不便や苦労はありません。却って出向いたり、 帰宅することで気持ちのめりはりをつけることができ、また、ホームの住人さん達の自立心にもつながるかとおもいます。

☆大変大きな距離ではあるが、別居することにより精神的に仲間の自立度が高まるのではないかと思っている。別居2ヶ月経過したばかりなので明確な結果浜田みられないが・・・。

☆(住人さんの状況により、泊まりが必要と思われある場合)通う場所がとても近く、まず遅刻しない。それでも、世話人になって初めの頃は仕事中(住人が言えに帰るまで)園内にいることが苦痛のことがあった。

☆昼間の用件ができる。時間に追われて休養が出来ない。家族との接点が少なくなる。

☆いい点・・公私の区別が出来る。苦労する点・・緊急時に対応ができない。

☆自分自身の時間が作れる。体調を整えられる。

☆主に園の車を使っているが、大型車(ハイエース)やミッション車などの運転が出来ない職員が送迎時に困ることがある(車椅子等を積んで行くと大型車が必要なときあり)。当園の場合通勤者の送迎は同じです。

☆いい点・・時間外であってもホームにいたり、仲間と一緒だったりすると勤務しているときと同じ状況であり精神的に疲れる。帰宅するとほっとする。その反面少しだけのぞいた様子をみたいと思ったとき困る。

書いていただいた内容を次のようにまとめてみました。

通勤のいい点は、
*仕事とプライベトな時間の区別が出来る
*入居者の精神的な自立が高まる。
通勤の苦労する点は、
*緊急時の対応ができにくい。

世話人さんの仕事についてお聞きしました

1.事務の仕事について

(1)世話人さんが行っている仕事

世話人さんが、一番多く行っている事務の仕事は「毎日の記録」で、32人、94%の人が行っています。その次に多く行っているのは、「現金出納簿」(24人、71%)、「生活している人の個人記録」(22人,65%)で、「保護者や地域の人に向けてのお知らせ、会報など」、「役所に提出する資料(状況・実績報告)」では、それぞれ10人、29%、9人27%の人が行っていました。

会報を出している、と答えたグループホームを、一つの法人が一つだけグループホームを運営しているところと、一つの法人が二つ以上グループホームを運営しているところで較べてみました。一つの法人が一つだけグループホームを運営しているところでは、会報を出しているホームが1ヶ所、出してないホームが12ヶ所、二つ以上グループホームを運営しているところでは会報を出しているホームが9ヶ所、出してないホームが12ヶ所でした。

(2)事務の仕事を負担に感じますか?と聞きました。

「あまり負担でない」と答えた人が28人(82%)でもっとも多く、「かなり負担」2人、「非常に負担」と答えた人が3人いました。(未記入1人)

2. お金の管理について聞きました。

(1)お金の管理をしていますか?

生活している人たちのお金の管理をしていますか?という問いには、31人(91%)の人がしている、と答えています。してないと答えた3人(9%)の人はいずれも通所施設がバックアップしているもので、家族の方、あるいはバックアップでが管理しているものと思われます。

(2)管理をしているお金の内訳

世話人さんがお金を管理しているものの、内訳を見ると、ホームの食費、家賃等の利用料が24人(77%)と小遣い(23人、74%)がもっとも多く、次に給料(19人、61%)、貯金(17人、55%)、年金(12人、39%)でした。

年金の管理をしている、と答えたグループホームを、一つの法人が一つだけグループホームを運営しているところと、一つの法人が二つ以上グループホームを運営しているところで較べてみました。一つの法人が一つだけグループホームを運営しているところでは、年金を管理しているホームが1ヶ所、してないホームが11ヶ所、二つ以上グループホームを運営しているところ年金を管理しているホームが11ヶ所、してないホームが8ヶ所でした。同様の傾向は、貯金の管理でも見られています。

お金を管理しているかどうかは、グループホームのバックアップ施設が、入所施設か、通所施設か、通勤寮かということで違いが見られました。

通勤寮がバックアップしているグループホームでは、お金を管理していることが多く、通所施設がバックアップしているグループホームでは世話人が管理してない傾向にあります。

例えば、これは、通所施設がバックアップしているホームでは、土、日の帰省なども多く、家族の人が管理しているものと思われます。
(家族の人が管理しているか、どうかは、  ページを参照してください。)

(3)生活している人のお金の使い方を援助するときに、工夫している点、苦労している点を書いてもらいました。


・皆、福祉就労なため給料といっても小遣い程度である。
・渡せば渡しただけ使ってしまう人には、週毎に渡している(何か行事がある場合は、その時に少し増やす)。
・物に対して「高い安い」、お金は使ったらなくなるということがよく分かっていないため、「節約」する意味を理解してもらうには、経験を積んでもらうしかないのか?
・自分で買う経験も少ないため、何を買って良いのか本人自身わからない人や、お金の意味さえもよくわからない人の「本人の欲求」をどう援助していったらよいのか?

☆できるだけ自分で考えて無駄使いしないように、一緒にお小遣い帳をつけたり、欲しい物、必要な物を考えたりする。管理的にならないようにしている。

☆小遣い一万円としますと二回に渡しております。


・土日の休みには1日に15、6点の買物をする(毎週)「本人いわく“つい手が出て買ってしまう”」青年の買いぐせをどうしたら止めさせるか頭を悩ませています。よい知恵があったらえて下さい。
・金銭感覚が発達していてものすごくしまり屋の青年は必要な靴もなかなか買わない。助言もなかなか受け入れてくれない。と云うことでみんな個性があって難しいです。今は毎日小遣い帳を忘れずにつけるようにして、月末にはそれをしめて分類してみて、どんな使い方がよいか考えてみることの勉強をしています。

☆自分の好きな物を買ったり、出かけたりの範囲の使い方ですが同じ物ばかり買ったり、同じ場所ばかり出かけたりになりがちですので、価値観の広がりにつながるようにアドバイスしたり、より多くの生活経験が持てるように接しています。

☆入居者の一人一人が金額の単位を知らない人達ばかりであることが分かったときには驚きました。入居してまもなく皆を一室に集めてお金の単位を聞いたとき、答の出来る人はなかったのです。以来私は、買物は一緒に行ってショッピングをして一年間はいろいろ教えながら多少は判るまでに指導してきました。


・人によっては援助の仕方が違います。
・お金の使い方への経験が浅く、お金の計算が出来ない人へは・・・一週間のお小遣いを渡し、とりあえず本人がその範囲で買物が出来るように援助する(買った物への批判はしない)。
・上記の事が出来ない人へはその時々にお金を渡している。特にこれダメ、あれダメは言わないが買う物に問題はない。
・自分でお金の管理が出来、その経験が豊かな人へは本人に自由意思にまかせている。相談あったり悩んでいる場合には、それを受け止めアドバイスする。

☆グループホームで暮しはじめて間もなくの頃は、お菓子をたくさん買い込み夏など腐らせてしまうこともたびたびあったが、最近では欲しいものをその時必要なだけ買えるようになってきている。失敗の経験が今につながっていると思われる。気長に待つことを心がけている。


・個人の能力(お金に対する認識)に応じて、本人が常時持つ金額(小遣い)をかえる。
・金額の把握の難しいメンバーなのでほとんどが世話人管理となりメンバーの生活意欲、生活感を引き出すのが難しい。


・施設生活の長い人ですべて他人任せでやってきた人には金銭感覚をまず養ってもらう(昼食なら千円、夕食外食2千円、ポロシャツは3千円~4千円程度等)
・小遣いぐらいは自己管理しようという気持ちのある人には電算機を使いながら、ひとつひとつ項目をうめながら細かく記帳していく。使った日に必ずつけるよう努める。
・大きな物を購入するときは計画を立てて積み立てるようにしたい。

☆一週間の小遣いを一度に買物をして使ってしまうので、月曜日と金曜日に2回に分けて財布にいれる。必需品、衣類費は月の初めに袋に分け毎月積み立てていく。

☆一部の人のを預かり、一部の人の給料、小遣いの使いすぎなど。

☆個性ある生活を創り出して行くにはどうしたらよいか。

☆買物に出かけた場合支払いの援助はするが、選ぶことは任せて行きたいと思っております。

☆所得が少ない人の場合、やりくりが大変です。

☆集金するのに日数がかかって立て替えることが多い。


<小遣い>話し合った上で納得して本人が買いに行く。
<食費など>毎日生活に必要な食品などもみんなで話合い、本人が買いに行くことが多い。

☆収入に応じた考えで支出する(本人の要求に応じられない時考えてしまうし、納得話合いをする時)。

☆職員と利用者とでお金に対して考え方が違うこと。例:小遣いを使いきってしまいたい人と、少しは残したい人。

☆自覚をしてお金の管理や使用ができるように項目(?)を作って点検し中味をチエックする(小遣い帳)。

☆小遣い、自己管理できる人は出納帳をつけるようにしている・・・将来の家計簿のつけ方のために・・・そのため小遣いの残金が1万円から3万円まで自己管理できない人は一週間単位でわたすようにしている。

☆現状では将来も年金と在宅手当などが生活費の中心となるため、各家庭で貯蓄をしっかりしていただくよう話してあります。居住者一名についてはすでに本人の年金等で生活費を賄っています

