第5回アジア太平洋CBID会議

概要

日時:2023年3月15日-17日
会場:プノンペン(カンボジア)
主催:CBID  APネットワーク
共催:カンボジア組織委員会(政府機関が中心)

テーマ:
パンデミックおよびその後における、障害者のための社会的・経済的エンパワーメントの強化

サブ・テーマ:
1. パートナーシップの強化
2. 障害者の充足した暮らし(Well-being)と社会的保護の促進
3. インクルーシブ・エコノミーの促進
4. パンデミックおよびその後における、CBID関連の優れた事例及び革新的な取り組み

※プログラムは全体会及び分科会のほか、サイドイベントやポスターセッションも行われました。

第5回アジア太平洋CBID会議 最終報告書

序文

上野悦子(日本障害者リハビリテーション協会 元参与)

2023年3月15日から17日までプノンペンで本会議が対面及び一部オンラインで開かれました。主催はアジア太平洋CBIDネットワーク、そして現地開催団体はMinistry of Social Affairs, Veterans and Youth Rehabilitation of Cambodia (MoSVY) を中心とするカンボジア政府およびDisability Action Council(障害問題に関する国内調整機関)を含めて国内組織委員会が構成され、CBIDアジア太平洋ネットワークの主要メンバーから成る国際委員会とともにオンラインで準備の話し合いが行なわれました。また、Access Cambodiaというオーストラリアの支援を受けた国際団体が開催に関する技術的サポートを行いました。会議参加者は国内開催委員会発表で22の国と地域から350人とのこと。

第5回CBIDアジア太平洋会議のテーマは、「CBIDを通じた、新型コロナ感染症拡大の現在および収束後における障害のある人の社会的経済的エンパワメントの強化」。

サブテーマは、次の通り。

1.障害のある人の経済的インクルージョンの促進
2.障害のある人の社会的ウェルビーングおよび社会保護の促進
3.障害のある人の経済的インクルージョンの促進
4.新型コロナの今と今後における証拠と変革を示す好事例紹介。

テーマ及びサブテーマに沿って全体会および分科会のプログラムが企画されました。分科会の発表者は公募により、約88本が採用され、ポスター発表もありました。日本からは全体会・分科会・ポスターセッションで発表がありました。

会議のプログラムは全体会4,分科会5で構成され、開会式と閉会式にはフン・セン首相が挨拶を行いました。閉会式でも首相が登壇されることは急遽決まったようで、予定されていたプログラムに影響があったようです。閉会式では次回第6回CBIDアジア太平洋ネットワーク会議は2027年にネパールで開催されることが発表されました。

閉会式後にはCBIDアジア太平洋ネットワーク会議が対面およびオンラインで開催され、今後はフラットでゆるやかなネットワークとして活性化を目指すことが現在の会長のGhulam Nabi Nizamani(パキスタン)から提案があり、意見交換がありました。しかし時間が足りず、これまでの加盟団体の参加も少なかったことから合意には至りませんでしたが、オンラインで議論を続けることになりました。

第5回CBIDアジア太平洋会議の様子については、日本から参加した人たちで分担して報告することにしました。報告内容はプログラムの一部にとどまりますが、会議の様子を味わっていただければ幸いです。
執筆された皆様には心から感謝申し上げます。

公式HP(英語):https://cbid5.dac.gov.kh/

過去のCBR/CBID会議からの流れについて
報告:伊藤智典 JANNET研修・研究委員会委員長/公益社団法人日本理学療法士協会 国際事業課課長

各プログラムと発表報告

【第1日目(2023年3月15日)】

開会式

全体会1 基調講演「効果的なCBID実現を目指す、全てのステークホルダー間のコラボレーションとパートナーシップの強化」
報告:特定非営利活動法人 難民を助ける会[AAR Japan]  野際 紗綾子

分科会1−1 インクルーシブ・エコノミーの促進

分科会1-2 社会的・経済的インクルージョンの手段としての障害インクルーシブな社会保護政策 

分科会1-3 コミュニティ主導の社会参加イニシアチブについて

分科会2-1 インクルーシブ・エコノミーの促進
報告:特定非営利活動法人 難民を助ける会[AAR Japan]  峯島 昂佑

分科会2-2 コミュニティ主導の社会参加イニシアチブについて
報告:伊藤智典 JANNET研修・研究委員会委員長/公益社団法人日本理学療法士協会 国際事業課課長 

分科会2-3 援助の効果とパートナーシップ
報告:稲葉久之(フリーランス教育ファシリテーター、「地域共生社会実現のための研修」アドバイザー)

分科会2-4 災害とその衝撃に対して有効な“地域に根差した”応答の構築について
報告:松崎良美(東洋大学社会学部・社会学科 助教)

サイドイベント:プノンペンの公共交通システムにおけるアクセシビリティと障害者インクルージョンに関する調査結果及び今後に向けた政策提言について

【第2日目(2023年3月16日)】

全体会2 インクルーシブエコノミーの促進
報告:特定非営利活動法人 難民を助ける会[AAR Japan]  野際 紗綾子

分科会 2 障害者の充足した暮らし(Well-being)と社会的保護の促進

分科会 3−2 コミュニティ主導の社会参加イニシアチブについて
報告:松崎良美(東洋大学社会学部・社会学科 助教)

分科会 3−3 個人、家族、地域社会における支援的な環境
報告:特定非営利活動法人 難民を助ける会[AAR Japan] 横尾 和磨

分科会 4−1 コミュニティ主導の社会参加イニシアチブについて
報告:特定非営利活動法人 難民を助ける会[AAR Japan] 野際 紗綾子、横尾 和磨

分科会 4−2 インクルーシブ・エコノミーの促進

分科会 4−3 個人、家族、地域社会における支援的な環境

分科会 4−4 社会の主流から取り残されたグループ(Marginalized groups)について
報告:特定非営利活動法人 難民を助ける会[AAR Japan] 山本 啓太

サイドイベント 2 

関係者間の対話におけるエビデンス・ベースの充実と当事者支援機会の強化を目指す〜カンボジアにおけるインクルーシブな社会保護政策

【第3日目(2023年3月17日)】

全体会4 コロナ禍およびコロナ・パンデミック後の好事例・証拠・イノベーション

分科会 5−1 社会の主流から取り残されたグループ(Marginalized groups)について

分科会 5−2 個人、家族、地域社会における支援的環境
報告:稲葉久之(フリーランス教育ファシリテーター、「地域共生社会実現のための研修」アドバイザー)

ポスター・セッション
報告:特定非営利活動法人 難民を助ける会[AAR Japan] 野際紗綾子、横尾和磨

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