分科会 4−4 社会の主流から取り残されたグループ(Marginalized groups)について 2023年3月16日

報告:特定非営利活動法人 難民を助ける会[AAR Japan] 山本 啓太

参加者:約50名

概要:

このセッションではカンボジアの取り残される人たちをテーマに2名の発表が行われた。

Divya Goyal氏による「ジェンダーに対応した社会保護」に関する文献レビューの報告。目的は障がいを持つ女性の社会保障へのアクセスを妨げる要因を特定すること。結果、障がいを持つ女性は、独居、離婚、暴力、性的虐待などによって深刻な社会的排除を経験することが多い。また、障がいを持つ女性は障がいを持つ男性に比べて、半分以下の収入しか稼ぐことができていない等のことが分かった。この状況を改善するために、ジェンダーと障がい者を考慮して社会保障制度を設計し、個人、世帯、地域レベルで取り組む必要があると報告した。

Ngoun Chanpheaktra氏による「Cambodian Developmental Milestone Assessment Tool(cDMAT)」の開発についての報告。cDMATはカンボジアの6才児までの子どもの発育発達を評価することができ、農村部の子どもの評価に適している。cDMATの結果に基づき、地域の子どものスクリーニングができるCB-DMATも開発し、実践者の養成も実施したCB-DMATはスマートフォンやタブレットで使用できる。

所感:

カンボジアにおいては女性の方がよく働く印象があったが、障がい者においては女性の収入が男性に比べて半分以下という事実に驚いた。今回のCBID Congressでのカンボジア社会福祉省関係者のスピーチや発表では「貧困家庭の障がい者にお金を配った」といった内容が多い印象であった。今後は障がい者を援助の対象者ではなく、社会の一員としていかに巻き込んでいくかを考えていく段階に差し掛かっているのではないかと感じた。

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