分科会2−1インクルーシブ・エコノミーの促進 2023年3月15日

報告:特定非営利活動法人 難民を助ける会[AAR Japan]  峯島 昂佑

参加人数:約100名

このセッションでは障がい者のインクルーシブな経済機会をテーマに発表が行われた。PAFIDのDavid Curtisによるカンボジアでの農業インクルーシブ事業の発表では、農具の不足、農場へのアクセスの困難さ、農業協同組合などの連携欠如、技術的側面の欠如、資金の不足、そして差別や偏見のため、活動機会が減少していると問題提起した。これらの課題に対して、PAFIDは自助グループ設立や農具作成研修などを通して、それぞれの障がい者が自身で活動ができるよう活動を実施し、多くの障がい者に生計機会を提供したと報告があった。

続いて、Light for the WorldのNusrat Ireenによるバングラデシュでの障がい者へのファシリテーター支援の発表があった。技術開発研修や啓発研修を通して、障がい者自身が地域社会の模範となり、他の障がい者を補助できるような体制整備を進めていると報告があった。

最後に、AAR Japanの峯島より、ラオスにおける障がいインクルーシブの生計支援活動についての発表資料PDFがあった。3つの生計支援活動を通して、障がい者の収入源を確保すると同時に、障がい啓発研修やバリアフリー整備を実施することで、より地域で包括的に障がい者を支援できるように環境を整えたと報告があった。

時間が限られたため、有効な質問やディスカッションの時間が設けられなかったが、発表者間で事業内容の確認など意見交換が行われた。

各発表団体は、それぞれアジア3カ国においてインクルーシブな経済機会の確保を目指し活動を行っているが、根本的な支援達成目標は共通していると感じた。キャパシティビルディングや技術研修を通じて、支援対象者が自立して生計活動や啓発活動を実施できるよう支援することが、地域社会の発展とインクルーシブな社会形成に大きく貢献すると改めて学んだ。

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