☆月に一度小遣い帳をみる。計算があまりできない。帳尻が合わない。小遣いのあるうちはいくらあってもすぐなくなる人もいました(?)毎日持たせる。他の人をみて半年くらいで少しよくなりました。

☆使い方に援助というものはありませんけど、多額のお金を持って仕事場へ行くことがあり家庭へ連絡をとり少なくしてもらっています。


・1ヶ月小遣いを渡して上手に1ヶ月持たす人と、すぐ大きな気持ちで使ってしまう人がいる。
・使ってしまう人には10日間小分けしてあげる(小遣い帳と現金を合わせたらつぎにあげる)
・みんなお小遣い帳がつけられない。判らない。理解ができないので個々に合わせて、記入するように言う。


・5人のうち3人は1ヶ月に1回、1人は週に1回、1人は公休日毎に小遣いを渡している。
・1人小遣いが足りなくなると家に帰ってお金を持ち出してしまう人がいて困っている。母親も他人の物を取るよりは・・・という態度で、やりくりの技術が身につかない。

ここでは、お金の意味がわからない入居者に「本人の欲求」をどう援助したらいいのか、という問題から、一度に15、6点も買ってしまう人、必要な靴も買わないしまり屋さん、あるいはお菓子をたくさん買い込み腐らせてしまう、小遣いが足りないと実家に戻りお金を持ち出す、等の問題がでました。援助するときの工夫には次のようなものが出ています。

お金の使い方を援助するときの世話人の基本的な態度

  • 自分で欲しいもの、必要なものを自分で考え、生活意欲を引き出すように。
  • 失敗の経験も長い目で見ると必要。そのとき、世話人は気長に待つこと。
  • お金の与え方(回数や金額)はそれぞれの人によって考える。しかし、買ったものへの批判はしない。
  • 管理的にならない。
  • 個性ある生活を作り出す。

お金で生活を広げる援助の工夫

  • 施設生活の長い人は、他人任せにやってきた人もいる。そのときは、まず千円わたして昼食、というようにその度ごとに渡しながら、金銭感覚を養ってもらう。
  • 同じ物ばかり買ったり、同じ所ばかり出かけたりする人もいる。その時は、その人の価値が広がり、より多くの生活経験がもてるようにする。
  • 一緒にショッピングをしてみる。

お金を計画的に使えるようにする援助の工夫

  • お金を渡す回数と金額を変えていく。(最初は、昼食千円、というようにその度ごと渡す→月曜と金曜の2回に分けて渡す、公休日ごと→週ごと(とりあえず本人がその範囲で買い物ができるように渡す)→10日間に分けて渡す→給料を任せる→自己管理してもらい相談があったり、悩んでいる場合にアドバイスする)。
  • 小遣い帳への配慮。(小遣い帳がつけれない人は一人一人に会わせた記入の仕方を、使った日に必ずつけるように努める、一緒につける)(月末にしめるときに、買った物を分類してみながらどんな使い方がいいか、話し合う。)小遣い帳と現金が合ったら次に渡す。
  • 他の人の使い方を見ておぼえる。

大きなものを買うときの援助の工夫

  • 計画をたてる
  • 月の始めに、服などの袋に分けて積み立てている。

3.生活している人が病気になったときのこと

(1)入居者が風邪などで仕事を休む場合、日中看病したり、病院に連れていったりすることがありますか?

33名の回答の内、「よくある」が3人(9%)、「ときどきある」が17人(52%)、「あまりない」が13人(39%)でした。6割の人がそうした経験をかなり持っています。

(2)入居者が病気の時、困ったことや解決のために工夫していることを書いてもらいました。

☆体が弱く、何時何処で倒れるかわからない人がいる。夜、帰宅中転んで頭を打ち救急病院に駆け込んだことがある。

☆仕事中風邪などで休む場合家庭に連絡し、帰らせることが多い。また、泊まっているとき病気の場合、世話人一人で考えるのでなく必ず近くのホームの世話人、また施設職員(また場合によっては園長にも)に相談し、病院にいくか決める。

☆授産所が近いため、日中は授産所で休んでもらう。微熱程度でも一応保護者に連絡をいれ、本人の意思も聞きながら話合い、一度家に帰っていただくか、そのままホームで過ごす(場合によって病院に連れて行く時等は、授産所職員に応援に来ていただく)。

☆病院が近いからあまり苦労することはありません。判らないときはバックアップ施設の看護婦さんに聞きに行きます。

☆病気や怪我の時自分で行動できる状態ならいいのですが、熱が高いときなどバックアップ施設と連絡をとり、誰かが顔を出してあげられるようにしていますので、一人で困ったり帰宅できないということはありません。

☆一人一人に注意しておりますが、外から風邪をうつされてくることが多々あります。風邪とわかればまづ入浴を止めて薬を飲ませまた、外出から帰れば必ずうがいをさせて、手を洗って、これだけは必ず守ってくれるよう言ってありますので本人達もお互いに確かめ合って守って居てくれます。

☆勤務時間外の仕事となります。一人体制のため拘束時間の延長となり、2日および3日と続くこともあります(バックアップ施設での本人の急用は無理と考えています)。解決策はありませんでした。

☆同伴の時もあるが入居者が一人で行く時もある。その時は症状を記したメモを持参してもらっている。

☆世話人の休日、日中ホームにいる場合、代替の人を頼みにくい。また、休日でない場合でも休んでいるメンバーがいればホームを空けられない。

☆一人が病気になると他の人が心配して不安定になる。どうしたのか、何時に帰るか(医者から)何時ごろ治るかなど何度も聞いてうろうろ落ち着かない。自分も病気になって世話人とお医者に行きたいと訴える。安心できるようにゆっくりと時間を取って話すか、施設の職員に来てもらう

☆作業所の診療所に行ったり、近くの医者に診てもらったり。

☆一人制のため職場が空になる

☆お陰様でまだ家族の方達が元気で、多くの場合引き受けていただいていますので感謝です。

☆自分から様子がおかしいと言ってくれる住人はいいが、なかなかはっきりと表現できない人がいる場合、体温を計ったり、様子がおかしかったりすることでしかなかなか病気であるかどうかわからない。

☆健康診断で異常が見つかったり、親族やバックアップ施設と相談して通院させた。


・病気にならないように健康面では注意している(食事、生活姿勢、運動など)。
・親しい医者が近くにあるので自分で行くようにしている(夕方土曜日)。<当初は連れて行っていたが、最近は自分で行ける>

☆風邪等に通院に一緒に行く(常にバックアップ施設と連絡を取りながら行動する)。ホーム内での仲間(女性)が脳内出血で倒れたときは、バックアップ施設に連絡して援助をしてもらったことがある。

☆病気になった原因、要因が何であったのか医師に判るように話してもらい、本人が納得して対処していくようにしている。

☆だれでも病気はするもの、時々なのだから仕方がない。それよりも日常的に病気や怪我をしないように、働きかけたり話をしていくことが大切、家族間でやられていることなので。


・24H援助職員が一人必要になるため、若干の日中活動及び他のホーム利用者への影響(人手が減る)は否めない。若干の職員には病状の判断が難しい場合がある。
・家(実家)、施設長、看護婦との連絡を密にすることで今の所凌いでいる。

☆困ったときはバックアップに連絡する。相談して処置をする。


・自分の病状がはっきり言えないので自病以外の時は付き添って行く。
・病状、生活の様子を手紙で医師に伝える。

☆ほとんどないことなので、1人で対応しているが、バックアップ施設や近くのホームの職員に頼むことができる。

入居者が病気になったとき

バックアップ施設、近くのホーム、家庭に連絡、援助を求めれるかどうか

  • 一人で考えずに、バックアップ施設や近くのホームの世話人と連絡を取り、対応を考える。
  • 通所施設がバックアップしていて家庭に戻れる時は、家庭で引き受けてもらう。
  • 日中は授産所が近いので、授産所で休んでもらう。

などの対応がとれるホームがある一方、

  • 一人体制のため、勤務外の拘束が2,3日続くことがある。

と厳しい状況のホームもあります。

入居者の体調が悪いことをどう見いだすか

  • 自分から表現できない人の時に、体温を計ったり、様子がおかしいことでしかわからない。

医者にかかるときの工夫

  • 自分の症状がはっきり言えないので、持病以外は付き添う。
  • 世話人も同伴し医師から本人に直接説明してもらう
  • 近い所にに親しい医者を作る。
  • 少しずつ、一人で通院できるようにする。
  • 一人で通院するときは、手紙やメモを持たせる。

病気にならないようにする工夫

  • 食事、運動に気をつける。

【これから考える必要のあること】

*健康管理について、予防、病状の見つけ方、バックアップ施設や家族との連絡のとり方、病気への対応ができる体制づくりや地域の医療機関との連携など。

4.生活している人の身辺介護について

(1)行っている身辺介護

図 でもわかるように、介護する、と答えた世話人の数は、食事場面で14人(44%)、トイレ場面で13人(41%)、入浴場面で15人(47%)でした。(未記入2名)。

通所施設がバックアップしているグループホームでは、介護する必要がある、と答えた人は、通勤寮や入所施設のバックアップしているホームより高く、食事場面で10人(71%)、トイレ場面で10人(71%)、入浴場面で11人(79%)でした。通所施設では、障害の重い人が入居しているためと思われます。

(2)行っている身辺介護を負担に感じますか?

