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第8回国連障害者の権利条約特別委員会

短報 8月24日(木)

(午前)河村ちひろ:新潟青陵大/JD(日本障害者協議会)

(午後)崔栄繁:JDF(日本障害フォーラム)条約委員会/DPI(障害者インターナショナル)日本会議

午前(河村ちひろ)

会場の様子

 朝から非公式協議が続き、ようやく12時10分、本会議が再開された。議長は、国際モニタリングを含めて多くの条項が完成に近づいており、たいへんよい傾向がありながら、一方で調整が難航しており憂慮する事態でもある、と述べた。アラブ諸国を代表してスーダンは、「外国の占領」への言及について、非公式協議の俎上にもあがっていないことを取り上げ、条約は各国が懸念している案件をすべてクリアにした上でつくられなければならないと主張した。キューバもこれに同調した。議長は、憂慮している点はまさにこのことであり、すべての条項を同じように扱いたいと考えている、また、昨夜来、議長団もこの点について協議を続け、場合によっては代替的な方法も必要であるという話し合いがなされた、と述べた。

会場の様子

第15条 拷問又は残虐な、非人道的な若しくは品位を傷つける取扱い若しくは刑罰からの自由

 提案者であるラテンアメリカ諸国を代表してウルグアイが発言した。第1項では、自由権規約に準ずるべき、また第2項では、「他の者との平等を基礎として」を追加する、という案に同意が得られたことを報告し、各国の柔軟性への謝辞が述べられた。これを受けて15条が議決された。

 議長から、引き続き非公式協議を行うことが促された。障害の定義については難航しているようだが、各国とも最大限の柔軟性を示してほしい、また、排他的でなく包括的な方向性で臨んでほしい、と議長は述べた。

午後(崔栄繁)

午後はなかなか公式会議が開かれない。今は、全体で行う公式会議はあまり開かれず、各国間あるいは、ファシリテーターグループjによる、個別の交渉が同時並行的に行われている状況だ。

こうした状況の中で要約開かれた公式会議で、先進国と途上国の綱引きがされてきた第32条「国際協力」についての審議から始まった。物議をかわした条項の一つである。アフリカグループとアラブグループが譲歩し、第2パラグラフ支持を表明したことで、採択された。

次に、各国に対するさまざまな義務について言及している第33条「国内モニタリング」。第1項に政府内へ、さまざまなレベルや分野をとりまとめる機関を政府内に設置することを考慮する」という文言を追加し、採択した。次に第24条「教育」の議論に戻ったが、細かな文言調整の必要性が喚起されたので、議長は通訳の時間の問題等もあり、6時前には非公式会議での交渉の時間をとるために閉会としてしまった。

この状況で、明日、終わるのだろうか?ちょっと不安である。