リハ協アップデート

「新ノーマライゼーション」2023年9月号

「ICT支援者研修会」に116名参加

当協会が運営する戸山サンライズでは、新型コロナ感染症の影響により、オンラインによる研修が常態化しています。当協会職員も社会変革が起きていることを実感せざるを得ない状況です。その根底にあるのはICT(Information and Communication Technology)の利便性です。アクセシビリティの使い方など今さら人に聞けない方々に向けて、表題の新規研修会を去る9月9日に実施しました。

日本福祉大学綿教授は、対人援助の場面でICTに置き換えるものとそうでないものを明確にすること、例えば、バイタル、排せつ、眠り、行動、服薬などの感知にはロボット技術を使い、支援者は解放された時間を障害者の出会い、社会参加、教育、仕事など人生をバックアップする側にまわる。その人生もユニバーサルなものを目指すには障害者との「C=コミュニケーション」が重要となると熱く語られました。メタバース(仮想空間)で障害者を就労させそれを制度化させたいと意欲満々(一瞬わが耳を疑う)。

日本支援技術協会田代理事は、スマホの機能のうち、見えない、見えにくい、聞こえない、聞こえにくい、動けない、動きにくい、理解できない、理解しにくいなどの場面に応じたアクセシビリティとアプリを紹介され、使い方も実践されました。障害種別ではなく、その人の困り事からICTの機能を使うことが合理的配慮を行う基礎となると話されました(スマホってすごい)。

当協会西澤参与は、33万人の読み書きが困難な児童生徒にDAISY(Digital Accessible Information System)規格による教科書や副読本が効果を上げていること、使い方の利便性が向上していること、GIGAスクール構想で1人1台端末が実施されたがDAISYの利用はまだ3.5%に過ぎないことなど、ICTによる教育支援の実態を説明され、どのような使い方ができるかデモも行いました(学校で人知れず苦しんでいる子がこんなにたくさんいるとは)。

来年度もこの研修会を続けることに決めました。(K)

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