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チャレンジDAISY

-新しい録音資料作りをめざして-

NO.1 / 1998.8.1

1998年当時のDAISYの作成方法が分かる資料です。(2007年現在の作成方法とは異なります。)


1.今、なぜDAISYなのか

1.1 DAISYには、どんな特長がありますか?
録音資料の媒体として広く普及しているカセットテープから、デジタル音声情報システムとして電子化される訳ですから、次のようなことが大きな変化となります。
第1に、収納スペースの問題が解決されること(DAISYでは、圧縮技術を用いているため、1枚のディスクに最大20時間、将来的には50時間程度の音声情報を入れることが可能)。
第2に、劣化の問題が防げること。
第3に、まるで、音楽CDで曲の頭出しをする感覚で資料の中の特定の見出しやページを検索することが容易になったり、栞を付けられる機能も充実すること。
第4に、デジタルデータの特性でもあるコンピュータネットワーク上での資料の送受信が可能となることです。

1.2 「DAISY」と「プレクストーク」は、違うものですか?
 DAISYとは、Digital Audio-Based Information Systemの略で、1997年夏のIFLA(国際図書館連盟)のコペンハーゲン大会で、仕様の公開を原則とした新しい録音資料製作システムの国際標準として確定された規格です。
 これに対してプレクストーク(PLEXTALK)とは、DAISY形式で録音された資料の再生装置として日本のプレクスター株式会社が1998年4月に世界初の製品化をしたものです。また、カナダの会社も別の再生装置を製品化する計画があると伝えられていることも注目すべきことでしょう。
ところで、DAISYはデータの規格ですから、それは必ずCDに書き込むものと決まっているわけではありません。プレクストークはCDの再生装置ですが、他の媒体を用いるDAISYの再生装置も理論的には可能です。インターネットで提供されるDAISYデータをパソコン上で再生するソフトも、日本障害者リハビリテーション協会で開発中です。

1.3 録音資料のDAISY化は、なぜ必要なのですか?
現在のカセットテープでは、音声資料の中の特定の場所を検索するのにとても手間がかかったり、1冊の本がテープ何本にも分かれてしまうなど、不便な点が多くあります。これらを解決する方法として、録音資料のDAISY化は是非とも必要なのです。
また、アナログのカセットテープは時間とともに音質の劣化が避けられないこと、品質の劣化も問題であることの他、音声情報を格納するメディアとしてのCDやMDなどの普及によってカセットテープの生産自体が減りつつあることも、大きな要因となっています。

1.4 音楽CDやMDとは、どこが違うのですか?
開発において最も基本となることは、DAISYは活字を読み書きすることに障害のある人への資料提供を支える手段として考えられていることでしょう。そのために、最も特徴的なこととして、圧縮技術を用いて、できるだけたくさんの音声情報を少ないデータ量の中に格納しようとしている点と、項目を階層的に扱い検索を容易にしている点があげられます。ですから、DAISYで作成された録音資料は、一般のCDプレイヤーでは現在のところ再生することはできません。

1.5 DAISYがマルチメディアにも対応するといわれるのは、どういうことですか?
デジタル資料の特性でもありますが、1枚のディスクに、音声情報のみならず、テキスト情報等の他の形式のファイルも一緒に納めることが可能です。
音声の情報を聞きながら同じ早さでテキスト情報を画面に映し出したり、音声を聞きながら、所々でテキスト情報を参照することが可能という方式を取り入れることも、開発の重点においています。
なお、プレクストークは音声のみを再生する機械です。音声とテキストとのリンクを実現するには、パソコンと閲覧ソフトが必要となります。


編集・発行: デジタル音声情報システム促進委員会
事務局:  日本障害者リハビリテーション協会内
TEL:  03-5273-0601

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