[福祉機器]特定の話者の声を増幅する補聴器

リハ協ブログ2019年5月27日より転載

Science Advances紙2019年5月15日版によれば、米国ニューヨーク州コロンビア大学電気工学科のコング・ハン(Cong Han)氏らは、脳波を使い特定の話者の話を増幅する補聴器を試作したとのことです。

ヒトの聴覚は、カクテルパーティー効果という雑踏の中でも、自分に関心のある音を強調して聞き取る能力をもっていますが、補聴器にもそれをさせようとする試みです。

近年の補聴器は、デジタル化により、ノイズを除去したり、聞きやすい周波数の音を強調したりすることができるようになっていますが、特定の話者の声を強調することはできません。

そこで、外部の複数の話者の声を補聴器が識別するとともに、聴者の脳波と比較して、聴者が聞きたいと思っている話者を特定し、その人の話だけを拡声する機能をもたせた補聴器を試作したとのことです。

3人の被験者に電極を埋め込み実験をしたところ良好な結果が得られたとのことです。

ただし、この方法では、侵襲的な方法を用いているため、実用化までには、かなりの時間があるとのことです。

くわしくは、下のサイトをご覧ください。(寺島)
https://advances.sciencemag.org/content/5/5/eaav6134

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