音声ブラウザご使用の方向け: ナビメニューを飛ばして本文へ ナビメニューへ

わたしたちのできること -It's About Ability-

障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)(はなし)

()どもたちのためにわかりやすく障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)説明(せつめい)()いたUNICEF発行(はっこう)冊子(さっし)

絵:地球と子どもたちのイメージ

ワールド・エネイブルド・プロジェクト
ビクター・ピネダ基金(ききん)
ユニセフ
2008(ねん)4(がつ)
監訳(かんやく)玉村(たまむら)公二彦(くにひこ)奈良(なら)教育(きょういく)大学(だいがく)
翻訳・編集(ほんやく・へんしゅう)財団(ざいだん)法人(ほうじん)日本(にほん)障害者(しょうがいしゃ)リハビリテーション協会(きょうかい)

2008(ねん)11(がつ)

感謝(かんしゃ)をこめて

この(ほん)()いたのは、ビクター・サンチャゴ・ピネダという(ひと)です。ビクター・サンチャゴ・ピネダは、ビクター・ピネダ基金(ききん)(つく)った(ひと)で、障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)内容(ないよう)(かんが)えた特別(とくべつ)委員会(いいんかい)に、最年少(さいねんしょう)政府(せいふ)代表(だいひょう)として参加(さんか)しました。

この(ほん)(つく)るプロジェクトを(はじ)めたのはユニセフで、ユニセフの児童(じどう)保護(ほご)セクションのヘレン・シュルツが、最初(さいしょ)から中心(ちゅうしん)になって(すす)めてきました。それを手伝(てつだ)ってきたのが、ユニセフの青少年(せいしょうねん)開発(かいはつ)参加(さんか)ユニットのVoices of Youth(青年(せいねん)(こえ))コーディネーター、マリア・クリスティーナ・ガレゴスです。そして、これを(ほん)としてまとめたのは、ユニセフのコミュニケーション・ディビジョンです。

ユニセフは、イギリスとスウェーデンのセーブ・ザ・チルドレンとスペシャルオリンピックスが(ちから)()してくださったことに、とても感謝(かんしゃ)しています。

また、アメリカ、中国(ちゅうごく)、エチオピア、ニカラグア、タイ、ウズベキスタンのユニセフ事務所(じむしょ)が、大事(だいじ)なはたらきをしてくださったことにも、お(れい)(もう)()げます。

セーブ・ザ・チルドレンとアラブ人権(じんけん)基金(ききん)が、2007(ねん)10(がつ)にイエメンのサナアで(ひら)いた会議(かいぎ)や、2007(ねん)10(がつ)のスペシャルオリンピックス夏季(かき)世界(せかい)大会(たいかい)(おな)(とき)に、中国(ちゅうごく)上海(しゃんはい)(ひら)かれたユースサミットで、意見(いけん)()かせてくれた障害(しょうがい)がある()どもたちと若者(わかもの)たちには、(とく)感謝(かんしゃ)しています。そして、ユニセフのVoices of Youth(青年(せいねん)(こえ))を通じてオンライン会議(かいぎ)参加(さんか)してくれた(みな)さん、また、ビクター・ピネダ基金(ききん)のワールド・エネイブルド・プロジェクトの活動(かつどう)中心(ちゅうしん)になって(すす)めている、障害(しょうがい)がある(わか)きリーダーたちにも、とても感謝(かんしゃ)しています。

ユニセフは、(とく)()()(おく)ってくれた()どもたちに、(こころ)から感謝(かんしゃ)しています。

また、このプロジェクトに専門家(せんもんか)としてアドバイスをしてくださった(みな)さんには、(ほん)原稿(げんこう)(こころ)のこもったコメントをいただきましたことを、感謝(かんしゃ)いたします。(とく)に、最初(さいしょ)原稿(げんこう)()(なお)しを手伝(てつだ)ってくださった、サウダミニ・ジークリスト(ユニセフ フィレンツェ)、ジェリソン・ランズダウン(独立(どくりつ)コンサルタント)、アレクサンドラ・ユースターとダニエル・セイモア、そしてナディン・ペロー(ユニセフ ニューヨーク)、キャサリン・ノートン(キリスト(きょう)盲人(もうじん)ミッション)、チェリー・トロペットとバネッサ・アナヤ(ビクター・ピネダ基金(ききん))に、お(れい)(もう)()げます。

そして、このプロジェクトに()しみなく(ちから)()してくださったユニセフドイツ委員会(いいんかい)に、(こころ)から感謝(かんしゃ)(もう)()げます。

(c)ユニセフ(UNICEF)
2008(ねん)4(がつ)

この出版物(しゅっぱんぶつ)のどの部分(ぶぶん)についても、複製(ふくせい)には許可(きょか)必要(ひつよう)です。ユニセフの開発(かいはつ)プロフェッショナル・セクション、コミュニケーション・ディビジョンにご連絡(れんらく)ください。

教育(きょういく)機関(きかん)、あるいは非営利(ひえいり)機関(きかん)(たい)する許可(きょか)無料(むりょう)ですが、その()機関(きかん)については、少額(しょうがく)許可料(きょかりょう)請求(せいきゅう)されます。

表紙(ひょうし)のイラストはリサ・ラボアの作品(さくひん)で、リー・ノヘミ・ヘルナンデスの()からインスピレーションを()(えが)かれました。

(ほん)のデザインは、クリスティーナ・ブリスが担当(たんとう)しました。

3 UN Plaza, New York, NY 10017, USA
TEL:(+1-212)326-7434
FAX:(+1-212)303-7985
Email:nyhqdoc.permit@unicef.org

目次 ( もくじ )

アイコン 障害(しょうがい)がある(ひと)たちの問題(もんだい)

アイコン 行動(こうどう)をおこして()えていこう

アイコン この(ほん)について

アイコン 障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)について

アイコン 障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)内容(ないよう)をまとめてみると

アイコン 権利(けんり)実現(じつげん)するには

アイコン クイズ

アイコン (むずか)しい言葉(ことば)説明(せつめい)

奥付 ( おくづけ )

障害(しょうがい)がある(ひと)たちの問題(もんだい)

わたしには(あし)がない
それでも、(かん)じる(こころ)はあるの
わたしは()()えない
でも、いつだって(かんが)えているの
わたしは(みみ)()こえない
それでも、おしゃべりがしたいの
どうしてみんなは、わたしのことを
役立(やくた)たずで、(かんが)えることができない、しゃべれない人間(にんげん)だと(おも)うのかしら?
みんなと(おな)じにできるのに
わたしたちの世界(せかい)について(かんが)えることが

イギリス コーラリー・セバース 14(さい)

これは、世界(せかい)各地(かくち)()らしている、何百万人(なんびゃくまんにん)もの障害(しょうがい)がある()どもたちや大人(おとな)たちの(おも)いを(つた)える()です。たくさんの(ひと)たちが、毎日(まいにち)差別(さべつ)()()かっています。障害(しょうがい)がある(ひと)たちが()能力(のうりょく)()づかれることなく、できることはあまりないと(おも)われています。また、必要(ひつよう)教育(きょういく)医療(いりょう)()けられず、地域(ちいき)活動(かつどう)にも参加(さんか)できずにいます。

けれども、障害(しょうがい)がある()どもたちや大人(おとな)たちも、ほかのみんなと(おな)権利(けんり)()っているのです。

絵『ぼくを応援して・・・できるよ!って』

『ぼくを応援(おうえん)して・・・できるよ!って』ニカラグア ビスマルク・ベナビデス 13(さい)

行動(こうどう)をおこして()えていこう

こうして、障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)(つく)られました。これは、障害(しょうがい)がある()どもたちや大人(おとな)たちの権利(けんり)を、世界中(せかいじゅう)政府(せいふ)(まも)らなければならないということを()めた、世界(せかい)国々(くにぐに)約束(やくそく)です。

ユニセフや、ユニセフと一緒(いっしょ)活動(かつどう)している組織(そしき)は、すべての(くに)がこの条約(じょうやく)批准(ひじゅん)するよう()びかけています。この条約(じょうやく)は、障害(しょうがい)がある()どもたちを差別(さべつ)から(まも)り、社会(しゃかい)参加(さんか)できるようにします。(わたし)たちの(だれ)もが、はたさなければならない役割(やくわり)()っています。この(ほん)()んで、(だれ)もが(かなら)ずその(ひと)にふさわしい方法(ほうほう)(あつか)ってもらえるように(はたら)きかける活動(かつどう)参加(さんか)するには、どうしたらよいかを(まな)んでください。