「あまり負担はでない」と回答した人が20人(83%)、「かなり負担である」と回答した人が4人(17%)いました。(未回答10人。)

(3)身辺介護の仕事で困ったことや解決のために工夫している点について書いてもらいました。


・男子の入浴は週に1~2回授産所男子職員に来ていただく。
・ トイレや着替えは世話人のため異性介助になってしまう。
・送迎の必要な人には授産所職員におねがいしている。

☆ 食事作り・・仕事のない日ぐらいは男性も交替で、簡単な食事作りをするようにしている。

☆4名とも自分で出来る。

☆重度の方は居りませんから、何でも自分で出来ますから私の負担はありません。

☆各自独立したアパートに入っているので、部屋に帰ってからの生活は本人達の言うことを信じるしかない。困ったことは入浴の指導がうまくできないこと、本人達は入浴し洗髪したと云ってもカラスの行水ですぐ出てくるようだし、頭は臭くなる一方で髪はべとついている・・・こんな状態でもせいぜい頭を洗ってやりながら、ちょっと指導が出来るだけでその場限りになっている。入浴嫌いの人を入浴好きにするいい方法は?

☆同性介護は原則と思っています。トイレ、着脱、入浴への介護はそれに踏み込むことであり、仕事の負担というよりそれ以前の問題でしょう。代替者が男性の場合に援助をお願いします。

☆男性のメンバーの身辺介護(入浴、トイレ)などはできず、女性のメンバーへはときどき手助けをすることあり。


・異性の下半身にできものが出来た場合、大便を失敗したときの始末。
・入浴した時に丁寧に洗ってもらい、できるだけ本人の手の届く限り世話人は遠慮したい。大便失敗の場合は風呂場でシャワーを使って流すが世話人の手が必要。

☆私は食事作りを主にしていますが、中のほとんどが体重が上がる(増える?)のでメニューに困る。


・ 身障でお尻が拭けない→トイレの改造と練習で可能になった。
・ 水虫の治療→毎晩液をつける。

☆自閉症での仲間に対しての介助は非常に困ったことがる(実習で生活した仲間)。

☆職員と利用者との考え方の違い。

☆入浴については指導は必要な状況だが男性ばかりなので直接することはできない。週1回男性ボランティアに来てもらったり、代勤者に頼んだりしている。

肥満、清潔(洗髪、水虫)、トイレ、入浴時等の同性介助での内容が取り上げられ、トイレの改造、仕事のない日の入居者による食事作りがあげられた。

異性の入居者へ介助するときの問題と工夫(入浴、着替え、トイレなどで)

  • 男性の下半身にできものができたり、大便の不始末の時困った。
  • 週1回男性ボランティアに来てもらう。
  • 週1~2回授産所男子職員に来てもらう。

5.余暇時間と趣味について

6.人間関係、職場での問題

(1)このような問題がよくおきますか?

「あまりおきない」と回答した人が12人(36%)、「たまにおきる」15人(46%)、「よくおきる」が6人(18%)であった。

(2)人間関係や職場で問題が起きたときに、困ったことや解決のため工夫していることを書いてもらいました。


・個室がないため、お互いに感化してしまう。
・一人の状態が悪くなると、朝早くにゴリゴリしたり、他のメンバーを注意したり、喋くりが多くなる(しつこくなる)ため他のメンバーもイラついたり、ストレスになる(なるべく離すようにする)。
・(TVのチャンネルについては、一人が小型TVを持参しているため、とりあえずは何とかなる)。

☆仕事先に出かけ状況把握をする。住人さんだけの話だと偏っていることが多い。仕事場の奥さんと話し合う。両者の話を聞いた上で、もう一度本人と話をする。

☆身体面で病気を持っている人がいるため、体調の悪い日が続いた。

☆今、住まいしているところは近所の住民とは離れていますから、トラブルはありません。

☆出来る限りの時間本人の話に耳をかたむけ聞いて、話し相手になるようにしている(医師の指示により、あまりこちらの意見は言わないで唯聞くだけに心がけている)。

☆住人それぞれに(当然の事ながら)個性があり、ぶつかり合いもしばしばです。しかしお客さんなど第3者が来訪されると自然休戦になりますので・・・。時にはバックアップ施設の職員に来てもらい場の雰囲気を変えたりしています。

☆問題を起こした両人に問正すこと。そしてお互いに良く話し合って仲直りをさせてをおります。障害を持った人達ですので、応用することを知らないのでその点 諭して聞かせて和合させております。


・通所先でおこる問題についてはそこで解決するそれが基本です。それをホームまで引きずることは時々ありますが、ホーム職員としては全く知らない問題として各々の話を充分聞くようにしています(作業所とは連絡帳及び電話等で連絡をしあっています)。
・問題が起こる。一当事者達の話を聞く限り両方に言い分があることが多いものです。障害の状況、生活歴(仕方)によっても問題の捉え方、感じ方、行動の仕方等々大きな違いがあり充分に話を聞く必要があるでしょう。これは作業所内、ホーム内においても同じことが言えるものです。ことの善し悪しを即決すると問題が残ることが多いと思われます。それぞれ(居住者)をどう理解するか、職員の大切な仕事だと思います。

☆通所先でのお金のトラブルがあったおり、通所先スタッフと世話人が連絡をとりあい気長に注意を促し続けることを確認している。

☆作業所との連絡ノートをつけている(同じ法人内作業所のため、普段から連携がとりやすい)。


・ 職場の連絡張にて内容を知るが、ホームでも同様な状況が見受けられる場合はホームの仲間全員で話し合う。
・ ホーム内での問題については個人的にも注意を促すがやはり仲間全員の意見を聞いてから話し合うようにしている。

☆通勤途中、地下鉄満員のため人に押し出され途中下車、後どうしてよいのかわからなくなってしまう。通勤途中、転んで骨折。

☆先輩に聞いたり、指導を受けたり。

☆大きな声を出す人がいますが、時にはそのことを非常に気にする方もおりますので、両方の方々への声かけに気をつけている。

☆短期入所(2ヶ月)する重度の方が、グループホームに泊まるときなかなか落ち着かない。世話人だけでは対処できないと感じたので、バックアップ施設の職員の方に彼が落ち着くまで、一週間、様子をみてもらうことがあった。

☆ひとりの人がもうひとりの人をいきなり叩いて、叩かれた人は理由がわからず、間に入って叩いた人に理由を尋ねても確かめられずどうしていいのかわからなくなる。

☆タイミングをみて一人一人の良い点を認めあえるように話しかけ、お付き合いをすることに努力する。

☆職場に訪問して話合いをして解決している。必ずバックアップ施設に連絡して行動、どうしても手におえないときは応援してもらう。


・職場で発生したとき、その内容によっては職場へ出向き解決と努力する。
・ホームでは話合いの場がありますのでそこでみんなで話合い、解決していってます。

☆年齢が上ということもあり、他の仲間の世話をやきたがる。しかし、やかれる相手はあまりしつこいので閉口して怒ります。相手があまり快く思っていないことを双方を前にはっきりさせ、それでもなお続くときは距離をおくように気を配る。

☆問題が起きたときは本人の兄姉に連絡を取る、またはバックアップに連絡をとる。

☆トラブルが起きたときは一人ずつ訳を聞き、説教をする。素直な人たちでよく聞き入れてくれます。


・人の言ったことが気になって~仕方なく。帰って報告のあるときは仕事上の事は必ず守るように、他の事は気にしないように、軽く受け流すように。
・通所先でパニックを起こし大変だったが、今は職員で対応してくださり起きないようにしている。
・お互いに「言った」「言われた」という場合はみんなで考えるように持って行く。話し合う。

☆5人中4人が自閉症かその傾向がある人なので、ホーム内での横のつながりがほとんどない。会話も職員との1対1が多い。1人の仲間が他の1人を毛嫌いして暴言を吐くようなことをするため困っている。

人間関係・職場での問題

ホームでの 人間関係・職場での問題

(困ったこと)
・大きな声を出す。
・しつっこく他の仲間の世話をやきたがる。
・突然、他の入居者を叩くことがある、叩く理由がよくわからない。
・個室がないため、一人の状態が悪いと、他のメンバーにも影響する。
・短期入所の重度の人が泊まると落ち着かなくなる。
(解決のための工夫)
・時間をできるだけ作って、本人の話し相手になる。こちらから意見を言うよりも、話に耳を傾けて十分に聞くようにしている。
・タイミングを見て話しかけ、一人一人のよい点を認めあえるように、おつきあいできるようにしている。
・個人的にも、注意を促すがホームの仲間全員で話し合い、解決する。
・ぶつかり合いがあるとき、第三者の訪問があると自然休戦になることもある。そのため、時には雰囲気を変えるためにバックアップの施設職員に来てもらう(ぶらり訪問)。

