令和3(2021)年7月14日、厚生労働省は、「難病・小慢対策の見直しに関する意見書」を公表しました。
同意見書は、「厚生科学審議会疾病対策部会難病対策委員会」および「社会保障審議会児童部会小児慢性特定疾患児への支援の在り方に関する専門委員会」の合同委員会がとりまとめたものです。
難病対策については、平成26年に大きな改革が行われ、それまで予算措置により実施されてきた難病対策が、同年に成立した難病法及び児童福祉法改正法により、法律的な根拠を与えられました。これらの法律では、その附則において、施行後5年以内を目途として見直すこととされており、本合同委員会に「難病・小児慢性特定疾病研究・医療ワーキンググループ」及び「難病・小児慢性特定疾病地域共生ワーキンググループ」を設置し検討を加えてきました。令和元年 12月と令和2年1月には、それぞれのワーキンググループの報告書が取りまとめらました。
これらの報告書も踏まえ、令和2年1月から本合同委員会で更なる議論を重ね、これまでの審議を整理し今回の意見書として取りまとめられました。
意見書のポイントは次の通りです。
◎基本的な考え方 難病法の基本理念にのっとり、難病の克服を目指し、地域社会で尊厳を持って他の人々と共生することを妨げられないことを旨として、総合的な施策を講じる。 ◎研究・医療の推進(良質かつ適切な医療の充実) ○円滑に医療費助成が受けられる仕組みの導入 助成開始の時期を申請時点から重症化時点に前倒しする。 ○データベースの充実と利活用 ○ 医療費助成の申請をしない患者の登録の仕組みの導入 ◎地域共生の推進(療養生活支援の強化) ○ 地域における支援体制の強化 ・ 難病相談支援センターの連携先として、福祉や就労支援機関を法令に明記 ・ 慢性疾病児童等地域支援協議会を法令上に位置付けるとともに、難病対策地域協議会との連携についても法令上明確にする。 ○小児慢性特定疾病児童等自立支援事業の強化 ・ 現状把握→課題分析→任意事業の企画・実施という流れを作るため、地域の実態把握を自治体の必須事業とする。 ・ 任意事業の実施率向上を図るため、任意事業の努力義務化を積極的に検討する。 ○「登録者証」(仮称)の発行 ・ データを登録した患者に、「登録者証」(仮称)を発行する。 ・ 「登録者証」(仮称)には、地域で利用できるサービスの情報を記載するほか、医師の診断書に代わるものとして取り扱うことができるよう、関係者に働きかける。 |
詳しくは次のサイトをご覧ください。(寺島) https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_19838.html