令和2(2020)年8月28日、国土交通省において、第2回「新幹線のバリアフリー対策検討会」が開催され、同検討会のとりまとめが承認されました。
同検討会は、2020年東京オリンピック・パラリンピックを契機に、新幹線のバリアフリー対策を抜本的に見直し、世界最高水準のバリアフリー環境を有する高速鉄道を実現するための検討を行うことを目的として、令和元年 12 月 23 日に設置されました。検討会のメンバーは、障害者団体、新幹線を運行する鉄道事業者、国土交通省で構成されています。
その下に設けたワーキング・グループでは、海外の高速鉄道の事例も踏まえながら、ソフト・ハード両面から検討を進め、令和 2 年 3 月 3 日、車椅子用フリースペースの導入や車椅子対応座席のウェブによる申し込みなど販売面の改善方策についてとりまとめた「新幹線の新たなバリアフリー対策について(中間とりまとめ)」を公表しました。
この中間とりまとめにもとづき、令和 2 年 3 月 14 日には、普通車指定席の車椅子対応座席を一般席として販売せず、当日でも購入できるようにしたこと、令和 2 年 4 月 20 日には、車椅子対応座席を利用する際の案内方法について、2 日前までの申し込みを求めない形に変更したこと、令和 2 年 5 月 11 日には、車椅子対応座席のウェブ申し込みを可能としたことなどの改善が行われてきました。
今回の取りまとめでは、次の内容が示されています。
1.速やかに実施する対策
(1)「車椅子用フリースペース」の導入
座席数に応じて1編成に3~6席(多目的室を除く)の車椅子が利用可能
移乗の有無や介助が必要な方、ストレッチャー式車椅子使用者など、様々な障害の状態に対応可能なレイアウト
ウェブ上で予約・購入が完結するシステムの導入
(2)現在の車椅子対応座席等の予約・販売方法の改善
窓口における発券手続きの見直しによる待ち時間の短縮等
ウェブ申し込みの改善(申込期限の短縮等)
2.新たな新幹線車両の導入時など中長期的に取り組む事項
今回整備する車椅子用フリースペースの利用状況等を踏まえつつ、座席種別ごと(グリーン車や普通車自由席等)への車椅子用フリースペース拡充を検討
授乳室の整備など車椅子使用者にとって利便性の高い多目的室の利用環境や介助者と共に使用できる車椅子対応トイレなど車内設備の仕様等について検討
3.早期実現に向けた取り組み
世界各地から多くの方々が訪れる東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、車椅子用フリースペースの導入を始めとする世界最高水準のバリアフリー環境を有する高速鉄道の実現に向けて関係者が一丸となって取り組む
詳しくは次のサイトをご覧ください。(寺島)
https://www.mlit.go.jp/tetudo/tetudo_tk7_000018.html