職場での問題

(困ったこと)
・パニックをおこす
・お金のトラブル
(解決のための工夫)
・通所先の職員、仕事場の奥さん、と連絡を取り合いながら、気長に注意を促し続ける。
・職場に訪問して話し合い、解決する。

(3)問題が起きたときに、援助してくれた人と援助の内容を書いてもらいました。

☆本人と他のメンバーの状態を見ながらやや危ないなと思われる時は、授産所職員に来ていただく。

☆ 勤務先の方、病院のケースワーカー、バックアップ施設、左記の3者で話合いの場がもたれ対策案があげられた。


・ バックアップ施設である通勤寮の指導員が本人の話し相手になってくれた。また、それ以前に医師(精神科)やその他の場へ行く時、同行、行動を共にしてくれた。
・ホーム居住者の一人の母親がいつも気を配ってくれ、話し相手になってくれる。

☆通勤寮がバックアップ施設ですので、何でも誰からも援助可能にしております。

☆バックアップ施設の先生に事実を申し上げましてもあまり取り上げていただけません。もっとバックアップ施設の先生と理解し合って指導して行きたいと思っております。

☆通所先のスタッフが繰り返し注意を促し続け徐々に頻度が少なくなってきている。

☆作業所職員(メンバーとの話合いをしてくれ報告してくれる)。

☆職場での職員との意見衝突が原因で出勤出来なくなったとき、さらにだんまりになって世話人とも口を聞かなくなってしまい、職場の責任者であり理解者に依頼してじっくり話し合ってもらった。その結果、自分の意見を連絡帳に記入してもらい翌日出勤できた。

☆バックアップ施設で作業を中止(ほとんどの職員が手分け、捜査、地下鉄にも連絡) 上司、先輩、同僚など

☆バックアップ施設がすぐそばにありますのですぐ状況を聞いてもらえました。

☆施設職員・兄弟・近所に住む施設の保護者

☆職場に出勤せず行き先不明の時、会社で問題を起こした時、ヒステリーを起こしたりしてなかなか落ち着かない時などバックアップ施設の所長、職員に応援してもらう。

☆他施設の職員が援助してくれた。利用者との話合い。職場訪問。

☆話合いには職員も入りますので客観的に把握し入居者からも意見や提案をしてもらい解決していっている。

☆職員全員で検討し常に一致した対応をとる。


・通所先の職員が自宅まで送ってくださる。
・バックアップ施設に話し家庭との調整等手助けしていただく。
・職相等に話に行ってもらう。

☆近くのホームの職員、代勤者、バックアップ施設の職員。話し合っていますが具体的な方法はまだ出ていない。

問題が起きたとき援助してくれる人たち

バックアップ施設職員、仕事先の職員が多く、その他にも、ホームによっては次のような人が援助しています。

世話人さん + 

  1. 仕事先(通所施設、会社)の職員の人
  2. バックアップ施設の職員
  3. 入居者の保護者(おや、兄弟)
  4. 近くのホームの職員
  5. 病院のケースワーカー
  6. 同じ法人の職員(同僚、上司)

7.グループホームで生活している人と地域の人々との交流

(1)町内会に加入していますか

「している」が25人(74%)、「してない」が9人(27%)でした。加入している率を、グループホームのバックアップ施設別に見ると、通勤寮では10カ所(100%)、入所施設では7カ所(78%)、通所施設では8カ所(53%)です。

(2)隣近所の人とのトラブル

「あった」が5人、(16%)、「ない」が27人(84%)でした。(未記入2カ所)

(3)トラブルの内容と、どのように解決したかを書いてもらいました。

☆一人がお世話になっているスーパーの店長さんを、何が原因か分からないがいつの間にか嫌いな存在になり、その店長さんを見ると大声を出し逃げだしたりするため、本人に話し2、3度謝りに行くが関係は改善されない。店長さんの方も、本人に会わないように気を使って下さっている(私と一緒に行くと、大声は我慢して出さないが耳を押さえる。時々一緒に行ったり、本人自身店長さんのいない時を見計らって行く)。

☆ホーム近くにお住まいの方の畑の柿を1つ失敬して持ち帰ったことがあった。尋ねると“黙って取ってきた”と答える。“どうすればいい?”との問いかけに“謝りに行く”と答える。入居者が緊張した面もちで謝りの言葉を述べた後 世話人が不明瞭な言葉を補う。数日後そのお宅からお好きなら食べて下さいとたくさんの柿をいただく。入居者が正直に非を改めたことがよく理解されたためと思われる。それ以降毎年そのお宅から柿の季節にたくさんいただいている。

☆ 仲間達への理解が行き届いてなく、時間をかけ話したところ庭木選定ボランティアに来て下さいました。


・トラブルのあった相手も精神障害者であるため、まだ話合いに至っていない。
・消防車をいっぱい呼んでしまった。謝って歩いた。
・犬が噛みついた。保健所に報告。謝る。

☆入所者同士で喧嘩して、うるさかったために近所から苦情を言われた。解決・・・結局、世話人とバックアップ施設長が隣近所と大家に詫びに行った。

☆隣の人(ホームの大屋さん)の飼犬に石を投げた。ホーム職員が謝罪したが「出て行ってくれ」と言われた。寮長と一緒に謝罪し解決。

入居者が近所の人とおこした問題と解決の工夫

問題
・スーパーの店長さんを見ると大声を出し、逃げ出す。
・畑から柿を失敬する
・消防車を呼ぶ
・ホームで飼っていた犬が人に噛みつく
・入居者同志でけんか。うるさいと言われる。
・隣の家の人(大家さん)の飼い犬に石を投げる。
解決の工夫
*世話人さんが本人と謝る
(大変だとバックアップ施設の施設長も一緒に行ってもらう)
*事件をきっかけに入居者のことをわかってもらい、柿の季節に柿を持ってきてもらうようになった。「災い転じて福となる」。

8. 世話人さんと地域の人々との交流

(1)隣近所の人々と近づきになるために工夫したことがありますか?

「ある」と回答した人20人(74%)、「ない」が11人(26%)でした。(未記入3人)

世話人さんが地域の人々と近づきになるために工夫したことを書いていただきました。


・朝起会という会に私も時々顔を出すようにしている。
・何処かに行ったおりにはお土産を渡す。
・朝、外の掃除をする(マンションの入口)。

☆ 区内の一斉清掃、盆踊り大会、祭り等に保護者、住人さん達と一緒に参加する。

☆ グリーン運動に参加したり、地区の作業には率先して出るようにしている。

☆ 特に工夫したことはないが町内での公園清掃や盆踊りなど行事にはできる限り参加している。買物は地域でいつもし、ホームの存在をできるだけ知ってもらうようにしている。

☆住人として自然に生活しております。近所の方との挨拶、おみやげをいただいたり、あげたり、ホームの人達が主役ですので、その辺がスムーズに行えるよう気を配っております。


・ホームは商店街にあるた日常的に、買物についてはそこを利用しています。また、居住者においても買物をしているため非常によい関係が出来ています。
・町内の行事においてはその集まりの場にもなっており、居住者への理解も深いものがあると思います。
・町内には障害者の方がいます。その方にホームでの行事(月2回バックアップ施設の障害者および法人内の他施設の障害者を対象とした集まり)にも参加してもらっています。

☆特にないが日常的な挨拶と回覧物届。


・ 通信(ホームだより)を入居者と共に作り、地域の回覧版で廻し読みしてもらっている。
・入居者同伴でよく犬の散歩をするがその折り隣近所の方と自然に言葉を交わす場面が多々ある。

☆ホーム便りを回覧してもらう。地域掃除に参加。

☆町内に引っ越した当初、大家さんに付き添ってもらい近所に挨拶回りをした。普段できるだけ歩きか、自転車で行動するよう心がける。挨拶も交わせるし、時間が許せば立ち話もできる。共同購入(牛乳)のポストとしてホームを利用してもらうことを考えている。


・グループホーム便りの配布。子供会のお餅つきに参加。神社の掃除。公園の掃除。台所ボランティアのお願いのチラシ配布。牛乳パックを持ってきて下さる(バックアップ施設で回収)。
・順番制で組長もする。町内の集会に出席。

☆庭に花を植えたりした。


・地区の清掃、神社の清掃に積極的に参加。
・地区の運動会に参加。


・町内の運動会
・婦人の会方々との会食
・町内の掃除
・施設を利用していただく時に手伝います。

☆世話人自らが近所の方に積極的に挨拶したり、その近所(組といっているが)の方の集まり、例えばゴミ0の日、ソフトボール大会、運動会など仕事でない限り参加していく。

☆粗品を持って挨拶に行った(入所時)。普段は挨拶を交わす程度。


・作業所の機関誌を配る。
・世間話。

☆日頃から挨拶を欠かさない。仲間の作った新聞を隣近所に配る。

☆ 近所に挨拶に回ったとき、どの家も花をたくさん咲かせてありました。私も大好きなのでこのホームを花いっぱいにしてみようと努力し、その甲斐あって今では近所の方達が声をかけて下さるし、押し花の稽古にも誘っていただくようになりました。


・町内会の行事に参加する(運動会、盆踊り)。
・行事のない休日の朝歩道の掃除をする。
・郵便局等へも連れて行く、買物も。

☆去年町内会の当番をやった。

1.地域で行われる行事、町内会、サークル等の交流活動に参加

  • 一斉掃除、神社掃除、運動会、盆踊り大会、婦人の方々との会食、
  • ソフトボール大会、町内会組長

2.ふだんの日常生活の交流を積極的に行う

  • あいさつ
  • 買い物をできるだけ近くの地域で
  • おみやげをあげたり、いただいたり。

3.人間関係を作るきっかけのためにちょっとした工夫をする

  • 犬の散歩
  • 花を植える
  • ふだんは、徒歩、自転車で移動する

4.ホームからの発信

  • ホームの新聞を町内の回覧板につけてもらう。
  • ホームの行事に近くの障害の人を招く

(2)隣近所の人々に援助してもらったようなことがありますか?

