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第6回国連障害者の権利条約特別委員会

短報  2005年8月1日(月)

寺島彰
浦和大学 教授

特別委員会の様子

 特別委員会で話合われたテーマについて、非常に簡単に報告します。本報告は、正式な報告ではありません。本報告は、国連で何をしているのかに親しんでいただきたいと思って作成しております。筆者が聞き取った範囲のものであり、正確な報告は、UNのホームページ、日本政府の発表、傍聴団の報告等を参照していただくようにお願いします。

8月1日午前

第15条「障害者が地域でともに暮らすこと(Living and being included in the community)」に関する議論

 第15条は、主として障害者がどこにでも行ける権利(移動権)と障害者が自分の好む場所に住むことができる権利(居住権)について記載している。

 作業部会案に対する非公式および公式協議が行われた。(障害者関係組織が発言するときのみ公式協議であり、それ以外の各国代表による発言は非公式扱いとされている。)
 主な議論内容は次のとおりであった。

  • サブパラグラフ(a)と(b)と、4条、10条、20条等との内容的重複を整理すべき
  • 施設収容をとりあげることの是非
  • 自立生活の理念を入れるべき
  • 完全参加、自由な選択、インクルージョンを含むべき
  • 選択の自由(freedom of choice)、自立生活、完全参加(full participation)の3つの概念を含むべき
  • 自由権としてとらえるのか社会権としてとらえるのかを整理すべき

8月1日午後

国際協力に関する議論

 国際協力は、もともと入っていなかったが作業部会提案にはなかったが、国際協力の必要性についてはこれまでの委員会で合意されたことから、今回提案された。文書は、当日配布されたが、近々、UN等からホームページ上に掲示される。内容としては、国際的な情報交換、障害者に対する意識の高揚、障害者インクルージョン、技術協力、経済的支援、調査研究、支援機器の発展、支援のための訓練などの広範な協力内容について記述されている。

 まだ、議論が始まったばかりであり、各国が意見を述べたものの、条文を整理するにはいたらなかった。継続審議の状態で、独立条とするかどうかについても今後の検討とされた。

今後の予定

 午前、午後で各1条ずつ協議していく。明日午前中は、15条bis「障害のある女性(Women with disabilities)」、午後は、16条「障害児(Children with disabilities)」の予定。