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第8回国連障害者の権利条約特別委員会

国連権利条約第8回特別委員会
最終会議 2006年12月5日報告

DPI(障害者インターナショナル)

午前セッション

特別委員会(AHC)議長のドン・マッケイニュージーランド大使は、ニューヨーク国連本部第4会議室において、10時10分、AHC最終会議を開会した。通常に比べ、大変小規模な会議ではあったが、地域の国連ミッション派遣職員、DPI代表を含む少数の市民社会団体及び国内人権機関の代表が数多く参加した。ルイス・アーバー人権高等弁務官と、ホセ・アントニオ・オカンポ国連経済社会問題担当事務次長が、それぞれ開会の辞を述べ、マッケイ議長はこれを歓迎した。

アーバー高等弁務官は、本会議が「重大な出来事」であると述べ、「障害者の権利保護を強化する必要性を国連が真剣に受け止めていることを証明する」活動をしている委員会に対し、感謝の意を表した。同高等弁務官はまた、草案作成が迅速に行われたことを指摘し、これは国際社会が障害者の権利を重要視していることの証しであると述べた。そして、すべてのAHCメンバーに対しその仕事ぶりに感謝し、人権高等弁務官事務所は、条約採択及び発効後も、確実に委員会を支援していくことを約束すると強調した。オカンポ事務次長は、あまりに長きに渡り軽んじられてきた、しかし、あらゆる開発活動に完全に参加させる必要がある世界中の障害者にとって、この条約は大変有意義な一歩前進であると述べた。

技術的起草委員会の活動報告に引き続き、議論の的となっている第12条の脚注を削除するという提案についてアラブグループが協議を終えるために、30分会議を中断することをシリアが要求した。休会は昼食時間近くまで続き、エジプトがアラブグループによる協議の結果を報告した。アラブグループは、条約のアラビア語版を若干訂正することを要求した。これは、アラビア語で「その他の者との平等を基礎として」といっているところをすべて、「他の者との平等を基礎として」と読むよう修正し、英語版との一致をはかるためである。更にアラブグループは、同グループの第12条の解釈を明らかにした手紙を提出するまで、脚注を削除しないで欲しいと求めた。昼食後その手紙を受け取ると同時に、全会一致で脚注を削除するということを条件に、マッケイ議長は午後3時まで休会することとした。

午後セッション

政府代表間の非公式協議を進めるために更に時間を遅らせ、委員会は午後3時50分に再開された。現在アラブグループのコーディネーターであるイラクが、リストに挙げた国々 が「第12条第2項で言及されている法的能力とは、権利の能力を意味し、これらの国々(注)の法律及び法令にしたがって行動する能力を意味するものではないという理解に基づき」、脚注の削除に同意するという手紙を読み上げた。EU及びその他のこれを支持する国々を代表しフィンランドが、すべての国連公用語に関して条約の解釈を一致させるという理解に基づき、脚注の削除に同意を示した。

議論されていた脚注の削除への同意が得られた後、条約の採択に伴う国連の予算への影響について詳しく述べられた声明が事務局によって読み上げられた。この声明に続き特別委員会は、AHC決議、条約草案文書及び選択議定書を含む草案最終報告書を、無投票で採択した!

国内人権機関及び市民社会団体による短い発言の後、マッケイ議長は最後の散会を宣言した。条約草案及び選択議定書は国連総会に送られ、総会は条約及び選択議定書の最終文書を来週半ばに採択する予定である!数年間の交渉の後、条約及び選択議定書が2007年3月30日の加盟国による署名に向けて正式に公表されることとなる。

注:この速報はオンラインでも読むことができます。http://v1.dpi.org/lang-en/resources/details.php?page=776

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