「ある」と回答した人が18人 (53%)、「ない」が16人(47%)でした。

隣近所の人々に援助してもらった内容を書いてもらいました。

☆本人達が一人買物にいった場合、人によっては予定外の物まで買い、お金が足らなくなった場合、お金を取りに行き戻るまで待っていて下さったり調節してくださる(スーパーすぐ前なので)。

☆バス通勤のため、途中で雨になったりした時近所で傘を借りた。

☆管理人さんに何でもお願いします。

☆ホームがまだ新しいので援助してもらったことはないが、皆とても好意的に見守ってくれてることが感じられる。

☆暖かい気持ちで受け入れてもらっていると思います。

☆日常的に援助をしてもらっているのですが、居住者の買物への援助があります。居住者においても、例えばお金の不足が生じた場合、すぐに払いに行く等があり信頼されており、良い関係が出来ています。

☆近くの喫茶店へ仲間だけで出かけたおり、代金不足になり、そのお店の方がその旨記したメモを仲間に持たせてくださり、不足代金を届けたことがあった。このような思いやりのある援助はとても有難く思っている。

☆雨の時、洗濯物を取り入れてくれるなど気にかけてくれている。世話人の休日にボランティアとして夕食作りにきてくれる。

☆食事作りのボランティアさんは皆さん(6名)近所の方々なのでその都度話すようにしている(世話人の休日の夕食作り、月3回)。

☆毎週月曜に夕食作りに来てもらう。

☆ふらふらと門を出てしまった方がおりましたが、行き先を教えていただきました。

☆夜、安全確認があまり出来ないホームの人が世話人がいない隙に施設外に出てしまったとき、近所の人が世話人に知らせに来てくれて事なきを得る(その人は道のまん中を歩いてたようである)。


・急に雨が降ってきた時の洗濯物の取入れ。
・ 旅行の時の猫の餌。
・ 電源の切れた時。

☆地域のボランティアグループの方が週に一度食事を作りにきてくれたり、一緒に行事に参加してくれたりする。

☆利用者の話合いになってくれる(先方は、援助とは思っていないかもしれないが)。

☆隣が大家さん(施設利用者の家)であるため、洗濯物の取り込みなどいつも心を配っていただいている。長年そこに居住してきたお宅なので、大家さんを通じ他の隣近所の方々も理解して下さっているようで特別なトラブルもない。


・鍵をかけ、うっかり置いて行かず家に入れなかった時隣家へ入らしてもらった。
・アルミ缶集めをしている時、近所の方がたくさん持ってきて下さる。

☆前述の大屋さんが仲間の話相手になってくれる時もある。

隣近所の人からしてもらった援助

1.ホームの外で突然、困った状況になったときの援助

  • 買い物でお金がなくて困ったときに
    (取りに来るのを待っててくれた、代金不足のメモを渡しホームに伝えてくれた。)
  • 外出して行方がわからなくなったときに、連絡してもらったり、本人に行き先を教えてもらった。
  • 急に雨に降られたとき、傘を貸してくれた、洗濯物を入れてくれた。
  • 居住者が鍵を持たずに出かけ、世話人さんがうっかり家に鍵をかけ外出してしまったときに隣家に入れてもらった。

2.計画的な援助

  • 食事作りのボランティアさん。
  • アルミ缶集めの時に、いっぱい持ってきてくれる。

世話人さんの週休や休暇について

1.休みはとれますか?

休暇について、「かなり困難である」と「やや困難である」と回答した人を合計して、休暇をとるのが困難な順序に並べてみると、「有給休暇で、(病気等で)緊急に休暇をとる場合」がもっとも高く、18人(64%)が困難を示しています。続いて、「有給休暇で、あらかじめわかっている場合」11人(33%)、 「週休」6人(18%)「夏期休暇」5人(15%)、「年末年始」2人(6%)となります。

世話人さんが週休や休暇をとれるかどうかを示した棒グラフ

週休、有給休暇(2項目)、年末年始、夏期休暇の5項目全部に「かなり困難」と回答した人が1人います。また3項目以上に「かなり困難である」あるいは「やや困難である」とつけた人が8人いました。

その一方、5項目のすべてに「大体とれる」とつけた人が13人います。休暇のとりやすさにもかなりのばらつきが見られます。

2.勤務時間外に職場から緊急の用事が入ったときはどうしますか?

「大体は、自分で対応する」が17人(50%)、「大体は、バックアップ施設に頼む」が8人(24%)「家族や知人、近所の人にたのむ」が2人(6%)、「自分で対応する」と「バックアップ施設に頼む」の二つを選択した人が3人(10%)でした。(未記入4人)

3.時間外勤務はありますか?

「よくある」が10人(31%)、「ときにある」が14人(47%)「ない」が7人(17%)でした。(未記入2人)。

4.時間外勤務のときに、代休や超過勤務手当はありますか?

前の設問で、時間外勤務が「よくある」と回答した10人の内、「代休がある」が1人、「超過勤務手当がある」が2人、「特にない」が7人でした。また、同じく前の設問で、時間外勤務が「ときにある」と回答した14人のうち、「代休がある」が1人、「超過勤務手当がある」が7人、「特にない」が4人でした。「代休」と「超過勤務手当」の両方あると回答した人が2人でした。

世話人さんの研修と相談

1.研修

(1)研修の機会はありますか?

「あまりない」が100人(30%)、「ときどきある」が14人(42%)、「よくある」が9人(27%)でした。(未記入1人)

(2)この1年間に参加した研修会の名前を書いてもらいました。


・ 通勤寮、グループホーム等職員研修会
・ 全国グループホームスタッフ研修会
・ 東海地区地域生活研究懇談会

☆障害の重い人の地域生活援助-スウェーデンの実践に学ぶ-


・ 新規採用者研修 名古屋市
・ 社会福祉施設現業職員基礎研修県社会福祉協議会 県福祉人材センター
・新規採用職員研修会 手をつなぐ親の会
・“グループホームを考える” 共に生きる会
・全国グループホームスタッフ研修会 シンポジウム・・聴講のみ 朝日新聞厚生事業団

☆愛知県精神薄弱愛護協会


・ 平成6年度心身障害児(者)在宅援助セミナー
・ 全国グループホームスタッフ研修会

☆地域生活援助セミナー(育成会)

☆通勤寮、グループホーム職員研修会、東海地区地域生活研究懇談会、全国グループホームスタッフ研修会、地域生活の推進と生活寮セミナー(横浜)

☆いろいろで忘れました。職員会議交流会、その他たくさん

☆全職員研修5回。新人職員研修2回。個人的に5回。入社式で1回。

☆長崎なずな合宿研、栄養士・調理師研修会

☆全国大会、(横浜)グループホーム(北海道)洞爺湖研修

☆通勤寮、グループホーム等職員研修会

☆西尾市インシデント 研修会(毎月1回)

☆グループホーム実践交流会(月1回)、職員研修(全職員)(月1回)、県、市、障害者関係の研修 年1回位づつ、全国集会(障害者団体)

☆共同作業所全国大会。全国グループホーム研修会

☆愛護協会(グループホームの発展をめざして)


・ 第4回「地域生活の推進と生活寮グループホーム」セミナー
・ GH援助者会議隔月1回

☆グループホームセミナー

(3)5つのグループホームの研修会について、案内のお知らせを見たことがあるか、また、参加したことがあるか、を聞きました。

案内のお知らせを「見たことがある」と答えた研修会を、高い順にあげると、全国グループホームスタッフ研修会(朝日新聞厚生事業団主催)28人(82%)、通勤寮・グループホーム等職員研修会(愛知県精神薄弱者愛護協会主催)26人(77%)、東海地区地域生活研究懇談会(東海地区精神薄弱者愛護協会主催)20人(59%)、地域生活の推進と生活寮等セミナー(日本精神薄弱者育成会主催)15人(44%)、在宅支援セミナー(日本精神薄弱者愛護協会地域福祉委員会主催)9人(27%)でした。

また、「参加したことがある」と答えた研修会を、高い順にあげると、通勤寮・グループホーム等職員研修会18人(53%)、全国グループホームスタッフ研修会10人(29%)、東海地区地域生活研究懇談会10人(29%)、地域生活の推進と生活寮等セミナー9人(27%)、在宅支援セミナー1人(3%)でした。

説明会の案内の有無と参加したかどうかを示した棒グラフ

2. 世話人さん同士の交流

(1)世話人さん同士で交流する機会がありますか?