障害(しょうがい)理解(りかい)するには

あなたは仲間(なかま)はずれにされていると(かん)じたことはありますか?()たり、(まな)んだり、(ある)いたり、 ()いたりすることが(むずか)しい()どもたちや 大人(おとな)たちは、のけ(もの)にされていると(かん)じることがよくあります。この(ひと)たちが、ほかの(ひと)(おな)じように参加(さんか)することを、じゃまする可能性(かのうせい)がある(かべ)(バリア)がたくさんあるのです。そして、その(かべ)(バリア)のほとんどは、社会(しゃかい)(つく)ったものです。たとえば、(くるま)いすを使(つか)っている()どもが、学校(がっこう)()きたいと(おも)っても、学校(がっこう)にスロープがなく、校長(こうちょう)先生(せんせい)やほかの先生方(せんせいがた)(たす)けてくれないので、() かれないということがあります。(だれ)もが社会(しゃかい)参加(さんか)できるようにするには、(いま)ある()まりや人々(ひとびと)態度(たいど) 、そして建物(たてもの)さえも、()えていかなければなりません。

会話をしているイラスト

イラスト:リサ・ラボア

この(ほん)について

この(ほん)は、障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)について、なぜこれが(つく)られたのか、障害(しょうがい)がある(ひと)権利(けんり)実現(じつげん)することに、この条約(じょうやく)がどのように役立(やくだ)てられるのかを説明(せつめい)するために、()どもたちのために、また()どもたちも参加(さんか)して(つく)られました。(わたし)たちは、障害(しょうがい)がある()どもたちが目標(もくひょう)達成(たっせい)するチャンスを平等(びょうどう)()てるように、(みな)さんにこの(ほん)()かれていることを(ひろ)めて、役立(やくだ)ててもらいたいと(ねが)っています。

(みな)さんには障害(しょうがい)があるかもしれませんし、障害(しょうがい)がある(ひと)(だれ)()っているかもしれません。障害者(しょうがい)は、()たり、()いたり、(ある)いたり、(おぼ)えたりすることに問題(もんだい)があります。けれども、障害者(しょうがいしゃ)にも、(ゆめ)や、希望(きぼう)や、一緒(いっしょ)(かんが)えていきたいことがあるのです。この(ほん)紹介(しょうかい)している()()(えが)かれているように。

どうか、(みな)さんのご両親(りょうしん)先生方(せんせいがた)、お(とも)だちに、そしてそのほかの、この問題(もんだい)関心(かんしん)があると(おも)われるすべての人に、この(はなし)(つた)えてください。

この(ほん)()めば、障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)についてのだいたいの内容(ないよう)と、この条約(じょうやく)(つく)られた理由(りゆう)がわかるでしょう。そして、(だれ)もが()っている権利(けんり)義務(ぎむ)について、また障害(しょうがい)がある()どもたちがその権利(けんり)実現(じつげん)するのを(たす)けるために、政府(せいふ)がしなければならないことや、とらなければならない行動(こうどう)についても(まな)ぶことができるでしょう。さらに、社会(しゃかい)()えていくために、(みな)さんがどんな行動(こうどう)をとることができるかも(まな)べるでしょう。

条約(じょうやく)とは?

条約(じょうやく)とは、ある特定(とくてい)問題(もんだい)について、(おな)法律(ほうりつ)(まも)ることを()めた、(くに)(くに)との約束(やくそく)です。ある(くに)がある条約(じょうやくを)批准(ひじゅん)承認(しょうにん))するとき、それは法律(ほうりつ)()められた約束(やくそく)となり、政府(せいふ)がどのように行動(こうどう)したらよいかを(おし)えてくれます。条約(じょうやく)(むす)んだあと、条約(じょうやく)目標(もくひょう)達成(たっせい)できるように、政府(せいふ)自分(じぶん)(くに)法律(ほうりつ)()えることがよくあります。

人権(じんけん)とは?

世界中(せかいじゅう)(だれ)もが、権利(けんり)固有(こゆう)尊厳(そんげん)(すべての(ひと)()まれつき()っている(とうと)さ)を(まも)法律(ほうりつ)保護(ほご)されています。(だれ)一人(ひとり)例外(れいがい)はありません。たとえば、どの(ひと)にも()きる権利(けんり)があり、奴隷(どれい)にはならない自由(じゆう)があります。これらの権利(けんり)は、1948(ねん)国際(こくさい)連合(れんごう)のすべての加盟国(かめいこく)採択(さいたく)した世界(せかい)人権(じんけん)宣言(せんげん)(みと)められています。どの()どもにも、()(もの)()べ、医療(いりょう)()けられる権利(けんり)があり、学校(がっこう)()権利(けんり)や、暴力(ぼうりょく)虐待(ぎゃくたい)から保護(ほご)される権利(けんり)があります。また、自分(じぶん)影響(えいきょう)があることを大人(おとな)()めるとき、自分(じぶん)はどうしたいかを(つた)え、自分(じぶん)意見(いけん)()()れてもらう権利(けんり)もあります。()どもの権利(けんり)については、()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)にはっきりと()かれています。

メッセージは「(だれ)もが()っている能力(のうりょく)

ビクター・ピネダ基金(ききん)会長(かいちょう) ビクター・サンチャゴ・ピネダ

(わたし)は5(さい)のとき、(ある)けなくなりました。(おお)きくなるにつれて、(わたし)筋肉(きんにく)(よわ)くなっていって、(いき)をすることもできなくなってしまいました。(わたし)は、自分(じぶん)(ひと)(ちが)うから、(だれ)(わたし)のことを()きではないだろうと(かんが)えました。(わたし)両親(りょうしん)はどうしたらよいのかわかりませんでしたが、(わたし)はいつも両親(りょうしん)から(あい)されていると(かん)じていました。両親(りょうしん)(わたし)(ちから)(しん)じ、危険(きけん)があっても(あたら)しいことに挑戦(ちょうせん)させてくれました。それで(わたし)自信(じしん)をつけていきました。

(わたし)家族(かぞく)は、(わたし)自分(じぶん)(みち)()(ひら)いていかなければならないことを()っていました。()ども時代(じだい)(つう)じて、(わたし)自分(じぶん)ができることや、どんなふうにしたらそれができるのかということについて、(まわ)りの(ひと)(かんが)(かた)()えていかなければなりませんでした。やがて(わたし)は、自分(じぶん)(まも)ってくれる法律(ほうりつ)がいくつもあることに()づきました。これらの法律(ほうりつ)のおかげで、(わたし)必要(ひつよう)支援(しえん)()け、りっぱな学生(がくせい)になることができたのです。

もし自分(じぶん)のような()どもの権利(けんり)を守ってはくれないところで()らしていたとしたら、(わたし)人生(じんせい)はどのようなものになっていただろうかと(かんが)えながら、(わたし)大人(おとな)になりました。そして、(わたし)のような(ひと)世界中(せかいじゅう)から(あつ)まって、国際(こくさい)連合(れんごう)でこの問題(もんだい)解決(かいけつ)()()むということを()り、それに参加(さんか)しようと熱心(ねっしん)(はたら)きかけました。

障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)(つく)った国際(こくさい)連合(れんごう)特別(とくべつ)委員会(いいんかい)で、(わたし)最年少(さいねんしょう)代表(だいひょう)でした。(わたし)はたくさんの友人(ゆうじん)(つく)り、一緒(いっしょ)(かんが)え、世界(せかい)国々(くにぐに)政府(せいふ)協力(きょうりょく)して条約(じょうやく)(つく)りました。

世界(せかい)のどの(ひと)も、姿(すがた)(ちが)いますし、意見(いけん)経験(けいけん)習慣(しゅうかん)、そして能力(のうりょく)もさまざまです。(わたし)は、この(ちが)いが、(あたら)しい可能性(かのうせい)(あたら)しい希望(きぼう)(あたら)しい(ゆめ)、そして(あたら)しい友情(ゆうじょう)をもたらすのだということを(まな)びました。

この(ほん)は、障害(しょうがい)がある()どもも、障害(しょうがい)がない()どもも、ともに()()がって、(ただ)しいことのために(たたか)おうと、行動(こうどう)をおこすよう()びかけるものです。世界(せかい)人々(ひとびと)(あいだ)()られる(ちが)いは、すべての(ひと)感謝(かんしゃ)し、ともに大切(たいせつ)にはぐくんでいくべき(たから)です。ひとりひとりの()どもが、世界(せかい)という家族(かぞく)一員(いちいん)であり、その()どもにしかない(ちから)発揮(はっき)していくのです。どの()どもも、これに参加(さんか)するのです。

