リハ協 アップデート

「新ノーマライゼーション」2021年5月号

当協会が実施しているダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業についてご説明します。公益財団法人ダスキン愛の輪基金から委託を受け、1999年に開始された本事業では、約10か月間に及ぶ日本国内の研修の中で各研修生の興味・関心に合わせた個別研修を実施することが特徴の1つです。これまでに139名の卒業生を輩出し、その多くは障害分野の若きリーダーとして、各国/地域で活躍しています。

第21期生4名は、2019年9月に来日し、語学研修を終えた2020年1月に日本各地の事業所等での個別研修を開始しました。時期を同じくして、日本でも新型コロナウイルス感染者が確認されましたが、それが彼らの研修にこれほど大きな影響を及ぼすことを当時は想像すらできませんでした。

国内の感染者数が一気に拡大した2月以降、研修内容を少しずつ変更し実施しましたが、4月にはとうとう緊急事態宣言が発令されました。研修先の担当者とどのように研修を実施するかについて連絡を取り合いました。研修先も未曽有の事態を迎えていたわけですが、研修生の心のケアをしつつ、工夫を凝らした研修を継続してくださいました。コロナ禍においても、研修生が学び続けられたのは研修先の皆さんのおかげです。

6月には研修を修了し、帰国予定だったのですが、それぞれ自国の入国制限があり、年内に帰国できたのは3名だけでした。残る1名の心理的不安が懸念されましたが、日本で出会った人たちの非公式なサポートを支えに乗り越え、今年4月に無事帰国の途につきました。濃厚接触を伴う対面研修だからこそ育むことができた「強くて温かい人間関係」に助けられました。

そして今、第22期生は招聘困難な状態が続いていますが、オンライン語学研修等を提供することで、来日準備を着々と進めています。コロナ禍によって、私たちは対面研修が持つ唯一無二の力を再認識するとともに、オンラインの可能性も見出しました。すでに各国に散っている卒業生の情報を発信していくことも、このような時だからこそ私たちの使命ではないかと感じています。(N)

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