「ある」と答えた人は、18人(56%)、「ない」と答えた人が、14人(44%)です。

これは、一つの法人がグループホームを一つだけ持っている所と二つ以上持っている所では違いが見られました。グループホームを一つだけ持っている法人の世話人さんは、「ある」と答えた人が3人、「ない」と答えた人が「9人」です。交流する機会はない、の人が多くなっています。

一方、グループホームを二つ以上持っている法人の世話人さんでは「ある」と答えた人が15人、「ない」と答えた人が5人で、交流の機会がある、人が多くなっています。

これはグループホームをバックアップしている施設の種別違いが見られました。「ある」と答えた人数と「ない」と答えた人数を較べると、通所施設がバックアップしているグループホームでは5人対10人と「ない」と答えた人が多いのですが、通勤寮がバックアップしている施設では7人対2人,入所施設がバックアップしているグループホームでは、6人対2人と「ある」と答えた人が多くなっています。

(1)交流する機会がもっとあればいいと思いますか?

「思う」と答えた人が、25人(83%)、「思わない」と答えた人が、5人(17%)である。(未記入4人)。法人がグループホームを持っている数に限らず、またどのような施設がバックアップしているかに限らず、もっと交流があればいいと思っている世話人が多いことを示しています。

世話人さんどうしの交流の有無を示した棒グラフ

3. 世話人さんの相談相手

(1)困ったときにバックアップ施設に相談にのってもらうことができるか

「十分にできる」が21人(67%)、「だいたいできる」が7人(23%)、「もっと相談にのってもらいたい」3人(10%)である。(未記入3人)。

「もっと相談にのってもらいたい」と答えた3人のうち、次のバックアップ施設以外で相談にのってもらえる人がいますか、という設問で「いる」と答えた人が1人、「いない」と答えた人が2人いる。

(2)バックアップ施設で相談する人がいますか

「いる」が23人(72%)「いない」が9人(28%)である。(未記入2人)

(3)こういうときにこそ相談にのってくれる人がいればなあ、と思うときはどのような人に相談してもらいたいか、書いてもらいました。


・自分の考え方、やり方に対して自身が持てない時には、同じ立場の方にどのようにされているのか聞きたい。もし自分が間違っていれば注意やアドバイスをして欲しい。また、良い点などは認めて下さると励みになる。
・同じ立場(一緒に頑張っている)の方がいるだけでも心強いし、また事情はそれなりに分かってくれる第三者もいると気持ちが楽になる。

☆住人さんの企業でのトラブルがあった時、グループホームや企業の事を把握している人。

☆同じ職場で同じ仕事をする仲間が一番納得がゆく相談相手だと思うので、専任勤務ですと孤立しがちですし、喜びも痛みも本当に分かち合える仲間が欲しいです。そういう仕事のシステムだと良いのですが。

☆金銭の問題です。特に一ヶ月グループホームに研修にきた人の食費を払ってもらえない場合、バックアップ施設に請求してもいろんな経費が消化されても、支払ってもらえない時誰にお願いすればよいのか分からず非常に困っております。市では私一人だけですので思案にくれております。よろしくご支援の程お願いします。

☆現時点ではないが、入居者が入院した場合など他の入居者のホームでの生活に支障がないよう、即対応できる支援体制と人がいればと思う。

☆医療面で不安なとき、専門家(医者、看護婦)などのアドバイスがほしい。

☆精神的に不安定になり問題行動が出るとき。何故彼が不安になるのか日常の生活を充分理解した上で相談出来る人?

☆バックアップの方で充分に思う

☆夜間、例えばお腹が痛いというような表現をされてもどのくらい痛いのか、朝まで待ってても大丈夫なのか心配です。お医者さんともっともっと話せたり、診てもらえたらいいと思います。

☆全員でレクリェーションを行うときに計画を立てたり、実際に参加してくれる人。

☆同職種の人達、バックアップ施設の所長、主任等。

☆判断に迷うとき体調や不安定さで出勤させるべきか迷うとき。

☆建物が老巧化しているため、今後の修理等に相談にのってくれる専門家が欲しい。


・精神病の人の将来について・・児童課、医師
・結婚について・・親の。

☆入所者の問題と思われる行動について。その人を担当したことがある人。

こういうときこそ、相談にのってほしいときと人

1.同じ仕事をする人に相談したい

  • 自分の考え方、やりかたに自信が持てないときに、他の人がどうやっているか、聞きたい。
  • 間違っているときに、注意やアドバイスがほしい。
  • 孤立するため、喜びも悲しみも分かち合える仲間がほしい
  • 良い点を認めてくれると、励みになる

世話人以外の人で相談したい人

  • 医師、看護婦(病気の時や精神障害を併せ持つ入居者との対応で)
  • 問題行動への対応を相談できる人
  • レクリエーションの計画を立てたり、参加してくれる人
  • 建物老朽化のため、修理の相談にのってくれる人
  • 企業のことをよく知っている人
  • 事情はそれなりにわかってくれる第三者の人

世話人さんの身分、待遇、グループホーム・生活ホームの制度などについて「こうなったらもっといいのに」という点について書いてもらいました

☆グループホームの制度に対して・・
・いきなりグループホームで生活するのが困難な人には、実習としてまずは短い期間から始め徐々に慣れてもらい段階を得てやっていけられるように、実習として行える(レスパイトの一端にもなる)制度の確立を強く望む(重度の人に対しては、人手の確保はもちろん)。
・レスパイトサービスは、在宅の方達と同様にグループホームもサービスを受けられられるようにしてほしい。そのためにも在宅支援の充実を望む(老人も障害者も同じ)。
・ バックアップ施設がある安心な面ももちろんあるが、法人の枠が壁となっている部分も大きいように感じられる。(グループホームが自立出来るような体制ずくり)

☆世話人の数を増やすだけでなく多方面の福祉の充実を望む


・市営住宅の開放。
・2人の職員(世話人)で出来たらいいと思う。一人だと実際を正しく分かってもらえないためつらい。2人になれば休みなどもとりやすくなると思う。

☆現在は特にないのですが、将来今施設に入っている方々が年を老った時のことを考えると不安な面というのがあります。ですから、グループホームというのは障害者と健常者の交流という意味ではとても意義あることですし、これからももっと広げて行くべき制度だと思いますが、将来の事をどうするかということをきちんと考えた上で行っていって欲しいと思います。

☆自分達のホームでの生活になれるのに精一杯で、まだあまり意見を述べるまでになっておりません。ただ、私が所属している法人とは別個に私個人(ホーム)として休みがきちんとあったらと願っています。

☆私は今の職場では経験が浅く、思うところ、考えるところが浅いとは思いますが、身分とか待遇とかより与えられた職場ですのでよりよい仕事をして、区別や差別される人間や、仕事内容にはなりたくないと思っています。制度についてはホームの住人さん達の、プロセス等にもより一概には言えませんが、住人さん達の生活を尊重していける幅広い援助内容でありたいもので、制度というよりその中での関わり方によって良くも、悪くもなってゆくと思います。

☆ホームは新築したばかりの家を貸与したのです。でも入っている障害者は、鉄筋の家で暮らしていたのか家を大切にする心が全くありません。ホームは始まってまだ3年しか過ぎておりませんが、建具は破れ、壁はキズだらけにしてあまりにも惨めな部屋になっているのを、どのように指導していったら自分の住居に心遣いをするようになるのかと・・・あまりに惨めになった部屋を眺めて悲しんでおります。バックアップ施設の先生にお話申し上げても真面目に話し合っていただけません。これから長い年月 住居 家具 必需品の大切さを常識として心得ていくことが出来るよう指導するにはどのようにしていったらよろしいのか。この悩みを相談してくださる方があったらもっといいなと思います。


・4~5人の生活者で職員1名という体制では問題は大きい。生活ホームは文字どおり生活の場であるため、24時間開いている事が必要であると考えます。そうした場合現在の体制ではそれが出来ないということになります。抜本的な解決策が必要と思います。複数体制とし、職員も名実ともに正規職員で24時間開けておくためにはホームが点在していては困難がある。一定地域にグループホームが一定の数があり、それをコーディネートするセンターが必要でしょう。また生活者の生活をより豊かなものにするために地域ネットワークが必要と思われます。
・グループホームで生活したいという要求は高いものがあります。一定の力を持った人だけに限らず障害が重いといわれている人も多くいます。また、障害が重いといわれたいる人が生活しているホームでの実践も進んでいます。グループホームのも各々の特徴があっていいはずで、またそこへの暮しや、家庭での生活も含めて地域支援センターが必要でしょう。
・生活している人の経済的な保障が必要、せめて家賃補助をする。
・現在のグループホームは住居環境にばらつきがある。一定の条件を整える必要があると考えます。公団等の利用が出来るように改善を(自治体の努力が必要)。
・名古屋市においては正規職員ですが、国の基準が違う。身分の問題もそうであるが、仕事として考える場合正規の職員として行う必要があり専門的知識も必要であると考えます。

