シンポジウムI パラリンピック・レガシー

パネリスト 大日方 邦子 一般社団法人日本パラリンピアンズ協会 会長
秋田 浩平 公益財団法人横浜市スポーツ協会 企画課長(インクルーシブスポーツ推進担当)
松村 洋 横浜ラポールスポーツ課 課長
司会進行 田川 豪太 横浜ラポール

 田川/ご紹介いただきました横浜ラポールの田川と申します。進行は不慣れなので、ご迷惑をおかけしますが、精一杯つとめたいと思います。よろしくお願いします。

 まず、今回のシンポジストのご紹介をしようと思います。3名の方にスピーカーとなっていただいておりまして、正面のモニターにもありますように、パラリンピアンの立場からということで、日本パラリンピアンズ協会会長の大日方さん。インクルーシブスポーツ推進の立場からということで、横浜市スポーツ協会企画課長の秋田さん。

 障害者スポーツを支援する立場からということで、横浜ラポールスポーツ課課長の松村さんの3名がシンポジストであります。

 タイムテーブルですが、私が、約5分ほどのイントロダクションをして、その後、順に大日方さん、秋田さん、松村さんの順に話をしていただく予定です。

 大日方さんには40分~45分ぐらい。あとの秋田さんと松村さんには、25分~30分ぐらいのお話をしていただいて、そのあと、場面転換して討論を30分ぐらいという形で、16時30分終了を予定として進めたいと思います。

 今回、シンポジウムのテーマがパラリンピックのレガシーということだったので、事前にシンポジスト間で、やはり多少調整をしておきましょうということを考えまして、2つのテーマとなる図を用意して、共通の見解を持ちました。

 1つは、パラリンピックのレガシーということで、社会側にあるなにがしかの壁が、今回の東京2020大会の実施によって、穴が少しでもあいて、障害者スポーツ、パラスポーツの普及が進むことが起きたのではないかということをそれぞれの立場から検討してくださいとお話をしました。

 これは、実は今日もフロアにいらっしゃいますが、伊藤利之先生と私、前に、長野パラのときに先生とご一緒して、新幹線で東京から長野までご一緒したときに、缶ビール飲みながら、いろいろ先生の話を伺いました。そのときにはっきり覚えていますが、一般のオリンピックを見に行きなさいと。一般のオリンピックに、なんで障害の人が出られないのか、それを考えなさいということを言われたのをはっきり覚えていて。よく考えてみると、障害は社会の側にある、というような、総合リハビリテーション研究会のみなさんであれば、釈迦に説法の話ですが、なるほどと私は思いました。

 今回のテーマをいただいた時に、そのことがまず頭に浮かんで、シンポジストの皆さんにそういった視点で考えていただきたいとお伝えしたところです。

 もう1つは、シンポジストの皆さんの立ち位置を確認しておこうということで、図を作って皆さんで共有しました。

 その図というのは、パラスポーツ、障害者スポーツの普及を考える上で必要だと考えるものです。たとえば、年齢、若いお子さんからお年寄りまで、それからスポーツのレベル、ビギナーから、エキスパートまでというそれぞれの状況においてそれぞれの分野で支援が必要ではないかというスタンスです。目安としては、競技力の向上、最も上に関しては大日方さん。それから、自立を支援して、スポーツを楽しんで自立を支援するところについてはインクルーシブスポーツ推進の秋田さん、それから、スポーツを開始するような場面において、初めてスポーツをやるとか、障害に応じたスポーツ選択をしなければいけない、というところにおいては、松村さんというような3人の立ち位置を確認しながらやってみましょうという話をしました。

 もちろん、とは言うものの、大日方さんであっても、スポーツの開始局面を、当然経験されているわけですし、インクルーシブ担当であれば、スポーツの開始のところから競技のところまで、幅広く目を向ける部分がありますし、ということで、それぞれのみなさんの立ち位置はありながらも、それぞれにグラデーションになっているというか、そういうことで話を進めてほしい、というご案内をさせていただきました。そういう中でみなさんの話を聞いて、有意義な討論ができればと思っていますので、どうかよろしくお願いいたします。

 それでは最初の演者ですが、パラリンピアンの立場からということで、日本パラリンピアンズ協会の大日方さん、よろしくお願いします。

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