障害(しょうがい)があることは、(わる)いことではありません。それを自慢(じまん)することだってできるのです。(わたし)たちはみな(ちが)っていて、(だれ)もがさまざまな能力(のうりょく)()っています。どの()どもも、家庭(かてい)学校(がっこう)、そしてコミュニティに、その能力(のうりょく)存在(そんざい)()らせてくれる大使(たいし)となることができるのです。(わたし)たちそれぞれが、ほかの(ひと)のために役立(やくだ)てられるアイディアや経験(けいけん)、そして能力(のうりょく)()っています。この(ほん)(つう)じて、すべての(くに)の、すべての人々(ひとびと)に、あるがままの(わたし)たちを()()れ、尊重(そんちょう)してくれるよう、()びかけたいと(おも)います。

ビクター・サンチャゴ・ピネダ

ビクター・サンチャゴ・ピネダは、障害(しょうがい)がある若者(わかもの)とともに活動(かつどう)している教育者(きょういくしゃ)であり、映画(えいが)監督(かんとく)で、このような若者(わかもの)たちに、障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)について(おし)えています。また、障害(しょうがい)がある若者(わかもの)能力(のうりょく)可能性(かのうせい)について、一般(いっぱん)人々(ひとびと)にも(おし)えるため、ビクター・ピネダ基金(ききん)ではワールド・エネイブルド・プロジェクトを()()げました。ピネダ()は、国際(こくさい)連合(れんごう)世界(せかい)銀行(ぎんこう)、そして政府(せいふ)指導者(しどうしゃ)たちと、すべての(ひと)尊重(そんちょう)され、その平等(びょうどう)機会(きかい)尊厳(そんげん)(まも)られるように(はたら)きかける活動(かつどう)(すす)めています。ピネダ()は、(きん)ジストロフィーにかかっており、移動(いどう)には(くるま)いすを使(つか)っています。

どんなときしあわせ?
ちょっとしたことでしあわせ
どんなときしあわせ?
()おうとしていることを、みんながわかってくれたとき
(おな)じレベルの(ひと)(はな)しているとき
自分(じぶん)満足(まんぞく)しているから、しあわせ
勉強(べんきょう)しているときも、しあわせ
勉強(べんきょう)したら、(あたら)しいことを(おぼ)えられるから
世界中(せかいじゅう)のニュースがわかるようになるから
食事(しょくじ)()ったとき、いくら(はら)えばいいか計算(けいさん)できるから
自分(じぶん)(かんが)えが(ただ)しいか、それとも間違(まちが)っているか、わかるから
こんなにたくさんのことが、自分(じぶん)でできるようになったから、しあわせ
()()りのことがあるから、しあわせ
サッカー選手(せんしゅ)応援(おうえん)しているとき、しあわせ
だってすごい情熱(じょうねつ)なんだもの
自分(じぶん)選手(せんしゅ)一人(ひとり)みたいな()がしてくる
そして自分(じぶん)もすごく(あつ)くなってしまう
(ゆめ)があるから、しあわせ
(ちい)さいかもしれないけれど
毎日(まいにち)きちんと計画(けいかく)して()きること
それですごくしあわせになれる

韓国(かんこく) キム・ユナ 15(さい)

絵『遊ぶ権利』

(あそ)権利(けんり)』ウズベキスタン ジャブロン・ラクモンベルディエフ

障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)について

障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)は、障害(しょうがい)がある(ひと)障害(しょうがい)がない(ひと)とを、(かなら)平等(びょうどう)(あつか)うことを()めた、世界(せかい)国々(くにぐに)約束(やくそく)です。条約(じょうやく)(convention)は、ときには、盟約(めいやく)(treaty)、誓約(せいやく)(covenant)、国際(こくさい)協定(きょうてい)(international agreement)、あるいは法令(ほうれい)(legal instrument)ともいわれますが、(みな)さんが自分(じぶん)権利(けんり)をきちんと()てるようにするために、政府(せいふ)がしなければならないことを(おし)えてくれます。障害(しょうがい)がある大人(おとな)()どもはすべて、(おんな)()(おとこ)()もみな、この条約(じょうやく)(まも)られています。

障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)は、2006(ねん)12(がつ)13(にち)採択(さいたく)されました。そして2008(ねん)4(がつ)2日(ふつか)までの(あいだ)に、20カ(こく)条約(じょうやく)批准(ひじゅん)し、その結果(けっか)、2008(ねん)5(がつ)3日(みっか)条約(じょうやく)発効(はっこう)しました。(www.un.org/disabilitiesのrules of the Convention(条約(じょうやく)(かん)する規定(きてい))をごらんください。)

この条約(じょうやく)は、年齢(ねんれい)関係(かんけい)なくすべての障害者(しょうがいしゃ)のための条約(じょうやく)ですが、この(ほん)では、()どもの生活(せいかつ)(なか)で、権利(けんり)がどのような意味(いみ)()っているかを()ていきます。なぜなら、(みな)さんのような()どもたちが大切(たいせつ)だからです!

どうしてこの条約(じょうやく)大事(だいじ)なの?

もし(みな)さんや、(みな)さんのご両親(りょうしん)、あるいはほかの家族(かぞく)(かた)障害(しょうがい)があるのなら、この条約(じょうやく)(やく)()情報(じょうほう)勇気(ゆうき)(あた)えてくれるでしょう。それは、(みな)さんと(みな)さんの家族(かぞく)、そして(みな)さんを(たす)けたいと(かんが)えているお(とも)だちに、(みな)さんの権利(けんり)をどのように使(つか)ったらよいかを(おし)えてくれます。また、政府(せいふ)にも、すべての障害者(しょうがいしゃ)がその権利(けんり)実現(じつげん)するのを(たす)けるために、どのような行動(こうどう)をとらなければならないかを(あき)らかにしてくれます。

(おお)くの国々(くにぐに)から、さまざまな障害(しょうがい)()った人々(ひとびと)(あつ)まり、政府(せいふ)一緒(いっしょ)にこの条約(じょうやく)(つく)ることに()()みました。障害者(しょうがいしゃ)学校(がっこう)()ったり、仕事(しごと)()たり、地域(ちいき)(たの)しく、(しあわ)せに()らせるようにするために役立(やくだ)っている、すぐれた活動(かつどう)法律(ほうりつ)調(しら)べて、アイディアを()ました。

障害(しょうがい)がある()どもが、確実(かくじつ)学校(がっこう)()けて、(あそ)べるようにし、また()どもたちみんながやりたいと(おも)うことに、障害(しょうがい)がある()どもも参加(さんか)できるようにするには、(いま)あるたくさんの()まりや、人々(ひとびと)態度(たいど)、そして建物(たてもの)さえも、()えていかなければなりません。もし(みな)さんの(くに)政府(せいふ)がこの条約(じょうやく)批准(ひじゅん)したのなら、政府(せいふ)がこのように社会(しゃかい)()えていくことに賛成(さんせい)したのだといえます。

この条約(じょうやく)()かれている権利(けんり)は、(あたら)しい権利(けんり)ではないということを(おぼ)えておくことが大事(だいじ)です。それらは、世界(せかい)人権(じんけん)宣言(せんげん)()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)、その()国際(こくさい)人権(じんけん)条約(じょうやく)(みと)められている人権(じんけん)(おな)じです。障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)は、これらの権利(けんり)障害者(しょうがいしゃ)についても尊重(そんちょう)されるということを約束(やくそく)しています。

(たの)しくいこう、が人生(じんせい)合言葉(あいことば)
ねえ、みんな()いてよ
(あい)することと(しん)じることを合言葉(あいことば)にしよう
(いのち)情け深い(なさけぶかい)神様(かみさま)からのおくりもの
(てん)()のすべての()きとし()けるものへの
障害(しょうがい)がある(とも)だちがいるなら
安心(あんしん)できるようにそばにいてあげてよ
人生(じんせい)(たの)しく、(いのち)大事(だいじ)にするように()ってあげてよ
絶望(ぜつぼう)するのは臆病(おくびょう)だと
そして
忍耐(にんたい)決断(けつどん)とが勇気(ゆうき)のしるしだって
希望(きぼう)がぼくらの人生(じんせい)目的(もくてき)
やさしいほほえみがぼくらを(ひと)つにする
人生(じんせい)絶望(ぜつぼう)はなく、絶望(ぜつぼう)(なか)人生(じんせい)はない

イラク ジャン・メダット 13(さい)

障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)内容(ないよう)をまとめてみると

この条約(じょうやく)は、たくさんのことを約束(やくそく)しています。50(じょう)からなる条文(じょうぶん)では、これらの約束(やくそく)内容(ないよう)がわかりやすく説明(せつめい)されています。これから(さき)のページで使(つか)われている「政府(せいふ)」という言葉(ことば)(「締約国」(ていやくこく)ともいいます)は、この条約(じょうやく)批准(ひじゅん)した政府(せいふ)意味(いみ)しています。

法律(ほうりつ)とは?