☆グループホームに対する要求は高いと思うが制度的には貧困で行政がもっと現場の声を聞き改善をしていく姿勢をもってもらいたい。


・グループホームでの現行制度では就労している人・世話人1人体制であるが、就労していなくても可、また世話人複数体制になればより重度の人も暮らせるようになると思う。早期の制度改善を望む。
・グループホーム家捜しが困難な現状であるが、市長村の積極的な援助(家の斡旋)があればと思う。


・世話人という職名がおかしい。もっと適当な呼び名はないのでしょうか。愛知県は恵まれていますが、全国的に身分は低くもっと保障をして行くべきでしょう。
・このままでは重度の人がホームを利用できない。施設に閉じ込められたまま一生が過ぎます。世話人を2人制にするとか、代替を利用するとかして介護度の高い人も入れるホームにしていくべき。
・ 在宅の人とかがグループホーム生活を体験できる所を作ってほしい。
・ バックアップ施設ではなく、支援センターがほしい。


・日常の暮しの世話人とその他の金銭、医療、職場での問題についての相談等、別の職員が配置されるとよいと思う。
・グループホームのメンバーが生活全体を一人の職員との関わりのみが中心となることは避けるべきだと思う。
・勤務時間をきちんと割り出しにくいこともあり、また休日も朝食の世話までボランティアを頼れず、すっきりした休日にはなりにくい。何か工夫が欲しいが複数の職員がいくつかのホームを兼任するという形もよいかも。

☆仕事、ボランティア、私的部分と世話人の仕事は区切りがなく(特に同居の場合)若い人たちの職場になりにくい面がある。複数制、交替制が必要。重度の人たちもグループホームで生活することによって、意思表示が明確になり本人の意欲が出てくる。人間関係のバランスがよくなる。また家族の人たちも制度化されて世話人の充実した援助を希望している。彼らが健常者のようにすることに価値があるのではなく、充分助けを借りながら本当にしたいこと、自分で選んだ事をしてゆく(自己管理)のが自立ではないかと思う。

☆もう少し日勤が月に3回ほどほしい。ホームのなかの掃除などが充分ほしい。お母さん達にたよりにされている時。どこまでやってあげればいいのか? やってあげたい。

☆体制を厚くしてください

☆現在の待遇に関しては何等問題はなく有難く思っております。しかし、グループホームの性格上孤立化しやすい職場になりうるものを持っていると思います。風通しよく、支え合うことの出来るよう多くの知恵や、優しい眼差しが一般化して行ければいいと思います。

☆グループホームの世話人としては、経済的に恵まれていたり、バックアップ体制がしっかりしているが、グループホーム世話人の研修に行くと必ず、その2つが問題点となる。ホームからみればあまり問題とならないこともいろいろな話を聞くうちに、世話人の身分保障、余暇の事など制度的にもしっかりしたものにして欲しい。誰かの善意でやっていては必ず限界があると思う。


・グループホームに対する予算をもっと増やして欲しい。
・業務委託契約で一年毎に契約を更新しなければならないので世話人の身分をもっと安定したものにしてほしい。


・たくさんの人達に制度を利用してもらいたい。そのためにも建設費、家賃などの補助が認められていくとよい。
・生活ホームも国、名古屋市立の基準になったらよい。
・ホームの制度そのものはよいので施設、地域の関心のある人達と連携しあってその輪を広げていきたい。

☆病気療養中の代替や職員の補充を制度的につくってほしい。宿泊中、個人的用件(緊急時)が出た時の要員を必要と思う。家賃の補助をお願いしたい。仲間の負担を軽くすることによって、仲間への対応がもっと良くなる(現在ギリギリの生活と思う)。


・指導員として身分も保障(生活保障)して最低でも2人は必要です。
・行政も積極的に住宅の確保をして人間らしい生活が出来るようにしてほしい。
・家賃を援助して安定した運営と生活ができるようにしてほしい。


・重度・重複障害の人達とホームを考えた場合、一人の世話人では無理がある。最低でも居住者4名に対し2名の世話人が必要、介助に人件費を保障していただきたい。(現在地域の有償サービス団体にお願いし、家賃等の援助をしていただいている。こうした団体への助成も必要)。
・公営住宅が現在の生活ホームでは利用できない重度・重複障害の人達にとっては、一般の借家の利用は建物の大幅な改造が必要なため難しい(改造を含め優先利用を考えてほしい)。
・現在の措置体系の見直し(地域生活者が安心した生活が出来るよう年金等の大幅な増額)


・ 家族と同居の在宅生活から、個々人にふさわしい自立生活に移行するためのシステム作り。
・ 同一地域の複数のグループホーム、生活ホームを抱括し、障害者の地域全般についてコーディネートできる機関(地域生活支援センター)の設置。
・法人の職員なので身分保障があるのでよい。
・うちは国型なので身内は人数内に入れない現状であるけどこれを市同様にしてほしい。
・グループホームをやりたい人にやってもらいたい。そのためにバックアップ施設、法人、規約を改正しなければ・・と思う。


・1つのケースを2人以上の目で見られるように・・昼間の通院などの対応が時間外勤務にならないように。複数配置を希望。
・ 公共の住宅の斡旋。
・医師など各専門家との連携。

世話人の待遇、ホームの制度などについて

世話人の待遇

世話人を複数にしてほしい
理由

  • 24時間の生活の場である障害の重度の人も暮らせるように
  • 昼間の時間外の通院付き添いが時間外勤務とならないように
  • (一人だと)実際を正しくわかってもらえないため辛い
  • 1つのケースを二人以上の目で見れるように
  • 生活全体に一人の職員との関わりのみが中心となるのは避けるべきだ
  • 休みがとりやすくなる

世話人を正規職員に

  • 1年毎の契約更新でないように
  • 専門性を
  • 代替勤務者を
  • 病気療養中の代替や、個人的な緊急の用件ができたときの代替要員が必要。

入居者の援助

  1. 経済保障を
    • (せめて)家賃援助
    • 年金の増額を(現在ギリギリの生活です)

グループホームの運営を支える仕組みを考える

  1. グループホーム数件をコーディネートするセンターがほしい
  2. 生活支援センターを
    • 多方面な福祉の充実から
    • 入居者の生活をより豊かなものにするために
  3. 在宅の人がグループホームの生活体験を出来るように
    • グループホームで生活する事が困難な在宅者に、グループホーム生活を徐々になれてもらう。
    • グループホームの入居者もレスパイトが受けられるように

グループホームを作りやすくするために

  1. 住まいへの家賃、建物補助
  2. 公団等の利用が出来るように。
  3. 住居環境にばらつきが大きすぎる
  4. 公からの家の斡旋を、行政も積極的に住宅の確保を。

グループホームでの運営を安全にやりやすくする

  1. グループホームの入居者もレスパイトが受けられるように

バックアップ施設に対して

  1. バックアップ施設は安全だが、法人の枠が壁になる。グループホームが自立できる体制が必要。
  2. バックアップ施設ではなく、支援センターがほしい
  3. これからの問題に対応できるグループホームの制度を
  4. 高齢に対応して

その他

  1. 制度も大事だが、中での入居者との関わり方が大事。
  2. 風通しの良いホーム、ホームの多くの知恵が一般化するような体制を

世話人の仕事をしていて「やっていてよかった」あるいは「もうやめたいと思った」などの体験を書いていただきました


・この仕事は、生活が仕事になるという矛盾がそもそも息詰まってしまうのだと思う。その部分での心の葛藤は常にあるが、かと言って仕事でなかったら、私もそこまで「やろう」と思ったかと考えるととても自信がない。今は仕事としてだがやらせていただいて良かったと思う。
・「やめたいと思った」時は皆に対して可能性を引き出すどころか押しつぶしてしまっているのではと、うまく対応しきれない自分に自信をなくす時(もともと自信はないのだが)また、ホーム運営面に対しては、つき進んで行くことが難しいと頑張れない自分に対し思う。長く続けられる仕事ではないと現実を身に感じた時。
・「やってよかったと思った」ことは、ゆっくり、少しづつではあるが皆の成長を感じられた時や皆を通して自分自信を反省し、また皆に支えられている実感出来ること。「家庭」とはどういうものなのか、いろいろと考えることができなぜ大切なのか等学べたこと、本人達を含め、色々な方達が頑張っているのだと知ることが出来たこと。

☆少人数で生活の場ということで、話したいこと、悩みなどじっくり聞くことができる。問題がでても一人一人に時間をかけて対応が出来る。

☆1年半経過したところでバックアップ施設の暖かい援助をいただいてやっています。グループホームに入っている4名とも自分達で生活面も仕事面もだいたいやれる人達なのでとても助かっています。触れ合っていると私が学ばせていただくことも多々あり勉強になります。

☆期間がまだ短いので「もう辞めたいと思った」経験はまだありません。いろいろなことがありますが、それを越えて毎日の彼らとの生活が楽しいです。グループホームの世話人になってよかったと思っています。

