「WHO世界の障害者に関するレポート」に対するIDAの意見書

リハ協ブログ2013年4月13日より転載

2013年1月29日ジュネーブで開催された国際障害同盟(International Disability Alliance:IDA)理事会で、2011年に世界保健機関(WHO)と世界銀行(World Bank)が共同で作成した「世界の障害者に関するレポート(World Report on Disability)」に対するIDAの意見書を採択しました。

同意見書は、WHOレポート全体および各章に対していろいろな意見を述べています。たとえば、次のような主張がされています。

  • WHOレポートは、医学/リハビリテーションモデルという古いタイプのモデルに基づいているが、社会モデルに基づく障害者権利条約が成立した以上、それに従うべきである。
  • エビダンスに基づいたレポートであることから財政的に施設生活と地域生活を比較検討すべきであるということが述べられているが、障害者権利条約では理念として地域生活を主張しているのでありそれに矛盾する。
  • 障害の定義としてICFを用いているが、ICFは生物心理社会モデルに基づいており、社会モデルに基づく障害者権利条約と合っていない。
  • リハビリテーションの定義は健康関連リハビリテーションを超えた新しいCBRガイドラインに基づいているとしているにもかかわらず、内容には健康関連リハビリテーションが記述されている。 (寺島)

WHOの「世界の障害者に関するレポート」は、https://apps.who.int/iris/handle/10665/70670 をご覧ください。

CBRガイドラインは、https://www.who.int/publications/i/item/9789241548052をご覧ください。 

menu