法律(ほうりつ)とは、人々(ひとびと)がお(たが)いに尊重(そんちょう)しあい、ともに安全(あんぜん)()らすために、(だれ)もが(まも)らなければならないルールのことです。

批准(ひじゅん)する」ってどういう意味(いみ)

条約(じょうやく)批准(ひじゅん)する政府(せいふ)は、その条約(じょうやく)約束(やくそく)されている内容(ないよう)実施(じっし)するために、できる(かぎ)りのことをすると決心(けっしん)したのだといえます。(みな)さんの(くに)が、障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)批准(ひじゅん)したかどうか、調(しら)べてみてください。もし批准(ひじゅん)しているなら、政府(せいふ)代表(だいひょう)には責任(せきにん)があると、はっきり()うことができます。国際(こくさい)連合(れんごう)では、この条約(じょうやく)署名(しょめい)し、同意(どうい)した締約国(ていやくこく)のリストを公表(こうひょう)しています。(みな)さんの(くに)障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)批准(ひじゅん)したかどうかをオンラインで確認(かくにん)するには、国際(こくさい)連合(れんごう)のウェブサイト(www.un.org/disabilities)をごらんください。

(だい)1(じょう)目的(もくてき)

この条文(じょうぶん)では、条約(じょうやく)のおもな目的(もくてき)をまとめています。それは、()どもを(ふく)むすべての障害者(しょうがいしゃ)があらゆる人権(じんけん)自由(じゆう)()つことを人々(ひとびと)(ひろ)め、これらの権利(けんり)自由(じゆう)(まも)り、これらがもたらす利益(りえき)を、完全(かんぜん)に、そして平等(びょうどう)()けられるようにすることです。

(だい)2(じょう)定義(ていぎ)

この条文(じょうぶん)では、この条約(じょうぶん)使(つか)われている、特別(とくべつ)()められた意味(いみ)()言葉(ことば)をいくつか説明(せつめい)しています。たとえば、「言語(げんご)」には、(はな)言葉(ことば)と、手話(しゅわ)などの(はな)言葉(ことば)以外(いがい)言葉(ことば)(ふく)まれ、「コミュニケーション」には、言語(げんご)文字(もじ)使(つか)った表示(ひょうじ)点字(てんじ)文字(もじ)数字(すうじ)(ちい)さな突起(とっき)使(つか)って(あらわ)したもの)、()れることによるコミュニケーション、拡大(かくだい)文字(もじ)、そしてアクセシブル(利用(りよう)しやすいこと)なマルチメディア(ウェブサイトや音声(おんせい)など)が(ふく)まれます。

(だい)3(じょう)一般(いっぱん)原則(げんそく)

この条約(じょうやく)原則(げんそく)中心(ちゅうしん)となる(かんが)(かた))は(つぎ)のとおりです。

(a)すべての(ひと)固有(こゆう)尊厳(そんげん)自分(じぶん)自身(じしん)(えら)自由(じゆう)、そして自立(じりつ)尊重(そんちょう)する。

(b)非差別(ひさべつ)(すべての(ひと)平等(びょうどう)(あつか)うこと)

(c)社会(しゃかい)への完全(かんぜん)参加(さんか)とインクルージョン(コミュニティに仲間(なかま)()りすること)

(d)障害者(しょうがいしゃ)人間(にんげん)のさまざまな(ちが)いの一部(いちぶ)(かんが)え、(ちが)いを尊重(そんちょう)し、()()れる。

(e)平等(びょうどう)機会(きかい)

(f)アクセシビリティ(交通(こうつう)機関(きかん)利用(りよう)したり、ある場所(ばしょ)()ったり、情報(じょうほう)()()れたりする手段(しゅだん)があること。そして障害(しょうがい)があることを理由(りゆう)に、これらの利用(りよう)拒否(きょひ)されないこと)

(g)男女間(だんじょかん)平等(びょうどう)(おんな)()でも(おとこ)()でも(おな)機会(きかい)があること)

(h)障害(しょうがい)がある()どもの発達(はったつ)しつつある能力(のうりょく)と、アイデンティティを(まも)るための権利(けんり)尊重(そんちょう)する。((みな)さんが能力(のうりょく)尊重(そんちょう)され、あるがままの自分(じぶん)満足(まんぞく)できるようにすること)

(だい)4(じょう)一般的(いっぱんてき)義務(ぎむ)

障害者(しょうがいしゃ)差別(さべつ)する法律(ほうりつ)は、あってはなりません。必要(ひつよう)であれば、政府(せいふ)障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)(まも)(あたら)しい法律(ほうりつ)(つく)り、それを実行(じっこう)しなければなりません。もし(ふる)法律(ほうりつ)慣習(かんしゅう)障害者(しょうがいしゃ)差別(さべつ)するなら、政府(せいふ)はそれらを()える方法(ほうほう)()つけなければなりません。

障害(しょうがい)がある()どもが、ほかの()どもと(おな)じことをできないようにしている法律(ほうりつ)慣習(かんしゅう)があるなら、それらを()えなければなりません。政府(せいふ)はそのような法律(ほうりつ)政策(せいさく)()えるとき、障害(しょうがい)がある()どもを代表(だいひょう)する団体(だんたい)(はな)しあわなければなりません。

(あたら)しい法律(ほうりつ)政策(せいさく)(つく)るときには、政府(せいふ)()どもを(ふく)障害者(しょうがいしゃ)から、アドバイスをもらわなければなりません。

化学の授業のイラスト

イラスト:リサ・ラボア

(だい)5(じょう)平等(びょうどう)差別(さべつ)されないこと

すべての(ひと)法律(ほうりつ)(まも)られる権利(けんり)()っており、ある(くに)法律(ほうりつ)は、そこで()らすすべての(ひと)()てはまるということを、政府(せいふ)(みと)めなければなりません。

(だい)6(じょう)障害(しょうがい)のある女子(じょし)

政府(せいふ)は、障害(しょうがい)がある女性(じょせい)(おんな)()が、たくさんのさまざまな差別(さべつ)()けていることを()らなければなりません。そして、このような人たちの人権(じんけん)自由(じゆう)(まも)ることを約束(やくそく)しなければなりません。

(だい)7(じょう)障害(しょうがい)のある()ども

政府(せいふ)は、障害(しょうがい)がある()どもが、ほかの()どもと(おな)じく、すべての人権(じんけん)自由(じゆう)がもたらす利益(りえき)()けられるように、ありとあらゆる可能(かのう)行動(こうどう)をとることを約束(やくそく)します。また、障害(しょうがい)がある()どもが、自分(じぶん)影響(えいきょう)があるすべてのことについて、(かなら)自分(じぶん)意見(いけん)自由(じゆう)()えるようにすることも約束(やくそく)します。それぞれの()どもにとって一番(いちばん)()いことを、いつでもまず、(かんが)えなければなりません。

障害(しょうがい)がある(おとこ)()(おんな)()には、すべての()どもと(おな)権利(けんり)があります。たとえば、どの()どもにも、学校(がっこう)(かよ)権利(けんり)(あそ)権利(けんり)暴力(ぼうりょく)から(まも)られる権利(けんり)、そして自分(じぶん)影響(えいきょう)(あた)える決定(けってい)参加(さんか)する権利(けんり)があります。政府(せいふ)は、この権利(けんり)実現(じつげん)するために、障害(しょうがい)がある()どもに必要(ひつよう)情報(じょうほう)(あた)え、支援(しえん)をしなければなりません。

(だい)8(じょう)意識(いしき)向上(こうじょう)

