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潘事務総長、障害者権利条約発効を歓迎

国連ニュース
2008年4月3日

 2008年4月3日-潘基文(バン・ギムン)国連事務総長は、障害者の人権に関する世界初の国際条約の発効を歓迎した。同条約の発効には20カ国による批准が必要とされるが、この日、20番目の国がこの画期的な条約を批准したのである。

「これは、すべての人のための完全にインクルーシブな社会の創造に向けて、すべての人の普遍的な人権の実現を追求している私たちにとって、歴史的瞬間です。」潘事務総長のスポークスパーソンであるマリー・オカベ氏は、2006年12月に採択された障害者権利条約をめぐる急速な進展を祝福する声明の中で語った。

「この条約は、障害者が直面する問題を撲滅する強力な手段となるでしょう。」オカベ氏は、差別や社会からの隔離、経済的疎外、そして社会的、政治的および経済的な意思決定プロセスに参加する機会の欠如を指摘しつつ、述べた。

この日エクアドルが批准したことにより、同条約は、個人および集団が法的な救済手段を求めることができると規定している選択議定書とともに、5月3日付で法的効力を持つことになった。チュニジアおよびヨルダンも、今週初めに同条約を批准した。

この日の声明を通じて事務総長は、同条約を批准した国々、あるいは同条約に加入した国々に対しても、祝福の意を示した。2007年3月30日以来、約126カ国が同条約に署名し、71カ国が選択議定書に署名した。

「世界には少なくとも6億5千万人の障害者がいると推定され、そのうちのおよそ80%が発展途上国で暮らしています。」オカベ氏は指摘した。

国連障害フォーカルポイントの伊東亜紀子氏によれば、障害者は世界人口の10分の1を占めているにもかかわらず、国連加盟国の3分の2にあたる多くの国々で、障害者に対する法的保護が全く存在していないとのことである。

「この条約と選択議定書は、障害者の人権を侵害する非常に悪質な虐待および非人間的な慣習を是正するという、国際社会による確約に深く根差しています。」と、オカベ氏は締めくくり、同条約にまだ加入していない、あるいは同条約をまだ批准していないすべての国々に、即刻これを行うことを求めた。

先週末発表された声明の中で、20を超える国連各局、各機関、各プログラムおよび各基金が、同条約の実施を支持することを約束した。

新たに組織された、障害者権利条約関係機関支援グループ(IASG)は、おもに6つの分野に焦点を絞って支援すると述べた。その6つの分野とは、条約の目的および目標を支援する政策、国際協力などのプログラム、国連加盟国と市民社会および国連システムの能力開発、障害に関する研究および障害情報へのアクセス、アクセシビリティ、そして障害者権利委員会である。

障害を持つ子供たち
(C)UN


この記事は、国連ニュースセンターに掲載されていた
"Secretary-General Ban hails entry into force of treaty on disability rights" http://www.un.org/apps/news/story.asp?NewsID=26199&Cr=disab&Cr1=conventionを翻訳したものです。