報告:伊藤智典 JANNET研修・研究委員会委員長/公益社団法人日本理学療法士協会 国際事業課課長
参加者:約40名
日本理学療法士協会はカンボジア理学療法士協会と協働し、両国を比較した内容を発表した。Parallelセッション(分科会)は以下のような、CBID会議の5つのキートピックスに分けて開催された。このうち日本理学療法士協会の発表はキートピックス「3. コミュニティベースな取り組みを通じた社会参加」に振り分けられた他の発表者らとともに行われた。
キートピックス:
1. Inclusive economic opportunities for person with disabilities
2. Disability Inclusive Social protection as a mean to social and economic inclusion
3. Social participation through community-based initiatives
4. Supportive environments at individual, family and community spheres
5. Aid effectiveness and partnership
6. Building an effective community-based response to disasters and shocks
7. Marginalized groups
(日本語仮訳)
1. 障害者のためのインクルーシブな経済的機会
2. 社会的かつ経済的インクルージョンの手段としての障害インクルーシブな社会的保護
3. コミュニティベースな取り組みを通じた社会参加
4. 個人、家族、地域社会における支援的な環境
5. 援助効果とパートナーシップ
6. 災害や衝突に対する効果的なコミュニティベースな対応の構築
7. 疎外されている集団
キートピックス「3. コミュニティベースな取り組みを通じた社会参加」のセッションは、3月15日16時から、会議室Malisrouthで行われた。会場には約40名の参加者が集まっていた。日本理学療法士協会のほか2つが含まれており、合計で以下のように3つの発表が企画されていた。
当初は上記3つの発表が企画されていたが、生涯のための学習の発表者、Farida Yesmin氏が会場に現れなかったため、結果的に2つの発表になることがモデレーターのRanil
Sorongon, NORFIL氏から報告され、発表が開始された。
「自閉症スペクトラム障害 (ASD) を持つ人々とその家族のためのリソースとツールの開発」について、背景から開発に至るプロセスや実践にむけた取り組みなどを紹介された。質疑では、実施方法や展開にむけた工夫などについて意見交換がなされた。
次に、「コミュニティベースの現場における理学療法の役割: 日本とカンボジアの病院、ヘルスセンター、ケアサービス」について、前半は日本理学療法士協会会長の斉藤秀之氏が、日本の地域における理学療法士の活動や、それにともなう社会保障の費用対効果などを紹介した。後半はカンボジア理学療法士協会会長のHoeung Heam氏が、カンボジアの実状について日本と比較し、カンボジアにおける全国的ガイドラインの必要性について言及した。質疑では両国の社会保障制度の違いや、カンボジアでの専門職育成への取組み、地域で専門職が活動するために必要な財政的要件などについて意見交換がなされた。
多くの質問や活発な意見交換ののちモデレーターより、障がいを持つ人を中心として、コミュニティレベルで多様なステークホルダーが活動をしていくこと、またそれらが社会参加につながることが重要であり、CBIDが発展するとのべ、セッションは終了した。
発表中の様子
発表後の集合写真