政府(せいふ)は、障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)尊厳(そんげん)について、また障害者(しょうがいしゃ)がなしとげたことや障害者(しょうがいしゃ)能力(のうりょく)について、すべての(ひと)(おし)えなければなりません。そして、障害者(しょうがいしゃ)(きず)つける可能性(かのうせい)がある、(かた)にはまった(かんが)えかたや、かたよった()かた、行動(こうどう)(たたか)うことを約束(やくそく)します。たとえば、(みな)さんの学校(がっこう)では、とても(おさな)()どもに(たい)しても、障害者(しょうがいしゃ)尊重(そんちょう)する態度(たいど)(ひろ)めていかなければなりません。

メディアは、障害(しょうがい)がある()どもや大人(おとな)(たい)する不公平(ふこうへい)(あつか)いについて、報告(ほうこく)しなければなりません。

本を読んでいるイラスト

イラスト:リサ・ラボア

(だい)9(じょう):アクセシビリティ

政府(せいふ)は、障害者(しょうがいしゃ)自立(じりつ)した生活(せいかつ)(おく)れるようにし、コミュニティに参加(さんか)できるようにすることを約束(やくそく)します。一般(いっぱん)人々(ひとびと)自由(じゆう)利用(りよう)できる、建物(たてもの)道路(どうろ)学校(がっこう)病院(びょういん)などは、()どもを(ふく)障害者(しょうがいしゃ)にとってアクセシブル(利用(りよう)しやすいこと)でなければなりません。公共(こうきょう)建物(たてもの)(なか)(たす)けが必要(ひつよう)になった場合(ばあい)、ガイドや朗読(ろうどく)をしてくれる人、専門(せんもん)手話(しゅわ)通訳者(つうやくしゃ)がそこにいて(たす)けてくれるようにしなければなりません。

絵『どの子にも平和を』

『どの()にも平和(へいわ)を』アルメニア アニ・ベルディアン 8(さい)

技術(ぎじゅつ)はどう(やく)()つの?

電話(でんわ)やコンピュータ、その()技術(ぎじゅつ)は、障害者(しょうがいしゃ)にとって、使(つか)いやすいものでなければなりません。たとえば、キーボードを使(つか)うのが(むずか)しい人や、()たり()いたりすることが(むずか)しい(ひと)でも、さまざまなフォーマット(形式(けいしき))で情報(じょうほう)()ることができるように、ウェブサイトをデザインすることができるでしょう。コンピュータに点字(てんじ)のキーボードをつけることもできますし、音声(おんせい)合成(ごうせい)装置(そうち)使(つか)って、画面(がめん)言葉(ことば)()()げることもできます。

(だい)10(じょう)生命(せいめい)(たい)する権利(けんり)

すべての人間(にんげん)は、()きる権利(けんり)()って()まれてきます。政府(せいふ)は、障害(しょうがい)がある(ひと)障害(しょうがい)がない(ひと)も、平等(びょうどう)にこの権利(けんり)()つことを約束(やくそく)します。

あなたには()きる権利(けんり)があります。それはあなたへの神様(かみさま)からの(おく)(もの)で、(だれ)もあなたから()()げることはできないと、法律(ほうりつ)()められています。

障害のある子とない子のイラスト

イラスト:リサ・ラボア

(だい)11(じょう)危険(きけん)状況(じょうきょう)緊急(きんきゅう)事態(じたい)

障害者(しょうがい)は、戦争(せんそう)緊急(きんきゅう)事態(じたい)、または(あらし)などの自然(しぜん)災害(さいがい)のときに、保護(ほご)され、安全(あんぜん)約束(やくそく)される権利(けんり)を、ほかのすべての(ひと)(おな)じように()っています。ほかの(ひと)たちが救出(きゅうしゅつ)されているのに、障害(しょうがい)理由(りゆう)避難所(ひなんじょ)()れてもらえなかったり、()(のこ)されたりすることは、法律(ほうりつ)(ゆる)されません。

(だい)12(じょう)法律(ほうりつ)(まえ)にひとしく(みと)められる権利(けんり)

障害者(しょうがいしゃ)には、ほかの(ひと)(おな)じように「法的(ほうてき)能力(のうりょく)」を使(つか)権利(けんり)があります。これは、(みな)さんが大人(おとな)になったとき、障害(しょうがい)があっても障害(しょうがい)がなくても、お(かね)()りたり、勉強(べんきょう)したり、自分(じぶん)のアパートを()すための契約書(けいやくしょ)にサインしたりすることができるということです。つまり、(みな)さんは自分(じぶん)自身(じしん)財産(ざいさん)()ったり、相続(そうぞく)したりできるのです。

(だい)13(じょう)司法(しほう)手続(てつづ)きの利用(りよう)

もし(みな)さんが犯罪(はんざい)被害者(ひがいしゃ)になったり、ほかの(ひと)被害(ひがい)にあうのを()たり、何か(わる)いことをして(つみ)()われたりしたら、その(けん)調査(ちょうさ)処分(しょばつ)()けるとき、公正(こうせい)(あつか)われる権利(けんり)があります。法律上(ほうりつじょう)手続(てつづ)きをとるときはいつでも、自分(じぶん)意見(いけん)()えるよう、(たす)けてもらえることが約束(やくそく)されています。

(だい)14(じょう)身体(しんたい)自由(じゆう)安全(あんぜん)

政府(せいふ)は、障害者(しょうがいしゃ)自由(じゆう)が、ほかのすべての(ひと)(おな)じく、(かなら)法律(ほうりつ)(まも)られるようにしなければなりません。

(だい)15(じょう)拷問(ごうもん)または残虐(ざんぎゃく)な、非人道的(ひじんどうてき)な、もしくは品位(ひんい)(きず)つける取扱(とりあつか)い、もしくは刑罰(けいばつ)からの自由(じゆう)

(だれ)拷問(ごうもん)()けたり、()ずかしい(おも)いをさせられたり、ひどい(あつか)いを()けたりすることがあってはなりません。またどの(ひと)も、医学的(いがくてき)実験(じっけん)科学的(かがくてき)実験(じっけん)()けることを拒否(きょひ)する権利(けんり)()っています。

(だい)16(じょう)暴力(ぼうりょく)虐待(ぎゃくたい)からの自由(じゆう)

障害(しょうがい)がある()どもは暴力(ぼうりょく)とむごい(あつか)いから(まも)られなければなりません。このような()どもたちは、家庭(かてい)(なか)でも、家庭(かてい)(そと)でも、むごい(あつか)いを()けたり(きず)つけられたりすることがあってはなりません。(みな)さんが暴力(ぼうりょく)やむごい(あつか)いを()けたら、それをやめさせ、(もと)状態(じょうたい)(もど)るために必要(ひつよう)(たす)けを()けられる権利(けんり)があります。

(だい)17(じょう)個人(こじん)保護(ほご)

(みな)さんの身体(しんたい)能力(のうりょく)知的(ちてき)能力(のうりょく)理由(りゆう)に、(みな)さんを(おと)っている(ひと)として(あつか)うことは、(だれ)にもできません。(みな)さんは、ありのままで、ほかの(ひと)から尊重(そんちょう)される権利(けんり)()っているのです!

(だい)18(じょう)移動(いどう)自由(じゆう)国籍(こくせき)

どの()どもにも、法律(ほうりつ)にしたがって登録(とうろく)された名前(なまえ)国籍(こくせき)()権利(けんり)と、できる(かぎ)り、その(おや)()り、(おや)(そだ)ててもらう権利(けんり)があります。そして障害(しょうがい)があるという理由(りゆう)で、入国(にゅうこく)出国(しゅっこく)()められることはありません。

(だい)19(じょう)自立(じりつ)した生活(せいかつ)地域(ちいき)社会(しゃかい)への参加(さんか)

障害(しょうがい)があるかないかに関係(かんけい)なく、(ひと)にはどこに()むかを(えら)権利(けんり)があります。大人(おとな)になったとき、(みな)さんが(のぞ)めば、自立(じりつ)した生活(せいかつ)をし、地域(ちいき)社会(しゃかい)参加(さんか)する権利(けんり)があります。また、地域(ちいき)社会(しゃかい)生活(せいかつ)するために(たす)けが必要(ひつよう)場合(ばあい)在宅(ざいたく)ケアや介助(かいじょ)などの支援(しえん)サービスを利用(りよう)することができるようにしなければなりません。

(だい)20(じょう)個人的(こじんてき)移動(いどう)簡単(かんたん)にすること

障害(しょうがい)がある()どもは、自立(じりつ)して移動(いどう)する権利(けんり)()っています。政府(せいふ)はそれが実現(じつげん)できるように支援(しえん)しなければなりません。