☆ホームの人達に巡り会って人生の面白さが、また一つ増えたようで本当に人と人との仕事でよかったと思っております。

☆グループホームを開業して入居者と暮らしている間に初めの頃はお客様でも迎えたような思いで毎日を過ごしましたが、年月が流れてお互いに何もかもある程度の生活態度を知るようになった。しみじみ暮らしている内にいろいろなことがあったなと。思いだしてみるとあまりにも家にきた人達の哀れさに気がついたのです。着る物、持ち物、日用品の不自由さに、それでもよいと思っているのでしょうか。季節を凌ぐ衣類も満足に持たない現状を見かねて、時折我が娘の衣類を与えて暮らした今日までの日々、こうした不自由さをバックアップ施設の寮長に相談しても相手にされなかったけれど、私は負けないで貧しい人を求めてきたことにグループホームをやってよかったと思っている。まだ申し上げたいことは無数にありますがまたの折りにしていただきます。今後とも宜しくご指導下さいますようお願いします。


・たまにホームを訪問される方から仲間が生き生きしていると伺う時などよかったと思う。
・ホームがスタートして間もない頃は他人とのコミュニケーションの方法が大変ぎこちなかった仲間が、最近では初めての方にでも挨拶できるようになるほど仲間の暮しぶりが徐々に豊になってきていると実感するときよかったと思う。


・一人一人のメンバーとじっくりつきあうことができ、人間的なつながりをより深く感じることができる。
・全てのことが世話人一人の肩にかかり、良き相談相手がいなければ精神的にかなりしんどい(様々な判断をしていかねばならないので)。

☆特になし。この仕事に就いてまだ半年、細かい問題はあるが楽しいことの方が多いように思う。

☆「お母さんと話がしたくってひとりぼっちで幾夜泣いたか」と聞かされたときは、自分は何を求めてこの道を選んだのか、家族とは何かずいぶん悩み気持ちがゆらぎました。ある著に「人が家族に包まれて暮らせるのは恵みだが、その温もりに酔うのは危険である」と。他者と出会う自立への言葉に励まされ、人は悩みや寂しさを抱えながら成長してゆくのだろうと信じた5年間。彼等と生活を共にし、結婚する娘が「いろんな人から“一緒に住んでえらいネ”と言われるのが一番嫌だった。「私は偏見も差別もしない。人間として対等だと思っている」と話してくれた。一緒にいて悩んだり考えさせられたり、助けてあげなくてはといった感覚ではなく、全く対等な立場であったと思う。お互いに迷惑をかけあいながら育ち、育てあって行きたいと思う。今、みんなにありがとうの感激の気持ち。

☆会議が持てず、取り組みに幅が持てない。視野が狭くなりがちである。研修よりも集団がないというところに問題があるのでは?

☆彼らの特性は人に対して根をもつとか、いじわるとかする世界ではなく、時々ユートピアに思える時があります。やすらぎを頂くことも度々で主人と贅沢な職場だねと語り合うことがあります。しかし、疲労したりしてきますと、彼らのおおらかさを見ることなくケアの部分が大きく感じたり、ことばではないメッセージを感じとることなく、語り合うことの出来ない孤独ばかりが大きくなることがあります。グループホームが孤立していると思えてしまう時はハッピーではありません。


「もうやめたいとおもった」こと・・・7年以上も施設の指導員であったため、夜働くということが体に馴染んでなく、まして世話人の仕事を始めた2ヶ月は住人さんも知らない。まして掃除、朝食作りなどこれまで30年近くの人生に於てあまりやったことのないことへの不安、苦痛などから正直にいって逃げだしたかった。
「やってよかった」こと・・・バックアップ施設の素晴らしい人たちの中で、同じ法人のグループホームの世話人さんと共に仕事を出来ること、ホームの世話人一人で何でもしなければならないことのない世界で居られることの心地よさ、とても恵まれていると思う。

☆体調を崩して思うように仕事が出来ないときには、もう辞めたいと思った。

☆ <よかった点>
・生活施設ではみえなかった一人一人がよくみえてよい勉強になっている。
・本人達の“いきいきと生活している”“楽しい”といった気持ちが伝わってくる、出来なかったことがだんだんやれるようになる・・・など嬉しいことが多い。

☆良かったと思うこと・・生活の中で優しさ、素直さ、一生懸命さを教えられ再度自分自身を振り返ることが出来る。辞めたいと思ったことはないが病気(長期)で休んだとき、バックアップ施設に、また職員集団にかなり負担をかけるため、辞めた方がよいのでは。替わりの職員を捜して欲しいと思ったことがある。家庭の事情もある。健康で働き続けることが私の心情です。

☆半年でまだよくわからない

☆「自分の子供は重い障害を持っているので、親亡き後は入所施設に世話になるしかない」と考えていた保護者達が、現在のバックアップの施設や愛光園や生活ホームの実践をみたり、一緒に話し合い考え合うことにより「将来もこの地域で当り前に生活して行けるのだ」と大半の方が思い始め、こうした生活の場作りに積極的に参加され始めたこと。

☆Bさんのお母さんが今年他界され、ショックが大きかった時、この人の親代りになろうといろんな面で気を使いました。名前を呼ぶにも親みたいな気持ちで呼び捨てすると、すごく心を開き一日の出来事をよく報告します。何でも注意することに素直に受け入れてくれます。こんな時とてもやりがいがあります。「お母さん」とよく呼んでくれます。まだこのホームは両親、片親、兄弟とおられますので週末は家へ帰ります。「せめて家へ帰ってきた時ぐらいは」と自分の事は何でもできる人なのに親が1~10まで手を加えられるのでホームに来たとき、家での生活そのままで非常に困ります。このお母さんの考えが変わらないのでいつもトラブルの原因になっています。何度辞めたいと思ったことか・・・・


・運動会、種々行事の準備後かたづけ等は進んでやっている時、近所の人と気軽に話しているとき、一緒に行事に参加できる等々よいと思う。
・精神病の人がウツになり家の中でもパニック状態になったりする時は止めたいと思う。

☆ いまだに入所者達と信頼関係を築くことが出来ず、自分自身の人格未熟さ、力不足を毎日思い知らされているようでとてもしんどい。ノーマライゼイションの最先端の取り組みであるという確信を持っているので、制度的な不十分さは感じるが、そこに関わっていることは誇りだと考えている。

「やっていてよかった」と思うのは、こんな時です

1.入居者のいきいきとした気持ち、楽しい気持ちが伝わってくるとき

  • 訪問する人が「生き生きしている」と言ってくれたとき。
  • 「生き生きと生活している」「楽し」気持ちが伝わってくるとき。
  • 近所の人と気軽に話をしたり、一緒に行事に参加しているとき。

2.入居者が「だんだんやれるようになる」ことを感じるとき

  • ゆっくり、少しづつではあるが、皆の成長を感じられたとき。
  • 暮らしぶりが豊かになってきている(初めての人に挨拶できるようになるなど)と感じられるとき。

3.私(世話人)が学ばさせてもらっていると感じるとき

  • みんなを通じて自分を反省し、皆に支えられていると実感するとき。
  • 人生のおもしろさが又一つ増えた。
  • お互いに迷惑をかけあいながら育ちあって行きたい。みんなにありがとうの感謝の気持ち。
  • やすらぎを頂くこともたびたびで主人と贅沢な職場だね、と語り合う。
  • ふれあっていると学ばさせていただいて多々勉強になる。
  • 生活の中で優しさ、素直さ、一生懸命さを教えられたとき。

4.入居者といいつきあいができると、思うとき

  • 生活施設で見えなかった一人一人がよく見える。
  • 話したいこと、悩みなど、じっくりと聞くことが出来る。
  • メンバーの一人一人とじっくりとつきあうことができ、人間的なつながりをより深く感じる。

5.保護者の方が、積極的に動き出す姿を見るとき

  • 「親亡き後は入所施設」と思っていた保護者が、「地域で当たり前に生活していけるのだ」と積極的に活動するとき。

6.一緒に働く仲間がいること

  • 同じ法人のグループホームの世話人さんと共に仕事が出来ること。

「やめたい」「難しい」と思った時は、こんなときです

1.自分の身体の調子が大変なとき

  • 夜働くと言うことが身体になじんでなく、住人さんにも初めてで最初の2ヶ月は逃げ出したかった。
  • 病気で長期に休んだとき、他の職員に負担をかけるため。

2.孤立感を感じるとき

  • 疲労すると、語り合うことの出来ない孤独感ばかり大きくなる。
  • うまく対応できず、自分に自信をなくすとき。
  • すべてのことが世話人一人の肩にかかり、良き相談相手がいなければかなりしんどい。
  • 会議が持てず、取り組みに幅が持てない、視野が狭くなりがち。研修よりも集団がないことが問題では?

3.入居者の問題が大きくて

  • 精神障害の人がうつになり、パニック状態になったりするとき。

以上。


文献情報

著者:熊谷豊、林俊和
題目:愛知県グループホーム調査-施設運営団体に対するグループホーム設立意向調査-
雑誌名:発達障害と施設援助-愛知県知的障害児・者施設紀要-「じゆうがあるで、なかまがおるで、わたしの家だよ」第11号 pp.97-107(愛知県精神薄弱者愛護協会)
発行年:1996年12月8日

文献に関する問い合わせ先:
愛知県心身障害者コロニー発達障害研究所
社会福祉学部
春日井市神屋町713-8
TEL:0568-88-0811(内線3507-9)