[米国]人材派遣会社が障害者差別で40,000ドルの和解金

リハ協ブログ2013年4月4日より転載

2013年4月1日の米国雇用機会均等委員会(U.S. Equal Employment Opportunity Commission:EEOC)の発表では、サンアントニオを拠点にしている人材派遣会社ディペンダブル・ヘルス・サービス(Dependable Health Services, Inc.)は、差別を受けた障害のある元従業員に対して和解金として、40,000ドルを支払うことで合意したとのことです。 

脳卒中のような症状で入院した同社の従業員が退院し職場復帰したとき、医師は2週間の労働時間の緩和で回復するという診断をしましたが、顔面に麻痺があったために、脳卒中であると判断して会社はその従業員を解雇しました。実際は、脳卒中の症状ではなく、会社のこの行為は、有資格の障害者を障害を理由に解雇したり退職を迫ったりすることを禁止した障害者差別禁止法(ADA)に違反することから、EEOCは、和解の手続きを進めました。しかし、合意に達せず、テキサス西地区裁判所に訴えたものです。

結局、裁判において調停が成立し、同社は、ADAを遵守する文書を社内に配布すること、ADAに違反する差別をしないという同社の方針を再確認すること、40,000ドルを元従業員に支払うことを約束しました。

この裁判で注目されているのは、障害の有無についての判断です。障害のために本来の仕事をする能力を失えば有資格とは言えないので解雇も可能ですが、このケースでは、顔面麻痺があることをもって脳卒中のために本来の仕事をする能力がないと誤った判断をした点が問題視されました。

詳しい内容は、http://www.eeoc.gov/eeoc/newsroom/release/4-1-13.cfmをご覧ください。

menu