(だい)21(じょう)表現(ひょうげん)意見(いけん)自由(じゆう)情報(じょうほう)利用(りよう)

(ひと)には、自分(じぶん)(かんが)えを表現(ひょうげん)する権利(けんり)や、情報(じょうほう)(さが)し、()()り、(つた)える権利(けんり)、そして自分(じぶん)理解(りかい)使用(しよう)できる(かたち)情報(じょうほう)()()権利(けんり)があります。

(だい)22(じょう):プライバシーの尊重(そんちょう)

個人(こじん)のプライベートな問題(もんだい)(くち)()すことは、その(ひと)障害(しょうがい)があるかないかにかかわらず、(だれ)にもできません。ほかの(ひと)健康(けんこう)状態(じょうたい)などについて()っている(ひと)は、その情報(じょうほう)(べつ)(ひと)(おし)えてはいけません。

(だい)23(じょう)家庭(かてい)家族(かぞく)尊重(そんちょう)

(ひと)には家族(かぞく)一緒(いっしょ)()らす権利(けんり)があります。もし(みな)さんに障害(しょうがい)があるなら、政府(せいふ)障害(しょうがい)関係(かんけい)がある費用(ひよう)や、情報(じょうほう)、サービスを提供(ていきょう)して(みな)さんの家族(かぞく)支援(しえん)しなければなりません。障害(しょうがい)があるために、(みな)さんが(おや)から()(はな)されることはあってはなりません! 身近(みぢか)家族(かぞく)()らすことができないのなら、もっと(ひろ)範囲(はんい)家族(かぞく)やコミュニティの(なか)世話(せわ)()けられるよう、政府(せいふ)支援(しえん)しなければなりません。障害(しょうがい)がある若者(わかもの)たちは、ほかの若者(わかもの)たちと(おな)じように、(せい)生殖(せいしょく)(かん)する健康(けんこう)について()権利(けんり)()ち、また、ほかの(ひと)たちと(おな)じように、結婚(けっこん)して家庭(かてい)をつくる権利(けんり)()っています。

障害(しょうがい)がある()どもは、自立(じりつ)して移動(いどう)する権利(けんり)()っています。

障害のある子とない子のイラスト

イラスト:リサ・ラボア

絵『地域社会での日常生活』

地域(ちいき)社会(しゃかい)での日常(にちじょう)生活(せいかつ)』ニカラグア ペドロ・ホセ・リベラ 14(さい)

(だい)24(じょう)教育(きょういく)

(ひと)には、学校(がっこう)()権利(けんり)があります。(みな)さんに障害(しょうがい)があっても、それを理由(りゆう)教育(きょういく)()けられないということはありません。また、(みな)さんは(べつ)学校(がっこう)教育(きょういく)()けるべきではありません。(みな)さんには、ほかの()どもたちと(おな)じカリキュラムで教育(きょういく)()ける権利(けんり)があります。そして政府(せいふ)はこれを実施(じっし)するために必要(ひつよう)支援(しえん)をしなければなりません。たとえば、先生方(せんせいがた)(みな)さんの要求(ようきゅう)にどのように対応(たいおう)したらよいかわかるように、(みな)さんに()ったコミュニケーションの方法(ほうほう)を、政府(せいふ)用意(ようい)しなければならないのです。

(だい)25(じょう)(だい)26(じょう)健康(けんこう)とリハビリテーション

障害者(しょうがいしゃ)は、ほかの(ひと)(おな)範囲(はんい)(おな)(しつ)医療(いりょう)を、無料(むりょう)で、あるいは(やす)利用(できる)権利(けんり)()っています。もし(みな)さんに障害(しょうがい)があるなら、医療(いりょう)とリハビリテーションサービスを()ける権利(けんり)もあります。

(だい)27(じょう)労働(ろうどう)雇用(こよう)

障害者(しょうがいしゃ)には、ほかの(ひと)(おな)じように、差別(さべつ)()けることなく、自由(じゆう)(えら)んだ仕事(しごと)をして(はたら)権利(けんり)があります。

(だい)28(じょう)十分(じゅうぶん)生活(せいかつ)水準(すいじゅん)社会的(しゃかいてき)保障(ほしょう)

障害者(しょうがいしゃ)には、()(もの)、きれいな(みず)(ふく)、そして(いえ)を、差別(さべつ)()けることなく()()れる権利(けんり)があります。政府(せいふ)は、(まず)しい()らしをしている障害(しょうがい)がある()どもを(たす)けなければなりません。

(だい)29(じょう)政治的(せいじてき)活動(かつどう)公的(こうてき)活動(かつどう)への参加(さんか)

障害者(しょうがいしゃ)には、政治的(せいじてき)活動(かつどう)公的(こうてき)活動(かつどう)参加(さんか)する権利(けんり)があります。(くに)法律(ほうりつ)()められた年齢(ねんれい)(たっ)したら、障害(しょうがい)有無(うむ)にかかわらず、組織(そしき)(つく)権利(けんり)や、一般(いっぱん)人々(ひとびど)のために活動(かつどう)する権利(けんり)投票(とうひょう)する権利(けんり)政治家(せいじか)選挙権(せんきょけん)被選挙権(ひせんきょけん)()つことになります。

(だい)30(じょう)文化的(ぶんかてき)生活(せいかつ)、レクリエーション、余暇(よか)、スポーツへの参加(さんか)

障害者(しょうがいしゃ)はほかの(ひと)(おな)じように、芸術(げいじゅつ)、スポーツ、ゲーム、映画(えいが)、その()娯楽(ごらく)活動(かつどう)参加(さんか)し、(たの)しむ権利(けんり)()っています。ですから、劇場(げきじょう)博物館(はくぶつかん)競技場(きょうぎじょう)、そして図書館(としょかん)などは、障害(しょうがい)がある()どもを(ふく)め、(だれ)にとってもアクセシブル(利用(りよう)しやすいこと)にしなければなりません。

(だい)31(じょう)統計(とうけい)資料(しりょう)収集(しゅうしゅう)

(くに)は、よりよいプログラムとサービスの開発(かいはつ)のため、障害(しょうがい)(かん)するデータを(あつ)めなければなりません。障害(しょうがい)(かん)する調査(ちょうさ)協力(きょうりょく)してくれる障害者(しょうがいしゃ)には、敬意(けいい)(おも)いやりをもって(あつか)われる権利(けんり)があります。このようにして()られた個人(こじん)情報(じょうほう)はすべて保護(ほご)されなければなりません。(あつ)められたデータは、障害者(しょうがいしゃ)やそのほかの人々(ひとびと)利用(りよう)できるようにしなければなりません。

(だい)32(じょう)国際(こくさい)協力(きょうりょく)

(くに)は、この条約(じょうやく)内容(ないよう)実現(じつげん)するために、お(たが)いに協力(きょうりょく)しなければなりません。これは、世界(せかい)でこれまで以上(いじょう)(おお)くの人々(ひとびと)が、この条約(じょうやく)()かれている権利(けんり)から利益(りえき)()られるように、ほかの(くに)よりも(おお)くの資源(しげん)科学(かがく)情報(じょうほう)や、(やく)()技術(ぎじゅつ)など)を()(くに)が、ほかの(くに)とそれを共有(きょうゆう)するということを意味(いみ)しています。

(だい)33(じょう)から(だい)50(じょう)まで:条約(じょうやく)実施(じっし)とそれにかかわる協力(きょうりょく)監視(かんし)についての規則(きそく)

障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)は、全部(ぜんぶ)で50(じょう)からなっています。(だい)33(じょう)から(だい)50(じょう)までには、すべての障害者(しょうがいしゃ)が、そのすべての権利(けんり)(かなら)()()れられるようにするには、大人(おとな)たち、(とく)障害者(しょうがいしゃ)とその団体(だんたい)、そして政府(せいふ)が、どのように協力(きょうりょく)していくべきかが()かれています。これらの条文(じょうぶん)内容(ないよう)は、www.un.org/disabilitiesでごらんください。

地球儀を見ているイラスト

イラスト:リサ・ラボア

絵『遊んでいるところ』

(あそ)んでいるところ』 アルメニア タテフ・ダニエリアン 15(さい)

(ふた)つの世界(せかい)・・・
(おと)沈黙(ちんもく)
この(みみ)ではどちらに()ったらよいのか
ためらいから (はい)っていけなくて・・・
(なみだ)があふれ・・・
()らず()らずのうちに どちらからも()いやられて
こばまれて (かん)じたことは
居場所(いばしょ)がない・・・
(なみだ)があふれ・・・
()をさしのべてくれる(ひと)はいるけれど
同情(どうじょう)してくれたり、あと()ししてくれたり、(はげ)ましてくれたりと
でもほかはみな 容赦(ようしゃ)なく(つめ)たくて・・・
(なみだ)があふれ ほほえみが(ひろ)がっていく・・・
まだどちらにもいけずにいるけれど
でも(あい)されているから・・・

アメリカ合衆国(がっしゅうこく) サラ・レスリー 16(さい)

権利(けんり)実現(じつげん)するには

障害(しょうがい)がある()どもの権利(けんり)は、すべての()どもたちが()っている権利(けんり)(おな)じです。世界(せかい)人々(ひとびと)にこの条約(じょうやく)について()ってもらえるかどうかは、(みな)さんにかかっています。(だれ)もが参加(さんか)できる社会(しゃかい)(のぞ)むなら、(こえ)をあげて(うった)え、行動(こうどう)をおこさなければなりません。

もし(みな)さんに障害(しょうがい)があるなら、この条約(じょうやく)は、(みな)さんと(みな)さんの(くに)政府(せいふ)、そして(みな)さんの家族(かぞく)に、権利(けんり)(ゆめ)実現(じつげん)する方法(ほうほう)(おし)えてくれるでしょう。(みな)さんは、学校(がっこう)()ったり、そのほかの活動(かつどう)参加(さんか)したりする機会(きかい)を、ほかの(ひと)(おな)じように()っているのです。(みな)さんにどんな障害(しょうがい)があるかは関係(かんけい)なく、移動(いどう)したり、コミュニケーションをとったり、ほかの()どもたちと(あそ)んだりするとき、(みな)さんの生活(せいかつ)にかかわる大人(おとな)たちは、(みな)さんを(たす)けなければなりません。

(みな)さんは、一人(ひとり)市民(しみん)であり、家族(かぞく)一員(いちいん)であり、そして地域(ちいき)社会(しゃかい)一員(いちいん)でもあります。(みな)さんは(ちから)発揮(はっき)して、おおいに(やく)()つことができるのです。

権利(けんり)のために()()がりましょう。そうすれば、ほかの(ひと)たちが(みな)さんの味方(みかた)になってくれます。どの()どもも学校(がっこう)()くことができ、(あそ)ぶことができ、(なに)にでも参加(さんか)することができます。権利(けんり)(はなし)は、できないことについての(はなし)ではなく、できることについての(はなし)なのです! 

ビクター・サンチャゴ・ピネダ

(みな)さんができること

障害(しょうがい)がある()どもが、すべての()どもが(のぞ)むように、学校(がっこう)()ったり、(あそ)んだり、活動(かつどう)参加(さんか)したりできるようにするために、人々(ひとびと)態度(たいど)やルールを()えることは大切(たいせつ)です。(みな)さんの学校(がっこう)には、障害(しょうがい)がある()どもがいるクラスはありますか? また、どの活動(かつどう)にも、障害(しょうがい)がある()どもが参加(さんか)していますか? (みな)さんの先生(せんせい)は、特別(とくべつ)支援(しえん)必要(ひつよう)()どもたちの要求(ようきゅう)()いたり、それに対応(たいおう)したりしていますか? スロープはありますか? 手話(しゅわ)通訳(つうやく)やそのほかの支援(しえん)技術(ぎじゅつ)はどうですか? よろしい! それならば、(みな)さんの学校(がっこう)は、障害(しょうがい)がある()どもたちに(まな)機会(きかい)平等(びょうどう)(あた)えることによって、この()どもたちを公平(こうへい)(あつか)っていると()えます。(みな)さんの学校(がっこう)は、この条約(じょうやく)(まも)っていると。

残念(ざんねん)ながら、(おお)くの(ひと)たちは、障害(しょうがい)がある()どもたちを公平(こうへい)(あつか)ってはいません。(みな)さんには、地域(ちいき)社会(しゃかい)をもっとインクルーシブな(ところ)()えていく役割(やくわり)があります。まずは、(みな)さんのご両親(りょうしん)先生方(せんせいがた)(かんが)(かた)()えるために、自分(じぶん)(いえ)学校(がっこう)から(はじ)めてみてはいかがでしょうか?

障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)障害(しょうがい)がある若者(わかもの)たちの可能性(かのうせい)について、ほかの(ひと)たちに(おし)えるために、(みな)さんができることはたくさんあります。たとえば、

  • 団体(だんたい)やキャンペーンに参加(さんか)しましょう。(かず)(おお)ければ(ちから)発揮(はっき)します。ほかの(ひと)(ちから)()わせて、全国的(ぜんこくてき)組織(そしき)国際的(こくさいてき)組織(そしき)地域(ちいき)支部(しぶ)支援(しえん)したり、これに参加(さんか)したりすることができます。このような組織(そしき)では、若者向(わかものむ)けの具体的(ぐたいてき)なプログラムやキャンペーンを企画(きかく)しているかもしれません。
  • 自分(じぶん)でプロジェクトを企画(きかく)しましょう。意識(いしき)向上(こうじょう)のキャンペーンから(はじ)め、資金(しきん)(あつ)めのためのイベントを実施(じっし)し、調査(ちょうさ)(おこな)います。((みな)さんが()っている(ひと)で、(だれ)不公平(ふこうへい)(あつか)いを()けてきた人はいますか? (みな)さんの学校(がっこう)にはスロープがなく、階段(かいだん)があるだけでしょうか?)(みな)さんがぶつかった(かべ)(バリア)を()(のぞ)くために、請願書(せいがんしょ)()きましょう。
  • 障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)(ひろ)めるために、クラブを組織(そしき)しましょう。さまざまな障害(しょうがい)がある()どもたちを(あつ)め、友人(ゆうじん)全員(ぜんいん)と、(あたら)しい(ひと)たちを(まね)いて参加(さんか)してもらい、交流会(こうりゅうかい)(ひら)くのです。映画会(えいがかい)(ひら)いたり、夕食(ゆうしょく)一緒(いっしょ)(つく)ったりするのもよいでしょう。(たの)しく()ごして、お(たが)いのユニークな才能(さいのう)能力(のうりょく)とを(みと)めあうだけでよいのです。
  • (みな)さんの学校(がっこう)周辺(しゅうへん)学校(がっこう)で、障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)についての発表会(はっぴょうかい)(ひら)きましょう。創造力(そうぞうりょく)発揮(はっき)し、ポスターを(つく)ったり、条約(じょうやく)()かれている権利(けんり)について(みな)さんの学校(がっこう)(とも)だちが理解(りかい)できるように、(げき)上演(じょうえん)したりします。(おや)先生(せんせい)に、発表会(はっぴょうかい)運営(うんえい)手伝(てつだ)ってほしいと(たの)みましょう。そして、いつ、どこでできるかを計画(けいかく)しましょう。(みな)さんの学校(がっこう)校長(こうちょう)先生(せんせい)を、発表会(はっぴょうかい)招待(しょうたい)しましょう。
  • (とも)だちと、障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)についての芸術(げいじゅつ)作品(さくひん)(つく)りましょう。イラストや、()彫刻(ちょうこく)などが考えられますが、(みな)さんがこの情報(じょうほう)(つた)えるために(つく)りたいと(かんが)えるものなら(なん)でもよいのです。その作品(さくひん)を、(みな)さんの学校(がっこう)地域(ちいき)図書館(としょかん)、ギャラリー、レストランなど、人々(ひとびと)(みな)さんの作品(さくひん)(たの)しむことができる場所(ばしょ)ならどこでもよいのですが、展示(てんじ)できないでしょうか? しばらくしたら、ほかの場所(ばしょ)展示物(てんじぶつ)(うつ)すこともできます。そうすれば、(おお)くの人々(ひとびと)条約(じょうやく)のことを()らせられるでしょう。
  • (みな)さんが(まな)んだ経験(けいけん)(おそ)わったことを、ほかの(ひと)にも(つた)えましょう。ユニセフのVoices of Youth(青年(せいねん)(こえ))(www.unicef.org/voy)は、人気(にんき)(たか)い、若者(わかもの)()けのオンラインディスカッションフォーラムです。

ここで紹介(しょうかい)したのは、(みな)さんができることのほんの一部(いちぶ)です。(みな)さんができることに(かぎ)りはありません。信頼(しんらい)できる大人(おとな)に、(みな)さんの活動(かつどう)手伝(てつだ)ってくれるよう、(たの)みましょう、そして、(たの)しんでやってみましょう!

『障害がある子どもたちのロックバンド』

障害(しょうがい)がある()どもたちのロックバンド』 イタリア バレリア・ダボラ 13(さい)

関連(かんれん)指導(しどう)教材(きょうざい)として、本書(ほんしょ)手引書(てびきしょ)『わたしたちのできるのこと:障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)について(まな)び、行動(こうどう)をおこすためのアクティビティ』(近日(きんじつ)刊行(かんこう)予定(よてい))も参考(さんこう)にしてください。

クイズ

(1)()いているところに言葉(ことば)()れましょう。

a.障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)原則(げんそく)(ひとつ)は、社会(しゃかい)への完全(かんぜん)参加(さんか)と(      )です。

b.障害(しょうがい)がある()どもが確実(かくじつ)学校(がっこう)()けて、(あそ)べるようにし、また()どもたちみんながやりたいと(おも)うことに、障害(しょうがい)がある()どもも参加(さんか)できるようにするには、(いま)あるたくさんの()まりや、人々(ひとびと)態度(たいど)、そして建物(たてもの)さえも、(       )いかなければなりません。

c.すべての(ひと)は(       )な権利(けんり)(ほかの(ひと)(おな)権利(けんり))を()っています。

d.障害者(しょうがいしゃ)を(       )する法律(ほうりつ)は、あってはなりません。

e.(       )にはさまざまな(かたち)があり、()いたり、(はな)したり、サインで(あらわ)したりすることができます。

(2)ばらばらになっている言葉(ことば)(なら)べかえて、(ぶん)(つく)りましょう。

(たはわしちた)(んなみ)(がてちっいて)(ろいなろい)(らちをか)(るてもっい。)

(してそ)(んみな)(じおな)(りけをん)(もいてっる。)

(     )(   )(     )(     )(    )(     )

(   )(    )(   )(    )(     )

(3)この()どもたちに共通(きょうつう)していることはなんでしょうか?

障害のある子もない子も共通していることは?のイラスト

イラスト:リサ・ラボア

(こた)

(1)a.インクルージョン b.()えて c.平等(びょうどう) d.差別(さべつ) e.言語(げんご)

(2)わたしたちは みんな ちがっていて いろいろな ちからを もっている。 そして みんな おなじ けんりを もっている。

(3)みんな(おな)権利(けんり)()っていること。

(むずか)しい言葉(ことば)説明(せつめい)

委員会(いいんかい)より(おお)きなグループを(たす)ける活動(かつどう)一緒(いっしょ)にするために(えら)ばれた人々(ひとびと)のグループ。

(きん)ジストロフィー:しだいに筋肉(きんにく)(よわ)くなっていく病気(びょうき)

国際(こくさい)連合(れんごう)事実上(じじつじょう)世界(せかい)のすべての(くに)参加(さんか)している組織(そしき)政府(せいふ)はニューヨークの国際(こくさい)連合(れんごう)本部(ほんぶ)会合(かいごう)(ひら)き、平和(へいわ)とよりよい世界(せかい)のために、協力(きょうりょく)して活動(かつどう)しています。

コミュニケーション:情報(じょうほう)(つた)()うこと。また、マルチメディアや拡大(かくだい)文字(もじ)点字(てんじ)手話(しゅわ)使(つか)ったり、(だれ)かに朗読(ろうどく)してもらったりすることによって、()んだり、(はな)したり、情報(じょうほう)理解(りかい)したりする方法(ほうほう)のこと。

コミュニティ:(おな)地域(ちいき)()人々(ひとびと)のグループ。また、(おな)じことに興味(きょうみ)がある、あるいは(おな)(なや)みを()っている人々(ひとびと)

固有(こゆう)尊厳(そんげん)すべての(ひと)()まれつき()っている(とうと)さ。

採択(さいたく)(たとえば、条約(じょうやく)宣言(せんげん)などを)正式(せいしき)(みと)めること、または()()れること。

差別(さべつ)人種(じんしゅ)宗教(しゅうきょう)性別(せいべつ)、または障害(しょうがい)など、(なん)らかの理由(りゆう)により、ある(ひと)やあるグループを不公平(ふこうへい)(あつか)うこと。

支援(しえん)技術(ぎじゅつ)それがなければできないことをできるようにする道具(どうぐ)。たとえば、移動(いどう)(たす)ける(くるま)いすや、コンピュータ画面上(がめんじょう)文字(もじ)()やすくする拡大(かくだい)文字(もじ)など。

実施(じっし)(なに)かを具体的(ぐたいてき)実行(じっこう)すること。条約(じょうやく)条文(じょうぶん)実施(じっし)する、ということは、その約束事(やくそくごと)実現(じつげん)するという意味(いみ)です。

条文(じょうぶん)法的(ほうてき)文書(ぶんしょ)(なか)(ひと)つの段落、または(ひと)つのまとまりで、番号(ばんごう)()けられています。この番号(ばんごう)のおかげで、情報(じょうほう)()つけやすく、また条文(じょうぶん)について()いたり(はな)したりしやすくなっています。

条約(じょうやく)いくつかの(くに)が、(おな)法律(ほうりつ)(つく)り、それに(したが)うことを()めた約束(やくそく)

()どもの権利(けんり)条約(じょうやく)は、すべての()どもが社会(しゃかい)一員(いちいん)として、その権利(けんり)確実(かくじつ)自分(じぶん)のものにできるようにし、また()どもとして必要(ひつよう)特別(とくべつ)なケアや保護(ほご)()けられるようにすることを約束(やくそく)したものです。これは歴史上(れきしじょう)(もっと)(ひろ)()()れられている人権(じんけん)条約(じょうやく)です。

障害者(しょうがいしゃ)権利(けんり)条約(じょうやく)は、()どもを(ふく)むすべての障害者(しょうがいしゃ)が、その権利(けんり)確実(かくじつ)自分(じぶん)のものにできるようにすることを約束(やくそく)したものです。

世界(せかい)人権(じんけん)宣言(せんげん)1948(ねん)12(がつ)10日(とおか)に、国際(こくさい)連合(れんごう)のすべての加盟国(かめいこく)によって署名(しょめい)されました。世界(せかい)人権(じんけん)宣言(せんげん)には、すべての(ひと)権利(けんり)(しる)されています。

尊厳(そんげん)(みな)さんが人間(にんげん)として()まれつき()っている価値(かち)(とうと)さ。(みな)さん自身(じしん)自尊心(じそんしん)尊厳(そんげん)をもって(あつか)われる、ということは、ほかの(ひと)から敬意(けいい)をもって(あつか)われることを意味(いみ)します。

締約国(ていやくこく)条約(じょうやく)署名(しょめい)し、同意(どうい)した(くに)

批准(ひじゅん)署名(しょめい)された条約(じょうやく)協定(きょうてい)が、正式(せいしき)にある(くに)(みと)められ、その(くに)法律(ほうりつ)となること。

法的(ほうてき)法律(ほうりつ)関係(かんけい)した、法律(ほうりつ)(もと)づいた、または法律(ほうりつ)義務(ぎむ)とされていること。

ユニセフ:国際(こくさい)連合(れんごう)児童(じどう)基金(ききん)国際(こくさい)連合(れんごう)機関(きかん)(ひと)つで、()どもとすべての(ひと)にとって、世界(せかい)をよりよい、より安全(あんぜん)な、そしてより友好的(ゆうこうてき)(ところ)にすることをめざして、()どもの権利(けんり)生存(せいぞん)発達(はったつ)保護(ほご)のために活動(かつどう)しています。

奥付 ( おくづけ )

For every child
Health, Education, Equality, Protection
ADVANCE HUMANITY

さらに(くわ)しい情報(じょうほう)は、下記(かき)まで:
ユニセフ
プログラム・ディビジョン
児童(じどう)保護(ほご)セクション

United Nations Children's Fund
3 United Nations Plaza
New York, NY 10017, USA
pubdoc@unicef.org
www.unicef.org

ISBN:978-92-806-4301-5

(c)United Nations Children's Fund (UNICEF)
2008(ねん)4(がつ)


注:ユニセフ発行の『It's about Ability』を元に制作
http://www.unicef.org/publications/index_43893.html